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2025.02.18
AIが「嘘のデータ」を返してしまう アルペンが生成AI導入で味わった失敗と、その教訓
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玉乃淳氏(以下、玉乃):本日は、何卒よろしくお願いいたします。まさか土屋さんとの対談が実現するなんて、夢にも思っていませんでした。
土屋雅史氏(以下、土屋):確かに。番組の制作側と出演者の方との対談は珍しいかもしれませんね。
玉乃:かなり緊張します。出演者からすると、番組のプロデューサーさんといえば、上司のような存在であり、神のような存在に当たりますから(笑)。
土屋さんは、「ツチペディア」と言われ、サッカーに関するありとあらゆる情報をお持ちで、いつも驚かされます。
土屋:とにかくサッカーが好きで、昔から見続けていますからね。可能な限り全国を回って、試合や練習を見させていただいております。
高校生以上のサッカーに限りますが、それこそ中学生以下や女子サッカーにまで本気で手を伸ばしたら、もう見切れなくて……完全に家庭が崩壊してしまいますから(笑)。
玉乃:Jリーグの中継制作プロデューサーとして、毎週末全国を飛び回っている傍ら、時間がある限り、高校サッカーや大学サッカーなど、カテゴリーや世代を超えて、睡眠時間を削られて眼を真っ赤にされながら取材されていますが、そのモチベーションはどこにあるのでしょうか。
土屋:例えば高校生なんて、サッカーに向き合っている純度が非常に高いので、気付かされることがすごくあるんですよね。
事前に何も知らないで観に行くことによって「えっ?」っていうような信じられない出来事とか、信じられない出会いとか。自分の想定を超えるようなものがいろんなところに転がっているので、自分を浄化させるというわけではないのですが、改めて「サッカーってこういうことだな」って気付ける場所なんです。
単に試合や練習の後に選手と話をするだけでも、いま目の前のサッカーに全力に取り組んでいる感じがひしひしと伝わってくるんですよね。
僕も大学を卒業するまでずっとサッカーをやっていたから、高校時代は自分もこんなに熱かったよなって思ったりして。あまりメディアに取り上げられることのない高校生にも、伝えたい思いもたくさんあって、一生懸命こちら側に伝えようとしてくれるんです。
その中には常に新しい発見があって、彼らから常に勉強させられています。取材を続けてもう6年、7年ぐらいになりますかね。
もちろん、実際それはジェイ・スポーツのためにもなっています。現場で出会った指導者の方に番組に出演いただいたり、解説者としてお越しいただいたり。
玉乃:メインの仕事として、日本のトップリーグであるJリーグ中継の制作責任者をされていて、それなのに下のカテゴリーの選手やマイナーな高校まで取材し続けている姿は、正直僕の眼には異様に映っていました。
土屋:サッカーを知りたいというか、常にサッカーを勉強したいと思っているんです。現場に行くと常にサッカーを通じて何かを教わります。
それが高校生だろうが、大学生だろうが、Jリーグだろうが、どの現場にも何かがたくさんあるんです。とにかくサッカーが大好きなんでしょうね。学生時代もサッカー以外の仕事に就くことは考えていなかったですし。
2002年の日韓ワールドカップの年に大学を卒業して、社会人になる予定だったのですが、社会人になってしまうと自由に試合を見られなくなると思ったので、自主留年というかたちで卒業を1年見送りました。それぐらいサッカーが好きすぎて……何なんだろうね(笑)。
玉乃:土屋さんが、サッカー好きランキングで日本一だということは間違いないと思います。世界一かどうかは知らないのでわかりませんが、サッカー好きの度合いは尋常ではないです(笑)。
土屋:やっぱり尋常じゃないよね?(笑)。本当にうちの奥さんには感謝してもしきれません。「昆虫とか細菌の学者と結婚したと思っている」と言ってくれているので。昆虫とか細菌が僕の場合はサッカーで……この表現が正しいかどうかわかりませんが(笑)。
ここまでの人生すべて、サッカーに生かされてきているんですよね。友達もほとんどサッカーを通じてできた友達ですし、中学から高校に行く時もサッカー推薦でしたし、大学を卒業して会社に入れたのも、サッカーが好きで、その情熱を面接で伝えようとしたことを今の会社が評価してくれてのことですし、ずっとサッカーに導かれて生きてきているんです。
僕の人生すべてをサッカーに構成してもらっているわけなんです。感謝しきれないですよ、ほんと。だから、サッカーを伝えることは、サッカーへの恩返しだと思っています。
すでにもう一生掛かっても返せないぐらい恩がありますけど。しかもサッカーを伝えることって、尽きないですしね、終わりがないですから。本当にいいものに巡り会えました。
玉乃:純粋にストレートに物事を伝えるのってすごく難しいかと思います。とくに土屋さんはテレビ業界の中心にいらっしゃるので、スポンサーさんからの見られ方など、すべてが土屋さんの意向というわけにはいかないのではないかと想像しております。
土屋:こと、僕が担当しているJリーグ中継で、もし仮にスポンサー関係の目を気にしなければならいような状況だったら、あなたのような解説者は……ね?(笑)。
玉乃:え? 土屋さん、ひどいです(笑)。
土屋:うそうそ(笑)。中継において、とにかくスタッフのメンバーが優秀ですからね。玉乃くんもご存知の通り、1試合の中継を作るのに総勢25人前後のスタッフが関わっているのですが、その中でジェイ・スポーツのメンバーは僕1人で、あとはテレテックという制作会社の方たちで構成されています。
カメラマンがいて、中継車の中で指示を出す方、あと、放送席で玉乃くんに「なに言っているんですか?」ってカンペを出す方とか。
玉乃:(笑)。
土屋:僕も最初のほう、何回か差し紙出したよね。「そういうのいらないから」って。
玉乃:本当にそのときは凍りつきました。毎回「遂に終わった」と思いました。僕の場合、常に1試合更新の契約ですし……。
土屋:でも、本気で怒ったのは1回だけだよね? ほかの人から見たら、何度も「こいつ何言っているんだ?」ってシーンがあったと思うけど(笑)。
玉乃:本当にその件は反省しています。若手選手のデビュー試合で、容姿について不必要に触れてしまった件ですね。いまだに本当に忘れられないです。
土屋:後にも先にもその時だけだよね、僕から注文を出させてもらったのは。
玉乃:はい。今でもその時のことを反省しています。時に本気で怒ってくれたり、アドバイスをいただいたり。なんというか、選手を引退して、社会人としての初めての先輩が土屋さんだったので、土屋さんには感謝しきれないです。
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