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オーナー不在のプロダクトを引き継ぎ、どうやってコミュニケーションを改善したか(全1記事)

プロダクトオーナー不在のまま進んだ「polca」の開発 新任POとして挑む、チームのコミュニケーション改善

2018年7月7日、株式会社フリークアウト にて「プロダクトオーナー祭り 2018 Summer ~プロダクトマネジメントが世界をツナぐ~」が開催されました。IT関連企業に所属するソフトウェア開発のプロダクトマネージャーやプロダクトオーナーを中心に、それぞれが携わるプロダクトの価値や、マネージャーとしての体験談など、幅広い観点からライトニングトークが繰り広げられました。本記事では、株式会社CAMPFIRE polca事業部 事業部長の山田和樹氏によるLT「オーナー不在のプロダクトを引き継ぎ、どうやってコミュニケーションを改善したか」の模様をお送りします。

少額のクラウドファンディングプロダクト「polca」

山田和樹氏:よろしくお願いします。株式会社CAMPFIREの山田と申します。今日はプロダクトオーナーとしてのコミュニケーションについてお話をしたいと思います。

最初に自己紹介をさせていただきます。私は大学院でずっと社会心理学の研究をしてました。そこからちょっと関心が変わってファッションの勉強をしていたのですが、クラウドファンディングに興味が湧いたことから、今のCAMPFIREという会社に入りました。

CAMPFIREには4年くらいいて、クラウドファンディングの資金調達のお手伝いをしてました。そこから現職になります。現在は「polca」というプロダクトに携わっているんですが、これが初めてのプロダクトオーナーとしての経験となります。

ちなみにpolcaをご存知の方、いらっしゃいますか?

(会場挙手)

あ、けっこういる! ありがとうございます。ダウンロードして使っている方はいますか?

(会場挙手)

まだまだですね……がんばります(笑)。

polcaはスマートフォンのアプリで、気軽にクラウドファンディングを始められます。審査もなくて、30秒ぐらいですぐにはじめられるというのがウリです。

「お金を通したコミュニケーションをなめらかに」というコンセプトで一昨年リリースしまして、少額のクラウドファンディングサービスとして注目されてたりするんですが。polcaのアプリ自体よりも、学生なんかが「MacBook欲しい」とかつぶやいているのに対して、お金を払ってくれる「polcaおじさん」がけっこうメディアに取り上げられていたりします。

「polca」リリースの裏側で

polcaのリリースに際しては、なんだかんだありました。2年前に突然、弊社代表の家入(一真氏)が「CAMPFIREのスマホアプリを作りたい」とか言いだしたんです。その後、なんだかんだあって、突然アプリの名前が「polca」に決まりました。

polcaの投資家向けの資料についてSlackで知らされたんですが、5月リリースって書かれていて、みんなちょっとビックリしていました。4月になるとティザーサイトが公開されて、速報がTHE BRIDGEさんに書かれ、そこでは6月リリースって書いてありました。

でも、結局6月になってもやっぱりリリースできなくて。7月になってもできず、ちょっとあせっていたんですが、8月のお盆前にはようやくリリースができました。

リリースしてからもなにかとバタバタしてたのは、プロダクトオーナーという人がいなかったのが原因でした。代表の家入が抽象的なことで「すごくやりたい、やりたい」と言っていて、だれもなにも決められない状態が続いていたんですね。

結果polcaをリリースしてからも、10人ぐらいのチームでつくってました。でもスピードがぜんぜん出なくて。(更新版の)リリースもあまりできていなかったんです。その理由としては、家入の思想が高次すぎるってのもあったんですけど、(プロダクト)オーナーや予算を持つ人間がいなくて、責任の所在がけっこうあいまいだったことにあったかと思います。

なので、なかなか機能実装の優先順位がつけられなかったんです。今は事業部制になって、エンジニアとデザイナーなど5人ぐらいのチームがあって、僕がプロダクトオーナーとして全部決めて行うようにしてます。

プロダクトオーナーとして意識してきたこと

僕がプロダクトオーナーとしてなにをしているかと言うと、まずはそういうバタバタした状況が続いたので、リーンキャンバスみたいなのを使ってコンセプトを決めなおしました。エンジニアとデザイナーを含め、だいたい3日ぐらい話し合ってコンセプトを明文化して、目線をきっちり合わせました。

僕が意識していることが、毎日みんなに会って、15分くらいを基本に話す時間をつくってます。例えば「今日は二日酔いでつらい」とか「ここの実装がつまってます」とか。そんな感じでざっくばらんに弱音をはきだして、アイスブレイクして会議をするってことを心がけています。Slackでも雑談しまくっています。仕様やアイデアから、他愛のないことまで、延々とディスカッションしていて。

(スライドを指して)この画面はちょっとアレですけど。「新しい機能の名前をどうしましょう?」といって、グダグダ4時間ぐらいSlackしてました。僕としては、プロダクトオーナーとして「今回はこうしたい」っていう、方向性をちゃんと積極的に発信するようにしてます。

polcaはお金を介したコミュニケーションをなめらかにするアプリケーションなので、まずは自分たちのコミュニケーションをちゃんとなめらかにしようと意識したんですね。

それで開発のスピードも上がって、いろいろ機能も追加でき、リリースから1年ぐらい経ちますが、最初の月から350倍ぐらいに流通額が伸びていて、圧倒的な成長が維持できています。

以上です。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

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