2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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ザック・シムズ氏:私たちは、失敗しまいと固く決意していました。私はサム・アルドマンと話していたのを覚えています。サムは私たちを、知能とアイディアの最悪の割合だと表現しました。とても賢いが本当に馬鹿げたアイディアだと。毎晩家に帰り、ライアンと私はそのアイディアのためのコードを書きました。私たちはふたりとも本当にすごくイライラしていました。
特に私はちゃんとしたプログラミングのバックグラウンドもなく、コロンビア大学でコンピューターの基礎クラスをとり、「バカでもできる」の本を読んだくらいでした。ライアンはコロンビア大学内で実際に組織をつくり、プログラミングのやり方を教えていました。つまり私はそのプロセスの中で、自分の仕事をするのに必要なスキルを学んでいたのです。
そして私たちは始まった場所に戻って来たのです。21世紀に就職するために最も重要で必要なスキルを人々に教えるのです。そしてそのスキルとは、プログラミングです。私たちには被験者第1号がいたのです。私です。もし私がプログラミングのやり方を学ぶことができれば、たぶん他の人もそれを使えるだろうと思ったのです。
この時点で、デモ・デーは3、4週間後でした。そして私たちはCodecademyの最初のバージョンを作り始めました。Yコンビネーターのパートナー数人や投資家たちとも話し、再び"いつもの言葉"を聞きます。また本当に馬鹿なアイディアだと言われました。
多くが、アメリカには10万人しかプロのプログラマーがいないのだから、プログラミングを教えるなんて需要がない、プログラミングに興味のある人なんていないし、これからもそれは変わらないと言いました。私たちは何度か同じことを言われました。
しかし今回は何かが違いました。ライアンと私は自分たちがしていることにとても興味を持っていたのです。主な理由は、ライアンの経験を活かし、私のために制作していたからです。
私たちは毎晩家に帰り、常に仕事をしていました。Codecademyの基礎となるもののリサーチもしました。ライアンは未だに、ファームビルで遊んだのは、Codecademyにゲーミフィケーションを組み込むためのリサーチの一環だったと言い張っています。
私は彼がゲーム中毒だったと思っています。
そして私たちはCodecademyの最初のバージョンを多くの投資家、Yコンビネーターのみんなに披露しました。一般的に言われるのは「初めて実行するときは、恥をかくのが普通だ」ということです。
しかし私たちはみんなに「初めて実行するときは、恥をかくのが普通だが、これほどの恥ではない」と言われました。言ってみれば「出ていけ」と言われたようなものです。だから私たちは家に帰り、何回か手直しをしました。
私は「これは私のために作られたんだ。そして私にとっては上手く動いている。今、私はJavaScriptが何かを理解できているのだから、私たちがやっていることは正しいんだ」と思いました。そしてその経験が私はとても気に入っていました。それが私たちが再び学んだことです。私がGroupMeのときに学んだように、自分自身のために何かを作っているときはとてもやりやすいのです。
私たちがCodecademyを披露して見せた人はみな、プログラミングのやり方を知っているから、僕たちが作ったものを理解できなかったのです。でも僕はプログラミングのやり方を知りませんでした。これは初期のCodecademyです。
実際にやりながら学ぶのです。ビデオもおもしろくない本を読む必要もありません。すべてが即座のフィードバックなのです。
そして私たちはCodecademyを始めました。ライアンと私は、そのサイトを50人以上が同時に閲覧するわけがないと賭けていました。
私たちはChartbeatをインストールし、ベーグルを買いに出かけたのです。ベーグル店に着くと、私の携帯が鳴り始めました。私たちのサイトを同時に1000人が閲覧していたからです。言ってみれば、私と私の母が使うために作ったサイトにです。そしてこのようなものをReddit上で見つけたのです。
そして以前はプログラミングのやり方なんてまったく知らなかった人、どう学べばいいのか知らなかった人でした。そして突然私たちが現れ、それを簡単にしたのです。それはとても励みになりました。そしてそれは極端な例ではないこともわかりました。これはその日のライアンとChartbeatのダッシュボードです。
同時に多くの人が私たちのサイトを閲覧していたので、Chartbeatのスピードメーターを壊してしまったのが見てわかると思います。私たちは一瞬で、その夏Yコンビネーターで最も人気のない会社ではなくなったのです。
3週間前までは、デモ・デーにデモンストレーションを行わないことさえ提案されました。私たちはアイディアすら持っていなかったし、何も作っていなかったし、3週間で何かを作るのは不可能だったからです。それでも私たちはそれを作り、当時Yコンビネーターで最も急成長している会社になりました。
私たちを箇条書きするとこうなります。
私たちはプログラミングのやり方を教え、ついに何百人もの人がプログラミングを学びたいのだというデータを手にしたのです。そして私たちがそれに対する答えでした。これが私たち2人が自己紹介をするために使ったスライドです。
少し若く見えますね。私たちは誰も興味が持ってくれず、誰もEメールに返信してくれない状態から、投資家が「Codecademy、夢をみたよ」とメールしてくるまでになりました。
私はこれがすべて夢だと思っていました。私たちはまだラーメンを食べながら、何も成し遂げていないだろう思っていたのです。しかし数週間後ユニオン・スクエア・ベンチャーズで、私たちはステージにいたフレッドとシリーズAを終えたのです。
私たちはニューヨークへ帰り、実際にATMに確認しに行きました。
これが現実なわけがない、どうして私たちの口座にこんな大金があるんだ? という感じでした。
私たちは250万ドルを手にし、シリーズAの後は至福の状態でした。私たちは会社をつくるのに取り掛かりました。そしてゴキブリになることは有益だと悟ったのです。
その時点では、ただ止めないこと、死なないことが有益だったのです。今までの道のりで出会ったすべてのものが私たちを殺そうとしているように感じました。
友だちはみんな、スタートアップなんて馬鹿げているし、君たちも頭が悪いな、君たちのアイディアも馬鹿げているよという態度で、私たちはそれに対し「何とでも言って」という態度でCodecademyを作りました。だから止めないことが実ったのです。
ニューヨークに戻ったあと、私たちはとても舞い上がっていましたし、お金もあり、たくさんの人が私たちのWebサイトを使ってくれていました。でも最後の部分は真実ではありませんでした。私たちのWebサイトに来てくれた人たちは、私たちがテッククランチのWebサイトに載っていたからでした。
みなさんが、テッククランチに載ると最初はとても人気が出るが、そのあとは奈落の底に落ち、すべてが惨めになるということをご存知だといいのですが……。そして私たちがそうなりました。
私たちはニューヨークに戻り、チームにメンバーを加えようとしました。私たちは100人の面接をしてやっと1人採用しました。とてもフラストレーションがたまりました。スタートアップは本当にローラーコースターのようなものだと実感しました。
私たちには、Yコンビネーターに入り、成功は確実だというところから、2週間後アイディアを持っていないことに気づき、結果的に最初のアイディアに戻り、正しい実行方法を見つけるという過程がありました。
真実を言うと、自分がやっていることを本当に好きであれば、スタートアップはとても簡単になります。
今、私たちは毎朝起き、新聞を読むと、大学卒業1年後には卒業生の50%以上が無職か不完全雇用の状態であるという記事を読みます。もし教育が同じスピードで進めば、2020年までには100万以上のプログラミングの仕事があるだろうと言われています。
この事実は私たちにとってとてもモチベーションとなるものです。これは巨大な問題だからです。もし私たちがいなければ、企業は思い通りの速さで成長することはできませんし、人々も仕事を持つことはできません。
今日までに2,400万人以上がCodecademyを使っています。それは私たちがコロンビア大学の寮で始めたもので、その後カリフォルニアで作製し、今は誇りを持ちニューヨークで続けているものです。2,400万人以上の人が、私たちが生み出したものを使っているのです。
最も大切なことは、それを使っている人たちの話です。ライアンは1年半前にはプログラミングのやり方なんてまったく知りませんでした。
しかしCodecademyで学び、Sworkitというアプリを製作しました。それはタイムズ紙の2013年のベストWebサイトに選ばれました。そして2週間前、ライアンはその会社を売却しました。彼は何もしないところから出発し、1年半後には会社を始め、製品を作り出し、売却したのです。
そしてエイミーのような人もいます。
彼女は13歳のときにCodecademyでプログラミングを学び始め、14歳になったときにはEUで「今年のヨーロッパのデジタルガール」と呼ばれるようになりました。ヨーロッパ中で、将来プログラミングがどれほど重要になるかという話をしたからです。
今日の話から、みなさんが何か数個でも得てくれるものがあることを願っています。
第1に、始めることに対し、言い訳をするべきではありません。それはとてもシンプルです。最大の流通エンジンであるインターネットがあり、ツールがあります。必要なものはWebブラウザとテキスト・エディタだけです。自分のすることすべてを最大限に利用すべきです。ロケットの最前列に座り、会社を作るものがどういうものか見るべきです。
私たちの会社も採用していますので、もし私たちにロケットになってほしければどうぞ。スタートアップはローラーコースターということも覚えておいてください。そして、決してあきらめないこともです。
最後に、自分の取り組むことに情熱を持つべきです。それが大きな違いを生むからです。私が数年これをして学んだこと、数回講演をして学んだこと、そして他の人と話をすることで学んだ最も大切なことは、この壇上にいる講演者は何を話しているかまったく理解していない、ということかもしれません。
だからもしその道に進み、スタートアップを始めるとしたら、スタートアップは厳しい道ですし、すべてのステップで新しい困難にぶつかるでしょう。自分たちが何をしているのか、誰もいまだに理解していませんが、挑戦するまでは理解することができません。
ありがとうございました。
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