
2025.02.06
ポンコツ期、孤独期、成果独り占め期を経て… サイボウズのプロマネが振り返る、マネージャーの成長の「4フェーズ」
リンクをコピー
記事をブックマーク
石倉秀明氏(以下、石倉):(「ゲストの情報がSNSになかったら、その場でがんばるしかない」という話を受けて)なるほど。その場で、どうがんばるんですか?
寺田有希氏(以下、寺田):私の場合は、今まで「すぐ本番」みたいなことが多くて。向こうも自分の仕事の話をしたいというモチベーションがあるので、だいたいその話題についてご質問をしていれば大丈夫でした。
石倉:なるほど。何かしゃべりに来てるから。
寺田:そうなんです。共通テーマはあるというか。でも、どうですか? 営業だと向こうは「営業しに来てるな」って思ってるワケじゃないですか。ということは、なんかちょっと気持ち的に「今から営業受けるんだな……」って、下手したらちょっとマイナスからスタートしている。
それをうまく契約をしてもらうまでにプラスへと展開させていくために、どう考えて、どうやっていくんですか?
石倉:僕、そんなに複雑に考えていなくて。営業って、基本的にはウザいものだと思っているんですよ。
寺田:こっちも向こうもですか?
石倉:受ける側からすると面倒くさいものじゃないですか。自分で問い合わせて話を聞きたいならまだ別ですけれども、そうじゃないとすると、基本的にはちょっと面倒くさい人たちというか、ウザい人たちだと思うんですね。そういう前提に立ってるので、断られて普通なんですよ。
石倉:話を聞いてくれたり、契約してくれたりする人は超いい人っていう考え方です。なので、超いい人に対して「これとこれとこれを伝えて、だめならしょうがない」というパターンだけをもって、同じことをずっと言う。
寺田:自分の売りたい商品をアプローチ・PRするための、売り文句をたくさん作っておくんですか?
石倉:そうです。だいたい3つぐらいですね。Aっていう角度と、Bっていう言い方とCっていう言い方があって、この3つのどれかを当ててみて、もしくは全部を当ててみて、だめか、だめじゃないか。ということだけですね。
寺田:このA・B・Cは、何が違うんですか?
石倉:わかりやすく言うと、価格の人もいれば、利便性の人もいれば、それを入れたことによって、その人のミッションが何か達成されることが大事とか。その人によって何を重視するか? が違うので。「この商品だったら、こういう刺し方があるだろうな」というパターンを見つける作業を、日々やる感じですね。3つから増やそうとはしないんですよ。
寺田:なんで3つなんですか?
石倉:それ以上覚えられないですもん。4つも5つもそんなにうまくしゃべれないので「完コピで同じことを100回やれ」って言われて100回やれるのは、3個までだろうなと思って3つなんです。
寺田:なるほどね!
石倉:その3つの言い方を変えてみたり「A違ったな、Cだな」みたいに入れ替えてみたりはするんですけど、とりあえず3つというのは決めていて。その3つを言ってだめな時は、まぁしょうがないという感じです。
僕にとって成約率を上げるのに、それ以上はできないんですよ。要はもっとうまくしゃべって、気持ちやテンションを上げて契約していただくことはできないので、もうそこは基本諦めていて。それよりも「いかに商談する数を増やすか?」にしか、あまり頭がないんですね。
寺田:10件行って、ご機嫌取って10件取るってめちゃめちゃ難しいけど、そうじゃなくて……。
石倉:「30件やればいいじゃん」っていう。僕、特に新規開拓の営業をやっていたんですけど、分解して考えると、お客さんを探している時間と商談をしている時間で言うと、9:1ぐらいでお客さんを探している時間のほうが長いんですよ。新規開拓の営業って。
寺田:そういうもんなんですね。
石倉:テレアポしてアポイントを取れるのって、100件かけたら、よくて5件とか。100件で1件とか2件って、(普通は)そんなもんなんですよね。つまり、商談になるまでのほうが圧倒的に長くて、これを短くするのにコミュニケーション力は関係ないんで、ここ(お客さんを探し方の改善)ばっかりやってました。
寺田:でもそう考えると、私も同じ考えだなと思うことがあって、初対面でみんな「自己紹介をがんばらなきゃ」って思うじゃないですか。自己紹介をやめるという結論に至ったのも、緊張する自己紹介の場より、その後に一緒に仕事をしていく時間のほうが必ず長いんですよ。
石倉:それは絶対そうですよね。
寺田:だから、必ず長いほうをがんばるって思ったので、自己紹介を捨てたんです。自己紹介でいくら「この人ぜんぜん喋らない人だな」と思っても、例えば自己紹介が終わった後に「石倉さん、よろしくお願いします」って、名前を呼んでもらえるとうれしいじゃないですか。そっちを狙いに行きました。
石倉:確かに自己紹介をする時って、みんな「自分が何をしゃべろうか」と考えてるから意外と人の話を聞いてないですからね。だから名前は、意外と覚えてないという。
寺田:そうなんです。そこで(相手の名前を)覚えていると、めっちゃ私の価値がポコンって加点方式になるんですよ。だから、必ず時間の長いほうに考えをシフトするというのは(石倉さんと)一緒です。
石倉:そうなんですよ。しかもそこはコミュニケーション力がいらないんですよ。
寺田:私の場合はいるけど、でも……。
石倉:自己紹介でうまく表現するよりは、自分的には楽って感じですよね。
寺田:楽です。
石倉:僕も商談がめちゃくちゃうまくなるよりも、お客さんに商談の席についてもらう率を上げるほうが、楽だし、コミュニケーション力がいらないんですよ。
本にも書いたんですけど、テレアポで「こんにちはー」って(電話を)かけるじゃないですか。月曜日の午前中にお電話をして、まぁ当たり前なんですけど、社会人の1週間ってだいたい同じ流れなので、月曜日の午前中にかけても(お客さんが)いないんですよ。
じゃあ月曜の午後がいいのかな? 夕方がいいのかな? 月曜がだめなのかな? と分けていくと、1日が午前・午後・夕方の3つだとして、金曜までで15コマあるじゃないですか。この15コマのどこで電話をかけると、この人がいるかなって? お客さんのリストをずっと分類し続けるんですよ。
寺田:同じ人に違うタイミングで電話をかけ続けて、そのデータを蓄積するんですか。
石倉:そうです。「月曜の午前中にかけるならこの人」というのがもう決まってきて。「こんにちは、寺田さんいらっしゃいますか」と言う時に「寺田さん今います」「あぁ、寺田です」と出る確率が、平気で人の3倍ぐらいになるんですよ。
アポを取れる確率は人と一緒でも、(このやり方で人より)3倍アポイントが取れるから、受注率は人と一緒でも3倍の成績になるじゃないですか。
寺田:おもしろい!
石倉:だから商談をうまくなることは、僕は捨てました。ロープレとかしたことないです。やったのは15個に分類し続けるだけ。
寺田:そういう逆転の発想はすごく大事なのかなと思います。私も第一印象は捨ててますもん。
石倉:めちゃくちゃ第一印象いいですけどね(笑)。
寺田:本当ですか!? ありがとうございます。でも「めっちゃしゃべりかけてくれる人」というのは、(私の第一印象には)ないはずなんですよ。
石倉:それはそうですね。今回はわかった上で会ってるからです。
(一同笑)
それこそ、苦手なのをわかった上でしゃべってるから。
寺田:そうなんですよ。通常だと、私のマスイメージって「しゃべりかけてくれる人」みたいなところが出ちゃうんですけど、無理なんです。もうそこはどう思われてもいいと思って。初めの笑顔だけはがんばるんですけど、その後「こっちが慣れるまではちょっと時間ください」って思って(笑)。
石倉:少し間が空いてね。
寺田:そこはちょっと諦めさせていただいています。時間がたってからがんばるんでって(笑)。
石倉:諦めと、自分が勝負できるところで勝負するのは大事ですね。
『ホリエモンチャンネル』寺田有希氏×キャスター石倉秀明氏 似た“苦手”を持つ2人が語る「苦手な仕事で成果を出す方法」
『ホリエモン万博』では、面識なしの著名ゲスト相手に5時間MC 「初対面が最も苦手」と語る寺田有希氏の“話のきっかけ探し”
営業って基本的には“ウザいもの” それでも人の3倍の成績を叩き出す「15個の分類」
採用面接の「最後、何か質問は?」で聞くべき、たった2つの問い 絶対に答えがあり、面接官への興味を示せる“鉄板質問”
面接を「アピールの場」と思っている人は“話の通じない人” 9割が「聞かれた質問に答えない」から、残り1割になればいい
ウザい上司を味方につけ「意見を聞いてくれる状態」にするコツ “老害”に接する時は、実績を素直に受け入れ、素直に褒める
目上と話すときは「シンプルに答え、わからなければ聞き返す」 偉い人は“ヨイショされたい”のでなく、意見をぶつけ合いたい
2025.02.20
残業せずに結果を出すドイツ人の働き方 日本の3倍休んで成果は1.5倍のタスク管理と会議術
2025.02.14
報連相ができない部下に対するコミュニケーションの取り方 「部下が悪い」で終わらせない、管理職のスキル向上のポイント
2025.02.13
“最近の新人は報連相をしない”という、管理職の他責思考 部下に対する「NG指示」から見る、認識のズレを防ぐコツ
2025.02.13
上司からは丸投げ、部下からはハラスメント扱い、業務は増加…プレイングマネジャーを苦しめる「6つの圧力」とは
2025.01.07
1月から始めたい「日記」を書く習慣 ビジネスパーソンにおすすめな3つの理由
2025.02.20
部下からミスの報告が上がった時の反応の仕方 逆効果になる上司の対応と心がけたい3つのポイント
2025.02.18
「働きやすさ」と「やりがい」で見た4つの職場のパターン 圧倒的に業績の伸び率が高い職場の特徴
2025.02.12
何度言っても変わらない人への指示のポイント 相手が主体的に動き出す“お願い”の仕方
2025.02.14
リーダーが「ゴール直前でひっくり返し」をする理由 ソース原理の専門家が語る、指示が二転三転する人の心のうち
2025.02.13
AIを使いこなせない人が直面する本当の課題 元マッキンゼー・赤羽雄二氏が“英語の情報”を追い続ける理由