処理水問題の影響はいつまで続くのか

堀井良威氏(以下、堀井):ここからは影響の長さです。要は、4日後に始まるW11(ダブルイレブン:毎年11月11日に行われる独身の日を祝うイベント)の手前で底打ちしていたかどうかは、重要です。

マイナス成長が底打ちしてもう復活しているタイミングにあれば、当然W11なので、若干のドライブをかけてもいいでしょうし。まだまだマイナスが拡大していて、傷口がどんどん広がってるなら、ちょっとブレーキ踏みましょうという話なので、長さも重要視して見ていこうと思います。

このパターンをどうやって見るかというと、今回は去年と比較しています。マイナス成長が底打ちしたかという、本当に単純な長さの問題。もう1つが昨年の2022年と同じような規模感かどうか。

かつ、日販のトレンドも去年と同じような動きをしているなら、つまり3つともイエス、イエス、イエス。オールグリーンだったら、去年のW11のデータを参考にして、2023年のW11を予測してもいいよねというロジックにしてます。

オールグリーンだったとして、どこを参考にするかというと、いろんな分析があると思いますが、わかりやすいのは去年の9月1ヶ月分を全部合算して100にすると、W11の31日から11日までの12日間。30日間を合算すると12日間になる、1対1の関係があるので、それを参考にしてみようじゃないかという話です。

1つでもなしの場合は、2023年はちょっとマイナスに振って予測しておいたほうがいいだろうなと思っているので、このへんをちょっと見ていこうと思っています。モデルケースとして、さっきのオールグリーンだったらというものは唯一あったので、これは参考にしていますが。

アウトドアです。若干異常値が出るんですが、ここはキャンペーンの設計の問題なので。青はちょっと赤に相殺されてフラットになっているんですが。まず、規模の同一性。この時系列で並んでいる後ろのピンクは、去年の売上の面積を8月1日から10月8日までプロットしたものです。

手前の青い部分が2023年の面積なので、例えばピンクが濃く見えている8月1日は、去年のほうが売上が高い。一方で8月31日は鮮やかなブルーが見えてると思うんですが、これは2023年のほうが売上が高いということです。

V字回復だったアウトドアブランドだけは、底打ちの見込み

堀井:1,000位以内に入っているアウトドアブランドを足した時に、日本の市場規模は、昨対比でプラス1パーセントなんですよ。一番最初のページで広さの定義をした時に、右のほうにあったアウトドアはプラスなんですね。

実際に規模感を去年と2023年で比べてもほぼ変わらない。まったくと言っていいかわからないですけれども、影響はなさそうだと見なしています。規模が一緒かつトレンドも異常値を除くと相関係数が0.65ぐらいなので、一応ありと見なしてます。なので、ありが2つ。

底打ちしたかどうかというと、一番の底は9月3日と9月26日と10月7日なんですね。10月7日は国慶節が終わった瞬間で、例年確かに一番低いんですが、この後に戻れるかが重要です。

この後、他のカテゴリにいきますが、戻ってないんですね。他の日本以外のブランドなんかもそうですが、アウトドアはここで一応Vになるんですよ。6、7、8と。なので、一応アウトドアは底打ちしたんじゃないのかなと見なして、あり・あり・ありにしています。

ということは、去年のW11の9月の1ヶ月の売上は、2023年のW11でも当てはまるだろうとすれば、だいたいアウトドアはプラス5パーセントぐらいで2023年に着地するだろうと思っています。

ここにアウトドアブランドのみなさんがいらっしゃったら、2023年のW11がどれぐらいで着地するかと言うと、非常に雑なロジックですが、推計かけるとだいたいプラス5パーセントぐらいで着地すると見ていいんじゃないのかなと思います。

ちなみに、これは一番下の前年比のウィークリーで取ったもの。7日間ずつ取って、10週間プロットしたものです。ここはマイナス17パーセントで、ちょっと落ち込みが激しいですが、それでも7日に底打ちしていると見なしてるので。プラスに転じてもいいかなと感じています。

これがモデルケースで、全部あり・あり・ありなので、9月の1ヶ月を10月の一番重要な12日間に当てはめて推計してみると、安心でしょうというところなんですが。

保健食品は少なくともマイナス20%の見込み

堀井:ここから実はモデルケースは最後で、あとは全部外れていきますと。保健食品の規模はどうかというと、去年と2023年で比べると後ろのピンクが見え隠れしすぎているのは、去年のほうが大きいということです。

この規模の同一性はどうかというと、2023年のほうが20パーセントダウンなので、ピンクの色が20パーセント多いですね。ぱっと見ればトレンドがあるねと言ってもいいんですが、一応、相関係数上は相関関係なしというふうに見ています。

あと、もう1個重要なのが、やっぱり底打ちしてるかどうかというところですね。アウトドアで見たとおり、7日に、6・7・8でV字になってるのが、例年のそれ以外のカテゴリなんですが、食品・保健はマイナスがずっと続いているので。

6日は第2回の放出とか報道があったと思いますが、まだマイナスが止まりきってないので、2023年はさらに下がるんじゃないかという予測ができると。

そうなると、先ほどの2022年9月の1ヶ月の売上が、2023年の1対1の関係にあるとは言えず、1対0.8とか、もっと低く見積もってもいいんじゃないかということが導かれると。

特に、食品・保健食品で重要なのは、やっぱりここですね。8月15日、この放出前が(前年比)プラス6パーセントです。そこから(前年比)マイナス12パーセント、マイナス25パーセント、マイナス21パーセント、マイナス29パーセント、マイナス26パーセント、マイナス24パーセント、マイナス45パーセントと、ずっとマイナスが続いてるというところです。

これよりもうちょっと傷口が開いてしまうカテゴリもあるんですが、現状から言うと、2ヶ月前は去年より良かったよと。そこから先はほぼウィークリーで取ると、1週たりとも去年を上回ってないので、ここはだいぶ低く見積もるようなカテゴリなんじゃないのかなと思います。

なので、少なくともマイナス20パーセントぐらいでは見ておいたほうがいいかなと思っています。

美容カテゴリはまだまだマイナスが続く想定

堀井:もう1つがスキンケア・メイクアップを足して美容。我々は今回のセミナーで粗めに取っていますが、これも同じで、規模の同一性はこの鮮やかな青がぐっと増えたところですね。我々が「需要の先食い」と呼んでいるものが一部あったと。

あとは、2022年と2023年のキャンペーンの時期的な重なりがずれているので、8月1週目のキャンペーンと8月中旬ぐらいのキャンペーンは相殺されてトントンだとしても、それ以降もずっとピンクが目立ちます。

この8月1日から8月8日までの2023年を去年と比べると、マイナス27パーセントなんです。食品、保健食品よりはマイナス幅は今年は大きいよと。

先ほど保健のところで見ましたが、より顕著なのはこのマイナス幅ですね。需要の先食いがあったんじゃないかという仮説を立てているところ以降。

(前年比)マイナス7パーセント、マイナス29パーセント、マイナス35パーセント、マイナス37パーセント、マイナス39パーセント、マイナス42パーセント、マイナス43パーセントということで。

去年と比べるとマイナス幅が広がっているので、これは去年をそのまま参考にしたとしても今年の計画は立てづらいという話になっており、かつ底打ち感があるかどうかというところなんですが。

このグラフをご覧のとおり、底打ちしたとは言えないので、ここはまだまだマイナスが続いてしまうんじゃないんでしょうかというお話になっております。

ベビー・マタニティー部門の見通し

堀井:あとベビー・マタニティーのところは、規模の同一性で言うと最も差が大きいんですが、マイナス30パーセントでした。ただトレンドの近似性は、パッと見てもわかるとおり、比較的あります。

底打ちしてるかということではないですが、手前のスキンケア・メイクアップを含めた美容カテゴリとの差はどこにあるかというと、確かにマイナス幅は広がってはいるんですが、広がり具合の大きさはそこまででもない。

どちらかというと去年と比べてずっとマイナスにいるだけで、傷がドーンと広がってるわけじゃないので、美容よりは去年を参考にする必要性はあるかなと思っております。

じゃあ今年どれぐらいで予算を立てておくかというと、もう10月の20日なので、みなさんもある程度見えてると思いますが、このJD(京東)・アリババに限りますが、マイナス30パーセントぐらいが妥当性があると。

できるだけ近いところの数字に合わせるなら、やはりこのへんの国慶節期間。当然ですが、去年も今年も国慶節は同じ時期でしたので、マイナス47パーセントぐらいのレンジで見ちゃってもいいのかなと思っております。

販売金額の減少の要因とは

堀井:最後の影響の深さ。これまでどれぐらいのカテゴリに広がってしまっているか、かつどれぐらい長く影響が続いているか、底打ちしているかどうかを見ました。影響の深さの定義は、どうパターン化するかというところなんですが、販売金額の減少を何かしらの要因に分解してみようという試みです。

これはごく一般的なECの方程式ですが、特に中国だとブランド全体の販売金額というものがあります。メーカーというよりもブランドですね。そこに店舗種類というものがあって、今回で言うといわゆるブランドオーナーの運営する旗艦店か、それ以外を小売店と呼んでいます。

それぞれの店舗に対して、販売件数掛ける決済単価で販売金額が出てくるので、この1(ブランド全体販売金額)、2(店舗類別販売金額)、3(販売件数)、4(決済単価)をそれぞれ取り上げてみたいと思います。

カテゴリ全体だとぼやけるので、ちょっとずつ細かくしていってるんですが、社名を直で出すのもこのセンシティブな状況の中だとあれなので、「某」とつけています。それぞれトッププレイヤーのブランドさんなので、ご想像がつくところではあるかもしれませんが。

日系の調味料ブランドさんを5ブランド取り上げているんですけど、共通点の1つは、ブランド全体は販売金額マイナスです。その中身の2・3・4のどこに違いがあるかというパターン化をしています。

まず1つ目が、小売店が販売不振・販売不調という、ブランド全体がマイナスになってるパターンを取り上げますね。調味料ブランドさんは、小売店マイナス23パーセントで、販売件数もマイナス、決済単価はプラスでキープと。

予想によると、特に小売店は「このまま売れそうにないなら、今すぐ在庫処分してしまいたい」という動きになると思いきや、決済単価はキープ。ただ3の販売件数がどうしても落ちてしまう。

最終的に2番の販売金額がマイナスになって、ブランド全体としてもマイナス18パーセントになってしまった。旗艦店と小売店のどちらがマイナスが大きいかというと、小売店でしたというのが調味料ブランドさんでした。こういうケースもあります。

商品別に導き出した、マイナス要因の仮説

堀井:もう1つは、こちらも小売店さんのマイナスなんですが、子ども用品、ベビー用品のブランドです。非常に守りの強いブランドさんで、旗艦店はプラスなんですが、ブランド全体は先ほど言ったようにマイナスなんです。

これはどこかというと、やはり小売店のマイナスを旗艦店のプラスでは止められなかったパターンですね。決済単価はプラスのままなので、値崩れや価格暴落ということはない。

むしろ決済単価が上がっているのは、1つの仮説ですが、もしかしたら売れ残っちゃうかもしれないから、セット販売して単価を上げて件数を稼ごうと思ったら件数が伸びなかった。

それで全体的に販売件数が伸びず、ブランド全体に波及してしまったという仮説が見てとれます。いずれにせよ、小売店のマイナスがブランド全体に波及してしまったというパターンが子ども用品。

一方で、旗艦店がコケちゃったというパターンがおむつブランドさんですね。ブランド全体はマイナス47パーセント。旗艦店・小売店とそれぞれ置いてありますが、決済単価はプラス・プラスなんですが、販売件数が激減。特に旗艦店がマイナス70パーセントで大きく落ち込んでしまったパターンもあると。

次の日系お菓子ブランドさんも、旗艦店がマイナスというのは同じなんですが、決済単価の構造や販売件数のプラスマイナスは逆転しています。

わかりやすいところは小売店の動きです。お菓子メーカーさんの小売店は、決済単価を下げているんですね。これは可能性としてあるのは、さっき言ったように売れ残ってしまうかもしれないので商品単価を下げた。それで件数を稼ごうとしたら稼げたので、販売金額としては微減で止まったと。

一方、旗艦店は何をしたかというと、もしかしたら同じように考えたかもしれないですね。売れ残っちゃうかもしれないからセットにしよう、単価を上げてみようと。6パーセント上がってますが、販売件数はもっと下がってしまった。

それで旗艦店としてはマイナスになって、ブランド全体に波及してしまった。これは明らかに小売店と旗艦店でまったく違う戦略をとってるんだろうというパターンです。

日本商品の取り扱いをやめた店舗は一部

堀井:各社各様のパターンがあると思いますが、一応今4分割してきました。5つ目が、旗艦店のマイナスはマイナスなんですが、さっきとまた逆ですね。

決済単価の構造、販売件数の構造も逆なので、ここも小売店さんと旗艦店のパターンとしては違いが見てとれるなとは思います。まぁ当然、旗艦店と小売店なのでまったく連動することはないですが。

これはどこに違いを探すかというパターン分けなんですが、5ページ見てきての共通点が1つありますね。意図的に選んだ5つではないんですが、代表選手を5つ選んだ時の共通点としては、まず小売店はやはり今回苦しかったと。この7月~9月は苦しかった。それで、マイナス20パーセントぐらい。一部お菓子ブランドさんはプラスになってますが、ほぼ販売件数を落としていると。

これは金額も件数も落ちているので、1つの仮説としては「もう日本ブランドを売るのやめよう。取り扱いをやめます」ということは考えられたはずなんですが、店舗数だけちょっと別で見てると、店舗数は増えてるんですね。

日本ブランドは「マイナス72パーセントだ」「商品回転率は36パーセントマイナスだ」と言っているんですが、店舗数は増えてるんですよ。なので日本の商品を取り扱うのをやめた店舗さんは一部に限られてるんじゃないのかな、というのがまず見て取れます。

もう1つ特徴的なのは、これまで販売件数をピックアップしていますが、当然販売件数というのは事後的な結果です。その手前には店舗の流入数に、コンバージョンと言われているような転換率が掛け合わさって、結果として販売件数になっています。

ライブコマースは「やっても効果が出ない」可能性が

堀井:流入数に着目すると、これは事例5で説明した日本のブランドさんなんですが、流入数も一応概念上は3つに分かれています。ライブコマースか自然流入か広告経由か、この3つが組み合わさって流入数。そして、流入数にコンバージョンで販売件数というふうになっています。

この流入数に着目して、かつライブコマースがどうだったかというと、今はライブコマースが非常にやりづらいというか、やってくれないというところですね。ライブコマース経由の流入数が減る原因の1つは、そもそもKOL、インフルエンサーがやってくれないという拒絶のパターンと、やっても結果が出ないというパターンですね。

やっても結果が出ないというのがW11に影響するんじゃないかなというのが、我々の仮説です。何が言いたいかというと、1回あたりのインパクトがおそらく相当落ちてますよと。

仮にこの先、インフルエンサーが「日本ブランドを取り扱います」と言ったとしても、1回1回のインパクトが損なわれる。これはサンプル数1なので完全には参考にならないですけど、ここで言うとマイナス66パーセントなんですね。

今まで「100万円あげるから、インフルエンサーさん、私たちの商品を売ってください」と言った時に、101万円以上だったらROI(投資収益率)1でセーフだとしても、今は100万円渡しても50万円しか結果が出てこない可能性がありますよと。

ここはトレンドがどうかじゃなく、流入数を獲得するために今計画しているインフルエンサーがいるんだったら、「ちょっと割り引いておいたほうが安心じゃないですか?」というご提案になります。

2023年のW11はマイナス45%前後で着地か

堀井:というわけで50分経ったので、いったんまとめます。あとで資料をお送りするので、まとめは見ておいていただければと思うんですが。影響の広さとしてカテゴリ別の分析をしました。14カテゴリのうち、7ブランドで負の影響ありとみなしています。

そして、お酒・ベビー・美容で比較的顕著だったと。失われた日本ブランドのシェアはどこに行ったかというと、一応私の仮説だと、中国ブランド一部総取りで、あとは上位ブランドが吸収と。

影響の長さの「まだ続いてるんですか?」に対する答えとしては、アウトドア以外は続いています。特に美容・スキンケア・メイクアップはトレンドも類似していないし底打ち感もない。

特にウィークリーで見た時は、ずっとマイナスが大きくなってるので、今年のW11はマイナス45パーセント前後ぐらいで着地してしまうんじゃないかというのが、このわかりやすい1対1の図式を使うと見てとれますね。

影響の深さで言うと、5つのブランドをピックアップしていますので、共通点としては小売で販売が減少しています。ただ店舗数減少は見られない。あと価格暴落も見られなかったので、そこは日本ブランドにとっては良かったんじゃないのかなと思ってます。

特殊な点としてはインフルエンサーですね。販売件数の一要素である流入数の一要素であるインフルエンサーは、1回あたりの販売金額がダウンしているので。もしこれからみなさんのお手元に届くインフルエンサーのお見積もりが半年前と変わらなかったら、ROIは改悪に進むと思うので、W11のポートフォリオはちょっと注意してくださいというお話です。

中国の景気低迷は、EC市場には直接的な影響はなし

堀井:最後に、我々のサービスをご利用いただいてるお客さまには、専任のコンサルタントから詳細な分析のやり方やサポートのご案内が届くと思います。このあとアンケートにご回答いただいた方は、今日の資料をそのままお送りいたします。

もう1つ、今回はいろんな業界の方々がいらっしゃっているので、ぜひ業界問わず意見交換してさせてください。この現象・事象をどうとらえるかを私も勉強したいところがあるので。

特にライブコマース・自然流入・広告経由が流入数の元になる中で、自然流入は我々もデータとしては見られないので。ここにどういう影響があったかは定量的に見たいので、データを持っていたり「だいたいわかるよ」というブランドオーナーさんがいたら、もうちょっと緻密に分析したいなと思ってるので、ご連絡をお待ちしてます。

というところで、私からは以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

司会者:ありがとうございました。質問が来ているのでお答えできればなと思うんですけれども。まず一番上の「昨年対比で決済金額が下がっているのは、処理水の影響だけではなく、中国全体の経済低迷による消費欲の減退とも考えられますが、この論点はどういうふうに考えますでしょうか」との質問です。

堀井:昨対比で決済金額、我々は流通金額と呼んでますが、処理水にすべて帰責させることはたぶんできないなと思っています。マーケット全体が伸びてるところはまぁまぁあるのでいいんですけど。

1つは、今回はJD・アリババという今でも2大巨頭のプラットフォームにフォーカスを当てているので。当然昨対比ということは、この1年間で多くの新規のプラットフォーマーや活躍しているプラットフォーマーがいるので、意図的か否かは問わず一部はそっちに流れているというのはありますね。

例えばわかりやすいところだったら抖音(Douyin)にユーザーが移動している。この場合は、今回のグラフで言うと、決済金額がマイナスになります。拼多多(ピンドウドウ)など、新しいプラットフォームに移動しているというのはあります。

あとよく言われているような中国自体の経済低迷については、EC市場においてはまったく当てはまらないなと思っています。やはりEC全体で言うとまだ伸びているマーケットなので、経済低迷は直接的には影響していない。

どちらかというと、プラットフォーム間の分散化によって、ユーザーが移動しているほうが大きいかなと思います。

7〜9月で言うと、消費者の消費意欲減退というよりも、供給できていたかどうかがちょっと心配です。どうしても越境ECのお客さんとかだと、モノが入らない・モノが売れないというサプライ側の問題もあって、マイナスになってしまっていた部分はあるとは思います。というのを回答とさせていただきます。

裏側で価格の暴落は起こっているのか

堀井:時間もあれなので、次の質問もこのまま読み上げて回答させていただいちゃいますね。

「もし情報がありましたら、健康サプリへの影響も知りたいです」というところ。個別にご連絡いただければもうちょっと細かくお送りしますが、16ページの健康食品がほとんど健康サプリのカテゴリに当てはまるので、ぜひ参考にしてください。

ここはマーケットのシェアの変動だけなので、実際に各ブランドが上がってる・下がってるかは見えていないので。個別にご連絡いただければ、ディスカッションさせていただきます。

あと「価格の暴落は見られないとのことですが、これはどんな単価ですか? 決済単価を指していますでしょうか」というところなんですけど。あれはあくまでも、1つの商品のURLを購売する時にお金を払ってるかどうかなので、決済単価です。

さきほどお話ししたとおり、セット販売にして単価を上げていってることはあり得ます。この場合は1SKU(最小識別単位)ごとの単価は当然下がって見えているはずなので、もしかしたら価格の暴落は、逆接的には起こっているかもしれません。

ただあくまでも決済している単価なので、1SKUじゃないってところは気をつけてください。ほかのページで「単価」という単語が出てきているところは、そんなにないんですよね。ただ、23~27ぐらいまでのページの決済単価は、本当にそのまま決済の単価です。セットで売られていたらセット単価になります。

ほかにも、ペット用品やOTC医薬品についてご質問いただいてるところなんですけど、もしメールか何かでいただければ、細かくお答えしたいと思うんですが。時間の都合上、このセミナー中はご回答できないので、個別にご連絡いただければ幸いです。

司会者:では時間になりますので、本日はこのへんで終了とさせていただきます。ありがとうございました。

堀井:ありがとうございました。