
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
リンクをコピー
記事をブックマーク
西原文乃氏(以下、西原):今日ご紹介するキーコンセプトは4つあるんですが、1つは「知識」。特に形式知と暗黙知の話です。そして2つ目が「SECIモデル」。SECIプレイスやSECILALAとか、先ほどからちらっと出ているSECI(セキ)です。
そして(3つ目と4つ目が)「場」と「実践知リーダーシップ」。こちらの写真は野中郁次郎先生です。2024年5月で89歳になられますが、まだ元気に研究されていらっしゃいます。ここでちょっと質問なんですが、「ナレッジ・マネジメント」を聞いたことはありますか?
大村信夫氏(以下、大村):「ある」という方は1番、「なかった」「あんまりよく知らない」という方は2番をチャットにお願いします。「聞いたことある」という会場の方は手を挙げていただければなと思います。あ、かなり……。
西原:(手が挙がっている人が)ほとんどですね。ありがとうございます。
大村:チャットのほうは、9割ぐらいの方が1番かなという感じです。
西原:そうですね、ありがとうございます。重大な発言をしてしまうんですが、ナレッジ・マネジメントと知識創造は違うんです。
私からすると、ナレッジ・マネジメントは知識を物のようにして移転・共有・創造することなので、知識をベースにしてマネジメントをするんですね。なので、私たちは自分らを「ナレッジ・ベースド・マネジメント」と定義しています。もう1つ違いがあって、どうしても私たちは「知識を学ぶ」と思うじゃないですか。
大村:インプットしますよね。
西原:それは学習、いわゆるラーニングなんですね。
でも、私たちはそこからさらに一歩進んで、創造、内から外へ出したい。知識を入れたら出しましょう。笑っていただいてありがとうございます。これがとっても大事ということです。
大村:ナレッジ・マネジメントなので、ナレッジをマネージするとか、管理するとか、知識をちゃんと伝波させる・ドキュメント化するということだと思っていたんですが、それだけではなかったと。
西原:もちろんそれも重要なんですが、そこからさらに進んで創造に向かっていこうということです。ChatGPTさんに「人間と同じように新しい知識を作れますか?」って聞いてみたんですよ。そしたらいろいろと答えを書いてくれました。長いので読まないんですが、要は何なのかを説明します。
AIは新たに知識を創造するわけではないし、AIは意識を持っていないので、訓練データから見つけたパターンを返してるに過ぎないんですよ。要は、単なる情報の組み合わせに過ぎないんですと回答されました。
「じゃあ、私たちはどうしたらいいんだろう?」ということなんですが、人間こそが身体を持っているわけです。だから、新しい知識やイノベーションを作ったりするには、身体を持って、意識や経験に基づいて創造性を発揮することが重要なんだと。
大村:なるほど。それはAIにはできないってことなんですね。
西原:できないですね。ひょっとしたら遠い未来、あるいは近い未来かもしれないですが、身体的な意識を持ってしまうAIが出たとしても、じゃあ誰が(AIに知識を)与えているかというと人間なので、やっぱり人間起点なんですね。
逆に言うと、人間はAIに負けないように自分を磨いていかなきゃいけない。経験の質と量を高めていく必要があると思います。これが、知識創造の重要なスターティングポイントだと思っています。
大村:(参加者コメントで)「ChatGPT、自分のことをよくわかってるなぁ」と。
西原:そうなんです。ChatGPTさん、すごく謙虚に答えてくださいましたよ。
西原:あらためて知識って何でしょう? ということなんですが、立教に来る前の2016年、あるセミナーに出た時に「あなたは何の仕事をされてるんですか?」と聞かれたんです。「知識創造を研究してます」と言ったら、「じゃあ『知識』を定義してください」と言われて、サーッとなったんですよね。
大村:確かに。知識って何ですか? 「知ってる情報」とか?
西原:チャットに書き込んでくださってる方もいらっしゃるかなと思うんですが、ぜひ会場の方も自分なりに考えてみてください。……思考力ですよ。
大村:思考力を上げなきゃね。
西原:もちろん調べると定義は出てくるんですが、私たちはこんなふうに定義をしています。「個人の全人的な信念・思いを『真・善・美』に向かって社会的に正当化するダイナミックなプロセス」。
これには重要なポイントが3つあるんです。みなさんも「信念」を持っていらっしゃると思うんですが、なんらかの思いですね。信念を起点として、理想が絶対にあると信じて、そこに向かっていくということなんです。
ただ、それをやり始めると自己満足や自分よがりになってしまうので、社会的なプロセスで正当化していきましょうという定義になっています。
大村:「真・善・美」って、実は僕は去年ぐらいに初めて知りました。禅か何かの言葉なんですか?
西原:実はこれはギリシャ哲学の時代から言われております。どこの文化でも理想を置いていると思うんですが、それのことですね。
大村:そうなんですね。これを知ってから、僕も使うようにしました。真・善・美に向けてね。
西原:真・善・美、理想に向けてね。私たちは、もうすでに理想を持ってると思うんです。なぜかと言うと、真・善・美に当てはまらない醜いものや嫌なものを見たら、わかるじゃないですか。それがわかるってことは、すでに真・善・美の判断軸を自分が持ってるからだと思います。
大村:なるほど。
西原:それを暗黙知にとどめずに形式知化する。形式知・暗黙知は、たぶんみなさんよくご存じかなと思うので、ちょっと飛ばしますね。
重要なことは、この氷山のモデルで示しているように暗黙知の部分が非常に大きいということです。これは言葉になっていないから、自分がどれだけ持っているかわからないので、できるだけいろんな機会をもって揺さぶる。そうすることによって、上に上がるイメージがありますよね。それをやっていただきたいんです。
暗黙知はすべての知識の基盤になるんですが……。
大村:どのぐらいが暗黙知なんですか?
西原:これが難しくて。(喉元まで出てきて)「ここまで出そう」みたいなこともありますし、暗黙知は言葉にならないので、自分でもどのくらいあるかがわからないところもあるんですよ。
大村:確かに。暗黙知は言葉にならないから、どのくらいあるのかがわからないんだ。
西原:そうなんです。逆に言うと、どれだけ持っているかがわからないので、なんなら無限大にあると私は思いたいと思っています。
大村:なるほど。形式知のほうが、本当に氷山の一角ってことなんですね。
西原:氷山の一角ですね。
大村:「経験から暗黙知の質と量を増やすことが必要」と書いてありますね。これはどういうことですか?
西原:暗黙知というのは、身体に埋め込まれたり、考え方のパターンのことだったりするんですが、やっぱり経験を積まないと増えないので、質と量を増やすことが大事です。なので、最初のメッセージの「毎日今ここを大切にして生きる」というのもそこなんです。
大村:なるほど。ちなみに「集合意識との関係は?」という質問が来たんですが、集合意識って、遠くに離れた猿山の猿さんが同じことをした、とかですかね? よくわからないんですが。
西原:フロイトさんやユングさんの話もそうなのかなと思うんですが、暗黙知の底に入って下のほうに行くと、人類、あるいは私たちが地球で生きてきた過去の生物からの記憶みたいなものが暗黙的に入っていると言われていて。
私たちが気がつかないだけで、たぶんそういったものは「事実」だと思うんですよね。なので暗黙知の部分は、そういった部分も含めているところがあると思います。野中先生の『知識創造企業』『ワイズカンパニー』という本があるんですが、哲学を必ず取り上げているのはそういった背景もあるんです。
「知識って何だろう?」「『知』って何だろう?」ということを考えて掘り下げるために、知識創造を語るうえで、哲学を知っているのと知らないのとではぜんぜん違う結果になると思います。大丈夫ですか?
大村:じゃあ、いきましょう。
西原:はい。あと5分ぐらいで終わるので(笑)。
大村:本当に、もうちょっと大丈夫です。
西原:大丈夫ですか(笑)?
大村:大丈夫ですよ。ゆっくりいきましょう。
西原:私が言っちゃなんですが、それこそ知識の部分は形式知なので、本を読めばなんとなくわかるんですよ。
大村:なるほどね。実際に実践することが大事なんですよね。
2025.02.06
すかいらーく創業者が、社長を辞めて75歳で再起業したわけ “あえて長居させるコーヒー店”の経営に込めるこだわり
PR | 2025.02.07
プロジェクトマネージャーは「無理ゲーを攻略するプレイヤー」 仕事を任せられない管理職のためのマネジメントの秘訣
2025.02.04
日本企業にありがちな「生産性の低さ」の原因 メーカーの「ちょっとした改善」で勝負が決まる仕組みの落とし穴
2025.02.05
「納得しないと動けない部下」を変える3つのステップとは マネージャーの悩みを解消する会話のテクニック
2025.02.06
落合陽一氏や松尾豊氏の研究は社会に届いているか? ひろゆき氏が語るアカデミアの課題と展望
2025.01.07
1月から始めたい「日記」を書く習慣 ビジネスパーソンにおすすめな3つの理由
2025.02.05
エンジニアとして成功するための秘訣とは? ひろゆき氏が語る、自由な働き方を叶えるアプリ開発とキャリア戦略
2025.02.03
手帳に書くだけで心が整うメンタルケアのコツ イライラ、モヤモヤ、落ち込んだ時の手帳の使い方
2025.02.03
「昔は富豪的プログラミングなんてできなかった」 21歳で「2ちゃんねる」を生んだひろゆき氏が語る開発の裏側
2025.02.10
A4用紙を持ち歩いて殴り書きでアウトプット コクヨのワークスタイルコンサルタントが語る、2種類のメモ術
【手放すTALK LIVE#45】人と組織のポテンシャルが継承されるソース原理 ~人と組織のポテンシャルが花開く「ソース原理」とは~
2024.12.09 - 2024.12.09
『これで採用はうまくいく』著者が語る、今こそ採用担当に届けたい「口説く」力のすべて
2024.11.29 - 2024.11.29
【著者来館】『成果を上げるプレイングマネジャーは「これ」をやらない』出版記念イベント!
2025.01.10 - 2025.01.10
片付けパパ対談【特別編】 整理術×行動術×メモ術で、仕事も人生も自在にデザイン!
2024.12.16 - 2024.12.16
日本を変える 中小企業リーダーズサミット2025
2025.01.30 - 2025.02.12