
2025.02.19
アルペンの“店舗の現場”までデータドリブンを浸透させる試み 生成AI×kintone活用の3つのポイント
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西山裕之氏(以下、西山):それでは、どんどんまいりたいと思います。
次は第2部で、Web3、ブロックチェーンです。ここはいろいろ突っ込みどころもあるんじゃないかと思うので(笑)、さらに盛り上がってまいりたいと思います。
このテーマ、トップバッターは内藤さん、お願いできますか?
内藤裕紀氏(以下、内藤):最初の質問に、「Web3は、人々の生活を豊かにするのか?」というのがあったのですが、それは正直わかりません(笑)。
ただ、2つポイントとして、ルールチェンジがこれからみなさんの生活において起こるかなと思っています。1つは、みなさんはこの10年間ぐらい、Web 2.0というサービスで承認欲求をハックされて生きていたんですよね。「いいね」がたくさん欲しいから文章を書く、写真を撮る、動画を撮る。それにすごく時間をたくさん使ったんだけど、もらえるのは「いいね」だけです。
一部、「YouTube」というサービスで儲かっている方もいらっしゃると思いますが……ひろゆきさんとか。
(会場笑)
内藤:これは本当にYouTubeぐらいで、ほかのほとんどのSNSは、本当に「いいね」をもらうだけだったんですよね。そこに対して、経済的なリターンをセットにしながら一緒に作っていくというのが、Web3が実現したい世界なので、承認欲求をハックされて「いいね」だけもらう世界から抜け出せるんじゃないかというのが1つです。
もう1つ。みなさんは、CDやDVDや紙をだんだん買わなくなっていると思います。だいたいのコンテンツをデジタルで見るようになっています。デジタルは便利なんですが、紙やDVD、CDのいいところが1点あって、飽きた時に売れることです。
CDを聞かなくなった、DVDを観なくなった、ゲームで遊ばなくなった、漫画を読まなくなったら売れるんですが、デジタルは今のところ売れないんですよね。そうすると、自分が買った資産になっているようで実は資産になっていないというのが、現状なんです。
Web3の世界は、デジタルでも売れるようにしようとしています。ブロックチェーンゲームは、ゲームの中のアイテムをNFTで売ろう、ゲーム内の通貨を仮想通貨として売ろうとすることによって、承認欲求で牛耳られていたものが、全部みなさんのところに戻ってきます。
デジタルの世界で、実は自分の手に入っていないものが全部自分のものになるみたいな世界で、先ほどの空飛ぶクルマはお金持ちの話でしたが(笑)、Web3は、どちらかというとみなさんになにかが返ってくる世界になったらいいなと思っています。そこからちょっとお話ができていったらいいかなと。
ひろゆきさんからたぶんいろいろ突っ込みがあると思いますが、そういう世界を実現しようかなというところですね。
西山:守安さん、いかがですか。
守安功氏(以下、守安):僕はWeb3側で登壇していて思うんですが、実際、ユーザーからしたらWeb3とかWeb2とか、正直どうでもいいと思うんですよね。
例えば、たぶんみなさんが大好きな「Netflix」。あれはどう見てもWeb1です。Web 2.0が出たらWeb 2.0じゃないと流行らないかというと、そんなことはないはずです。
おそらく一般のユーザーから見れば、そこに価値があれば使うという前提なので、Web3だから今後全部いく、Web 2.0だからどうか、という極論は、たぶん事業者しかあまり意識していないだろうと思います。
その中でいくと、Web3だろうとWeb2だろうと、極論は本当にユーザーに価値があるサービスを作れるかどうかが勝負なので、僕はあまり「Web3バンザイ」みたいなことを言うつもりはないんです。
ブロックチェーンというテクノロジーができて可能になったものもやはり出てきているので、僕はこの新しいテクノロジーを使って、なにか世の中に価値があるというか喜んでもらえるサービスが作れるのであれば、それがおもしろいだろうと思います。
今本当にカオスな業界なので、その中でこれからもいろいろな問題が起こりながらやっていくと思うのですが、そういうカオスな業界の中で新しいサービス、事業を作っていくのが楽しいなと思って個人的にはやっています。
内藤:今日は、スイスとシンガポールからWeb3のテーマで登壇いただいているので、藤本さんからも、創太くんからも、どうぞ。
藤本真衣氏(以下、藤本):では、先にコメントさせていただきます。「豊か」というのを、例えば「便利になる」という意味でとらえると、個人個人の単位で活動してきた人の実績や信用を活用した資産が増えていくと私は思っています。
今までのデータベースと違って、Web3は1個の企業に囲われないオープンで共通のデータベースが出て、それが軸になるわけなんですよね。
例えば今までは、この人はこのゲームで何位だったとか、いろいろなソシャゲをやっていていろいろなところに課金していて、といったデータも、各ゲームを提供している会社のサーバーにしか入っていませんでした。
私がなにかのアイドルのファンクラブに入っていたとしても、別の事務所をどんどんまたがると、その人が誰のファンクラブにまたがって入っているかが、その事務所の人はその事務所のところだけしかわからないわけです。
そういったところに、複数の企業をまたいだデータベースが出てくると、それが見える化されていくわけです。だから、企業からマーケティングしたいからこの案件を頼もうとか、この人にオファーしたり、なにか特典をつけてあげようというところで個人が目立てるようになると思います。
今までは、個人の経歴を証明するのが、有名人以外は実はすごく難しかったと思うんですよ。自分が誰かを証明するのが難しかったところを、有名人じゃなくても、こういうゲームをしてきたということが簡単にきちんと証明できるので、ゲーマー側がブランディングしやすくなったりします。
そういった意味で、個人の単位の人が豊かになったり便利になったりするイメージは持っています。
渡辺創太氏(以下、渡辺):僕もいいですか。やはり今Web3を語る時に、ブロックチェーンやクリプトや分散という言葉がちょっとパワーワードすぎて注目を集めている部分があるかなと思っています。
結局、分散や非中央集権という言葉の先に何があるかが重要だと思うんですね。分散はあくまで状態なので、それがどうユーザーがうれしいのかという話になってくると思います。
その中で、僕が今考えているのは、やはりユーザー、人間に対して選択肢の数が増えるのがすごく重要だと思っています。
例えば、今Web2のサービスの「Twitter」や「LINE」を使っていて、そのデータを企業に管理されるのが嫌な人はやはり世の中に一定数います。そういう人たちは、今後ブロックチェーン上にできてくるピアツーピアのSNSを使えばいいとか。
例えば、今みなさんは日本円を持っていると思いますが、日本円を自分で管理するのは、お金持ちであればお金持ちであるほど、なかなか現実的ではありません。
例えば、金にして自分の金庫の中に入れておくのも、けっこうキャパシティの問題などが出てきます。それが嫌な人はデジタル上でビットコインや、今後出てくるであろう日本円のステーブルコインで管理をする。セントラルなサービスを提供している銀行などが潰れたとしても、自分のアセットを管理できるところは、ある程度、日本の社会にとって必要なものなのかなと思います。
もっと国際的な基準で見ると、やはり明日銀行が潰れてもおかしくない国に生きている人のほうが数としては多いわけで、そういった人たちが、中央集権的な方々が発行する通貨ではなく、たくさんの人たちがネットワークを支えて、その上に発行されている通貨のほうが信頼できるというのは往々にしてあるのかなと思います。
(次回へつづく)
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