
2025.03.19
ドバイ不動産投資の最前線 専門家が語る、3つの投資モデルと市場の展望
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篠田真貴子氏(以下、篠田):Z世代の方々の先輩や人事部にあたるみなさんが、この方々をこれからマネージャーに登用したり育てていくのに、何かヒントはないかなという話題に移っていますが、あと3~4分でみなさんからのご質問をいただくようにしたいと思います。
今の話の続きで、高橋さんご自身が実際にマネジメントをやる上で、ある種のトレーニングをどこかで受けたり、社内で研修はあったんですか? どうやってあのやり口を身につけられたんでしょうか?
高橋一雄氏(以下、高橋):そうですね。一般的な社内での研修やレクチャーはある程度はありました。ただ、私たちの場合で言うと、私は今は部長代理なんですが、部長は社長が兼任している組織構造になっているんです。
篠田:事実上、社長直下。100人からのチームをまとめていらっしゃるんですよね。
高橋:はい。なので、かなり近くで「組織マネジメントをどうするのか」ということを肌に触れて体感できたので、そこから盗みつつ、壁打ちさせていただきつつというかたちで、鍛えていただいたのかなとは感じております。
篠田:なるほど。本当に実地で、社長にアドバイスをもらいながらご自身のやり方を(模索していった)。
高橋:基本的にはそうですね。
篠田:なるほど、ありがとうございます。
篠田:みなさんからご質問をいただく前に最後に曽和さんにおうかがいしたいのが、Z世代の傾向として、管理職に取り立てても「兄貴(姉貴)と呼んでくれよね」みたいな人がいるよね、という。
曽和利光氏(以下、曽和):「これからも変わらないからな」みたいな。
篠田:(笑)。
曽和:「マネージャーは役割だから」みたいな。役割だと思うんですが、その背後には「いつまでも一緒でいたい」という感じはあるんじゃないかと思います。
篠田:というお話もちょっといただいたんですが、実際に登用していく時のポイントとか、雑な言い方をすると、この次の世代のみなさんってマネージャーに向いているんですかね?
曽和:いろいろと言ったんですが、意外と向いているんじゃないかと思うのは、貢献欲求がある人が強いんだと思うんですね。リーダーとはどんな人なのかなって、いろんな定義があると思うんですが、会社やチームとか、自分の担当している組織や同僚や仲間を、自分ごととして考えられる人だと思うんです。
よく次世代リーダーについて、「オフィスにごみが落ちていて拾わないやつは、次世代リーダーじゃない」みたいなことを昔の上司が言っていて。
それは何かというと、自分の家だったら拾うけれども(オフィスだと)拾わないということは、「この会社のことを自分ごとに思ってないんだな。『この会社のために貢献しよう』と思う気持ちができていない。だから、そういう人に率いられると嫌だろうし、できるわけない」という意味です。
ところがZ世代の方々は、先ほど言ったように貢献欲求が強い。そうなってくると、「好意の返報性」といって、人はいいことも悪いこともやられたことをやり返す。だとすると、彼らにたっぷり愛情をかけてやってあげると、たぶん彼らはすごく恩義を感じる。
篠田:忠誠心も上がってくる。
曽和:昔だと忠誠心という言い方になったのかもしれないんですが、本当に自然に「貢献したい」というか。
曽和:そういう意味で言うと、(Z世代は)会社に対して義理堅い感じもすごくするんですね。かけられた恩は返したい。会社というものに自分はいろいろと育ててもらっているとか、例えば「社長に育ててもらって自分がある」と思ったら、それを返したいと素直に思えるような方々だったりすると思います。
先ほど言ったように、組織やチームや会社を自分ごと化するような資質というのは、けっこうあるんじゃないかなと思うんですね。僕らみたいな氷河期世代とかの人たちは、まあまあひどい目に遭っているので。「会社ってどうせ裏切るよね」とか(笑)。
篠田:常にちょっと斜にかまえて、ビクビクしているような。
曽和:そういう人が会社のリーダーになれるかというと、「会社から収奪してやろう」と思う人は多いかもしれないです。つまりテイカーですね。ギバーとなって、「この会社に対して貢献したい」というふうにはならないかもしれない。
ところが今の方々は、そういう恩を受けたら素直に「ありがたいな」と思って、恩返しというか恩送りというか、そういうことをやる資質はある気がするんですね。
篠田:ありがとうございます。本当にいいお話をうかがえたなと思います。
篠田:冒頭で私がうかがったら「(入社3年以内の離職率が)34.9パーセントですよ」と教えていただいたんですが、3年以内の離職率って、これだけを見るとすごくドライで独りよがりで、という像をついつい思い描いてしまうんです。
ただ、今の曽和さんのお話だと、ちゃんと職場で先輩のみなさんが愛情をかけて関係構築をして、一緒に仕事をしていくと、むしろしっかり貢献しようという(思いが芽生える)。
曽和:第二新卒のところを見ていると、辞める人って結局「重要感」を感じなかったというか、自分がここにいたってワンオブゼムで、「自分でないと」みたいなことを感じられなかったという方も一定数いると思うんですね。
でも、それはそういう個別性というか、自分の個性を認めてほしいということの表れ。じゃあ、彼らの上司のX世代・Y世代はむしろ利用と言ったらあれですが、うまく利用すればいいと思うんですね。
篠田:そうですね。たぶん、今の多くの企業の中核層のみなさんって、まさに自分が大事にされるという感覚がちょっと薄かった可能性があって。人間はみんなそうだと思うんですが、自分が経験したこと、自分がやってもらったことを人にやるということが自然な態度なので。
曽和:虐待の連鎖みたいな感じで、Z世代の上の人たちが「自分はこうやられた」とか「ふるいにかけられた」ということをそのままやっちゃうと、ぜんぜんダメです。
篠田:ズレるっていうことですね。
曽和:それで、(入社3年以内の離職率が)34.9パーセントという。そういった流れです。
篠田:そういうことですね。ありがとうございます。ここまでうかがってきまして、私と曽和さんを一緒にしていいかわからないですが、年上の2人がああだこうだと「Z世代はね」みたいなことを勝手に申し上げていました。
ただ、あらためてここまでお話しいただいて、高橋さんご自身のマネジメントスタイルの特徴、あるいは今後ご自身がビジネスパーソンとして、こういうふうに成長していきたいなというお考えがあったら、ぜひおうかがいしたいと思います。
高橋:そうですね。今の話じゃないですが、自分もけっこう「この会社に育ててもらった」という感覚もありますし、まずは今いる会社のビジョンや未来をしっかり作っていきたいという思いはすごくあるので。そこに向けてやっていきたいなというのは、思いとしてはすごくありますね。
篠田:ありがとうございます。
篠田:では、みなさんからいただいた質問を拝見していきたいなと思います。1問か2問ぐらいお答えできると思うんですが、上からいけばいいのかな?
曽和:全部、高橋さんに質問です。
篠田:高橋さん、じゃあどうしましょう? どれも1個ずつなので、ぱっと見ていただいて、「これに答えようかな」というものをちょっと選んでいただいてよろしいですか?
高橋:2つ目で。
篠田:2つ目、お願いいたします。「定量的な成果以外でメンバーを評価することもありますか?」というご質問です。
高橋:ありがとうございます。結論は「あります」というところで、評価指標自体が定量化できる評価と、あとは定性的な部分で大きく2つに分けて評価をしております。先ほど申し上げたような成果の追い方は、基本的には定量的で、社内では「プレイヤー評価」というふうに呼んでいるんですが、そちらで評価しつつ。
もう1つに関しては、社内では「経営評価」というふうに呼んでいるんですが、定性的なもの。直接的に数字には見えないものの、「組織にとってプラスだよね」というアクションを取った人は評価していくというかたちで、評価指標も2軸にしてやっている感じです。
篠田:ありがとうございます。
篠田:いただいた質問に私から1個だけ。4つ目についてうかがってよろしいですか? 「高橋さんの次のマネジメント育成について、どんな素養を持っている人に、どんな育成をされていますか? これから着手されるのであれば、どんなお考えかをお聞かせください」という内容ですが、いかがでしょうか。
高橋:そうですね。うちだとけっこう「やりたい」という人が多いので、最低限の必須条件を満たしているのであれば「やりたがっているからやらせてみるか」みたいな感じなんです。
篠田:そうなんですね。それって逆に言うと、やらせてみて「ちょっとフィットがないね」となったら、またわりとライトに交代するような仕組みでいらっしゃるんですか?
高橋:もう少し丁寧にどんな素養を持っているかで言うと、「うちの会社は」という前提で聞いていただきたいんですが、今持っている権限をどんどん主体的に勝手に広げてくる人は、その素質があるよねということで、引き上げようというかたちでやっています。
あと、やはり自分で広げているだけだと、今ある基点からちょっと離れるということです。これって素質はあると思うので、そこに対して思い切り上から引き上げにいくかたちで、マネージャーに育てていくことはやっているかなと思います。
曽和:高橋さんみたいなロールモデルがあったというのも大きいと思うんですよね。本当にできているので、それを見て自己効力感が高まっていくとか、「自分もやってみたい」「できるんじゃないか」という人が次々出てくるというか。
篠田:そりゃそうだ。
曽和:もちろん、採用の時にそういう資質なりを持っているというのはあるんですが、それに加えて実際に成功している事例がそばにあるというのは、大きいような気がしますね。
篠田:そりゃそうですね。私がもし自分が社会人になったばっかりの時に戻って、その時に高橋さんみたいな先輩がいたら、「私もできるかも」って、ちょっといい勘違いをした可能性がありますものね。おっしゃるとおりです。ありがとうございます。
もっといろいろうかがいたいこともありますが、ここでいったんお時間なので締めていきたいと思います。「Z世代マネージャーの登用で何が変わるのか」。どうでしょうか? かなりたくさんの具体的なヒントをパネリストのお2人からいただけたと思います。高橋さん、曽和さん、本当に貴重なお話をありがとうございました。
曽和・高橋:ありがとうございました。
(会場拍手)
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