2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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ラシダ・ジョーンズ氏:ハーバードでは、私が卒業してからもずいぶんといろいろなことが変わりました。当時はハーバードには女性の学長はいませんでした。それに今日は黒人やユダヤ人の女性が卒業式のスピーカーとして選ばれています。それはなかなかに歴史的なことです。
それに、ファイナルクラブ(注:ハーバード男子学生のなかでもエリートが集まる団体)が女性を受け入れるという圧力に直面していることも知っています。それには、かの有名なポーセリアンクラブ(注:ファイナルクラブの1つ)がありますね。
「彼らは40歳までに大金持ちにならなかった卒業生に対して100万ドルをくれる」という噂を聞いていましたが、それが本当だったらすばらしいですよね。ですから、彼らが女性を受け入れるとなれば……100万の79パーセントというといくらになりますかね? 誰か計算できる方いませんかね?
(会場笑)
それはいいとして、本題に戻りましょう。みなさんが本能的にルールに従うのを辞めれば、現実的に自分自身を知ることができるようになるでしょう。
過去4年の間に、あなたのアイデンティティはこの大学によってがんじがらめになっていました。自分の周りの人をどれだけ誇らしい気持ちにさせることができたか見てください。
しかし、あなた自身はどうでしょう。あなたに期待されていることのほかに、あなたが本当はどんな人生を歩んでいきたいか、その道を見つけるためにどれだけの忍耐をする準備ができているか。それともあなたは誰かにその道がどれであるか教えてもらえるのを期待しているかもしれません。
あなた方の仲間としてお話しますが、自分が信じてきた道が完全ではなく、欠陥が見えたときは本当にがっかりするということをお伝えしておきましょう。仕事も雇用先も指導者も自分の理想通りにはいきません。
私は若い頃、誰かが自分に休息させてくれることを期待し、祈って過ごしました。誰か、自分より成功していて、知識が豊富で、私が失敗しないで済むように助けてくれる、そんな人です。しかし、誰もが自分の欠点やエゴと戦っているのです。
しかし誤解しないでください。私は幸運なことに、非常な才能を持つ、謙遜な、働き者の人たちとともに仕事をすることができました。それでも、彼らは私の代わりに答えを出すことはできなかったのです。これが単純な真実です。
あなた自身こそが、自分の望む人生をかたち作ることができるのです。そのためには多少のルールを破ることも求められるかもしれません。しかし私はあなたが社会から排斥され、自分の財産を使い果たし、カウアイ島でカイトサーフィンでもするように励ましているのではありません。
まあ、やりたかったらやったらいいとも思いますけども。なかなか楽しそうじゃないですか。
(会場笑)
私が言いたいのは、あなた自身に合うシステムを作り出すことができるのは、あなた自身しかいないということです。しかも、それは今すぐにでも始めなければならないのです。
2番目の、自分の直感を守るという点についてですが、あなたの直感について私は今から85分間にわたってお話ししたいと思います。
……嘘です。ちょっとだけお話いたします。
(会場笑)
あなたがベストでなければならない、とか、大きな夢を持つべきだとか、金持ちになるべきであるとかいうつもりはありません。
なぜって、まず、今は80年代ではありませんし、私個人はアメリカンドリームやリッチになること、そのことについて公にすることなどについて、ちょっと飽きてきているからです。
私が今日提案したいのは違った種類の責任感です。何年か前に、現存する難民問題に関する世界的ポリシーを憂慮し、フランシスコ法王は「無関心の世界化」というフレーズを使われました。
無関心とは、進行する毒性の精神状態です。情報として申し上げておきますが、世界中には今、6,000万人もの追放された難民がいるのです。つまり、6,000万人もの人たちが自分の家に帰れずにいるということです。
私たちはそのことに対して無関心であってはなりません。悲しいことに、あなた方が受け継いだこの世界は打ちのめされ、分裂し、争いであふれています。
私たち人類は過去の失敗から学ぶことが得意ではありません。しかし、回復できないことはありません。そのためには、世代を超えた、思いやりや同情心や行動が必要です。そこであなた方が必要とされるのです。
情報にあふれたこの世代では、特別な同情心を培うことが非常に難しくなっています。なぜなら情報がたくさんありすぎるからです。
特定のことについて関心を払い続けるのは難しいのです。なぜなら、気が付けばすでにさらに最新のニュースが出てきたり、eメールが来たり、Facebookのお知らせが来て、そちらを気にするように懇願してくるからです。
焦点をすばやく変えることは現代に求められる生存のためのスキルになっています。
インターネットのいいところは、みんなが「イエイ!」と声を上げることができることです。 しかし、インターネットの悪いところは、みんなが「ブー!」と声を上げることができてしまうところでもあるのです。
インターネットには、選挙権のないグループがようやく自分たちの直面してきた不公正について話せる舞台があります。しかし、そこには嫌悪感にあふれる無知な人たちもいるのです。それに悲しいことに、そのような人たちの上げる声は非常に大きいのです。
そのような声を前にすると、自分が本当に気に掛けることに付き従っていくのは難しくなります。しかし、邪魔をされないでください。思いとどまらないでください。がっかりしないでください。気にかけ続けてください。
世界で目にする問題について友人たちと話すだけでは十分ではありません。今こそ声を上げる時です。大きな声を上げる時です。ネット上のどんな人よりも大きな声を上げるべきなのです。
あなたはそういう性格ではないって? それでもそうすべきです。大きな声をあげなさい。今こそそれが必要とされているからです。
大学の教育を受けた教養のある若者として、あなた方は大きな声を上げるという責任があるのです。恐れを広める偏見者や誤った情報の上を行き、どんな騒音よりも声高らかに声を上げるべきなのです。
あなたの声がみんなに聞かれるようにするのは可能です。そのためには、あなたが言う以上のことを行わなければならないのです。
有名人が政治について意見をするのは、あまり好ましく思われません。わかってます。私は女優であって、世界のリーダーではありません。
好ましく思われない理由はこうです。有名人がテレビにたくさん出演するようになるのは、お知らせがたくさんされたからではなく、さらに賢いからでもない。単に彼らは映画でかっこいいヒーローを演じ、すべてを知っていると思っている。
私は馬鹿な有名人なんだから、「ただ演技に集中していればいいんだ」とか、「黙っていろ」とか言われるのです。しかし、私はそんなこと気にしません。そこには戦うに値することがたくさんあるのです。
過去に人々が平等や尊敬を獲得するために戦ってきたこと、そのようなことを保護する法律。それらがなくなるかもしれない危機に直面しているのです。
武装もしていない若い黒人男性が大量に殺されています。州は自動的に女性の子を産む権利をはく奪するような法律を通しています。大統領候補は、支持者たちが暴力的な人種差別者になるように促し、この国内で銃規制地域がなくなるように働きかけているのです。
私たちはInstagramのかわいいコーヒーの写真や有名人の破局話などで気が散らされているかもしれませんが、私たちの自由が今失われようとしているのです。このことは私にとって、かわいらしく微笑むことや、映画のセットでいかに楽しいことがあったか話すことよりももっと重要なのです。
こうすることによって嫌われるリスクがあることも承知しています。政治的なことを話せば批評されるということも承知しています。
実際、私たちみんなが人に好かれたいと思っています。ひどいことを言われるのはつらいことです。なにを言われても平気な人なんて、ドナルド・トランプ以外にはいないでしょう。彼が人間かどうかもわかりませんけど。そのうちわかるでしょう。
(会場笑)
なによりここで言いたいのは、あなたにとって大切なことを守るべきであるということです。自己満足や押しつぶされるような気持ち、または嫌う人たちによって、そのことから気が散らされないようにしてください。非常に大切なことだからです。
一度も会ったことのない親愛なる友人であるDJキャレドは言いました。
(会場笑)
「彼らはあなたに勝利してほしいと思っていないのだ。だからこそあなたは勝たなくてはならないのだ。気にかけることによって」。
彼はあの言葉を言ったとき、そういう意味で言ったのです。あなたに気にかけてほしいと思ったのです。私もあなたに気にかけてほしいと思っています。まあ、大体なにが言いたいかわかるでしょ。
(会場笑)
それから愛を選べ、という点ですが、何年にもわたって私の父は特筆すべきアドバイスを与えてくれました。
実は数時間前に、彼はこんな深みのあるメッセージをくれました。「ハニー、今日のスピーチのなかで、私の特筆すべきアドバイスについてしっかり述べてくれよ」。
(会場笑)
彼はこう言いました。「Fをとるのを恐れていてはAグレードをとることはできない」と。また、彼は謙遜さと礼儀を持つようにと私に言いました。なぜなら私は本当にただの高い権威との仲介者にすぎないからです。
彼は言いました。「毎日を、自分の人生最後の日であるかのように生きるように。そしてある時、あなたもアドバイスの1つも書くようになる。自分が年を取るほどそれは恐ろしいほど意味を持つようになる」
(会場笑)
でも、彼が私にくれたアドバイスで一番なのは、「愛のために生き、恐れるな」というものです。私がこの言葉を初めて聞いた時、親が話す陳腐な言葉だと思いました。
しかし、自分がなにか決断をするたびにその言葉を当てはめるようになると、突然自分にこう尋ねるようになりました。
私の決断はどこから来ているのだろう? みんなをがっかりさせるのを恐れているからだろうか? 失敗を恐れているからだろうか? タスクを果たすのに自分は十分でないと思ったからだろうか? または、未知のことにワクワクしているからだろうか? 自分が想像した限界を乗り越えている様子を想像したからだろうか?
私たちは意識的に愛を選択しなければならないのです。なぜなら、恐ろしいからです。愛を選ぶことはいつも簡単な選択ではないからです。それにより自分の道がはっきりとするわけでもありません。愛を選ぶことはリスクを負うことと密接に関係があります。
私にはみなさんにとってなにが重要なのか理解することはできません。なぜならそれは人それぞれ異なるからです。あなたの愛することは個人的なことだからです。あなたをインスパイアするものです。
ですから私に言えることはこれだけです。もし大きな決断をすることになったら、静かにすること。本当に静かになり、よく聞くこと。電話の電源を切り、コンピューターの電源を切り、自分の本当の心の声を聞くのです。興奮で気持ちが悪くなるような言葉を聞くのです。それはあなたを恐ろしい気持ちにさせるでしょう。
そしてそれを行動に移すのです。
ここまでのことを復習したいと思います。あなた方のなかには二日酔いの人もいるかもしれませんし、居眠りしている人がいるかもしれませんから。
あなたの中年の危機を防ぐための方法はこれです。1つに、システムをあてにしないこと。あてになるのは自分だけです。2つ目に自分の直感を守ること。声を上げながらそうすること。3つ目に、愛を選ぶこと。それがときに恐ろしく思えたとしても。
自分の将来を楽観するべき理由はたくさんあります。あなた方が受け継ぐ世界は暴力が以前より少なく、寿命が延び、教育の機会が増え、自分の愛する人と連絡を取るすべが増え、いいテレビ番組が増え、史上最多のガムのフレーバーの種類があります。
(会場笑)
しかしそれでもやるべきことがたくさんあります。あなたにできることです。しかもそれは可能なのです。
でも、話すだけでは足りません。すべてのことに疑問を持ってください。でもどのように変えるかどうかは自分で見つけてください。行動をしなければなりません。好奇心旺盛であってください。同情心に富んでください。恐れの気持ちを持たないでください。声を高らかにあげ、熱心に世界に関わってください。
2016年の卒業生のみなさん、そして成功しているがゆえに退学をし、今日私たちと共にここにいない人たち。
(会場笑)
私が言いたいのは結局これです。「レバーを下げて、フローズンヨーグルトをゲットしてください。卒業生たちよ」。ありがとうございました。
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