飲食業界を厨房機器で支えるホシザキ

加藤健太氏(以下、加藤):ただいまご紹介いただきましたホシザキの経営企画部の加藤と申します。ホシザキは飲食業界で業務用の冷蔵庫・冷凍庫や製氷機を販売させていただいております。今年グループとして70周年を迎えました。上海には2004年に会社を設立しまして、10年以上ビジネスをさせていただいております。

2016年のはじめにkintoneを導入して約1年半運用しています。本日は「kintoneを活用した課題解決」というテーマで、kintoneを使いながらどのように社内の課題を解決したのか、ご説明させていただきたいと思います。

構成は4つのステップでお話ししたいと考えております。

まずは課題をどのように可視化したのか・分析をしたのかというところから始めます。そして2つ目のステップでは、この課題をどのように解決をするのかというところ。こちらではじめてkintoneの話が出てきます。課題をどのように解決していくのかをお話しした上で、課題を解決するために、最終的にkintoneを含めて業務にどのように落とし込んでいったのかという3つ目のステップをお話しします。

そして最後に、kintoneの導入をどのように計画したのか、どのように運用しているのかをお話ししたいと思っております。

ホシザキの3つの事業

では、具体的なお話をする前に、事業紹介を簡単にさせていただきます。まずは製氷機についてです。こちらは業務用で自動的に氷を作り、本体内にストックする機器です。

飲食店はお水にこの氷を入れたり、上海・広州を中心に流行しているミルクティーに入れたりなど、活用いただいています。ホシザキの製氷機は製氷方法が特殊で、氷が固いです。固く、氷の温度が低いので、飲み物に入れても溶けにくく、お客様に飲み物の本当の味を味わっていただける。そのため、さまざまな業態の飲食店に導入いただいています。

もう1つの大きな事業が業務用の冷蔵庫・冷凍庫です。

こちらは食品を安全に衛生に管理する、業務用の冷蔵庫・冷凍庫。家庭用とはパワーや庫内容量が段違いです。

加えて、生ビールサーバーも販売をさせていただいております。

この3つが大きな事業になっていまして、高品質で耐久性のある製品を提供させていただいています。

また、自社で各都市にサービスマンのネットワークを構築しておりまして、お客様の要望に応じてすぐにかけつけて修理を行う事が可能です。飲食店のみなさまに安心・安全に設備をご利用いただくということを常に心掛けております。

中国におけるお客様は、主に飲食のチェーンやホテルになりますが、こうしたお客様に対して、代理店や厨房設計業者を通して販売をさせていただいています。

一般的に飲食チェーン店さんが店舗を出す際には、この代理店や厨房設計業者が案件として請け負い、設計から設備まで、どのブランドの機器を入れるかなども含めて話をとりまとめていただいています。

私たちホシザキは、そうした代理店・厨房設計業者に営業させていただいています。一部、飲食店やホテルへの直販もありますが、ほぼ代理店と厨房設計業者へ販売しているという状況です。

ホシザキが抱える課題

ホシザキは営業活動に経営資源を投入しています。営業の人員や工数も含めて、経営資源を投入していますが、この資源をいかに効率的・効果的に投入するか。ここが常に経営課題として存在しています。

とくにkintone関連で申しますと、営業の工数です。ここがメインのトピックになっておりまして、ホシザキの課題は2点あると捉えていました。

1つは予実管理です。営業人数や営業工数をかけて代理店や厨房設計業者にどの程度の時間を割いて、売上をあげる。というところを試算して年間の予算を組みますが、その予算に対して営業リソース投入実績をしっかり把握をして最適化する、ここが1点目の課題でした。

2点目は、「営業工数をどのように投入するのか?」という点で、会社の営業方針として、営業担当に対して、例えば「どの代理店・厨房設計業者を中心に回ってください。こういう時間の使い方をしてください」というところをお願いしています。

その方針をしっかり営業担当が理解をしてできているかをモニタリングして効率化していく。この2点を課題として認識しておりました。

経営資源をいかにして最適化するか?

もう少し詳しくお話ししますと、先ほど申し上げた2つの課題は「経営資源の最適化」ということでこちらの図に示したとおりです。

社内の各レイヤーは図の左側の水色の部分になりますが、経営企画部も含めた経営層、営業部の中には部長、その下にブロック長、そして営業担当が紐付いている構造になっています。

全国を5つのブロックに分けていまして、その下に約10事務所、合計で数十人の営業担当が所属しています。

営業は代理店・厨房設計業者に時間等を割いているわけですが、まず図の1の予実管理に関しては、営業資源をどれだけ投入して、どれだけの成果が上がっているのかを代理店あるいは厨房設計業者別に出したい、という希望がありました。

「成果」の情報の中で、売上に関してはERPシステムで管理していますので大丈夫ですが、営業資源の投入に関しては、営業人員の人数は把握していますが、工数としてどの代理店にどれだけ割かれているのか、そこは見えにくいところがありました。

みなさまご存じのように、中国では微信や電話でかなりスピーディに業務を行います。ブロック長と営業担当はかなり結びつきが強く、通常1週間かかるような内容が1時間で終わっている。そういったスピード感で動いています。そのため、そういった業務を経営層がしっかり把握をするのがなかなか難しいところが課題としてありました。

そしてもう1点、「営業方針の実行」では、ブロック長が全体方針を月次で分析・判断をして、計画どおりに行われているのかを見ながら指導する。そういった仕組みを実施する必要性がありました。

優先順位の明確化と活動の見える化

kintoneを入れる前、主に課題になっていたのは図の矢印の部分です。図の1では経営層とブロック長、図の2ではブロック長と営業担当。この会話が定量的に、そして建設的に行えていなかった点を課題として認識していました。

例えば図の1では、経営層はビジネスを拡大する上で「人員を増やしたい」「工数を増やしていきたい」と考えていますが、実際に今の人員が効率よく動けているから人数・工数を増やして売上を増すのか、それとも今の人員・工数の再配置が必要なのか。

そういった議論ができるよう、関連する情報を建設的に定量的に捉えるためにkintone導入をいたしました。

営業担当含めて会社としてどういう方針を出したかといいますと、先ほどお話ししました代理店と厨房設計業者は全国に約1,000、2,000という数でいらっしゃいますが、この2,000の代理店をしっかりと優先順位付けする。そして優先度の高い、今後継続的に売上を作る期待値の高い代理店へ重点的に活動するよう営業にお願いしました。

「商談1件につき1レコードをkintoneで入力してくれ」というお願いを営業担当にしています。いつ、どこに、どの代理店に営業活動を行ったかを入力していただくことで、経営層やブロック長が、営業担当の動きを定量的に把握する仕組みを導入いたしました。

こちらは実際の画面の紹介ですが、「活動報告」と呼んでいまして、商談1件につき1レコードを入れてもらっています。

内容はシンプルで、選択肢を多くすることで入力時間をなるべく少なくすることを意識してユーザーのインターフェースは設計いたしました。1件あたり1〜2分あれば商談が登録できるように設計をしています。

経営層が欲しい情報を最低限このプラットフォームの中に入れて、営業担当が面倒に感じずに入れていただけるような環境を整えることを意識して作りました。