2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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各業界のトップランナーたちが、困難や壁を「どう乗り越えてきたか?」を語るイベント「Climbers 2021 」 。Climber(= 挑戦者)は、何を目指し、何を糧にいくつもの壁に挑戦し続けることができたのか。単なるビジネスの成功事例やTipsではなく、彼らを突き動かすマインドや感情を探り、進み続ける力を本質から思考します。本記事では、世界最高齢プログラマーの若宮正子氏によるセッションをお届けします。何歳になっても“未経験の挑戦”を止めない、行動力の秘訣が語られました。
福田典子氏(以下、福田):若宮さんがこれからやっていきたいことって、何でしょう?
若宮正子氏(以下、若宮):あまり目標をガッチリ決めないで、これからも自分なりに生きていきたいと思います。これからの時代って、いわゆる“3Dプリンター人間”になっちゃいけないんです。
“3Dプリンター人間”は、すごく精巧にそっくり同じものを作れるわけですが、それはロボットさんにお任せしておいて、人間はやはり「人間でなければできないこと」をやるのがいい。難しく言うと「創造性」ですか、そういうクリエイティブでありたいと思うんですね。
そういう気持ちで、周りを見てやっていく。ただ、クリエイティブであるためには、やはりいろんな材料を見つけてきたり、勘やひらめきが必要なんだけど、結局熟成・発酵させなければいけないんですよね。3Dプリンタが作れないような物を作りたいです。
福田:確かに。今は枠から飛び出る勇気を持たなきゃいけない時代なんですかね。
若宮:そうなんです。こういう、ガラスの天井やパネルみたいなものに囲まれちゃっているんですが、仮に自分が「自粛で外へ出ちゃいけません」とか言われていても、それは体がそうであって、心はどこにでも飛んでいっていいわけですから。自粛でステイホームでも、気持ちは幅広く飛び跳ねてほしい。そんな気持ちがします。
福田:5枚目のお写真があるんですけれども、こういった感じですね。
若宮:そうなんです。こういう感じかしら。(立ち上がる)
福田:若宮さんとお話ししていると、私も心が軽くなった気持ちになりました。
若宮:そうですか! 素晴らしいです。
福田:ありがとうございます。
福田:きっとみなさんも、いろんなことを感じていらっしゃると思いますので、視聴者のみなさんからの質問をお受けしていきたいと思います。
1つ目の質問です。「高齢者のみなさんがデジタルに触れ、楽しんでもらうためには、何が一番必要なのでしょうか?」。いかがですか?
若宮:「とりあえずやってみること」だと思うんです。私もよく「若宮さん。プログラムなんて、よく決断と勇気がありましたね」と言われていたんですけど、プログラミングをやっても誰も死なないんです。
福田:(笑)。
若宮:パソコンを持っていない人はプログラムをやらないと思うんですけど、パソコンがあれば開発ソフトだってタダでダウンロードできますし、なにもいらないんです。ですから、私もとりあえずやってみたんですね。
スマートフォンでもタブレットでも、(Apple Watchを指しながら)こういうものでもいいですから。なんでも新しいものをやってみたいと思ったら、とりあえずやってみることだと思うんですね。
福田:そういったものにまったく興味のない方は、もしかしたらスマートウォッチの健康管理とか、そういう入り口から入るとよかったりするかもしれないですね。
若宮:今のスマートウォッチはスマートフォンに連動させて使いますから、スマーフォンは必要です。ただ、AIスピーカーなんてありますよね。例えば「テレビ点けて」「今日の京都のお天気を教えて」「5時30分になったら教えて」とか、まさにしゃべればなんでもやってくれますから、ああいうものもいいんじゃないかと思うんですね。
パソコンやスマートフォンって、操作手順をある程度勉強して習得しなければいけないわけですが、あれ(AIスピーカー)は何もしなくても大丈夫です。壁が低いので、そういうものもあります。とにかく、今までやったことのないものにトライしてみるのがいいんじゃないでしょうか。
今度のコロナ騒ぎでも、日本国中の人がやらなきゃいけないワクチンも(接種予約が)電話ではダメで、ネットでしか無理なんですね。「何回も電話してもつながらなかった」というお話もありますが、この際、まず興味を持ってみて、それで自分でも使ってみる。それを気軽にやっていただければと思います。
福田:ありがとうございます。
福田:それでは2つ目の質問にいきましょうか。「プログラミングでわからないことがあった時に、どこでどなたに質問していたのですか?」ということですが、いかがでしょうか?
若宮:今、プログラミングもいろんな種類のものができました。私は無謀にも最初からゲームアプリを作って公開しようとまで思ったんですが、そこまで行かなくてもいろんなプログラミングがあります。中には子どもさんたちがやっているScratch(スクラッチ)というものとか、プログラミングの世界もすごく広いし進歩したんですね。
ですから、いわゆるコーディングだけがプログラミングではないし、私が作っているiPhone用の開発ソフトも、どんどん易しく使いやすくなってきているんです。ですから、なんでもいいからとりあえずやってみられたらと思います。
簡単なものでしたらいろいろ解説書もありますし、YouTubeやネットなんかでも、そうい使い方を調べられます。そういうところでやるとか、あるいはお仲間で集まって勉強会をやってもいいんじゃないかと思います。まずは、今の自分がやれるものをやればと思いますし、手段はいっぱいあると思います。
福田:若宮さんご自身は、本を見たりYouTubeを見たり、そしてお仲間に教えていただいたり?
若宮:そうです。まず最初は本でやりましたが、ネットにも質問をするサイトがあります。教えていただくことは、やはりすごく大事なことですし、私自身も同年代の人にパソコンをお教えしていたりとか、教えることも大事なんですね。教えることは、習うことなんです。ですからどんどん教えたり教わったり、そういうグループを作ってやっていかれたらいいと思います。
福田:ありがとうございます。それでは3つ目の質問に行きましょうか。「今の20代や30代に『これだけは忘れずに』ということはありますか?」。
若宮:あります。いろんなことに興味を持って、いろんなことを楽しんでください。例えば自然に触れるとか、野菜を作ってみるとか。それから本も、古典とかいろんな本を読んでみる。演劇やお芝居も見てみたり、音楽も、クラシックや民謡とかいろんなものに触れて。
一途にこう(視野が狭くなるジェスチャー)やっていくのではなくて、人類が残してくれたものや、周りにいる仲間が作ってくれたものを、うんと取り入れる。それで自分を豊かにしていくことが、すごく大事だと思うんですね。さっき「(経験を)熟成させたり」という話をさせていただいたんですが、それの元になるものです。
豊かな発想や勘やひらめきを具体化させるためには、そういう豊かな風土というか、“発酵剤”を作らなければいけないわけですから。いっぱいいろんなことを体験して、それから失敗もしてくださいね。
福田:失敗を恐れないということですね。
若宮:そうなんです。お父さん・お母さんになった時にも、お子さんに上手に失敗をさせてあげてください。そして、温かく見守ってあげてください。
福田:ありがとうございます。
福田:最後にもう1つ。(視聴者からの質問で)「パソコンに長時間向かっていると運動不足になりがちだと思いますが、健康を維持するために普段やっていることはありますか?」。
若宮:私の場合はもちろん、パソコンやプログラミングもやりますが、いろんなことに興味を持っていて、あちこちやることが多いです。
今のステイホームの時にも、いろいろな自分なりのお料理なんかを作ってみて、うまくいったり失敗したりとか(笑)。いろいろなことの中で、パソコンやプログラミングをやります。なにかを一途にやらずに、バランスを取っていろんなことを楽しめればいいと思いますし。
今は、バーチャルリアリティのVRのヘッドセットがあるんですよね。あれで体を動かすゲームみたいなものをやっています。例えば、卓球とかいろんなものがやれて、架空の相手と一生懸命やって「何点取れた」とか言って。あれも体にいいかもわからないです。
福田:VRもされているんですね。
若宮:そうなんです。
福田:びっくりしちゃいました。
若宮:(笑)。
福田:確かに、新しいものに触れながら運動もできるということですね。
若宮:そうなんです!
福田:本当にいろんなものに幅広く触れて、自分の中に取り込んで、それが次のステップにつながっていくということですね。
若宮:おっしゃるとおりです。
福田:では、そろそろお時間となりますので、最後に改めて視聴者のみなさまにメッセージをいただいてもいいですか?
若宮:やはり、創造的であってください。今までにない新しいものを目指して、そしてそのために自分の心を豊かにして、あまりゴチゴチにならずに体の力を抜いて。いつどこから球が飛んできてもいいように構えて、そして人生を楽しんでください。
福田:お時間になりましたので、この辺りで終了とさせていただきます。若宮さん、ありがとうございました。
若宮:ありがとうございました。
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