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2025.02.18
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陸上自衛隊学校 卒業式 2012 小泉進次郎(全1記事)
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219名の第55期のみなさん、卒業おめでとうございます。また、ご家族、保護者のみなさん、教職員、学校長をはじめ、多くの関係者の皆さんに対してもご卒業お喜びを申し上げます。
私は1年前の卒業式のことを忘れることができません。3月13日でした。震災から2日後、同じこの会場で卒業式が行われました。卒業式の間、保護者の皆さんが持っている携帯電話が鳴り、大きくはなかったですが、地震の揺れを感じました。誰もが震災の2日後で、まだ緊張感を持っている。そういう卒業式でありました。おそらく卒業生の皆さんは、今の在校生が座っている席に座っていたと思います。
そして去年は、保護者の席がいくつか空いている席がありました。震災の影響で、お子さんの卒業式に駆けつけることができなかった、多くの保護者の皆さんもいらっしゃいました。そのことを考えた時に、今日このように、多くの方が一同に会して219名の皆さんの卒業をお祝いできることを、私も心から嬉しく思います。
横須賀で生活をしていると、色々な場面で本校の生徒さんとお会いする機会があります。震災後、横須賀中央駅の前で街頭募金をやっていた時に、生徒さんの何人かが募金をしてくれたことを今でも覚えています。
皆さんが外出を許されて、横須賀で遊んでいる時にたまたま会って、私が「高工生でしょ?」そう言うと、「何でわかるんですか?」「雰囲気でわかるよ」と、そう言って笑い合ったことも覚えています。
私は皆さんを見ると、「これからの自衛隊、これからの日本は大丈夫」そういう希望を持ちます。特に、東北の被災地の皆さんは、今回の震災を機に、どれだけ皆さんに対して感謝の念を持っているか、希望を感じているか。卒業生の皆さんの中で、まだ1度も被災地に足を運んでいない方がいたら、ぜひ機会を見つけて、自分の目で、自分の肌でそれを感じてきていただきたいと思います。
昨日、午後2時46分、多くの国民が、また、世界中の人が黙祷を捧げました。私は宮城県の女川町の式典で黙祷を捧げていました。皆さんの先輩である、陸上自衛隊の方は、南スーダンのジュバで、現地時間の朝8時46分、日本の東北の方角を向いて黙祷を捧げていました。
この震災で皆さんの活動が評価され、期待がかつて無いほど高まっている。喜ばしいことではありますが、同時に、期待というのは、評価というのは、積み重ねることが大変だけど、それを失うときは、あっという間でもあります。どうか、これから未来の自衛隊を担う皆さんは自信を持って、今まで築き上げた自衛隊の評価、そして高等工科学校の歴史、これらを受け継いで、胸を張って自信を持って活動をしていただきたいと思います。
皆さんもおそらく子どもの頃、夢があったと思います。私も夢がありました。当時はプロ野球選手になりたかった。今ではまったく違う世界にいます。皆さんもそうかも知れません。今、自分が自衛隊の道に進む。それを予想していなかったかも知れません。
今、被災地の子どもたちの中で、「夢はなんですか?」「将来何になりたいですか?」そう聞いた時、その答えの中に皆さんの姿があるんです。人の命を助けたい。困った時に、人の役に立つために自衛隊になりたい。そういう、日本の将来を担う世代が出てきている。その人たちに恥じることの無いような自衛隊の姿を、これからも見せていただきたいと思います。私たち政治家は、皆さんに恥じることの無いよう、政治の信頼を高めていくための努力を最大に努めて参ります。
最後に私が一言申し上げたいのは、自衛隊の道をこれから選ばなかった、5名の依願退職をされる皆さんに対してです。私は、その5名の皆さんの両肩に担っている使命、これは非常に大きいと思っています。多くの国民は、高等工科学校という存在を知りません。皆さんのような年でこれだけの日々を、厳しい訓練を乗り越えて社会に出る、そんな皆さんの存在を知りません。
皆さんの存在を、社会に届けてください。この本校で学んだことをこれから民間の世界で生かし、活躍される5名の皆さんは、3年間学んだこと、そして同期がこれからも自衛隊で頑張る姿を、多くの出会う人々に伝えてください。それが皆さんの役割です。
それを思うと、これからの自衛隊の道を進む方、そしてそうではない方、わたしは両方とも大きな意義があると思います。これからもこの横須賀に住む者として、地元に高等工科学校があることを誇りに思い、感謝をして、皆さんの活躍を応援していきたいと思います。
最後になりますが、今後の皆さんのご活躍、そして任務中、またこの社会の中で御健康とご多幸を祈念して卒業のご挨拶と代えさせていただきます。本日は誠におめでとうございました。
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