九州一円を股にかけるカクイックス

伊佐政隆氏氏(以下、伊佐):トップバッターは、kintone hive福岡から九州・沖縄地区を代表して選ばれました、カクイックスの福里さんにお願いしております。それでは福里さん、よろしくお願いします。

(動画が流れる)

動画音声:創業55年、鹿児島・宮崎の病院・福祉施設のリネンサプライを手がけるカクイックス。将来を見据えて仕掛けた新規事業では、溢れる事務作業を楽にするkintoneの改修要求が押し寄せている。

「けっこう直してくれますね。直してくれないときもありますね。とくにおなかがすいているときとかは、ぜんぜんダメですね(笑)」。

腹が減っては戦ができない。アワードでの戦いの準備はいかに。

(動画が終わる)

福里直也氏(以下、福里):おいは鹿児島(かごっま)から来た福里と申しもす。 こげなふとかとこで話をすっこっはあんまいねもんじゃっで、わっぜ緊張しちょいもす。

今日はおいたちのkintoneの使(つ)け方をお話しいたしもす。少しでんやきた(役立)っなら良かがなぁっち、おもっちょいもす。……これで、つかみは終わりです(笑)。

改めて、カクイックスの福里と申します。よろしくお願いいたします。

(会場拍手)

少し会社紹介をさせてください。私たちカクイックスは昭和38年に創立し、今年創業55年を迎える会社です。昨年、経済産業省から「地域未来牽引企業」に選定されました。

医療施設や福祉施設などの法人様が主なお客様になっています。鹿児島に本社を置いていて、九州一円で活動をさせていただいております。

主な事業として、リネンサプライ・アメニティ・テレビレンタルのような、法人様向けのサービス。そしてデイサービスや入院セットサービスといったような、個人向けのサービスを展開しております。kintoneは入院セットサービス事業の中で使っておりますので、今日はそこについてお話をさせていただきたいと思います。

入院セットサービス事業は苦労が多い

2012年、私はkintoneに出会いました。

カクイックスでは、2007年に「サイボウズ デヂエ8」「サイボウズ Office」を導入しており、さまざまな業務改善に役立てていた事実があります。そこで私はこのkintoneに出会った時に、正直一目惚れをしました。

サイボウズ デヂエが持つデータ蓄積と、サイボウズ Officeが持っているコミュニケーション、両方のいいとこ取りをしてくれるものだと直感的にわかったからなんですね。ただ、正直に言うと壁がありまして。サンプルの数が少ないことや、私自身がそこまでkintoneを深く知らないところがあったので、当時は導入までなかなか難しいと考えていました。

さて、入院セットサービス事業が、そもそも何だろうかという話です。例えば今日お越しになっているみなさま方、もしくはご家族の方々が、病院に入院する時、パジャマを買わなきゃいけない。あとは、タオル、日用品(歯ブラシ、コップなど)を買わなきゃいけない。しかも(病院に)持っていかなきゃいけない。意外に手間なんですね。

しかも入院したら、洗濯までしなきゃいけない。こういうことを「私たちが一切合切準備します。だから1日いくらでお貸ししますよ」というレンタルサービスが、入院セットサービス事業です。

そんな入院セットサービス事業は、2016年4月に本格的な始動を始めます。鹿児島のとある病院さんで、このサービス事業が展開されることになりました。そして、その時の条件が2つありました。

1つ目が、院内サービス員。私たちの会社では「コンシェルジュ」と呼んでいるんですが、このコンシェルジュを配置しなければなりませんでした。

そして、契約案内・配布業務・在庫管理をしなければなりませんでした。実は、運用を考えたことがなく、コンシューマー向け(サービス)だったし、入院セットが「そもそも何だよ」と(社内で詳しく知られていないではないかと)思いました。私がこれを聞いたのは1月で、(2016年4月まで)たった3ヶ月しかない。本当に焦りました。

ただ私、実はチャンスだと思っていました。と言うのも、2013年、カクイックスの中で、入院セットサービスの研究をするところがあったからです。私もそこに入っていたのですが、その時に私自身が「入院セットサービスをどういうサービスにすればいいんだろう」「本質は何だろうか」と考えました。

そして、「患者様を中心とした、職員の方々、そしてご家族の方々の、会話・ふれあい・コミュニケーションを増やす」。このこと自体が入院セットサービスの本質なのかなと考えました。

病院の中にコンシェルジュを置きたいなと思っていましたので、私はここにkintoneを使おうと考えていました。しかも最低機能だけあればいいと考えていました。

掲示板にすべての改善要望を集約

1月なので、すぐに作らなきゃいけないかなと思ったのですが、「kintoneで本当にやりたいことは何だろう」「入院セットで本当にやるべきことは何だろう」と、もう一度振り返って、立ち止まって考えました。

そして、kintoneを使うためのルールを定めました。1つ目は「すべてのアプリ・スレッドを利用する」です。逆に、余計なアプリ・スレッドは作らない、いらない。余計な項目は入力しない。絶対に必要なものしかやらない(というルールにしました)。

そして2つ目に、「ハードルを徹底的に下げる」ということをしました。いろいろなハードルがありますが、大きく2つあります。

まず1つ目が、利用。これはコンシェルジュの方々が「選べばいい」「入れればいい」「押せばいい」(というものです)。「〇〇すればいいだけですよ」というように、必要最低限の項目に加えて、動作も最低限になるよう、ハードルを徹底的に下げることをしました。

そして2つ目です。「伝達」とありますが、これは現場の方、コンシェルジュの方々が、管理者である私たちになにかを伝えたい時(に使います)。「困ったことは掲示板」「なんでもかんでも掲示板」とお願いをしました。

その時に、私は1つだけ言い方を変えました。この発表のポイントはこれだけです。私は掲示板に「“言って”ください」と伝えました。大事なことだからもう1度言います。掲示板に「“言って”ください」です。

困ったことや修正してほしいことなど、いろいろなことがあると思います。入力する作業はただの作業でしかありません。私がやりたかったのは、掲示板を通して「私に何か言ってくれればどうにかします、がんばります」。こういうことを演出することによって、さまざまなお困りごとを拾い上げたいと考えました。

契約管理と配布管理を効率化

これが実際の画面になります。先ほどから言っている通り、最低限のスレッドとアプリしか置いてません。少し駆け足ですが、各機能を説明したいと思います。

まず1つ目は、契約管理。最低限の情報です。ご利用者様の情報と、配布をするときの情報があります。そして入力をする項目で、後ろの画面と背景色が見づらいと言われたので、背景色を変化させて入力する項目を明確にしました。

2つ目は、配布管理。病棟を選択すると、お客様の一覧が出てきます。

そしてPDFを印刷して、コンシェルジュの方々が用紙を持ちながら各病室のお客様へ。Lサイズ、Mサイズなど、いろいろな患者衣のサイズを準備して配布を行っていきます。

そして配布が終わったら、このように実際に書いていただいています。スライドの一番左側に「配布チェック」というものがあって、配布が終わったらコンシェルジュの方に「この方は配布が今日終わりましたよ」といったことや備考など、いろいろなことを書いてもらいます。実はこの紙を、我々は本社の人間と共有しています。

連携機能を駆使し、情報共有をスムーズに

次に、本社との連携。これはkintoneを使われている方が、おそらくこういう使い方をしているだろうという使い方をしています。本社の人間が請求の情報を受けたり、電話を受けます。あとは病院の方々、病院のコンシェルジュの方々もいろいろな情報を受けますので、お互いでやり取りをしながら問い合わせを管理して、対応状況・進捗状況を完了まで持っていきます。

(スライドを指して)これは入院セットの累計契約数と、月間利用者数のグラフになっています。まず棒グラフが累計契約数になっていて、kintoneで約81パーセントのお客様を管理しています。そして、線グラフでは、2016年4月が転機、というお話をしました。今年の8月時点で、月間の利用者は約20倍に増えました。まだまだ増えます。いまも実際に増えています。

さて、「現場にて」とありますが、私は病院さんに行ってきました。配布管理など、いろいろしてきました。(一連の作業が終わると)すぐ、このようにメモ・付箋がたくさん出てきました。「早くこのアプリをなんとかして」「こんなふうにして」「この紙を出したい」……。「わかりました」「がんばります」(と答えました)。

けっこうプレッシャーだったんですよ。コンシェルジュの方々が後ろで、「早く(改善)しないのかな」という感じで。実際にコンシェルジュにこうやって見ていただいたところ、ここまでわずか10分で、単純です。いろいろなことをやりましたが、これ(改善作業)は10分ぐらいで終わりました。「早くできた。すごくありがたい機能だな」と思っています。