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ひろゆきのFUTUREゴング〜空飛ぶクルマ、ブロックチェーン、Web3まで徹底討論〜(全7記事)

「反重力ができない限り、僕は無理だと思うんですよね」 ひろゆき氏が考える「空飛ぶクルマ」の課題

大型音楽フェスティバル「GMO SONIC 2023」の前夜祭として開催された完全招待制イベント「GMO 渋谷FUTURE 2023 - GMO SONIC Warm Up -」。ここで開かれたのは、ひろゆき氏と注目の実業家たちによるスペシャルトークセッション。「空飛ぶクルマ」や「Web3」について、それに関わる実業家たちがパネルディスカッションを行いました。全7回。3回目は、空飛ぶクルマのエネルギー効率の課題について。前回はこちら。

最終的に空飛ぶクルマの価格は1,000万円以下に落ちてくる

ひろゆき氏(以下、ひろゆき):空飛ぶクルマが普及する場合にどういう問題が起こるかはちょっと違うと思っています。そっちの話をしちゃっていいのかな?

内藤裕紀氏(以下、内藤):初心者として僕から、聞いてみたいです。「普及するの?」というところがあったと思うのですが、免許はどうなるのかなとか、あと実際、価格はみんなの手が届くような価格なのかなとか、そのへんを教えてもらってもいいですか?

千葉功太郎氏(以下、千葉):最初は、ぶっちゃけ高いです。例えば僕は空飛ぶバイク「ホバーバイク」を作っている会社に関わっているのですが、この間製品を発表しました。それが1台7,770万円、税抜きです。高い!

しょうがないです。これはやはり、イノベーションのジレンマがあって、最初はロットが少なく開発費が高い。全部1台に押し込まなくちゃいけないので、めちゃくちゃ高いです。だから最初の頃の商品は、だいたい1億円から3,000万円ぐらいのレンジで売り出されるだろうと思います。

例えば空飛ぶバイクが一番売れているのはアラブなんですね。アラブの王族のみなさまに、砂漠の上でボーンと飛ぶんだと、数十台ずつ気軽に買っていただいています。

そういうところで開発費を賄って、そこから量産していって、最後1,000万円以下の世界に落としていきます。テスラもそうだったと思います。

西山裕之氏(以下、西山):それだったら、内藤さんもぜんぜん買えますよね。

千葉:内藤さんは、最初に買っていただく大切なお客さまです。

自動運転により、自由や楽しさは失われるのではないか

千葉:それから、自動運転ですよね。たぶん福澤さんもそうだと思うんですが、自動運転前提だと思っています。

僕や熊谷さんがパイロットのライセンスを取っているのは、早く乗りたいからで、たぶん社会でレギュレーションが決まる前に自分で飛びたいからパイロットの免許を取っているだけで、こんな人は必要ないと思っています。

福澤知浩氏(以下、福澤):そうですね。自動運転は、もうドローンでは当たり前のようにやっているので、空飛ぶクルマの自動運転は実現できます。万が一のために、最初はパイロットが必要で、その後はリモートでパイロットが見て、そして最終的にいなくなっていくといった順番で今動いています。

ひろゆき氏(以下、ひろゆき):免許という概念は、人間が運転する前提であるので、理論上人間が運転しないほうが安全だよねとなったら、免許という概念はたぶんなくなるんじゃないかなと思うんですけど。

ただ、人間が運転しませんとなると、基本的にどういうふうに操作するのかをもう人間が決めないわけじゃないですか。

そうすると、渋谷にいて「六本木に行きたいよね」ってなった時に、たぶんもう航路は自動的に決まっちゃいますよね。航路が決まっていて、そこをコンピューターがこの航路を通りますと、みんなが一斉に一列に並んで飛んでいくようになれば安全だし、最短の効率で行くだろうというので、たぶんバスみたいな使い方にならざるを得ない気がします。

それだとタケコプターみたいに自分で自由に空を飛んでいるというより、単にお金を払って乗って、渋谷から六本木とか渋谷から大阪とか、決められた場所に行くだけで、自由とか楽しいとかはちょっと失われるんじゃないかなと思うんですけど。

千葉:両方あると思っています。今みたいな使い方と、もう一つは、僕はどちらかというと、「空飛ぶUber」だと思っています。みなさんも、タクシーアプリとか「GO」とかを使いますよね。

自分がいる場所、行きたい場所、2つやると自動的に来てくれる、あの感覚に近くなると思うんですよね。例えば、「今、渋谷にいます。鎌倉まで帰ります」といって座標をやると、その一番近くのバーティポートが指定されて、自動的にやってきて運んでくれて、いなくなるみたいな感覚なので、けっこうUberっぽいかなと思います。

内藤:どれぐらい早いんですか? 例えば大阪に新幹線で行こうとすると、2時間半とかかかりますが、空飛ぶクルマだとどれぐらいなんですか。

千葉:大阪だったら絶対、新幹線のほうが早いです。

内藤:そうなんですか(笑)。

福澤:けっこう短距離がメインになっていて、最初はやはり、100キロ圏内ぐらいなんですね。遠くまで行こうと思ったら飛行機もしくは新幹線のほうがよくて、そこから足がないじゃんという時に、ピューっと飛んでいくみたいな使い方ですね。

千葉:ラストワンマイル的な、あるいは地方から地方とか、幹線がないところがめちゃくちゃ便利だと思っています。

ちなみに、僕は鎌倉に住んでいて、やはり不便なんですよ。車だと(渋谷まで)1時間15分とか、渋滞があると1時間半とかかかります。この間ヘリコプターで実験した時に、渋谷の真上から家までストップウォッチで測ってみたんですね。空飛ぶクルマの時速180キロぐらいで飛んでみたら、12分30秒ぴったりで着いたんですよ。めちゃくちゃ便利だなと思って。早く乗りたいです。

エネルギー効率はどうなのか?

守安功氏(以下、守安):エネルギー効率の観点で聞きたいのですが、ある程度長い距離を動くのであれば、エネルギー効率はそれなりにいくかもしれませんが、やはり離着率のところが相当エネルギー効率が悪いはずで、街中の近距離を動くことに関しては、かなり効率が悪いんじゃないかと思うのですが、そのあたりはどうなんでしょう?

福澤:効率は悪いですね。ドローンがホバリングしてブーンと止まっている時が一番電気を消費するので、やはりそこは電気消費が悪いです。ただ渋滞している中でゆっくり行くとか、そもそも遠回りして行くとか、行けない、という距離の短縮の部分があるので、トータルで勝つかなと思います。

守安:現実的には、山間部になにか物資を送るとか緊急の時になにかを送るような用途においてはたぶん2020年代にいけると思います。やはり街中でどこまでいけるのかなというところが、ちょっと、がんばってほしいんですけど、どうなのでしょうか。

福澤:山登りはしたくないけど絶景は見たいという方もいるので、空飛ぶクルマでピューンと飛んでいって、楽しく景色を見て、コーヒー1杯飲んで帰ってくるところからスタートして、だんだん都会でバンバン飛んでいくようになるかなと思いますね。

渡辺創太氏(以下、渡辺):僕も質問していいですか?

ひろゆき:どうぞどうぞ。

渡辺:空飛ぶクルマを考えた時に、人を運ぶよりも物を運ぶほうが、安全というか人命の損傷がなかったり、マーケットとしても大きかったりするんじゃないかなと思っていて、そっちのほうの実証実験が早かったりするんじゃないかと思うんですが、そこらへんはどうなんですか?

千葉:いい観点。

ひろゆき:物流が先に来るんじゃないかという話ですね。

千葉:もうそれは、今日来ています。例えば日本だけでも、今日たくさんの物流が運ばれています。特に2022年からは地域で定期航路が始まっていて、コンビニから山奥のおばあちゃん家までなにか運ぶみたいなことができています。なので、そこはおっしゃるとおり先に立ち上がっています。

反重力ができない限りエネルギーコストの悪さは解決しない

ひろゆき:守安さんがエネルギー効率の話をしちゃったので言うんですけど、車は地面に乗っかっていますと。横移動するためのエネルギーを加えるだけで横に移動するので、車の自重を支えなくていいんですけど、空飛ぶドローンの場合は、車より重いドローンを空中に浮かせるためにエネルギー消費をずっとし続けなきゃいけないじゃないですか。さらに、行ける場所がわりと定期的に決まっています。

例えば、渋谷から行く時に「新宿の駅に降りたい」と言っても、人がいるから不可能なんですよね。なので、どこかのヘリポートに行くことしかできなくて、そうすると、渋谷から出て新宿のヘリポート、もしくは銀座のどこかのビルの上に行くのは、別に空飛ぶクルマじゃなくても行けるよね。

5分ぐらい短くなるかもしれないよねというのに対して、エネルギーコストはめちゃくちゃ高いので、昨今電気代がめちゃくちゃ高いという問題がある状況でいくと、反重力ができない限り、僕は無理だと思うんですよね。

タケコプターがなんで飛んでいるかというと、あれは反重力なんですよ。

千葉:(笑)。

ひろゆき:反重力だから重力を感じなくて飛べるよね、だから行けるよねという話で、それを石油で作った電気とか、バッテリーを積んでなんとかクリーンエネルギーで充電しますと言っても、やはりエネルギー効率は悪いよねと。

金持ちしか乗れない、めちゃめちゃエネルギー効率が悪いやつを使っているよねってなった時に、たぶん乗って大丈夫なのは、ホリエモンと前澤さん(前澤友作氏)だけだと思うんですよね。

(会場笑)

ひろゆき:熊谷さんがそれに乗っていたらめちゃくちゃ叩かれると思うんですよ。あの金持ちのベンチャーで稼いでいるやつが、俺たちの大事な石油をガンガンどうでもいいところに使っているみたいな。

という社会的な問題として、エネルギーコストが悪いというのは、僕は反重力ができない限り解決しないと思うんですけど。

福澤:そうですね。でも例えば、渋谷から東京に行こうと思った場合に、電気代は実際1,000円もいかないんですよね。なので意外と電気代はかかりません。もちろん、電気自動車より高いけれど、だいたい電気自動車の5倍から8倍ぐらいで済むので、そんなにいきなり大きくかかるわけじゃないなという感じです。

空飛ぶクルマVS車 ひろゆき氏が考える未来

ひろゆき:今の技術でいくと、バッテリーの寿命の問題や劣化の問題があって、結局トータルコストで考えた時に、CO2排出量がどうたらというと、車のほうが環境にいいよねというのに勝つのは不可能じゃないですか。

福澤:そうですね。昔もガソリン自動車のほうが電気自動車よりも燃費がいいよねというところからスタートして、今は電気自動車がだんだん追い抜いている感じなので、やはりクロスポイントは少しずつあるのかなという感じがしています。

ただやはり、タクシーの都内の平均スピードは、信号が多すぎて時速12キロぐらいなんですよね。

例えばここから羽田空港に行く場合、時速12キロでタクシーで遠回りしていくより、空飛ぶクルマで100キロでピューっと飛んでいったほうが、本当に10分、20分で行けるよとなった時に、まずはそういった限られたユースケースからガンガン使われていくことがあるかなと思いますね。

ひろゆき:例えば羽田空港に行くとなると、羽田空港のヘリポートを使うと思うんですけど、ヘリポートに空飛ぶクルマが飛んできて、お客さんが降りて離陸するまで、ほかの空飛ぶクルマは地面に降りられないので、そうすると結局空中で渋滞が起きて、そこでものすごい量のエネルギーロスが起きるのは変わらなくないですか?

福澤:それは普通のヘリコプターもそうなんですけども、やはりプランニングが事前にあって、国土交通省に何時何分に出しますねというのが登録されているので、空の渋滞がないように運行はされると思います。

千葉:ひろゆきさん、実は飛行機の業界はそれを解決していて、最終着陸で渋滞が起きないようにシステムで離陸の時間を調整しているんです。なので、エネルギーが無駄にならないように実は国交省はめちゃくちゃ調整しています。

ひろゆき:離陸の時間を調整されるんだったら、結局飛べなくなるし降りられなくなるから車のほうが早いよね。空が便利になってみんなが空を使ったらもっと混雑するから、結果として空を使う人がいたら車のほうが便利になるし、結果として車がいいよねというのは変わらない気がするんですよね。

千葉:なるほど。1点あるとすれば、先ほど言った離着陸できるバーティポートの気軽さだと思っています。飛行機は滑走路、ヘリコプターはヘリポートで、めちゃくちゃ重たいから作るのが大変です。

バーティポートは田舎のご家庭のお庭に作れるレベルに落ちてくると僕は思っています。ぜんぜん離着陸する数が違うんじゃないかなと思っているので、そこは解決されるんじゃないかなと。

ひろゆき:田舎に作るのはぜんぜんできると思うんです。でも田舎の人でものすごい金をかけてそれを買えるのは、田舎に住んでいる金持ちだけで、今話している都会の金持ちの人たちで、5分、10分の時間を争うという話ではないですよね。

東京都内でヘリポート、ヘリが停まれる場所を今から作れるビルはどれだけありますかというと、ほぼないじゃないですか。

千葉:あとは、耐荷重の問題です。福澤さんのほうがぜんぜん詳しいんですけど、重さが違いますね。なので僕は、既存のビルを活用できると思っています。

ひろゆき:既存のビルが活用できるのであれば、たぶん楽天の携帯電話はもっと使えていると思うんですよ。

(※ゴングが鳴る)

(会場笑)

ひろゆき:すみません、はい、すみません(笑)。

ふわっと抽象的な話をすると、携帯電話の基地局はビルの上に置かなければならないんですけど、法律上、電池も置いて災害時に使えるようにしなきゃいけないというのがあって、けっこうな重量のものをビルの上に置かなきゃいけません。

ドコモやauやソフトバンクが置いているからもう置けないよというのがあって、別の会社が携帯電話事業をやろうとしても基地局を置けないよね、なのでつながりにくいよねという現実的な問題があるという、説があるということで。

(会場笑)

(次回へつづく)

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