2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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アレクシス・オハニアン氏:私は今また、ニューヨークにあるYコンビネーターの会社のCEOを紹介するという明らかな特権を手にしています。共同創立者でありCEOでもあるザック・シムズはCodecademyを始めた人物です。みなさんがCodecademyをご存知だといいのですが……。
もしプログラミングが今の世代にとって"流暢"でなければならないものならば、Codecademyこそが最適な場所です。そこはプログラミングを学ぶ世界的な場所なのです。3年前に始まってから、今まで全世界すべての国の2,400万人以上にサービスを提供してきたと思います。そうですよね? 南極にさえもです、恐らく(笑)。それについてもっと話を聞くことになると思います。
ひとつのとてもおもしろい事実は、彼がコロンビア大学を中退しただけではなく……。
(会場から声援)
今の声援は中退に対してですか? それともコロンビア大学に対して? わかりませんが、両方ということにしておきましょう。しかし、多くのスタートアップの話と同様、外から見るととても単純で、とてもはっきりしているように見えます。何かを考え、人々が欲しがるものを作り、成長し、また成長し、もっと成長し、気が付いたらコルバート・レポートに出演しているのです。
ザックもその番組に出演しました。素晴らしい回でしたね。しかし実際には、すべてのスタートアップには大勢の人が関わっています。ザックがデモ・デーに至るまでの数週間の話をみなさんに話してくれることを願っています。なぜならCodecademyは確かなものからは程遠いものでしたから。ではザック・シムズを拍手で迎えましょう。
(会場拍手)
アレクシスが言ったように、私はCodecademyという会社を、共同創立者であるライアンと共に立ち上げました。私たちはオンラインで、21世紀の今、就職に必要なスキルを教えています。しかしアレクシスも言っていたように、常にこうだったわけではありませんでした。
このような講演に来て、聴衆として座るとき、私はいつも「どうしてあの人が檀上に居るのだろう? どんな経験をして、壇上に立ち、説教をしているのだろう? 私はそこから何が学べるだろうか?」と考えていました。今日ここに来ている演説者の一覧を見ましたが、たくさんの素晴らしい人々の名前が載っていました。世界的な投資家、非営利団体で世界を変えている人、超高速成長を遂げている会社の人などです。
そして、お決まりのスポットにハマる人が必要だったのでしょう。中退者です。私の話は『ソーシャル・ネットワーク』という映画の話に似ています。みなさんがその映画を知っているといいのですが……。でも私の話にはトレント・レズナーは出てきませんし、コカインも出てきません。
今日の終わりに、みなさんに得て帰ってほしいものは私たちの話であり、願わくば、いつかみなさんが自分の会社を始めるときに準備をするための、いくつかの重要なレッスンです。もし本当に会社を始めるなら、私たちが多分するべきではなかった多くのこと、そして少しの楽しい話を聞いて帰ってほしいです。
アレクシスも言っていたように、何かを始めてからすぐに成功したという人々の話をよく聞きますよね。Codecademyについて、デモ・デーの数週間前に実際の製品を作り、サービスを開始し、大成功したと言われていますが、現実にはそんなに簡単なものではありませんでした。
皮肉なことに、なぜかドクター・ドレーがトップを飾っていました。数年後、一周して元に戻りましたね。私は最初のiPodを2003年に買いました。そしてそれをどこへでも持っていきました。初めて、1,000曲もの曲をポケットに入れて持ち運べたのです。ジムにも、ランニングにも持っていきましたが、走っている最中、何度も曲が飛びました。
私が持っていなかったものは、落としたときにiPodを保護する方法でした。そのハプニングはよく起こりました。みなさんご存知のように、ハードドライブを落とすことはあまりいいことではありません。だから私はオンラインでiPod用のケースを探そうとしました。
しかし普通の人がするように、最初に見たものを買うのではなく、自分で作るべきだと考えたのです。だから2003年、13歳のときに、私はたくさんの全米のiPodケース製造業者にメールを送り、ウォータープルーフのケースを作るという、今までで最高のアイデアがあるんだと伝えました。私が13歳であることと、自分が何を話しているのかをまったく理解していなかったことは伝えませんでした。
全国展開している、あるケース製造会社の人とメールのやり取りを送り始めてから約6か月後、私はついにそれを手にしました。それは初めてiPodを買ったときから持っていたアイディアが、どこでもiPodを保護してくれる物になった瞬間でした。
そして数週間後、その製造会社の男性は、私と今後の立ち上げとマーケット方法について電話で話したいと言ってきました。私がすごい良いなと思ったことは、インターネット上の誰もが、私が実家の地下室にいる13歳だということを知らなかったことでした。
それは素晴らしいイコライザーです。電話で会話を始めて10秒後に声が震えるまではですが。
その製造会社の人との関係は、とても実りのあるものでした。13歳と気付かれるまでは……。しかし私に本当に力と与えたことは、若くても、ニューヨークやサンフランシスコに居なくても、インターネットではそれが問題にならないと悟ったことでした。
私がハードウェアを作ったことがなくても、マーケティングというものを知らなくても、それは関係ありませんでした。インターネットのおかげで私はいろいろなことを素早く学ぶことができ、そこから物作りができました。私が早い段階で学んだレッスンは、試してみるまでわからないということです。だから私はかなり早いうちから挑戦を始めました。
私はインターネットが私と周囲の人に与える素晴らしい影響について、すでに知っていました。そこで私は図書館に行き「バカでもできるPHPとMYSQL」という本を手に取りました。
棚に行き、黄色と黒の本の一覧と見て、自分が理解できない頭文字の本を手に取ったのです。この本なら共感できると思ったのです。家に帰り、たくさんの「バカでもできる」本を読みました。でもそれはどれもピンとこなくて、それらの本から学んだ知識で何かを作ることはありませんでした。それらの本は、私に"本当の課題に取り組ませること"をしなかったからです。
18歳になった時、アレクシスが紹介してくれたように、私はニューヨークにあるコロンビア大学に進学しました。コンピューター・サイエンスを学ぶ代わりに、私はなぜか政治学を学ぶことにしたのです。普段はこのことについてあまり話さないようにしているのですが、みなさんにはこの秘密をお教えしますね。
私は大学に進み、最初の学期に自分のような人を探そうとしました。テクノロジーに興味があって、スタートアップに興味を持っている人です。でもそんな人はいませんでした。私は周りの人みんなに聞きました。「自分の将来、キャリアに関してどんなことに興味がある?」半数は「そんなことはまったく考えてないよ。興味があるのはパーティだけさ」と答えました。
他の半数も同じように変な顔で私を見て「銀行やコンサルティングの仕事をしているにきまっているよ。ニューヨークにいる大勢と同様にね」と言いました。私は少し落胆しました。
しかし1年生の2学期、ニューヨークのスタートアップ業界で有名だと私が思っていた人の講演がある、というポスターを見つけたのです。彼の名前はサム・レシンといい、彼はDrop.ioという、ファイルをシェアするための会社を始めた人物でした。
彼が来るというので、私は2時間も前に会場に行きました。会場が満員になり、とても偉い人やたくさんの人が来るんだろうなと思っていました。でも会場に着いてみると、とても立派な建物の中だけど、とても小さな部屋でした。その会場にサムは、時間通りに現れました。そして他には誰も来ませんでした。2008年、ニューヨークでの出来事です。
誰もスタートアップ興味を持っておらず、興味を持っている人は笑い者になってしまう世界でした。テクノロジーの世界で働くということについて、私が話ができる人はいませんでした。
私にはサムしかいませんでした。だからそれから6か月、サムが夏の間、無休で私を雇ってくれると言うまで、私はサムにうるさくせがみました。その後は、夜には地元のコネティカットで大学進学適性試験の家庭教師もし、その他の時間は、私はソファーに座り、サムがしていることからすべてを学びました。
私は大学に戻り、もっと学ぶため、Drop.ioでの経験以上を目指すために次に何をするべきかを考えました。確実に、政治理論についての授業を後期も取るということは考えていませんでした。確かに当時はとても興味があることでしたが、卒業後に私がしたいこととは、関係がありませんでした。
それは当時、ひとつの携帯番号にメールするだけで、グループチャットができるというアプリケーションでした。ひとりにメールを送れば、5人6人の相手にもメールが送られ、みんな最初の人に返信ができるのです。すごくカッコいいと思いました。
私の友だちである2人の創始者は、その1週間前、音楽フェスティバルに行っていて、Eメールをしようとするもデータ通信ができず、携帯メールも送れず、迷子になってしまったのです。そして1週間後、彼らは自分たちの問題を解決するためのものを作ったのです。とてもクレイジーだと思いました。
そしてGroup.lyはTechCrunch Disruptで大人気になりました。そして結果的に私は彼らに加わり、彼ら2人と私と、他数人がアパートでGroupMeの仕事をしました。私は自分の問題を解決するということが、彼らの早期の成功の鍵になったのだと悟りました。
彼らは自分が必要としているものを作り、他にも音楽フェスティバルに行く人はたくさんいるだろうと考えたのです。私がGroupMeでやっていたことを、ついに友人たちも信じてくれるようになりました。かつて私は友人から、最悪のアイディアを持っているかのような視線を受けていましたが、それが彼ら全員をグループチャットに加えるまでになったのです。
初めて、友人たちは私がしていることをカッコいいと思ったのです。そして多くの他の人たちも同意見でした。2010年の7月だったと思います。私たちはゼロからスタートし、1日に何百万ものメッセージを送る段階まで、本当に本当に早く進みました。
私たちはチームを雇い、サインも考えました。ナンバー記号です……。
今にして思えば、少し恥ずかしいですね。このスライドは早めに送ってしまいましょう。私ができる最も大事なことはロケットの最前列に座り、GroupMeが2人から15人、20人へと成長していくのを見届けることだと実感しました。
そして始まってから1年もしない内に、GroupMeはSkypeに買収されました。
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