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人類kintoneマスター化計画(全1記事)

2016.12.22

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人類kintoneマスター化計画? 入社3年目の女性社員が推し進めた「無意識下での業務効率化」

提供:サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社が主催する「Cybozu Days 2016」のなかで、「kintone hive ~kintone AWARD ファイナリストによる事例講演〜」が行われました。今回は34件から、5人のファイナリストを選出。本パートでは、神戸デジタル・ラボの武富佳菜氏が登壇。「人類kintoneマスター化計画」と題し、社内の業務効率化を図った事例を紹介しました。

5人目、神戸デジタル・ラボが掲げる「人類kintoneマスター化計画」

伊佐政隆氏(以下、伊佐):いよいよ最後のプレゼンとなります。ファイナリスト最後の講演は、もはや日本中、いや、世界中を動かすかもしれない、壮大な企画を持ってきてくださっています。神戸デジタル・ラボの武富さんにお願いします。

武富佳菜氏(以下、武富):みなさん、こんにちは。神戸デジタル・ラボの武富佳菜と申します。今日はよろしくお願いします。

みなさん、これで最後です。本当に楽に聞いていただいて構わないので、よろしくお願いします。

「人類kintoneマスター化計画」。このふざけたタイトルなんですけど、kintoneマスターとはなにか? 弊社ではkintoneアプリを作成できる人と定義づけています。つまり、人類kintoneマスター化計画とは、kintoneアプリを作成できる人。それを社内でどんどんどんどん増やしていく計画になります。

タイトルの解説が終わったところで、簡単に私の自己紹介させてください。神戸デジタル・ラボは、兵庫県の神戸市に本社を置く会社で、いわゆるIT企業です。ITを使ってお客様に価値を提供する事業を行っております。

私は新卒で入社して、現在3年目です。カナヘイと呼ばれることが多いので、みなさんもそう呼んでいただけると嬉しいです(笑)。よろしくおねがいします。

このkintoneアワードは今年1年で最もキラリと光るkintoneを活用した企業を選出する場なんです。では、いきなり本題です。神戸デジタル・ラボはkintoneをどう使ったのか。

実は数百人が数拠点で使うような大規模なシステムを作ったわけでも、数万・数十万のデータを格納するような基幹システムを作ったわけでもありません。ただ、先ほどご説明した、kintoneマスターと呼ばれる「kintoneのアプリを作成できる人」を増やして、社内のさまざまな業務を改善しました。たったそれだけです。

kintoneの最大の魅力は、FastSystemであること

そもそもkintoneの導入のきっかけは、もともと自社開発していた簡単な案件管理のシステムをリプレイスしたいと思ったことでした。そのリプレイス先の候補として、kintoneが挙がっていました。当時入社2年目の春だった私が担当者に抜擢されて、社内で初めてkintoneのアプリを作りました。「超便利だ!」と思いました。(笑)

新人でプログラミングができない私でも、こんなに簡単にスピーディーにシステム開発できるなんて、と。すごくテンションが上がって、そのテンションのまま、もともとのシステムをどんどんアプリ開発していきました。

いろいろ苦労はしたんですが、ちょうど1年前の2015年10月14日にkintoneで作ったシステムを全社へ初リリースしました。

社員の反応は「前よりも使いやすくなったね」など。もちろん、喜んでくれたんですが、少し思っていた反応と違うものでした。私が初めてアプリを作ったときみたいに、みんなもkintoneの虜になってくれるんじゃないかと思っていたんです。そのため、周囲の反応にはすごくギャップを感じました。

そのギャップを感じてみて思ったことがあります。kintoneて作られたアプリを使ってもらうだけじゃもったいないんです。なぜかというと、私にとってkintoneの最大の魅力は、FastSystemであることだと考えています。

先ほど伊佐さんからもご説明がありましたが、kintoneの公式サイトでも「kintoneとは開発の知識がなくても自社の業務に合わせたシステムをかんたんに作成できるシステムだよ」と書いてあります。つまり、アプリを使うよりも、アプリを作るほうがkintoneの価値を感じやすい。「kintoneで良かった」と思いやすいんです。

そこで私、ひらめきました。私が作ったアプリを使ってもらうだけじゃなくて、もう、全社でアプリを作ってもらったらいいんじゃないか、と。

ここから私と「人類kintoneマスター化計画」は進みます。まず、自分に近い社員に、kintoneを勧めてみました。同じ部門の情報システムチームや、同期がいる人事総務部。「ここでExcelやメールを使っているものを、kintoneにしてみたらどう?」と。

最初は半信半疑で、「それ、本当に便利になるのか?」という反応でした。しかし、自分たちの業務の1つをkintoneアプリにすると、最初の私のようにすごく便利だと感じて、「じゃあ次これも」「次これも」と、どんどん自分たちで業務を効率化していく。こういった、すごくいいサイクルが、自分の近いところで回り始めました。

「もっと、このサイクル全社に広めたい」「もっといろんな人に使ってもらいたい」「いろんな視点でkintone活用したい」と思いました。そこで私は、社内勉強会を実施しました。「業務効率化しませんか?」「現状の業務フローに不満ありませんか?」といった参加募集のメールを送ったところ、さまざまな役職、職種の社員が業務終了後にkintoneのアプリの作成方法を学びに来ました。

各部門、各チームに、それぞれ作成方法を勉強して持ち帰ってもらい、「じゃあ、自分たちの業務のなかでkintoneにできることはなんだろう」と考えるところから業務効率化をスタートすることができました。

使う人にとって、kintoneだろうがなんだろうが、便利だったらそれでいいんです。kintoneである必要がない。ですが、kintoneマスターになってみたら、「あ、kintoneてすごいね。こんなこともできるんだ。ノンプログラミングで!」という感想をもらいました。そこからどんどん、自分の業務を効率化したり、チームで使うアプリを開発したりする状況になってます。

社内システムを提供する側、使う側がともに成長する雰囲気

さらに人類kintoneマスター化計画を進めました。今年の新入社員研修にkintoneを導入しました。新入社員研修に導入した理由にはいろいろあるんですが、やはり、これが一番の大きな理由です。

kintoneは積極的に失敗できます。もともと新入社員研修の最大の目的は、たくさん失敗してそこからたくさん学んで成功してもらう。このプロセスをいっぱい体験してもらいたいと思ってます。

kintoneは失敗してから、リカバリーする。そこのハードルがとても低いです。新人はたくさん積極的にチャレンジして、失敗しても修正して、成功する。このプロセスをたくさん研修中に学ぶことができました。これも、kintoneならでは。kintoneを使ったから、できたことだと思っております。

こんなふうにkintoneマスター化計画を進めているんですが、社員の声としては、社長や部長などから、kintoneを活用した業務改善についてすごく前のめりな声が上がるようになりました。

初めてkintoneのアプリをリリースして1年が経ちました。今、弊社には160名ほど社員がいるんですが、そのうちなんと44人、社員の1/4がkintoneマスターになっています。その44人が自分たちの業務をkintoneのアプリにして、効率化しています。現在、約150前後のアプリが運用中です。つまり、150個の業務を改善できたということです。

ここまでお話したとおり、神戸デジタル・ラボでのkintone活用法は、kintoneマスターを増やして、社内のさまざまな業務を改善しました。やったことは、本当にこれだけです。なにを得られたかというと、年間約210万円のコストメリットが生まれました。

このコストメリットのなかに、kintoneで改善された業務運用のコストであったり、集約することでいらなくなったライセンス料を含みます。「210万円って安くない?」という方もいらっしゃると思います。44人で210万円。社員1/4で210万円です。

つまり、弊社の社員全員がkintoneアプリを作れるようになったら1,000万円のコストメリットが見込まれるということです。さらにkintoneマスターを増やすことで、私が最初にリリースしたkintoneアプリについて、より具体的な改善案を社員が提案してくれるようになりました。

今までは「使いにくい」「直してほしい」の抽象的な意見しか出てこなかったのですが、「このフィールドのほうが利用者は使いやすいんじゃない?」「通知ほしいから、この通知設定してくれない?」「こういうふうに使いたいから、この項目増やしてほしい」。具体的な改善案を社員が提案してくれるようになり、1つの社内システムを提供する側も使う側もみんなで育てていく雰囲気が生まれてきました。

社員全体の業務改善に対する意識、これが格段に上がりました。「業務改善したいんだけど」という声が多く上がるようになりました。実はどんな大きなシステムを導入するよりも、社員の意識を変えることがなにより難しい。でも、kintoneマスターを増やすことで、比較的簡単にこれが実現できました。

なぜ実現できたか。実は、本当は誰でも現状の業務フローに不満があります。なにかしらみんな「めんどくさい」と思っているんです。

今まではやり方や方法がわからなかったから、言わなかった。でも今は、手段の1つとしてkintoneがあります。「じゃあ、自分たちの業務でkintoneにできることはなにか?」と、考えるところから業務の効率化を無意識にスタートすることができているんです。

こんなふうにkintoneマスターを増やせば、もっともっと効率化できると思いますし、さまざまな視点からkintoneを使うことによって、新しい活用方法が生まれるかもしれません。

利用者が増えるほど、知恵もたまる

当たり前なんですが、kintoneアプリを作れる人が増えれば増えるほど、これに関する情報はたくさんたまります。もっと進めていけば、「kintone」で検索すれば、すぐに解決方法が見つかる。あとは知恵袋で聞いたらすぐ返ってくる。それもできるようになるかもしれないです。

人類kintoneマスター化計画は、ここにいるkintoneユーザーのみなさんにメリットが生まれるという画期的な計画となってます。弊社だけではなく、みなさんの会社、またはみなさんのお客様の会社でも、ぜひこの計画を一緒に進めていただければと思います。みんなで進めましょう。人類kintoneマスター化計画。

ということで、私のお話は以上とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

(拍手)

伊佐:武富さんありがとうございました。

武富:ありがとうございました。

伊佐:いい計画ですね、マスター化計画。今日、ファイナリストの方の講演を通して、やはり仲間を増やしていく。アプリ系を作れる経験者を増やしていく方がいい、非常に大事だなと思います。武富さん、良かったです。

武富:ありがとうございます。

伊佐:はい、ありがとうございました!

武富:ありがとうございました。

(拍手)

伊佐:以上で、すべてのファイナリストの講演が終わりました。みなさま、最後までご協力いただきましてありがとうございました。

それでは、講演いただきましたファイナリストのみなさま、そして最後まで積極的に参加してくださった参加者のみなさま、改めましてありがとうございました。

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