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IVS2023 LAUNCHPAD KYOTO パナリット株式会社(全1記事)

ある企業で、離職率が1.5倍に激増した“本当の理由” 人事データ分析でわかった、自社の課題と最適な経営判断

「IVS2023 KYOTO」内にて、次世代の起業家の登竜門とも言われる日本最大級のスタートアップピッチコンテスト「IVS LAUNCHPAD」が開催されました。本記事ではパナリット株式会社の小川高子氏による、人的資本を可視化するツール「パナリット」についての6分間のプレゼンテーションをお届けします。

「ヒトの領域」をデータで見ることは困難

小川高子氏:人事と経営をデータでつなぐパナリットです。みなさんは、自分の会社や組織のことをどれだけ知ってますか?

育休を取得した社員は、同期と比べて昇給が2年遅れる。女性の管理職は、男性管理職より残業時間が1.5倍も長い。20代の入社1年以内離職率は、年々倍増している。あなたの会社ではどうでしょう?

「いや、うちの会社に限ってそんなことはないはず」と思うかもしれません。でも、多くの経営者や現場のみなさんも、確信をもって言い切れないはずです。なぜなら、組織や人材をこういうデータで見たことがないからです。

そもそも正しく経営判断をする上で、カネの領域では財務諸表がありますよね。モノの領域でも、CRMでLTV(顧客生涯価値)やCAC(顧客獲得単価)を把握できるはずです。

では、ヒトの領域は? 何もありません。調べようと思ってもなかなか出せないんです。なぜかというと、人事データがいろんなシステムにバラバラで、人が手で入力するので表記がぐちゃぐちゃだからです。部門ごとの離職率を計算するなどの簡単なことでも、1ヶ月以上かかるという企業がざらにいます。

自社の人的資本をツールで見える化

そこをパナリットは、いろんなシステムからデータをまるっとつないで、データをきれいに整えて、人的資本の見える化を最短距離で実現します。

セットアップは簡単です。会社で使っているシステムをAPI連携したり、Excelファイルをアップロードすると、パナリットのデータチームへアラートが行き、データの診断とクレンジングを開始。2~3週間程度でセットアップは完了します。

セットアップが完了すると、約150種類の人的資本KPIが、会社をあらゆる意味で見える化します。例えば、産休・育休を取得した従業員のキャリアパスがフェアかどうか。これを調べるには、管理職への昇給期間を見ていきます。

これは、プロモーションまでにどのくらいの期間がかかっているかという指標なんですが、全体では今、6年程度かかっているとわかります。これをセグメントを使って、産休を取得した従業員とそうでない従業員で比較してみましょう。

指標の隣の三角形を開くと、このとおり産休・育休を取得した従業員のキャリアが3年から4年遅れていることがわかります。

次に、20代の入社1年以内離職率を見ていきましょう。今度は年ごとに比較をしていきたいので、タイムスライダーで年ごとを選択して、集計期間も3年ごとを見てみましょう。

先ほどと同じセグメントを使うと、年代別に集計をした時に、他の年代と比べて明らかに20代の短期離職が課題になりつつあることがわかります。こんなかたちで、ありとあらゆる組織の論点に秒で答えられるんです。

思い込みにとらわれず、最適な経営判断ができる

でも、パナリットの本質的な価値は、データの集計や見える化が簡単になることではありません。データが見えると、論点や仮説の検証ができるようになりますので、結果として意思決定の質が向上します。

例えば、ある企業はデータが見えたことによって、経営陣が意思決定を180度変えたと言います。もともと同社は、3年以内に既存事業から新規事業へ社員の4割を異動する計画を進めていました。

ところが計画を進めているうちに、思った以上に離職率が激増してしまったといいます。これを知った経営層は、「強制的に異動させられたのが嫌で、新規事業の従業員が辞めてしまっているのではないか?」と思い、計画は中断せざるを得ないと思いました。

ところがパナリットを見てみると、実際に辞めていたのは新規ではなく、既存事業の従業員が多いことがわかりました。

詳細を見ていくと、優秀な従業員を新規に取られ、既存事業の生産性は悪化。それを埋めるために残業時間が倍になっていた。それが結果として、既存事業の離職率を悪化させていたんです。

これに気づいた経営層は、もともと「計画は中断しなきゃいけない」と思っていたところ、人選プロセスを再検討したら「計画は続行しても大丈夫」という判断ができました。思い込みやバイアスによらない良質な経営判断ができることが、パナリットのもたらす本質的な価値です。

日本だけでなく、海外6ヶ国にも導入実績あり

プランはライトからプロフェッショナルまでの3種類、月額20万円からお使いいただけます。最もヘビーユーザーは月額200万円以上の契約で、ユーザーライセンスも7,000人を超えます。

現在、ARR(年次経常収益)は1億円。このタイミングで上場企業の人的資本開示が義務化されました。この制度変更を追い風に、我々は次の2年でARR6.5億円を目指します。

また、パナリットは日本市場に限りません。我々はシンガポール、オーストラリア、イギリスなど、すでに海外6ヶ国に導入実績があります。

ミッションは「Make Better People Decisions」。我々パナリットは、データ・会社を見える化することによって、あなたの組織のより良い未来を作ります。

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