アサヒビール、中国での奮闘

小山英記氏(以下、小山):アサヒビールの小山と申します。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。

当初はマイクを持って話す、みたいなものを想定していました。(ヘッドセットがあるので)ちょっと手をぶらぶらさせながら進めたいと思います。

今日は弊社のkintoneの活用事例ということでお話します。まず先に、会社の紹介を簡単にします。弊社は日本のアサヒグループホールディングスの子会社にあたります。 (スライドの)左側の青いところですが、中国投資会社の下に「深圳青島(シンセンチンタオ)」と「煙台啤酒(エンタイビール)」というこの2社がございます。我々はこの2社に対して直接投資をしてるという位置づけであります。

もう1社、(スライドの)右側にある「北京啤酒(ペキンビール)」は、アサヒグループホールディングスが直接出資をしている会社です。

ビール・飲料に関連するところは、「青島啤酒(チンタオビール)」と「康師傅(カンシーフー)」に出資してます。

ご参考に、売上高の推移を簡単なグラフにしてみました。昨年の段階で1億8,000万元ほどの売上になっています。おかげさまでここ数年、伸び率が非常にいい状況が続いてます。

我々の中国拠点を、簡単に絵にしてみました。上海が本社で、分公司(注:支局)は、北京、大連、深セン、広州ですね。この4分公司があります。

分公司ほどの規模ではないのが事務所になります。寧波(ニンポー)、武漢、成都。この3箇所を置いて営業拠点としております。

ビールにつきましては、先ほど申し上げた北京啤酒と深圳青島でアサヒビールブランドを製造しています。煙台は出資はしていますが、製造しているのは煙台ビールと青島ブランド、この2つを製造しています。

洋・中の料理店でもアサヒが人気

主な取扱い製品を簡単にご紹介します。スーパードライの生ビール、ビン、カン。「清爽」(注:アサヒブランドのビール)などを販売しています。

(スライドの)下のほうに「日本からの輸入商品」があります。「スーパードライ ドライブラック」、スーパードライの2Lや135ml。これは(日本から)輸入して、主にコンビニや大手スーパーなどのチェーン店で販売しています。

今、日系料飲店のカバー率は上海がだいたい70パーセント強あります。アサヒビールは日系のイメージが強いですが、最近では、中華料理とか西餐(注:西洋系の料理)などにも広く取り扱いをいただいています。

簡単にご紹介をさせていただきます。例えば、新天地(注:上海市の地名)にある「喜喜」という上海料理のお店。富民路(注:上海市の地名)にある「WORLD OF BEER」という、生ビールのタップ(注:ビールサーバーの注ぎ口)が50種類以上ある、かなり大きい生ビール専門のお店。こちらでも、我々のビールをお取扱いいただいております。

あとは、お店ではないですが、先日行われた生ビールの啤酒节(注:クラフトビール祭り)に出展したりしています。また、個人的に好きなのですが、小龙虾(注:食用のザリガニ)や火鍋があるお店。このようなお店にも我々のビールが入り始めました。

「鼎泰豐(ディンタイフォン)」さんは、以前はビンだけのお取り扱いだったのですが、今年から我々の生ビールもお取り扱いいただけるようになりました。ということで、西餐や中華でも積極的に展開中です。

kintoneを導入した背景

では、本題に入ります。なぜkintoneなのか。導入の背景を簡単に整理したものをお話しします。1つは、言うまでもなく、ビジネス環境の急激な変化に早く対応したかったということです。世界中どこでも、ビジネス環境の変化が非常に早いですが、とくに中国は早いです。

利用者が使いたいシステムをイチから要件定義をしてということでウォータフォール(注:ソフトウェア工学で一般的な開発モデル)で作っていくと、ぜんぜん間に合わない。「これなんとかしたいですね」となりました。

もう1つは、情報の共有と可視化。先ほど申し上げたとおり、我々の会社もけっこう広い土地の中で商売をしているのですが、なかなか共有する場所がありませんでした。そういうこともあって、「共有する場がほしい」「そもそも可視化できていない業務領域が多い」というところが問題でした。

あとは業務プロセスの標準化。これもkintoneを入れたからという話ではないと思うのですが、とにかく業務プロセスが標準化されていない部分が結構ある。人それぞれのやり方で仕事をするということで、「これもよろしくないよね」となりました。

この3つをなんとかしたいというのが、kintoneを入れた背景です。今日は3つ事例をお話ししますが、(3つの事例)それぞれがこれらの場面について「困っている」「なんとかしたい」ということを解決したものです。

バラバラだった販促品手配の方法

事例の1つ目として、「販促品手配」をご紹介します。我々の会社の販促品は、ビールのジョッキや、お店の中に貼ってあるポスターなどがあります。日系のお店だと提灯などもあります。そういうものを販促品と言って、我々からお店に提供しています。

販促品の手配をこれまでどうやっていて、どういう課題があったか。1つは、手配の方法がバラバラ。これはシステムが何もありませんから、社員が自分の方法でそれぞれ手配をしていました。

電話で手配をする人もいれば、メールを送ってくる人もいるし、紙に書いて渡す人もいました。手配の方法がまったくバラバラでした。

システムが無いため、販促品の在庫も正確にわからない状況でした。例えば、現物とそもそもの台帳が合わないとか、そういうことが発生していました。

あとは販促品の提供状況が不明。どこのお店に対して、なにをどれだけ提供したかを把握できていなかった。

ということで、kintoneで販促品手配の仕組みを入れました。営業担当者がkintoneで手配を依頼し、「○○という居酒屋さんにジョッキを手配してください。」とお願いします。そのあとに上司が承認。出荷手配をして、お店に届くことになります。

販促品システムをKintoneでシステム化した効果は、それぞれ手配プロセスを統一できたこと、販促品の需給管理の精度を向上できたこと、店舗単位で販促品の提供状況を可視化できたことの3点です。結果として導入前にあった3つの解決をしています。 弊社の場合、月に平均350〜400件ぐらいの販促品を手配していますが、これを効率よく実施できている状況です。

上司とのコミュニケーションもスムーズに

次に営業日報。これはkintoneを導入されている企業では、比較的多く利用されているアプリだと思います。これについても(kintoneを)入れる前にどういう課題があったかをご紹介します。 営業マンがどのぐらい店舗を回訪しているか? 部下がどういう活動をしているか? が正確に把握できない。また、「もっと部下とちゃんとコミュニケーションしたい」という上司の要望がありました。

営業マンが商談報告書に活動報告を入れて、上司が日報として見る。商談報告というのは、営業担当者が回訪した単位に入れるものです。営業日報というのは、その商談報告をまとめて、上司に提出する段階で営業日報というかたちになります。

営業日報を導入したことにより、店舗単位に回訪頻度が把握できるようになり、部下の活動内容も正確に把握できるようになりました。

こうして、部下の行動を把握することで、今までよりもきめ細やかな活動ができるようになりました。 イメージは「どこを回訪しました」という情報を部下が商談報告書に入力し、上司が確認をする状況になっています。(スライドの)1行単位が1店舗になっています。