PR2025.09.12
広まるAI検索に“見込み客”を奪われるリスク 「配配メール」のラクスに学ぶ、“自前の顧客接点”の作り方
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篠田真貴子氏(以下、篠田):こんばんは。これから第二部を始めてまいります。本日ファシリテーターをいたします、エール株式会社の篠田真貴子と申します。よろしくお願いいたします。
(会場拍手)
ありがとうございます。この第二部は「Z世代マネージャーの登用で何が変わるのか」というテーマでございます。ゲストには、株式会社人材研究所代表取締役の曽和さん。それから、株式会社北の達人コーポレーションWEBマーケティング部 部長代理の高橋さん。お二人をお迎えしております。
曽和さんは人事のご専門家でいらっしゃいます。一方で高橋さんは、まさにZ世代のマネージャーとしてご活躍でいらっしゃる。こういったお二人をお迎えしまして、高橋さんの実体験や実際になさっていることを、曽和さんにひもといていただくかたちになっています。
ちなみに私はZ世代の子どもがいる完全に親世代でございますので、「今の若い方はそういう感じなのね」というような(笑)。そういったスタンスで、いろいろ教えていただくことになろうかと思います。では、さっそく曽和さんから自己紹介をお願いできますでしょうか?
曽和利光氏(以下、曽和):みなさん、こんばんは。たぶん聞いたことはないと思うんですが、人材研究所という怪しい名前の人事コンサルティング会社の代表をしております、曽和と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
今は53歳なので完全にX世代、氷河期世代なんですが、40歳ぐらいまでは人事の実務家をやっていました。リクルート、ライフネット生命、オープンハウスとか、ぜんぜん違う会社でいろいろと人事をやらせていただいて、2011年から今の肩書で仕事をやっております。
うちの会社も(従業員数)30人ぐらいなんですが、7割は20代とZ世代だったり、新卒採用の領域で30年ぐらいずっと定点観測をしていることもあったりしますので、X世代からZ世代がいらっしゃる中で、何かを話すっていう地獄みたいな状況なんですが(笑)。
(会場笑)
曽和:勇気を持っていろいろとお話しできればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
篠田:よろしくお願いいたします。
(会場拍手)
篠田:高橋さん、自己紹介をお願いできますでしょうか。
高橋一雄氏(以下、高橋):北の達人コーポレーションの高橋一雄と申します。私は今、WEBマーケティング部の部長代理というポジションでやらせていただいています。北の達人を聞いたことがない方も大勢いらっしゃると思うので、簡単にちょっとお話をさせていただきます。
化粧品や健康食品のBtoCのビジネスモデルで、「北の快適工房」というブランドを運営しております。会社の規模としては、今は従業員が270名程度の会社となっていて、WEBマーケティングに強みがあるということもあり、WEBマーケティング部にだいたい100人ぐらいいて、そこのマネージャーをさせていただいております。
管理職経験で言うと、2023年の3月から課長というかたちで正式に管理職をやらせていただいております。「Z世代代表」みたいな感じでだいぶ恐縮ではあるんですが、本日はよろしくお願いいたします。
篠田:ありがとうございます。
(会場拍手)
篠田:私も自己紹介をさせていただきます。あらためましてエール株式会社(の取締役)、そしてログミーBusinessのアンバサダーをしております、篠田真貴子と申します。
私たちエールは4,000人ぐらいの(サポーターと呼ばれる社外の登録人材が、1on1の対話セッションを通して)、「人のお話を聞きますよ」というプラットフォームを持っています。
これでもって企業で働くみなさんに向けて、社外から1on1をご提供する。それによって今、主に大企業のクライアントさま向けに組織変革、組織開発の1つのツールとして使っていただくことをビジネスにしています。
個人的には、業務としてはどちらかというとずっと財務系ですね。FP&Aの仕事が長くて、銀行系コンサル、メーカーで財務系の仕事を2社。その後は、前職が「ほぼ日」という会社でCFOを10年やって、上場もしてという経歴でございます。
そういった意味では特別人事の専門性はないんですが、一方で自分が働くことを通して、それから経営に入る中で、人と組織の関係性というものが、財務成績まで含めた経営の基本中の基本だなということを痛感するようになり、その観点から関心を持って今はエールの仕事をしている。こんな者でございます。よろしくお願いいたします。
(会場拍手)
篠田:なので、今日はお話をうかがいたいことがたくさんありますので、さっそく入っていきたいと思います。今日は大きく3つのパートに分けたいなと思っていて、わりと個人的なところから、実際にマネージャーとしての話、そしてもうちょっと会社全体と、だんだんと話を大きくしていこうかなと思っています。
まず1個目、「Z世代ってどういう感じなの?」というところをうかがっていきたいと思うんですよね。キャリア観について、最近の若い人はしょっちゅう転職を(していて)、入社して3年(以内の離職率が)30パーセントという数字を見たことが……。
曽和:34.9パーセント。
篠田:刻んでいただきありがとうございます。
曽和:(直近)15年で最高なんです。
篠田:34.9パーセント。これ、テストに出るやつですよ。そこまでじりじりと上がっているんですね。
曽和:15年で最高。
篠田:というようなことを年上の世代が聞くと、「うわぁ。今の若い人ってずいぶん違うんだな」と、ちょっと思ってしまうわけなんですが、実際はどうなんでしょう?
先に曽和さんにおうかがいします。全体感をもう1回理解したいので、Z世代の特徴はほかの世代と比べて何か特徴的なことがあるのか? というあたりから(お願いします)。
曽和:簡単にですが、スライドを用意してきたのでご説明させていただければなと思います。先ほど言いましたように、X世代が言うなっていう話かもしれないんですが。僕から見えているZ世代なんですけど、特徴がないことが特徴かなと思います。
というのは、一人ひとりに特徴がないという意味ではなくて、世代の特徴と言われるとけっこうバラバラで、多様なのが特徴かなと思います。例えばカラオケとかをしていても、なんかみんな違う歌を歌っていませんか?
昔、僕らは同じような(歌を歌っていて)、1990年代ぐらいの音楽って誰でも知っていますよね。(今の世代の)若手を見ていても、みんなぜんぜん趣味も違うという感じになっている。
曽和:実際に、博報堂さんの生活総合研究所さんで「消齢化社会」というものを唱えられていて、ご覧になった方もいると思います。これはすごくおもしろいなと思っているんですが、生活者の意識や好み、価値観などについて、年齢による違いがもうなくなってきている。
(博報堂の生活総合研究所は)経年変化でずっといろいろなデータを取っておられて、ぜひご覧になられるとおもしろいんですが、昔は「若い人はこんな感じ」というのは、確かにデータでもあったんですね。
篠田:我々、新人類とか言われた世代ですよ。
曽和:もう新人類からだいぶ……(笑)。
篠田:もう旧人類に進化しているんですけどね。
曽和:ところが今は、いろいろと聞いてもみんな一緒だし。例えば、顔を見せずに服だけを見ていたら誰が何世代かわからない、みたいな感じがあったりもする。
これはいろんな解釈の仕方はあると思うんですが、要は若者が「若者らしさ」というか、例えば昔だったら「向こう見ず」みたいなものがなくなってきているという感じかなと。多様だからこそ、平均すると結局はほかの世代と同じになっちゃうんじゃないかなと思います。
曽和:これは博報堂さんのやつから引用させていただいているんですが、「将来に備えるよりも今をエンジョイするタイプである」というのが昔はだいぶ(世代ごとに)違っていたんですが、みんな同じように収斂(しゅうれん)していっていたんですね。だから、世代的には若者特有傾向というものがない。
じゃあ、なんで平均値を取ると世代的特徴があんまりなく、多様な個性というふうになっちゃったのかな? と。これは考えてみただけで、別にアカデミックなエビデンスがあるとかじゃないんですが、1つはデジタルネイティブで情報の洪水でいろいろなものを見ている。
あとは価値相対主義。「みんな違ってみんないい」という、いろいろな価値観を体現している人を見ている分だけ、昔の人よりもたぶん視野は広いんだと思うんですね。「こういう人もありだし、こういう人もあり」ということを知っているので、みんな違ってみんないいという、金子みすゞさんの例の詩みたいな感覚になっている。
ということで、それが原因になって、あんまり絶対的な価値を信仰しているとか、押しつけてくることがすごく嫌だということで、パワハラとかブラック企業が大嫌い。「心理的安全性」というのはいろいろと誤解されている概念ではありますが、その言葉はめちゃくちゃ大好き、みたいな感じだったり。ただ一方で、多様な価値観がある。
「こうでもいいし、こうでもいいし、こうでもいい」というと……これはX世代の歌ですが、ミスチルの『innocent world』に「さまざまな角度から物事を見ていたら自分を見失ってた」的な歌詞があったと思うんですが、ああいうふうに虚無感(を抱く)というか。
何でもいいって言われちゃうと、「じゃあ、これはどうなんだろう?」みたいなところがあるので、意味の追求みたいなものは、日々けっこうしているものなんじゃないかなと思います。
曽和:だから(Z世代は)「なんでこれをやらなきゃいけないんですか?」とか「この仕事をやる意味って何ですか?」って、しょっちゅう言いますよね。
昔だったら、僕らの時代だったりすると「うるせぇ。やっとけ」みたいな(笑)。アントニオ猪木も「行けばわかるさ」みたいなかたちで、「そうかな」と思ってやっていたりはしていたんですが、それが(今の時代は)ちょっと難しい。意味を考えたいというか、逆に意味を欲する。
あるいは周囲の半径3メートル以内というか、絶対的な基準はないかもしれないんですが、せめて自分の友だちや知り合いとか、そういった人たちからは認められる。「承認欲求」とか、キーワードとしてよく出てくるのはそんな感じなのかなと思います。
承認欲求って言うと、なんとなく「私、私」みたいに嫌な感じがするかもしれませんが、良く言うと貢献欲求というか、周りの人の役に立ちたい。「半径3メートル以内の人たちを幸せにしたい」ということを言っている人はけっこう多いなと思っています。なので、(認められたいと思うのは)ぜんぜん悪くないと思っています。
曽和:「認められたい」って言うと、なんか見栄を張ってるみたいな感じに聞こえるかもしれないんですが、一方で貢献欲求が動機になっている人も多いんじゃないかなと思います。そういうことで結局は多様な個性になって、世代としてはバラバラ、いろいろになっているんじゃないかなという感じですね。
だから「世代性」よりも「個性」です。この『ヤフーの1on1』もだいぶ前に流行ったと思うんですが、こういうのが出てきているのも時代的な背景があると。
要は、世代に対して十把一絡げに「こうやればみんなにウケる」っていうものじゃなくて、もう1on1でやっていかないといけないということです。マネジメント手法の中で、こういうものがブレイクしているのも(傾向として)あるのかなということで、ざっと話してしまいました。
篠田:ありがとうございます。今、お話しいただきましたが、いくつかこんな感じだという(Z世代の)特徴はあったけれども、やはり大事なのはその手前の「実はそこまでもう差がない」ということ。そもそも今日のテーマ設定の「Z世代のマネージャーってどうなの?」っていうのも、「いや、普通です」みたいな。
曽和:(笑)。まぁ、そうですね。
篠田:まずはそう思って話を進めていくといいのかなと思いました。「落ち着け」ということですよね。
曽和:そうなんですよ。(資料を)書いていて「これ、テーマを壊しちゃうんじゃないかな?」みたいなことを思っていたんですが、これがZ世代だなと思っています。どうですかね(笑)?
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