
2025.02.26
10年前とここまで違う 落とし穴だらけの“ERP to ERP”基幹システム刷新が抱えるリスクと実情
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藤田功博氏(以下、藤田):よろしくお願いします。今回は「Launch Padの入賞者の今」ということで、3名の方に来ていただきました。よろしくお願いします。WHILLの杉江さん、まずは企業紹介からお願いします。
杉江理氏(以下、杉江):WHILLの杉江です、よろしくお願いします。「すべての人の移動を楽しくスマートにする」というのをミッションに、次世代パーソナルモビリティを作っております。よろしくお願いします。
藤田:ライフスタイルアクセントの山田さん、お願いします。
山田敏夫氏(以下、山田):ライフスタイルアクセントの山田といいます。私は「ファクトリエ」という、日本のアパレル工場とお客様をつなぐ通販サイトを運営しています。よろしくお願いします。
藤田:スペースマーケットの重松さんです。よろしくお願いします。
重松大輔氏(以下、重松):はい、よろしくお願いします。スペースマーケットの重松でございます。「スペースマーケット」はお寺から野球場まで、日本中・世界中のユニークなスペースを1時間単位から簡単に貸し借りできるサービスというのをやっております。
藤田:早速なんですがLaunch Padに出られて、今に至るまでの変化というか、メリット、出て良かったという部分も含めて、お聞かせいただければと思います。まずは杉江さんから。
杉江:Launch Padに出た目的というのが、私には明確に2つありまして、ひとつがいろんな経営層の方が参加しておられますので、BtoBにつながるようなネットワーキング作りをしたいな、というようなところが1点。
あとは私たち、シリーズAの資金調達の前だったので、それを込めて知名度を上げておきたいなと思ったのが目的だったんですね。
それに対してどうだったかと言いますと、2つともクリア致しまして、その後いろんな所でPRさせていただいてシリーズA、1,100万ドルの資金調達を集められたっていうのと、あとは後半のBtoBのほうに関してましては、三越様とつながることができまして、一番最初の日本での発売を三越様と一緒にやらさせていただくことができたということで、ミッション達成という感じで非常に良かったです。
藤田:LauchPadに出場されると、やっぱりそういうメールなり、電話なりのコンタクトがたくさんあるものなんですか?
杉江:さっきの2つに対しまして、BtoBのほうに関しましては、ここ(Launch Pad)でなんとかアピールするというのが1個で、優勝したことを機にコンタクト来るっていうのは、もちろん投資者様もそうですけど、ユーザーの方から結構お話あったりして。
そこでユーザーサーベイだったりとか予約だったりとか、そういうことにもつながったんで、本当にコンタクトをいただくことが多くなりました。
藤田:山田さんはどうですか。
山田:私も目的は2つありまして、ひとつはインターネットサービスということもあって、最先端インターネット業界の方々に触れていただく、知っていただく。
2つ目が、私自身が本当に創業を一人でずっとやってましたんで、経営層のメンターを得るっていうところがありまして、この2つは本当に、出て入賞したことでより一層認めていただいたり、連絡しても「ああ君か」と言っていただけたので、非常に良かったですね。
藤田:実際ビジネス上の変化っていうのはありましたか?
山田:そうですね。おもしろかったんですけど、Launch Padの当日に1週間分くらいの売上が上がりまして(笑)、あの会場でおそらく皆さんがスマートフォンで買ってくださったんだろうなと思いました。
なので売上的にもすごいし、またその方々に商品が届いて、Facebookで「届いたよ」っていうかたちでアップしてくださって。なので私たちが主戦場としているインターネットという領域において、発信力のある方々が発信してくださったんで、それは効果がありましたね。
藤田:重松さんはどうでしょうか。
重松:私も目的は3つありまして、ひとつはLaunch Padの名のごとく、発射台というところで、サービス開始してまだ3週間だったんですけれども、そこに認知を一気に、世間・マスに向けて打ちたい、発射したいっていうのがまず1点。
あとやっぱりBtoBのビジネスがメインですので、そこのお客さんを掴んで行きたいところが2点目。あとは3点目で資金調達を(という)ところでございまして、おかげさまでそのすべては達成できまして。
「Launch Padで準優勝しました」というのがドーンと出て、それがいろんなところで、Facebook上でシェアされたりとか、それをきっかけにいろんな取材が来るようになって非常に認知も高まりましたし、あとBtoBのところも、いろいろ使っていただけるお客さんが増えたり、あとはどんどんご紹介をいただけるというような流れもできました。
あとは資金調達のほうですね。これはIVS準優勝というところで、ものすごい箔がある意味つきましたので、本当にスムーズにできることができたかなと思ってます。
藤田:今重松さんがメディア効果ということで、結構マスコミの方とかが注目して「取材の依頼」っていうのがご意見として出たんですけど、そちらについてはいかがですか? 杉江さんはどうですか。
杉江:取材の依頼。僕はすぐアメリカに帰っちゃったんですけど、依頼はもちろんたくさん来まして、日本のほうで対応していきました。
藤田:山田さんはどうでしたか。
山田:今までファッションが主で、私たちは広告宣伝費をまったく使えなかったので、そういう意味では日経新聞さんですとかビジネス寄りの方々がアクセスいただいて、ビジネスマンの方々が「Yシャツだったら自分も着れるんじゃないの」とか、そういう違う切り口で、そこに派生していったのはすごくPR効果ありましたね。
藤田:実際、これは前回の取材のときにもお聞きしましたけど、この(Launch Padに)出てプレゼンするにあたって、いろんな指導が主催者の(IVP)小林(雅)さんから入ったと思うんですけど、それによって変わったもの。
先ほど言っていただいたのはビジネス上の変化だったんですが、ご自身の考え方や、伝え方や、資料の作成の仕方などの、そういったところに変化っていうのはあるものですか? 重松さんどうですか。
重松:最近、当時最終審査に臨むにあたっての資料とか見たんですけど、ボロボロだったんですよ。「よくこれで通ったな」みたいな話もあるんですけど、そこからいろいろフィードバックを小林さんとか(IVPの)田中(章雄)さんからいただいて、それを直したり。
そもそもWindowsのパソコンを私使ってまして「Macにしなさい」みたいな話があって買ったんですよね。本当に届いたのがその土日とかで、そこからMac覚えて、使い方を。
山田:使い方わかったんですか?
重松:不器用ながらも急にやって、でも結果、Keynoteってすごい綺麗なんですよ。おっしゃるとおりで。
杉江:綺麗ですよね。
重松:全然違う。もうそれはすごく良かったですよね。いろいろ言われたのを「見てろよ」みたいな感じで頑張ってやったおかげで、あそこでプレゼンの私のひとつのスキームみたいな、「型」ができて。実はあのあと、いくつかピッチコンテスト、100社以上出るコンテストいくつか出たんですけど、2つとも優勝してですね。
山田:すごいですね。
重松:いえいえ、それはIVSのやっぱり土台があったんで。
山田:賞金(のパネル持って)こうやってるのあります?
重松:そうです、こうやってるのあります。いくつかそういうの獲ることができたんで非常に感謝してます。あのとき、あのままパソコンWindowsでやってたらどうなってたんだろうっていうところがありますね。
山田:重松さん、月に今、何本ピッチ出てます? よく呼ばれてるじゃないですか。
重松:呼ばれるんですけど、でもね、僕4回しか出たことないんですよ。
山田:でも先月出てたような。
重松:先月、あれはちょっといろいろな付き合いで出てたんです。
山田:週1くらいで何かやられてますよね(笑)。
重松:いろいろプレゼンはやりますけどね。ピッチ、コンテストは今全然出てないですね。でもプレゼンの基礎ができて。もう最近偉そうに「プレゼンのコツは」なんて言ってますけど(笑)。
藤田:プレゼンのコツというのは何でしょうか?
重松:プレゼンのコツは、僕が結構大事にしてるのは「反骨心」と「最後までやり抜く・やりきる」っていう。プレゼンに登壇する10秒くらい前までやる。根性の話が多いですね(笑)
山田:男塾みたいですね。
重松:男塾みたいな。でもやっぱり小林さんもそれおっしゃってて、小林さんもFacebookで「幼稚園入学の入試のときに待合室で最後まで追い込んでた」みたいな、あれ結構やっぱり良くて。
私もあれで10分前に音楽を入れたりだとか、ページを差し替えたりとかしてたんですけど、最後の最後で振り絞る知恵って結構いいんで、いまだにそれはすごい大事にしてますね。ラストワンマイルをやりきるっていう。
藤田:「反骨心」っていうのは?
重松:反骨心でいくと、すごいボロいホテルに敢えて泊まったり。札幌のホテルシェラトンはやっぱり、ベンチャーにとってはちょっとお洒落なんですよ。なのでパスして、わざとボロいホテルに敢えて泊まって、食事もちょっと減らしたりとかして。
山田:今回の京都ではどこに泊まったんですか?
重松:今回はね、京都の6000円くらいの、いいとこに泊まっちゃったんだけど。
山田:ウェスティンだったらおもしろかったのに(笑)。
重松:なんの説得力もない(笑)。敢えてボロイいとこに泊まって「見てろよ」みたいな、そういうのをやってましたね。根性論なんで馬鹿みたいな話なんですけど。
藤田:杉江さんは何か考え方とか、変わったことってありますか?
杉江:そうですね、明確に覚えているのが「ダサい」って言われまして、これはやばいなと思って(笑)。WHILL格好いいとか言ってるのに、資料出されたときに結構半端ないと思いまして、じゃあまず格好よくしようというので、一番最初のビジュアルで修正をしっかりと入れました。
あと、もう一個だけ変えたのが、ムービー入れたりとかもそうですけど、やっぱりああいったピッチ、短い時間なんで。
感覚的な話すると、ドーンドーンっていうか、ワードももうものすごい大きくバーンと。わかりやすいキーワードを1ページに1枚。このページで何が言いたいのかっていうのを本当に明確に表す言葉のみ、以上。っていうようなことをすごい意識しましたね。
結局それって本当に言いたいことっていうのをクリアに、明確にしていないとできないことなんですよね。ですので、本当に言いたいことだけをまとめるっていうような練習にはなりました。
藤田:杉江さんの場合だと、その本当に言いたいメッセージっていうのは具体的にどういうことに絞りこまれたんですか?
杉江:何点かあるんですけど、他に出ているピッチとかよりちょっと違うのは、IVSってプロダクトフォーカスのピッチなんですよね。
チームとかそういう話って一切なくて、プロダクト。「あなたが作っているプロダクトは何の問題を解決していて、誰がターゲット・誰にとってすごくうらやましくて、何が他の企業と違って強いのか」というようなところを、主に3つを強く言ったというとこですね。プロダクトに言いたいことをフォーカスしている。
藤田:山田さんはどうですか。
山田:私はもう最初の掴み。「掴みが決まらないと多分何も聞いてもらえない」くらいに思ってまして、杉江さんのときって動画最初流しましたし、重松さんもそうだと思うんですけど、やっぱり最初にどれだけこう「あれっ」って前のめりにさせるか、姿勢を変えるかって、そのインパクトが一番言いたいことだったり。
そこで、たとえば私の場合は「某有名ブランドのシャツと日本のシャツと、この2つが作られてる同じ工場」みたいなところで掴む。やっぱりその最初の掴むところがないと、そのあとの3分を長く感じられるのか、短く終わったってされるか、そこはすごく大事にしましたね。
杉江:コツ言っていいですか?(笑)
藤田:ぜひお願いします!
杉江:僕のコツは丸暗記しすぎることですね(笑)。
藤田:丸暗記。
杉江:これいわゆる、やってはいけないってよく言われてるんですけど(笑)、僕は丸暗記するんですよ。丸暗記すると大体失敗するんですけど、丸暗記し過ぎると普通よりナチュラルなんですよね。丸暗記を通り越すゾーンがあるんですよ。このゾーンに突入すると、めちゃくちゃナチュラル。まあ僕、本番はちょっとどもったんですけど。でも丸暗記。
山田:それは何回、自分で丸暗記練習するとゾーンに入れるんですか?
杉江:100回くらい、デカイ声でしゃべるみたいな。僕は(Launch Padの)前日にフェリーで来てて、フェリーで練習しまくろうと思ったんですよね。これは絶好のチャンスだと。
重松:やることないしと。
山田:海に向かってやればいいですもんね。
杉江:そしたらフェリーを舐めてて、めちゃくちゃ揺れるんですよね。酔ってずっと寝てて。
茨城県から行ったんですけど、東京から茨城でまず3~4時間くらいなんですよ。ちょっと面倒くさいじゃないですか。茨城から苫小牧で2時間かかるんです。苫小牧着いて札幌まで1時間半くらいかかるんですね。着いたらもう(夜の)11時くらいになってるんですよ。
これもうやばすぎるなと思って、練習はしてたんですけど「やりすぎてないな」と思ってその日に徹夜したんですよね。重松さんが早朝に練習しに行ったっていうエピソードがあるんですけど、実は僕その前に行ってて(笑)。
藤田:実は。
重松:これ初めて聞いた(笑)。
杉江:警備員に、入ろうとしたら怒られて、最初。「ダメですよあなた」って。
山田:何時くらいなんですか?
杉江:結局ね、入れたの7時くらいだったんですよ。僕6時くらいに行ったんですけど、全然ダメで。
山田:入れなかったんですね、そもそも。
杉江:外でずーっと、全部の通行人無視して大声で叫んで、会場入りしてやってたら重松さんやってた、みたいな(笑)。
重松:パソコンでこう、やってました。
藤田:でも重松さんも本当に最後の、まさにリハーサルも終わって登壇の数分前までパソコンで、鬼気迫る勢いで練習されてましたね。
重松:生活がかかってるんで。これは「負けられないな」と思って。
藤田:反骨心ですね。
重松:反骨心ですよ。成り上がれるチャンスじゃないですか。
藤田:他の奴らとは違う、と。
重松:成りあがれるチャンスなんで。家庭・家族もありますし、社員とかメンバーの生活もあるんで、そこはなんかこう必死にやりましたね。
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