2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
Dangerously Smart Why This Fish Almost Beached Itself(全1記事)
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ステファン・チン氏:ちょっと想像してみてください。あなたは海辺の岩場を歩いています。すると、前腕ほどの大きさの魚が、突如浅瀬に突進してきます。水深はわずか10センチメートルほどであり、このサイズの魚であれば、簡単に乗り上げてしまいます。少しすると魚は深い水に戻り、また同じことを繰り返します。
これは、2018年5月にサウジアラビアの海岸線で、魚類学者たちが実際に目にした光景です。彼らはさっそく調査を開始しました。すると、この魚はただの魚ではなく、貪欲で賢い海のハンター「ゴマモンガラ」であることがわかったのです。学者たちが目撃したのは、この魚が知恵を絞って海岸のカニをさらう様子だったのです。水深の非常に浅い水域に侵入するのは、どんな魚にとっても危険な選択に思われますが、ゴマモンガラは愚かではありません。おいしいエサが、ほんの少し手の届かない場所にいるのを見つけたため、手が届くようになる方法を思いついたのです。
とても賢い魚だな、と思ってしまいますが、実際にモンガラカワハギ科の魚は賢いのです。魚類学者にもその賢さは知られています。
1970年代には、ドイツの生物学者ハンス・フリッカは、3匹のイソモンガラを使って、その問題解決能力を調べました。フリッカ博士は、この3匹をオドニス、フリップ、ベルタと名付けました。まず、博士はオドニスに好物のウニを見せ、次にウニをガラス皿にのせ、不透明なふたをかぶせてみました。オドニスはすぐにこの見慣れない物質の性質を見抜き、問題を解決してエサにありつくことができました。
フリッカ博士はさらに難易度を上げました。今回はウニは、持ち上げたり傾けたりしないと取り出せない網製の容器に入れられました。今回はフリップとベルタが実験されましたが、2匹ともエサにありつくことができました。
しかし、2匹の問題解決の方法はそれぞれ少し異なるものであり、どちらも学習したことを記憶していました。博士が実験セットを別の場所に移して再度実験すると、2匹ともはるかに短い時間でウニを食べることができたのです。フリッカ博士は、この実験を通じて、モンガラの知能が得た知識を新しいシナリオに応用できるほど高いことを示していると考えました。
フリッカ博士は、別の潜水調査で「ソーシャルラーニング」の証拠と見られるものを、別種のモンガラカワハギ科(クマドリ)で見つけました。クマドリは互いから学習し合っているようなのです。フリッカ博士は狭いエリア内で5匹の個体と遭遇しましたが、5匹ともあるユニークな方法でウニを食べていたのです。
他のモンガラカワハギ科の魚がよくやるように水を吹き付けてウニをひっくり返すのではなく、まずウニの脊椎を食いちぎり、海面に運び、殻をはがされたウニが落ちてくる間に、裏面の柔らかな身を食べていたのです。
クマドリが、個別にこの手法を編み出したとは考えられません。フリッカ博士は、1匹が思い付いた手法を、他の4匹が見て真似たのではないかと考えました。
さて、浜に突進するゴマモンガラが、この賢い戦略を自ら考えついたのか、他の魚を見て真似たのかはわかっていません。しかし、他のモンガラカワハギ科の魚では、このような行動は報告されていないのです。いずれにせよ、これはゴマモンガラが非常に賢いことを示しています。これはゴマモンガラの脳が大きいことが原因かもしれません。
モンガラカワハギ科の魚は、魚の脳にある終脳という部位が比較的大きいのです。研究によると、いくつかの種において、大きな終脳と高い解決能力との間には、関連性があることがわかっています。
認知能力の進化を調べたい場合は、いわゆる高い知能を持つ霊長類よりも魚類を調べるべきだとする研究者もいます。魚類は、霊長類よりもはるかに多様な能力や環境下にあり、社会的相互作用を持つからです。
モンガラカワハギ科の魚の賢い知恵は、観察して感心するだけではなく、知性の進化について多くのことを教えてくれるのかもしれません。
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