2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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加藤順彦氏(以下、加藤):人を集められる人がとにかくイケてるという雰囲気があった。いわゆるSNSがないので、影響力ですよね。それこそ固定電話で1本1本電話したり、学校の校門で旗を立てて「パーティーやります」みたいな。集客力のある人がカッコいい人でしたね。
川田尚吾氏(以下、川田):東京のSYNサイドなんかは、基本的にパーティー系をやっていた人たちが、最初のコア中のコア(メンバー)でした。僕はガチのパーティー屋さんではないので深くはわかっていないんですけど、基本的には自分たちでディスコとか箱を借りて、パー券を自分たちで作って自分たちで売りにいくかたちではやっていなかった。
どうしていたかというと、ある日程を決めて六本木中のディスコを全部押さえる。そこに協賛してくれるような、当時のJTさんとかいろいろなスポンサーからお金を引っ張ってきて、それをサークルに売る感じですね。だから、パーティーのプラットフォーマーみたいな感じですよ。
そういうちょっとインダストリアライズされたパーティー屋さんがいて、そういう人たちはどちらかというとビジネス志向が強かった。「でもこのままずっとパーティー屋だけで終わりたくないよね」、みたいな人たちが一部いたんです。じゃあ自分たちでビジネスやろうぜみたいな人たちを、いっぱい集めてきたのがSYNでしたね。
真田哲弥氏(以下、真田):キャンパス・リーダーズ・ソサエティはどんなかたちで人が集まってきたんですか?
今井祥雅氏(以下、今井):ここはもうちょっと高尚でした(笑)。学校公認の団体で、20年以上継続性がある団体を対象としようと決めました。青学の広告研究会の場合、今年で65周年で、僕は25代の代表です。2,000人の卒業生がいて、今でもそのつながりがあるような組織です。学園祭の実行委員もそうです。
当時僕たちが言っていたのは、「大人たちが作った社会に生きるのではなくて、自分たちの時代は自分たちで作っていこうぜ」がキーワードでした。世の中、大人はもっといろんなことをちゃんとやってくれているのではないかと思っていたんですけど。
大学生になって少し社会のことがわかるようになって、社会にちょっと足を入れてみたら、けっこう大人っていい加減で(笑)。大人ってずるいな、みたいな。いろんなことを清濁併せ呑んで生きているところがあったわけですよね。
「やっぱり時代は変わっていくんだから、俺たちで作っていこうぜ」と。あの頃からずっと言っていたのはやっぱり「日本を元気に」という言葉だったと思います。その旗を立てて、そこに興味のある人が集まってきた。
これはちょっと飛んでしまう持論ですけど、「リクルートの人たちすごいね」「リクルートってすごい会社だね」と言うんですけど、リクルートの採用がすごいんです。リクルートの中では何も教えてくれないです。これ、リクルートに入った人はみんなわかっていると思うんですけれども、リクルートは採用がすごい。
今の2人の話を聞いていてもわかるとおり、入口なんですよ。例えば、20人のテニスサークルからこんなすてきな経営者が20人も生まれることはないんですね。ですからみなさんたちがこれから会わないといけない人、今会っておかないといけない人がどんな人なのかも、今日の中でヒントにしていただければなと思います。
真田:集まったわけですけど、誰でもよかったわけではなくて。僕らは「こいつおもしろいな」という人を集めていくのをかなりやりましたね。あの当時の「おもしろい」の基準は何だったのかはもはやわからないですけど、ちょっと普通ではない人を集めていきました。
その人たちをしっかり取り込むための戦略で、僕らがわりとやったことは、当時、学生は名刺なんて持っていなかったんですね。名刺なんて持っていなくて、「こいつを誘いたい」と思った奴の名刺を先に刷ってしまうんです。刷ってしまって「オフィスに遊びにおいでよ」と言って、本人は単に「遊びにおいで」と言われたから遊びに行った。
そうすると、「はい、名刺作っておいたよ」と言って名刺を渡しちゃっていましたね。
加藤:やっていました。
真田:そうすると、学生は初めて自分が持った名刺だから配ってしまうんです。「俺こんなの渡されちゃって」と。配ったが最後、いつの間にか「もう配ってるんだからリョーマのメンバーでしょ」という、そういう取り込み方をやってました。だいぶ詐欺くさいんですね(笑)。
川田:さらに強くやる時は、机とかも用意してしまって、「これがお前の机だ」と席を与える。
真田:そうそう(笑)。「これお前の机だから、毎日自由に使っていいよ」と言う。学生なのに何に使うんだという、そんなこともやってましたね。
加藤:集客力、影響力のある人に声をかけて、その人たちが来たら机があり、名刺がある。で、名刺ができたから配り、いつの間にか帰属意識ができて、自分と同じように人を集められる人がまた集まってくるという循環でしたね。
真田:そういう循環でしたね。だから、わりと一本釣りをしまくりました。会場後方にいる杉山(全功)さんはどうやってリョーマに入りましたっけ?
杉山全功(以下、杉山):確かあの時、真田さんに「遊びに来いよ」と言われて。で、営業リストを渡されて、「営業して、電話して」と言われたのが最初です。
加藤:だいたいみんな一緒です。
真田:だいたいそんな感じですね。
杉山:もう1つ。すっごい覚えてるのが、その日の午前中にアポも何も取れなかったので、怒られて。アドバイスを受けて、午後アドバイス通りやったら何件かアポが取れて、すげー褒められたのは覚えてます。
真田:そう、なぜだかいきなり営業させるという、このすごい状況(笑)。僕らの仲間にリョーマ出身……ここに写真載ってないんだ。高橋信太郎という、先日までIndeedという会社の社長をしていた男がいます。
彼の場合、なんでリョーマに入ったか。「リョーマに遊びにおいでよ」と、これまでの例と同じく誘って、その時に、彼の場合はミニスカートの美人女子大生をたまたま……たまたまではないですね。仕掛けとして。
加藤:置いておいたと。
真田:置いておいた。そうすると、ミニスカートに食いつきましたね。高橋信太郎がリョーマに入った理由は、リョーマに行くとこんなミニスカートの女の子がいるんだ、が最初のきっかけだったはずです。
加藤:その後ミニスカートの女の子はいなかったですね。
真田:それは別にリョーマのメンバーではなく、撒き餌だったということに気がつかず、高橋信太郎は食いついてしまった。こんなこと本人がいないのに言っていいのか。
加藤:いいと思います。
真田:本当にダメな話の時はこれ出しますから。
(一同笑)
川田:ちなみに、今は学生でスタートアップをやっていると言うと、なんかちょっとイケてる感じがすると思うんです。
あの当時は、イケてるというよりも、ぜんぜんヤバい人みたいな感じになるんです。スタートアップという言葉もなかったんですけど、「一緒にベンチャーやろうよ」みたいなことを言うと、ちょっと白い目で見られる。そういう中で、我々はいろんな工夫をしたわけですよ(笑)。
真田:でも、今もやっていることは一緒で、最近「BLOCKSMITH」というWeb3の会社を作りました。僕の世代になると、もう周りにWeb3にすっごい詳しい奴、Web3ですごくいいパフォーマンスを出しそうな奴なんて、自分の直接の知り合いにいないわけですよ。
で、僕は日本で一番Web3を理解している賢い奴を探そうと思って、ネットでいろいろ調べて、探しまくって「今度こういう事業をやるんだけど来ないか?」と言ってTwitterでDMを送った。今はさすがにリアルではなくて、オンラインで探して一本釣りしています。36年前とまったく同じことを、このWeb3の時代でもやっています。
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