2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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奥田浩美氏(以下、奥田):ビジネスの世界で、「会社の成功って何ですか?」みたいな質問をされたらどう答えますか。
安部俊樹氏(以下、安部):「社会の無関心の打破」というのを、どれぐらいのトランザクションで行われているかとか、世界中のソーシャルイシューのどれだけの数を僕らが共有できていて、どれだけの人間をその現場に送れていて、それによって可視化された課題がどのように解決されたかというその数です。
奥田:でもそこに対して、(会社の成功を)時価総額で語るとか、そういう人たちを目の前に、どういうふうに。
安部:正直バカだなと思っています。貨幣というものをどう見るかだと思うんです。
奥田:従業員数とか。
安部:ボランティア、スタッフの数だったら結構いますよ。
奥田:うちもいるんですよね。
安部:別に雇っているわけでもないし、という話で。ひとつの価値観としての資本意識って、すごい効率的な仕組みですばらしいなと思っているんですけど。
僕はどちらかというと、そこをアップデートしたいっていうのがすごいあって。さっき言った通貨って基本的にはビットコインも含めて、個人と個人の価値の交換なわけですね。
そのときの価値の交換のための媒体物じゃないですか。でも、その社会と個人のための媒体物としては、一応税金というのがあったんですけど、ただ、やっぱり仕組みとしてそれを専門とした通貨というのはないんです。これは何を意味しているかというと、未来の社会との価値交換がきわめて難しいということです。
未来の社会のために価値交換を可能にする、そういうものをつくっていく必要があるだとか、社会性みたいなものを可視化して、ちゃんと経済が回っていくようなものはできなきゃいけないと思っていて。プラットフォームとしては、むしろそれをつくりたいんですね。
水野:それって、貨幣ではあるよね。
安部:そうです、新しい貨幣です。その契約の形が個人間じゃなくて。
水野:資本主義がどうなるかというのは結構ポイントじゃないですか。
安部:むしろ資本主義をどのように変えて、上書きするかというのがすごいあって。
水野:2050年ぐらいの感じ?
奥田:もっと早いと思う。
水野:もっと早いですか。
奥田:私はもう、資本経済の枠の外でも生き始めているので、お金っていうものがなくても、毎日最高のおいしいものが手に入り、それを分配して一番楽しいことを得て、それを分配してってやっているので、自分の中では体感できているんだけど。ここをどうやって言語化と仕組み化できるのか、何かみんなの力を借りたいみたいな。
水野:昔よりはね。でもガンと資本主義が、こう変わりましたみたいなというのは、どうなるのかなというのが。
安部:地域通貨みたいなのも結構最近あって、やっぱりグローバルなコミュニケーションをするとき、水平貿易しましょうみたいなときには、そういうマーケットもあっていいと思うんだけども。でも実は円とドルも違うわけで、為替があるわけで。
今はそのエリアとか、国を単位として貨幣の交換というのが行われているんだけども、多分この先、価値観をベースとして貨幣の交換というのはできるんですね。
つまり、お金に色がついていって。「人を殺して、強盗してきた金は赤色です」みたいな。「その赤色の金は掛け算すると0.1倍だから、いまいちだね」みたいな話になってくるというのがあると思っていて。結構ビットコインとか、そういうものだと思うんです。
人はわかんないですけど、少なくとも過去の履歴は全部あるわけです。つまり、その過去の履歴もそうで、可視化できるような通貨というのは、多分この先どんどんふえてくると。
そうすると、その履歴から価値が算出されてくるわけですね。なので、多分お金というのはどんどん色がついてくるし、そうすると、価値観同士のお金の為替みたいな。
奥田:色も変えられると思っていて。私はインドの社会福祉の修士を出ていて、研究内容がマザー・テレサの組織だったんですけど、彼女ってどんなお金でも私の目の前にきたらきれいにしますといって、お金を集めてた人で。
安部:すごいですね。マネーロンダリングみたいな。
奥田:それがある意味、私の目指す社会で。その動いている貨幣みたいのがあれば、一番社会にとっていい仕組みを具現化できる人のところに、お金って集まってきたらいいんじゃないかなと。
その価値っていろいろあるので、そういう価値のもとにいろいろなところにお金が集まってくるということを考えながら生きていて。
水野:今回の(IVSの)表紙の出雲(充)さんとかも、エネルギーっていう問題。あれも完全にソーシャルイシューで。僕らから見ると、ミドリムシで解決しようというところがソーシャルベンチャーじゃない? でも、やっぱりそこにお金が集まってくるというのは、ちょっとそういうふうになっているのかもしれない。
安部:出雲さんと話してて、やっぱり株式市場の中で、これまでのPER何倍とか、そういうところから考えたら、明らかに合理的じゃない会社がユーグレナなわけですよね。
でもそういうのって、やっぱり出雲さんの夢に人はお金を払っているというか、何かそういうふうになっていますよね。多分上場の仕組みはそういうのが一番よくて、社会的な上場の仕組みみたいなのがちゃんとある。
水野:ソーシャルIPOができると思う。
安部:2020年ぐらいにそれやりたい。そうすると、みんなゴールができると多分急に金出す。
水野:結局さ、利益でPERとかじゃなくて、サイバーダインとかそうじゃん、イーロンマスクとかさ。そうなんだよね。結局。
奥田:働く人も「年収いくらです」っていうので動く人以外に、「これが実現できます」というところにやってくる人すごくふえていますよね。若い世代で。
水野:ふえてますね。
奥田:そこをやっぱり形に見せているのがお二人なのかなというふうに。
水野:だって年収半分になって……もう外資からくるみたいな。
安部:転職はみんなそうです。
奥田:そこからきます。
安部:そうですよね。
水野:大体何歳ぐらい。
安部:うち20後半とか。
水野:大体みんなちょっと働いてみてから、「俺これ本当にやりたかったことなんだっけ?」「やっぱり自分の人生かけるのはここだ」みたいな感じで。
奥田:私はそれをGDP、GNPに燃えない世代と言っていて、私は1960年代生まれなんですね。その世代って何かGDP、GNPが上がると言うとワクワクする世代で。
安部:全然わかんない。考えたこともない。
奥田:わかんないでしょう。でもそれって、総生産が金貨に変わってるっていう価値だから、そこに燃えない世代がふえているのに、何ゆえまだその資本で語ってるんだと。優秀な人たちはそうじゃないところで集められると思っていて。
安部:あと優秀なやつは自信があるんでしょうね。一応、経済指標じゃないところにベットしたいけれども、経済指標に戻れといえば戻れるしみたいなところがあって。例えば、貧困家庭の子供とかそう思うか。やっぱり、そんなのないです。まず金です。
その現実は受けとめなきゃいけないと思って、その社会を変えていきましょうみたいなこと、こういう綺麗事でいうと、僕らもそういうミッションベースで動いてはいるけれども、多分僕も水野さんも、頑張れば何とかなるなと思っているからやっているんです。
最悪会社倒産してどうしようもなくなったら、とりあえず自分は個人として頑張っていこうみたいな、そういう覚悟はあるわけですね。でもその覚悟ができるというのは、多分僕らすごい運がよくて、何らかの能力開発とかを社会から受けていて、だから自信があるわけですね。
奥田:(自信があるから)受託はやらないとか言えちゃう?
安部:その意志もそうなわけです。自分がどういう意志を持てるかというのも含めて考えると、そうじゃない子供たちとか、そうじゃない環境にいる人たちのほうが世の中の大部分であり、そこを無視して、何か社会が云々というと、リアリティーがないなと思うんです。
僕はこないだミャンマーの政治家のところに行って、「ミャンマーのイシューは何ですか?」みたいな問いかけをしたんですよ。そしたら、「いや、そんなこと言ってらんねえんだ」みたいな、「まず農民食わさなきゃどうしようもないんだよ」と言われて、「それもそうだな」と思った。
奥田:私もそういう世界で生きてきて。
安部:そうなってくると、すごい先進国で多様な社会課題いっぱいありますと、そういうのも変えていくというのも大事だけども、まずは別にそれはこれまでの農民を食べさせていかなければならない、といったような規模の大きな社会課題を解決していく資本主義を否定する話じゃなくて。
そこをちゃんとミックスした、すごいリアリティーのある社会改革があると、一気に金も人も動いてくるんじゃないかなというのを思っていて、それは誘導したいなと思っています。
奥田:今まで、「こういう社会を作っていきたいな」というお話をしてきて、自分の事業として、こういうことを今後目指していって、これを実現しますというところをそれぞれお話をしてください。
水野:僕はまず、2020年まで。プログラミング教育、IT教育っていうのが、日本全員の子たちにとって持っているべきものだなと思っているんで、それを広げていくために。
そうすると、子供たちの可能性がすごく広がるので、届けていきたいなと。それはいろんな人とか企業とかを巻き込みながらやっていくと。
2020年からは、やっぱり僕は中学生、高校生の可能性を伸ばすことっていうことを一番の価値として置いているので、世界の子供たち全員がそれで(可能性が)広がるような、世界的な教育の会社を作っていきたいなと思っています。
奥田:事業展開としては、拠点を海外にもふやしていくという形ですか。
水野:今年からシンガポールでも始めていて、NUSってシンガポール国立大学と一緒にキャンプで、思った以上にシンガポールの子たちも来ているんです。
あとは、さっきの格差の問題じゃないけど、地方の子たちでも同じように受けられる状態を作るには、Webで学べる状態っていうのはやっぱり作らなきゃいけないので、エデュテック業界って言われてるけど、そういったところにチャレンジしていきたいなと。
奥田:地方で開催されているのを何回も拝見しているのですけど、今どれぐらいの地域でやっていますか。
水野:全体で言うと、15ヵ所ぐらいですかね。最近だと、(山口県の)萩でやったりとか、「21世紀の松下村塾はこれだ」みたいな感じでやってたりとか、あとは徳島県の海陽町という町でやってたりとか。
奥田:目指すべきは、一言でいうとどんな社会?
水野:目指すべきは、僕は子供の可能性が最大限に伸びる社会を作りたい。
奥田:わかりました。安部さん、今後の展開。
安部:僕は本当に「無関心の打破」という理念実現のために、プラットフォームを作っていくというのが概論としてあります。
事業を作るときに、さっきお話したことは、「主語が自分になっていない世の中論っぽかったよね」みたいな話を(休憩中に)いただきましたけど、僕やっぱり世の中論を、「自分が変えます」というふうにいえば一番いいと思うんです。
つまり世の中論って主語が「私が」にならなきゃだめなんですよ。世の中論を主語が「私が」でやるんだったら一番それがいいに決まっているじゃないですか。「社会はこうあるべきで、そういう社会を俺が作るんだよ」って、それでいいんじゃないかと思っていて。
そういう意味でいうと、社会性みたいなものをちゃんと通貨になるような仕組みを作ってあげるとか、まず社会課題の可視化をして、その中でちゃんとその社会課題にかかわることが自分のメリットになりますと。インセンティブになりますというような仕組みを作りたいと。
一言でいうと、社会課題とか社会性を持っている人間がちゃんとモテるようにしたいと。モテるってすごいインセンティブなんで。
奥田:私もとにかく格好いいと言われるように、自分もなりたいし、格好いい社会にしたいというのがテーマなんです。
安部:そうなんです。しかも格好いいとか、かわいいとか、モテるみたいな話というのは2つやり方があって。「ちょっとムーブメントなんです、こういうのが流行りでしょう」みたいな感じにするのが1個です。
でも社会の話って奉仕的価値にかなり近いので、もっと仕組みにしちゃったほうがいいんです。こういうふうな社会性のあることをすると、これだけお金がもらえますよとか。こういったお金じゃなくてもいいんです。
その社会性の部分を、そのまま何かと交換できますよみたいな感じになると一番いいのかなと思って、そういう仕組みにしたいです。それを作りたい。
奥田:今日のテーマが「社会を変える事業を作る」っていう、私はこの事業っていうことが私たちが考えている事業と何か言葉が違うような気がしてならない。
安部:でも基本として事業というのは、僕はトランザクションだと思うんです。つまり、あるひとつの道路の上に、あるいは道路を作るのもそうですけど、どれぐらいの行き来があるか。
それPVでもいいし、実際に社会問題の現場に関わるとか、何かのアクションでもいいんですけど、やっぱり人間って、ひとつの情報を得たときに、その上で自分の行動が変わらないと意味がないので。その振れ幅もひとつのトランザクションなわけです。
その意味だと、トランザクションをどれだけ作るかっていう話なんです。僕はそういう意味でいうと、お金が動いているかどうかじゃなくて、何かが動いているそのトランザクションがあるのかというのが全てだと思っています。
水野:難しい。
安部:えー、そんな難しくないでしょう。
奥田:私は、この質問投げたのが、「どんなビジネスを作りますか?」というテーマを乗せられているようだけれども、私は何かそこにビジネスじゃなく、事業ってもっと今トランザクションという言葉なのかもしれないし、というのをちょっと考えて。
安部:何か僕、非常にネット的な考え方をしていると思うんです。そのトランザクション作ってからマネタイズって基本じゃないですか。
PV取って、メディア作ってから広告ですっていう超王道。ネットメディアのビジネスモデルと同じなので、そういう意味でいうと非常に事業的な話をしているつもりなんですけど、プラットフォームを作る。
水野:そうそう。
安部:プラットフォームじゃなくてもそうじゃないですか。だって、もうそのライフイズテックの企画に参加した子たちは、その後、本来こう行くはずが、こうなっているんです。
水野:そうだね。
安部:そういう大きな変化があるわけで、それはアクション、トランザクションと申します。僕はベクトルが変わっているわけだから。こういう話でいいですか? 何かすみません。
奥田:締めますか。
安部:はい。
奥田:今日は「社会を変える事業を作る」ということで、その事業というのが何なのかというのをもっと幅を広げた会話ができたかなというふうに私は思いまして、これからもこのお二人のこの先をすごく期待しているとともに、私も頑張ろうと思いました。今日はありがとうございました。
安部・水野:ありがとうございました。
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