編集者・箕輪厚介氏が語る、本業と副業の相乗効果

箕輪厚介氏(以下、箕輪):箕輪です。よろしくお願いします。

平田麻莉氏(以下、平田):よろしくお願いいたします。はじめましてですね。

箕輪:はじめましてです。

平田:ちなみに、今日いらっしゃっている方のなかで、箕輪編集室のサロンメンバーの方はいらっしゃいますか?

(会場挙手)

平田:じゃあ、ぜひ宣伝してください。

箕輪:なんか全然、普段僕が触れ合っている人たちとは違う感じ。

平田:そうですか。それでは、今日はぜひ教えて(ください)。あと、今日は副業に関心がある方が多いんじゃないかと思うんですけれども、すでに副業されている方って、どのくらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

平田:27パーセントくらいですかね。はい、ありがとうございます。

箕輪:すごくない?

平田:いや、めちゃくちゃ適当です! それでは、ぜひ、いろんなお話をうかがっていきたいと思っております。ご紹介の必要もないくらい有名人でいらっしゃると思うんですけれども、一応押さえるところは押さえておくということで、(箕輪さんは)幻冬舎で編集者として本業をされていらっしゃいます。そして個人でも、多彩な動きをされておられます。どんなことをされているのかっていうところを、簡単に。今、サロンのメンバーは1,300人くらいですか?

箕輪:今は1,100人くらいですね。上がったり下がったりですけれども。

平田:コンサルとかも、いろいろされています。副業で月収も20倍以上だという。

箕輪:今は50倍くらいですね。

平田:そうですか。1時間500万円くらいだと、この間聞きました。

箕輪:副業って言っていいかわからないですけどね。

主:幻冬舎の編集者 副:オンラインサロンの運営

平田:ぜひ、どんな活動をされているのか、簡単にお話いただければ。

箕輪:はい。幻冬舎という出版社の編集者をやっています。NewsPicks Bookというレーベルを立ち上げて、その編集長もやっています。NewsPicksって、たぶんご存知の方がほとんどだと思うんですけれども。そのNewsPicksと組んで出版レーベルを立ち上げました。

ラインナップでいうと、例えば堀江貴文の『多動力』だとか、落合陽一の『日本再興戦略』とか、佐藤航陽の『お金2.0』とか。主に若い起業家のビジネス書を扱っています。昨年1年間で累計100万部くらいです。いま本が売れない売れないって言われていて、10冊に1冊くらい重版がかかればいいという世の中ですが、僕は本当に毎日重版を抱えてますね。

平田:すばらしい!

箕輪:すみません、もう少しチャラいとこでやるとみんな笑うんですけど、笑われないとただ嫌なヤツっていう(笑)。ちょっと予想と違う(笑)。

平田:大丈夫。そのうちあったまってきます。

箕輪:給料の50倍とかも、笑ってもらったりしてもらえないと、ただの嫌なヤツ(になってしまう)。まあそんな感じで、それが本業です。副業ってことでいうと、そんな感覚ではやっていないんですけど、オンラインサロンの「箕輪編集室」をやっています。

はっきり言って、お金のためにやっている意識はもはやないんですけど、それが僕のすべての活動の根本になっています。僕のアウトプットが多いのはあくまで主の部分をやっているからで、枝葉の部分はみんな本当に優秀なサロンのメンバーがいろいろやってくれているので。

デザインもやってくれるし、動画も作ってくれるし、イベントも企画してくれる。わーって動いてくれるから、成り立っているようなところがあります。もはやお金とかじゃなく、僕の活動の源なんですけれども。副業という観点でいうと、1,000人以上のメンバーがいて、サロンが月額5,000円くらい。それの3分の1ぐらいが収益になっています。

時給換算すると意外に儲かっている講演会

箕輪:あとはコンサルですね。コンサルといっても、僕はこういうキャラなんで、適当に1時間スマホいじりながら「へー」とか「はー」とか言ってるだけなんですけれども……。まぁそういうギャグはなしで、5社くらいやっています。あと最近は講演会ですね。講演会のキャスティングって、テレビと同じで流行っている人にどんどん依頼がくるんです。

だいたいキャスティング会議で、「この人と、この人と、この人」ってなるなかで、永遠に居続けるというのは難しいです。僕もぶっちゃけ全部は受けてらんないし、毎度同じ話をするようになるんで、行きたくないから単価を上げて。それで50万くらいとかにしています。それでもぜひって言われるんで、意外とお金の面で時給が一番高いのは講演会かもしれない。

次はコンサルかな。テレビって、ぶっちゃけお金にはほとんどならなくて、月でギャラは5万とかです。

平田:フルオープンにしていただき、ありがとうございます(笑)。

箕輪:NGかもしれないけど(笑)。

平田:まあ、テレビって基本的に安いですよね。宣伝効果があるでしょって。

箕輪:もちろん、ギャラで出るものでもないんで。でも、個人の事務所とかは意外と10万円くらいくれるんですよ。エイベックスとかですね。あんまり宣伝効果がないんで、ギャラで。

平田:衣装をきれいにするとかありますね。

箕輪:そうです。そんなとこかなー。あとはちっちゃい、ちょこちょこしたものかな。あと、自分の本を出して10万部いったので、その印税とかが入ってくるけど。今回は副業というテーマなんで、お金の話をあえてしましたけど、本当に別にぶっちゃけお金で選んでないです。やりたくないものはお金で選ぶしかないんですけど、基本的にやりたい仕事を片っ端からやっていったら、気づいたらここまで膨れ上がっていたという感じで。

僕の恰好をみてもらったらわかるんですけど、ずっと履いて破けちゃったジーパンが根本です。

平田:それ、おしゃれじゃないんですか?

箕輪:じゃないんですよ。いま着ているのもさっきイベントでもらったTシャツなんですけど、本当にそういうことに関しては興味がない。単なる数字だと思っているようなものだから、あえて大っぴらに言えるんですけど。そんな感じで単純にやりたいことを横からバーってやっていったらこうなった、というのが今の僕の状況ですね。

箕輪編集室に入る人のモチベーションとは

平田:ありがとうございます。たぶん、今のお話を聞かれたみなさんも、「そんなスーパーマンにはなれないなー。ちょっと違う世界のお話だな」という感じかもしれないんですけれども。

箕輪:いや、明日からなれますよ。箕輪編集室に入れば(笑)

(会場笑)

平田:箕輪編集室に入る方は、副業というか、セカンドキャリアやパラレルキャリアとかに関心を持っていらっしゃる方多いんじゃないかなという気がするんですけれども。本のなかでも、サロンが私塾だというお話があって、フリーランス協会の事務局も、パラレルキャリアで集まってくださる方の集まりなので、すごく共感します。

うちの協会も「平田ブートキャンプ」とか言われたりして。参加する意義とかがみなさんそれぞれあると思うんですけれども。参加されている方のモチベーションというのは、どういう方が多いんですか?

箕輪:モチベーションか……箕輪編集室のモチベーションは、けっこうレベルがあるというか、層が分かれているんです。一番アクティブな人間は、やっぱそれなりの、いわゆるNewsPicks Book的に言うと「ブランド人になりたい、名前で食っていきたい」という人が多いです。

多くのオンラインサロンって、正直あんまりそういう面で実際に機能しているのは見たことがないんですけど、うちは本当にスターになれる。その人にもともと実力があったりもしますけど、実際に(スターが)生まれています。

デザイナーの前田さんという人は、うちのオンラインサロンに入って、僕がむちゃぶりすることのデザインを全部やってくれて。その作品を僕がどんどんリツイートしていったら、それこそコルクの佐渡島さんだったり、他の編集者だったりが、「前田さんの(デザインは)いいね」って言ってくれて。

いまでは自分でサロンを立ち上げるまでになって、たしか300人くらいいるのかな。もともと漫画を作りたかったというので、佐渡島さんの編集で漫画を作ってたり、やりたい活動を自分の名前でやれるようになっていったりしています。

自分で手を動かし、実力を示すことで一気に駆け上がれる

箕輪:あともう一人、動画を作っている吉田貴臣という人がいます。カナダで動画の仕事をやってたんだけど、箕輪編集室に入って、定例会で僕と会って、そっからカナダに帰りたくなくなって、それっきりずっとカナダに帰っていない。一回撤去するために帰ったくらいで、ずっと日本で仕事しています。

吉田貴臣が作っている動画を僕がどんどん拡散していったらいろんな人が見てくれて、ZOZOTOWNのZOZOスーツのカンファレンスの動画を流したことからZOZOから発注が来て、それをやったり。それから博報堂とかソニーミュージックといったいろんなところからオファーが来るようになって、実際に僕が出資して、動画の会社を立ち上げるまでになりました。

多くの会社には階段があるんですよね。魔法なんてないですから。ただ、その階段を努力と実力で本当にがんばって、地道に期待に応え続けていたら成果が出る。無意味な年功序列みたいなものはないんで、箕輪編集室は。自分で手を動かして実力を示すことによって、一気に駆け上がれるっていうのがうちのサロンの魅力で、僕はそういう案件をいっぱい持っているってことですよね。

(ZOZOの)前澤さんやホリエモンは変に選り好みしないし、個人としてもすごいタレント性がある。すごい技術があったら「コイツいいね」とスカイプするような人たちです。僕はそういうのを繋いでいくことができるんです。上の方のアクティブな人間は、そういうのを求めているんですよ。

非アクティブな人は、どっちかというと居場所として考えている人も多いですね。これは「オンラインサロンとはなにか」に紐づくんですけれど、コミュニティという居場所になっていて。どういうことかわかりやすく言うと、昔は会社だとか学校だとかがコミュニティになってたんですね。それが消滅したという話なんですけれど。

「その人が好きだ」という共通の価値観があるサロン文化

箕輪:なんで会社とか学校とかがコミュニティになっていたかというと、単純にテレビみたいなものが大きかった。昔は6チャンネルくらいしかなくて、バラエティーを見るか、スポーツ番組を見るか、スポーツ中継を見るかの違いくらいしかない。会社に行っても学校に行っても、昨日は「野球を見た」とか「バラエティーを見た」とか「ドラマを見た」とか、話題が同じだった。

平田:共通言語がありましたよね。

箕輪:そうです。いまは、スマホでおのおのが好きなことをしているから、個別に分断化されている。たぶんみなさんもそうだと思うんですけれども、職場の隣の人の好きなバンドとか聞いても全くわからんというのが通常なんじゃないですか。それに、そんなにびっくりしない。飲み会とかをやっても、みんなの好きなものがバラバラだという現実になっちゃってる。

それは悪いことじゃないんだけど、そういう世の中になっているときに、会社でも学校でも家庭でもなく、単に好きなものとか価値観が合うものでいられる居場所的なものが消滅したとこに出てきたのがオンラインサロンです。それをネット上で緩やかに繋げて、たまにリアルで集まる場があるんです。

僕のオンラインサロンでいうと、すごいわかりやすくて。箕輪のことを知っている、箕輪のことが好きだという時点で、ある種同じ価値観なんですよ。ホリエモンのことが好きだったり、落合陽一のことが好きだったり、変化することに関して肯定的であるわかりやすいノリが近い人がいるんで、そこで飲み会するなり、スポーツするなり、なんか同じプロジェクトにチャレンジするなりするという、ある種の居場所になっている。

だから、単純に場所で居心地が良いという人から、本当に起業するところまで活用する人がいて、さまざまですね。

箕輪編集室は、才能が集まるプラットフォーム

平田:居場所というのはもちろんあると思います。箕輪さんが最初におっしゃっていた「引き上げてもらう」みたいなところって、やっぱりそれは箕輪さんのサロンだからこそというか、カリスマ性があったりスキルが突出している人でないと難しいのかなと思われる方が、もしかしたらいるかもしれないんですけども。

会社だと序列があったり縦割りがあったりで、本当に歯車のここしかできないんだけれども、多様なメンバーの中で、リーダーシップエクスペリエンスというか、アウトプットの機会がどんどん自分で手に取れるというか。

箕輪:おっしゃる通りですね。

平田:そういうところが、すごく価値になるなと思っています。割とそういうのって、海外のビジネススクールに似ているなと思うんですよね。日本のビジネススクールって、割と知識を重視していて。海外ももちろん知識を教えるんですけれども、私が海外に行っていたときもこのプラットフォームの価値って、まさにリーダーシップエクスペリエンスを際限なく積めるところなんだろうなと思ったんですよね。

世界中から多様な価値観の多様な人が集まっていて、ものすごいクラブ活動が盛んなんですよ。ルールとかないので、誰でも◯◯クラブを立ち上げたいってなったら、どんどん勝手にリーダーをやって、そのなかでカンファレンスをする、セミナーをするといって役割分担して、お互いボールを奪い合っていくみたいな。それを積み上げることで、人はすごく成長するという機能が、ビジネススクールにはあると思うんです。まさにオンラインサロンとか副業のコミュニティって、そういう機能があるような気がします。

箕輪:うちは特にそうですね。だから、オンラインサロンによっても特徴が別々なんで。良い悪いじゃないんですけど、そういう機会を重視しているのはうちぐらいのもんですよ。重視してるというか、そういう機会が無限にあるのはうちぐらいで、それはなぜかというと、僕が編集者だからなんですよね。

僕がタレントなり作家なりだったら、僕はアウトプットに携わることしかできないんですけど。僕はいわゆる才能のプラットフォームなんです。今は前田裕二、来月は落合陽一、その次は堀江貴文と、僕の上にそういう才能たちがいて、「これをやりたい!」というアイデアが僕でも処理できないぐらい無限にあるんで、それを振りまくるという。僕は才能じゃなくて、才能が集まる場所だから。

平田:まさにプラットフォーム。

箕輪:機会があるってことですね。その点においては、なかなかそれを他のサロンはできないですよね。

平田:本当に、そんな良案件が集まっているサロンは、なかなかないかもしれないです。