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ひろゆきのFUTUREゴング〜空飛ぶクルマ、ブロックチェーン、Web3まで徹底討論〜(全7記事)

「金持ちの道楽のために庶民が我慢するのはどうなのか」 ひろゆき氏が指摘する、「空飛ぶクルマ」が普及しない理由 

大型音楽フェスティバル「GMO SONIC 2023」の前夜祭として開催された完全招待制イベント「GMO 渋谷FUTURE 2023 - GMO SONIC Warm Up -」。ここで開かれたのは、ひろゆき氏と注目の実業家たちによるスペシャルトークセッション。「空飛ぶクルマ」や「Web3」について、それに関わる実業家たちがパネルディスカッションを行いました。全7回。4回目は、空飛ぶクルマが社会に広がっていくために必要なことについて。前回はこちら。

反重力、核、電気…エネルギー源はどうなるか?

福澤知浩氏(以下、福澤):当面は、全員が空飛ぶクルマに乗るわけじゃなくて、鉄道で行く人もいるし、車で行く人もいるし、空飛ぶクルマで行く人もいるしという感じのミックスになると思うので、だんだんそのミックスが変わっていくのかなという感じです。

ひろゆき氏(以下、ひろゆき):そこのミックスで、金持ちがエネルギー効率を無駄に使って金を使っている中で、本当に俺は乗っているぜって言える人が、日本の社会に何人いるかなんですよ。

福澤:気持ちの問題もあって、例えば原チャリは、やはり燃費が普通の車よりも5倍も10倍もいいんですけど、普通の車に乗っている人がバッシングされることはあまりないように、そこに注目する人がどこまで、「燃費悪いじゃん!」と言うかなという感じもしますけどね。

ひろゆき:それは、車に乗っている人が多いからですよね(笑)。例えば、1億円します、燃費効率も悪いです、というところに、会社的に西山さんは乗れないと思うんですよ。上場企業の偉い人だし、なかなか現実問題としては難しいんじゃないかなというので、僕は反重力が先かなと思っているんですけど。

千葉功太郎氏(以下、千葉):反重力が先(笑)。反重力は生きているうちに来ますか?

ひろゆき:いや、結局だから、反重力の研究をしていないじゃないですか。50年前の人にインターネットと言ってもたぶんわからなかったと思うんですよね。

例えば、太陽光発電も40年前ぐらいの人たちが本当に実用レベルまでいけたかというとわからなかったと思うんですけど、現代の空飛ぶクルマの人たちは、モーターとドローンという既存技術の発展性でやっているので、基礎技術にきちんとお金を突っ込んで反重力を研究するほうが、まだ長期的には解決する可能性があるんじゃないかなと思うんですけど。

千葉:なるほど(笑)。

福澤:そうですね(笑)。反重力で50年後まで待つかどうかというのがあると思うので、まずは空を快適に楽しく移動したいという感じがしますね。

守安功氏(以下、守安):反重力は難しいと思いますが、常温核融合とかはいけないですか?

ひろゆき:そうですね。最近アメリカで核融合で投入エネルギーよりも多くエネルギーが出るというのが出たので、核を積んだ空飛ぶクルマはありだと思うんですよ。

核を積んだ空飛ぶクルマが渋谷から飛んで六本木に降りるというのを、日本の人たちが許せるかという。

福澤:当面は電気で(笑)。

ひろゆき:核アレルギーを日本の人たちがなくすというのも、たぶん時間の問題かなという気も僕は……。

西山裕之氏(以下、西山):ちょっとテーマがまったく変わっていませんか(笑)?

ひろゆき:すみません(笑)。

福澤:すべてのものが小型化していって、最終的にはいけると思うので、動力源に関してはだんだん移動していくと思うんですよね。

今回一番、空飛ぶクルマのテクノロジーとして大きいのは、スマホなどの普及によって、あらゆるセンサーや電池の値段が下がって高性能になって、かつコンパクトになって軽くなったというところで、そういったものをすべて搭載しても飛べるようになったところです。

EVが10年前にスタートして少しずつ広がって、今、めちゃくちゃコスパがいいよねとなったのと同じような感じで広がる。その最初の点を今僕らは作っているのかなという感じがしています。

ひろゆき:だから、エネルギー効率でいくと、たぶんバッテリーじゃなくて、ガソリンエンジンのほうがいい気がするんですけど。

千葉:実際、それはおっしゃるとおりで、先ほどのバイクもハイブリッドです。ガソリンハイブリッドでやっています。今、重量対エネルギー効率だけでいくと、ハイブリッドのほうが勝っています。

一方で、バッテリーも相当研究が進んでいて、たぶんこのイノベーションが起きるまで3年か4年ぐらい待たなくちゃいけないんじゃないかなと。だからそこがちょうど転換点かなと思います。

福澤:そうですね。

エネルギーに対する日本人をどう変えるか

福澤:あと空はやはり騒音の話が大きくて、ヘリコプターの一番大きな音はエンジンから来るんですよね。そのエンジンがモーターになるだけで(騒音が)3分の1ぐらいに減って、空を飛んだ時の不快感を覚える人たちがだいぶ減ってくるのも、ドローンのテクノロジーで大きいかなと思います。

それから操縦も、ヘリコプターのラジコンよりも、ドローンのほうが圧倒的に簡単で、自動運転もしやすいところが大きいだろうなと思いますね。

ひろゆき:いや、でもたぶん一般庶民の不快感でいったら、エンジンがうるさいかどうかより、たぶん金持ちが空を飛んでいる不快感のほうがでかい気がしますけどね(笑)。

だから、社会が許容するのかと、結局エネルギー効率の問題が解決しないよねという2つがあって、エネルギー効率の問題をなんとかするのをやらない限り難しいかと思います。例えば、ヨーロッパだと今、飛行機に乗るのが恥ずかしいよねみたいな感覚が若い人たちに生まれていて、そんなにCO2を出さなくても電車で行けばいいじゃん、みたいな人たちの割合がけっこう増えていたりするので。

日本の人たちはわりとヨーロッパの人たちの流行に乗りがちなので、無駄にエネルギーを排出しているよねというところを変えるのは、ロシアがいなくならない限り難しくないですか?

福澤:ロシアを待ちます、はい(笑)。

(一同笑)

西山:答えられない(笑)。

ひろゆき:ロシアがウクライナと戦争した結果、エネルギー価格はめちゃくちゃ上がって、ロシアも利益が上がって、中東が大儲けなわけじゃないですか。そうするとやはり、エネルギー効率がどうこうというのもなかなか進まないんじゃないかなという気もします。

福澤:そうですね。ふだんエネルギー効率の話をする方はどのぐらいいるか? というところがあるかなと思います。学術的には、距離においてエネルギー効率が、電車、飛行機、自転車、車でどう変わるかというのが、やはりグラフであります。

当然、空飛ぶクルマは最初は一定程度、高い部分があります。だけど、エネルギー効率が低いから徒歩で行こうよとならないのと同じで、時と場合によって、楽しみたいということも含めてやっていくのかなと。

そんなことを言ったら、ロケットをやったら大変じゃないかとなってしまったりするので、そのように、みんなが思ってもらえたらいいなと思いますね。

ひろゆき:定期航路を使わないで、金持ちで世間体を気にしなくて空を自由に飛び回ってめちゃくちゃ楽しいよねと飛んでいる人たちが、反グレとかそういう人たちばかりのほうが、たぶんビジネス的にお金が回る気がするんですよね。

例えば今の経営者で、BtoCをやっている人って、やはりスポーツカーに乗りにくいじゃないですか。赤い有名なスポーツカーとかに乗っているとやはり調子こいているよねって言われちゃうので、結果として地味な国産車とか、せいぜいレクサス、というのがあるので。

たぶんやったとしても、世間的に鼻つまみ者ばかりが買って自由に飛んでいて、あれはいかがなものかとなる。日本でもドローンの規制が始まったじゃないですか。最初の時に、三社祭の上を飛んでいるのはいかがなものかみたいなかたちで、金持ちの道楽のために庶民が我慢するのはどうなのかというのは、日本はかなりハードルが高い気がします。

福澤:そうですね。日本は特にそれが高い気がしていて、海外は比較的それが少ないかなという感じがしていますね。

空飛ぶクルマの利用用途として進められている防災とドクターヘリ

福澤:あとは、利用用途として今進めているのは、防災とドクターヘリです。ドクターヘリも普通にヘリコプターを買うと6億円、7億円します。年間維持費も2億円かかるので、各都道府県、1台ずつしか持てないというのが現状としてあります。

空飛ぶクルマだと、コストも3分の1ぐらいに抑えられるし、飛べる距離は若干短いけど補えるよねといった話で、やはり1秒を争う系の話とセットで進めたいなと思っています。

ひろゆき:そこらへんの、ヘリコプターと比べて空飛ぶクルマが本当に運用効率においても安いのかがまだわからないんですよね。

要は、ヘリコプターにはメンテナンスの費用も含まれていて、空飛ぶクルマも人間の命を預かる以上、メンテナンスは結局必要じゃないですか。そうすると、そのメンテナンスコストはあまり変わらない気がするんですけど。

福澤:そこはもう物理的に出ていて、やはりメンテナンスの8割はエンジン、もしくは動く場所なんですね。空飛ぶクルマ、ドローンはモーターが回っているだけなので、そこで圧倒的にメンテナンスコストが減ります。

そのためコストが下がるのは間違いありません。かつ自動運転になるとパイロットがいなくなるので、圧倒的にコストは下がってきます。

タクシーで行くのと空飛ぶクルマで行くのと、1キロメートルあたりの単価が同じになれば一気にビジネスが広がるので、2030年の実現を目指していこうと、空飛ぶクルマ業界では言っています。

千葉:僕からも一言。熊谷さんも僕も日常的に空を飛んでいるんですけど、自由にどこでも行きたい時に行きたい場所に行けるのを味わっちゃったら、人間は戻れないです。

みなさんは地面に張りついて生きているのでわからないかもしれませんが、いったん3Dを経験したら2Dに戻れないです。

ひろゆき:おっしゃることは、僕もだいぶよくわかります(笑)。

(※ゴングが鳴る)

西山:ありがとうございます。ということで(笑)、白熱のうちに、第1部は終了しました。

途中からエネルギーばかりの話になって、反重力と核融合の話になっちゃいましたけど、第1部、盛り上がったと思います。

(次回へつづく)

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