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新卒1年目の新入社員が挑んだRPA(全1記事)

2017.12.26

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「kintoneネイティブ世代」の挑戦 PCスキルのない理系新卒が、kintoneで業務改善を成功させるまで

提供:サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社が主催する「Cybozu Days 2017 Tokyo」のなかで、kintoneによる業務改善プロジェクト成功の秘訣や活用のノウハウを共有する「kintone hive」が行われました。PCスキルはおろか、タッチタイピングすら全くできなかったという株式会社ネオラボの中岡直輝氏。入社2年目にして「kintoneネイティブ」になれたのはなぜか、kintone活用の経緯を振り返りました。

PCスキルのない新卒でもkintoneネイティブになれる

中岡直輝氏(以下、中岡):どうも、みなさんこんにちは! あ、こういう空気じゃないですよね。失礼しました。このしんとした空気で伊佐さんの痛い気持ちを私も感じることができたのかなと思っております。

では、すみません。ここから切り替えて発表させていただきます。これが最後の発表になります。みなさん、長時間で大変だったとは思いますが、最後ですのでどうぞお付き合いください。

発表にあたって、まず私の自己紹介です。株式会社ネオラボという会社から参りました中岡直輝と申します。現在入社2年目です。学生時代は理系の大学に通って数学を勉強していました。

理系と聞くと「やはりPCスキルが当然あるものだ」と思われる方が多いと思いますが、入社のタイミングで私は、システム開発はおろかタッチタイピングすら全く、本当に全くできない状況でした。

ただそんな私でも、就職活動では、大手やベンチャー企業を合わせて10社以上の企業様から内定をいただき、その中で最も自分が成長できる環境かつ若いうちから裁量をいただける、株式会社ネオキャリアという会社を選んで入社を決めました。ちなみにネオキャリアというのは、先ほどご説明あったとおり、ネオラボの親会社に当たります。

ネオキャリアの2016年新卒の同期は約200人いました。その200人の同期と新卒の研修を終え、配属のタイミングで「新規事業の立ち上げ」で一番人気のあったネオラボを勝ち取り、今ここに立たせていただいております。

そんな私がどのようにして「kintone」のアプリ開発を進め、「kintoneネイティブ」になれたのか、これからご説明できればと思っています。

社長のムチャぶりにも対応できる

中岡:次に会社紹介です。創業は約2年前の2015年11月です。グローバルに展開し、合計で4拠点を展開しております。いまでは従業員人数250名を超えるまでに成長しています。

事業内容としては、ソフトウェアエンジニアを用いた人材サービスであるオフショア開発、最先端技術を用いたドローン、VR、AR関連のプラットフォーム開発をやらせていただいております。

創業2年で250人、売上高成長率では前年比が約300パーセントに近い圧倒的な成長を遂げております。これだけを見れば「あ、すごい会社だな」と思ってくださる方も中にはいるかもしれません。ただ私が配属されたときは、創業まだ数ヶ月で本当に何もない組織でした。その中でこのような課題感がありました。

その課題を解決するために、弊社社長から直々に「kintone」について学ぶようご指示をいただいたことが「kintone」に触れたきっかけです。

社会人1年目のまだ配属されたばかりでなにもわからない私は、社長から言われたとおり「kintone」について一旦触れてみました。すると、タッチタイピングを数ヶ月前までできなかった私ですら、アプリが作れるような簡単なシステムでした。

それがうれしくて、「kintoneでアプリつくれるようになりました!」と報告したところ、社長が「おけおけ」と。おそらく褒めてくれています。

その後に「じゃ、見積書から請求書まで出せるように作っといてー」と得意の丸投げですよね。そのとき私は、いつものことながらこう思いました。「結局現場にムチャぶりですか」。

おそらくみなさんもどこかの駅で見たことあるのではないかなと思いますが、サイボウズさんのポスターです。私も新宿にオフィスがあり、南口を出たところに貼ってあります。毎日「うんうん、そうそう」と思いながら通勤をしていました。そうなんですよね。働き方改革に物申したり、今年のサイボウズの煽り方は大変辛辣で、ここにいる上司の方々もちょっと耳が痛かったのではないかなと思いました。

うちの社長もおそらく耳が痛かっただろうと思います。ちなみにこのポスターは会社にも貼ってあります。私の机の真ん前に貼ってあるので、社長もいつもこれを目にしながら業務を行っております。

それはさておき、私は「見積書から請求書まで一貫して作れるアプリ」と言われたので、一応作りました。こちらについて、これから説明をさせていただきます。

ネオラボのkintone活用例

中岡:機能は「帳票発行」です。見積書から請求書まで一連に発行できるものとなっています。社長からのオーダー通りですね。

内容としては特定のアプリ、こちらで記載があるのは見積書ですかね。特定のアプリでレコードを作成し、申請をすると申請内容がプロセス管理を経て流れます。そこから承認者へ通知が飛ぶというシステムになっています。

例えば、私が申請者の場合、私が申請をして社長に承認の依頼を投げる。社長が承認をした段階でプロセスが動き、自動で帳票発行がされ、自動でPDFが保存されます。自動化したことによって確認作業・格納作業が減り、圧倒的に手間が減りました。

ただ1点問題があり、ネオラボとしては「kintone」を導入する以前に、ビジネスチャットツールである「チャットワーク」というものを導入していました。「チャットワーク」は毎日ログインをするのですが、「kintone」はログインするのが面倒くさかったり、通知を見逃したりということが多々あり、承認通知を飛ばしたところでみなさん承認をしてくれないという問題に陥りました。

そこで私が考えたのは「チャットボットによる通知」です。

簡単に申しますと、先ほどご説明させていただいたように、私から社長に承認依頼を投げ、承認をしたタイミングで自動で発行されます。そのタイミングで弊社のチャットボット「ネオラボット」!

ああ、ここだめですね。ちょっと受けると思っていたんですけれど(笑)。すみません、こちらのネオラボットから指定のチャットワークグループに通知を飛ばすことができます。

この機能を応用して「チャットでのリマインド」も作れるのではないかと思って開発をしてみました。先ほどと同じような内容にはなっているのですが、「kintone」にレコードを作成すると、指定した日時やタスクを指定のチャットワークに飛ばすことができます。

こちらを使用し、月末月初のルーチン作業の抜け漏れをなくすことができました。ただ社内では「チャットワーク」を中心に使っているので、やはり「『kintone』が入るのはちょっと微妙だな」という声もありました。

そこで「チャットでのプロセス管理」を作成しました。「見積書」と私が指定のチャットワークグループで投げると、弊社のチャットBOT、ネオラボット、こちらが現在の見積書アプリにある未処理のレコードを表示してくれます。ですので、一目見るだけで残りのタスクがどれだけあるかを把握できるようになっております。

ほかの使い方ですと、こちらです。「見積書37」と打ち込むと、見積書アプリにあるレコード番号「37番」が表示され、このチャット上で「承認・差し戻し・否決」が操作できるようになっています。

現場の発想で日々進化するkintoneの機能

中岡:ただこの機能をすべて新卒の私だけでできたわけではありません。DRY株式会社、吉村さん。ラフノート株式会社、西小倉さん。この方々にサポートいただいて、ネオラボの「kintone」は日々進化しています。

こちら見ていただればわかるように、ネオラボ内では、各システムを使っています。

私は紙粘土と例えることが多いのですが、「kintone」はいろいろなシステムとの連携を容易に推進することができるので、自然と社内で中心的な存在になってきました。

結果論と言えば結果論にはなってしまうのですが、日本・ベトナム、国を越えて各拠点でメンバーレベルから改善の提案が、私に飛ぶようになりました。

ただそれだけではなく、最近は現場レベルから「このアプリ作っていい?」「こういうのが作りたい」という意見も出てくるようになってきています。

「kintone」の一番いいところとしては、現場レベルで業務改善ができる。メンバーレベルで主体的に業務改善ができる。このようなところがいいところだと私は思っています。「kintone」導入といいますか、会社全体の意識の改革は何事にも代えがたい「kintone」の成果だったかなと思っています。

今後について、もともとは「kintone」開発はネオラボのバックオフィスの業務を効率化をするために始めたプロジェクトでしたが、社内や社外、グループ内から問い合わせが増えてきたので、「kintone」の開発に培った内容を事業化できればいいかなと考えています。ネオキャリアグループ全体の業務の効率化も、「kintone」導入で成し遂げたいと思っています。

「業務改善職」の創出へ

最後に、私の野望にもなっているんですが、業務改善。これが今の日本の課題だと思っています。社内外の業務改善に特化した「業務改善職」の創出を成し遂げ、最終的には日本全体の生産性向上、こちらにつなげていければ私のやっていることに意味はあるかなと感じています。

私のようにエクセルすら、タッチタイピングすら全くできなかった「kintoneネイティブ(世代)」ですが、このような世代がこれから出てくると思います。このようなメンバーたちの活躍にこれからもご期待ください。挑戦はこれからも続いていきます。長い時間にはなりましたが、ご清聴ありがとうございました。私からの発表は以上になります。

(会場拍手)

自分もkintoneマスターに

伊佐政隆氏(以下、伊佐):ありがとうございました。中岡さん、「kintoneネイティブ(世代)」の話も最後ありましたけれども、本当にエクセル使えないんですか?

中岡:いやあ、エクセルで同期から「これどうやるの?」と言われてもわからないんで、「『kintone』だったらこうやるよ」と答えちゃって。

伊佐:「kintone」はわかるんですね。

中岡:はい。なので、「じゃあお前の部署も『kintone』入れようよ」と言って、上に掛け合ってもらうみたいな。変な握りをしちゃっていますね。

伊佐:実はこのアワードに出るのは昨年から決めていたと聞きましたけれども、ちょっと教えてもらっていいですか?

中岡:ちょっと目の前にいらしてあれだったんですが、そもそも新卒1年目の人が発表できるというところで、去年発表いただいた方々の意見を見て……。

伊佐:ニシム電子の藤川さんとか。

中岡:はい。あ、名前出してよかったですか?

伊佐:大丈夫です、もちろん。審査員で今日いらっしゃっているので。

中岡:それで藤川さんの発表を見て、「あ、1年目でも出れるんだ」というのを発表を見てちょっと興味がわき、最後の「人類kintoneマスター化計画」。

伊佐:武富さんの発表ですね。

中岡:はい。これを聞いて「参加したい。僕もマスターになりたい」と思って、今回私は「kintoneネイティブ」というワードを出させていただいたんですが、マスターになれるようにこれからもがんばっていきます。

伊佐:なるほど、よろしくお願いします。最後に、ムチャぶり社長は今日来てはいないんですかね?

中岡:いや、今日来ています。

伊佐:今日来てる!? どこに。

中岡:大川さん!

伊佐:大川さん、大川さん。

中岡:あ、後ろにいます。

伊佐:後ろに。大川さんはもうムチャぶり。

中岡:そうですね。

伊佐:ああ、大川さん映っていますね。引き続きムチャぶりしながら、今度ネオキャリアグループも全体に「kintone」を広げて。

中岡:全社に入れていければと。

伊佐:さらに業務改善広げていけるといいですね。

中岡:はい。

伊佐:じゃあ、中岡さん改めてありがとうございました!

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