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社長賞を4度も受賞した元NECプロジェクトリーダー・五十嵐剛氏新刊『結果を出すチームのリーダーがやっていること』発売記念無料オンラインイベント(全5記事)

「うまくいかなかった時の責任」ばかりとらされる今のリーダー 結果主義で夢を語れない世の中でチームを率いる苦悩

『結果を出すチームのリーダーがやっていること NECで学んだ高効率プロジェクトマネジメント』の刊行を記念して開催された本イベント。社長賞を4度も受賞した元NECプロジェクトリーダーで著者の五十嵐剛氏が登壇し、悩めるリーダーのためのチームで成果を出す方法を明かします。本記事では、今の日本で「リーダーになりたい」という人が少ない理由について語りました。

『結果を出すチームのリーダーがやっていること』著者が登壇

菅沼真弘氏(以下、菅沼):今回の本(『結果を出すチームのリーダーがやっていること NECで学んだ高効率プロジェクトマネジメント』)は、このセミナーの段階で3刷1万1,000部と大変ご好評をいただいています。今週の三省堂書店有楽町店さんの週間ランキングでもベスト8位に入っていまして、都内の大型店の各書店さんでもたびたび週間ランキングに入ってきており、大変ありがたく思っております。

今日は新刊の刊行記念セミナーということで、先生に1時間くらいご説明いただこうかなと思っておりますので、よろしくお願いします。

五十嵐剛氏(以下、五十嵐):菅沼さん、ありがとうございます。都内の大型の本屋さんでランキングに入っているのは、すばる舎さんもそうですし、読者のみなさんのおかげだなと思って非常に感謝しております。それでは私の本の内容にしたがって、1時間ほど、みなさんの声も聞きながら進めていきたいなと思います。

最初にちょっと自己紹介をします。あらためまして、五十嵐剛と申します。いきいきチーム創り仕掛け人、株式会社リーダーズクリエイティブラボの代表取締役をしております。

NECで学んだプロジェクトマネジメントを伝える

五十嵐:私はNECに37年勤務しました。2023年10月に定年退職ということで、ありがたいことに雇用延長等の声もたくさんいただいたんですが、私らの年代だと勤め上げるのが美学みたいなところがありまして。

とりあえず勤め上げたんだから、70歳(まで生きる)としても残りの人生は10年あるわけで、80歳といったら20年あるんです。90歳まで生きられるかどうかは別としても30年あるので、いきいきと楽しい人生を送りたいなということで、雇用延長じゃなく、自分で会社を立ち上げました。

五十嵐:NECでさまざまなプロジェクトを経験してきたことを基に、「組織の活性化を世の中に広めていきたいな」「リーダーを元気にしていきたいな」ということで、今の仕事をさせていただいています。「人が集まる組織作り」みたいなことができればいいなと考えています。

趣味は神社仏閣巡りです。ラーメンやそばを食べながら昼呑みなんて、本当に良いです。今日はもう夜になっているので、これが終わった後、ゆっくり呑みたいなと思います。

決して遊んでばかりということではなく、国際コーチング連盟(ICF)で認定されているシステムコーチングのORSCプロフェッショナルの資格にもチャレンジしました。このように、年間100時間の有償コンサルをやって、その上で試験に合格しないともらえない資格を取り、システムコーチングもやっています。

あるいは、「人の心や思いは本当に大事なんだな」と感じて上級心理カウンセラーを取ったりしています。私はもともとNECでシステムエンジニアとしてスタートしていますので、アメリカ発祥の国際標準であるProject Management Professionalであったり、日本の情報処理学会にも入っております。

今回、この本をすばる舎さんから出させていただき、Amazonの新着ランキングで、ビジネス・経済ノンフィクション部門であったり、実践経営・リーダーシップ部門、リーダーシップ部門でランキング1位ということで、3冠を達成しました。

5月24日発売だったんですが、前日の23日に異例の発売前重版が決まりまして、6月12日には発売後19日で3刷決定ということで、1万部を突破しました。みなさん、本当にありがとうございます。

理想的なリーダーはどんな人?

五十嵐:先ほどみなさんに「双方向で進めたい」という話をしたかと思います。チャットに「『リーダー』と聞いて想い浮かぶ理想像は、どんなイメージがあるか?」「『リーダー』の立場にいるあなたは、『リーダー』になって良かったと思うか?」「『リーダー』の立場にないあなたは、『リーダー』になりたいか?」を書き込んでいただけるとうれしいです。

お、入ってきていますね。「リーダーにはなりたくないですね。しかし、リーダーにならないと成長しない」。今、「リーダーになりたくない」という方が多いですよね。菅沼さんはどうですか?

菅沼:そうですね。私も一応、課のリーダーをやっているんですけれども、うちなんかはティール型組織のようなかたちで、あまり権限を持たずに自由にやらせてもらっています。

五十嵐:ティール型ですか。いいですね。

菅沼:そうですね。そういうかたちだからかもしれないですけど、けっこう気楽にやっているので、「リーダーも悪くないかな」と思ったりしています。

五十嵐:なるほど。Kさんから「チームを導く人。リーダーになりたいです」。何が正しい・正しくないということはないんですけども、こういう声は私は好きですね。でも現実的にはやりたくないという方も多いですものね。

「なって良かったけど、今、大炎上中」(笑)。いや、それは大変ですよね。私も火消しをいろいろやりました。やはりリーダーになると最終的に責任を取らなきゃいけないといったプレッシャーも強いですね。「なれる人と、なれない人がいる。環境が人を作る」。環境が人を作るというのはありますね。

「トップダウン型リーダーではなく、庭師のようなリーダーを目指しています」。「羊飼いのようなリーダー」はよく聞きますけど、「庭師のような」というのは初めて聞きましたね。菅沼さん、「庭師のようなリーダー」って聞いたことはありますか?

菅沼:私はないですけれども、でも上手に庭を剪定していくようなイメージじゃないですか?

五十嵐:上手に全体のバランスを取っていくということですかね。今、やはりいろんな想いがあると思います。

大きな影響力を持つリーダーという役割

五十嵐:私が「リーダー」と聞いて想い浮かぶ理想像としては、子どもの頃『太陽にほえろ!』という番組があったんです。若い方はご存じないかもしれないんですけど、石原裕次郎が出ていたやつで、刑事物語です。

石原裕次郎が「ボス」と呼ばれていたんですけど、「リーダーってすごくかっこいいな」という思いがあったんです。

例えば明確に方針を出して、決めたことを最後までやり切るような、みんなを引っ張っていくところ。かつ、部下に任せるんだけど、何かあると矢面に立ち、ちゃんと責任を取るという、かっこいいリーダー像があったんですね。

物事をやり遂げようとした時に、やはりリーダーに権限があるので、「リーダーにならないと、なかなか自分の思うようにできないんじゃないかな」と思ったことがあります。

「恵まれない子どもに愛の手を」って、駅前で募金活動をやっている方がたまにいますよね。それを中学・高校の頃に見た時に、すごく良い活動だなと思うんですけど、反面、募金活動をしている方々もそんなに裕福そうに見えないんですよね。その方々も、きっと厳しい中でやりくりをしているんだろうなと思いました。

その活動自体はいいんだけど、もし恵まれない子どもに愛の手を差し伸べたいんだったら、極端な話、例えば政治家になるとか、「もっと力をつけたらいいんじゃないかな」と思ったんです。

いろいろな考え方があると思うんだけども、リーダーってすごく影響力がある。「良いリーダーになったら世の中をすごく変えていけるんじゃないかな」「リーダーになりたい人が増えるといいな」と思っています。

今の日本で「リーダーになりたい」という人が少ない理由

五十嵐:でも、今日本でリーダーになりたいと思う人が少ないのは、やはり結果に対する責任ばかりが先に来てしまうから。私みたいに単純に「リーダーになって世の中をこんなふうにしたい」とか夢を語れることが少ないのかなと思います。

「関係の質と結果の質と、どっちを先にやると組織が良くなる?」という話はあるんですけど、今って結果を最優先で考えるので、うまくいかなかった時の責任ばっかり先に来ちゃう。なので、うまくいかない時のことばっかり考えちゃって、夢を持てないんじゃないかなと思います。

やはり人が行動を起こすメカニズムって、まず「思い」から来て、気付きを得て、考えて腹落ちして、行動に起こすという繰り返しなんだと思うんです。今は感じる前に、「何かにしなきゃいけない」という世の中になってきているのかなと思っています。

ただ、やはりシステムコーチングでも、世の中的にも「五感で感じる」ことがすごく大事になってきていて、「思い」を無視できない世の中だと思います。社員の思い・気持ちをすごく大事にしないと、システムはうまく回っていかないんだろうなと感じていますので、そのへんも含めて話ができればなと。

上司を見て「ひどいリーダーだな」と思っている人へ

五十嵐:私は「思い」がやはりすごく大事だなと思うのと、もう1つは「指は自分に」ということです。例えば今、リーダーでない方がリーダーを見て、「ひどいリーダーだな」と(思っている)。そういうリーダーはたくさんいますので、仕方ないですよね。

ただ、人のことを言っていても仕方がないので、「自分がリーダーになった時はどうしよう?」と、常に指を自分に向けて考えていけたらなと思います。ひどい上司の下で苦労されている方もいると思うんですけども、その上司を反面教師として、「自分がリーダーになった時はどういう行動を取るかな?」と思い浮かべながら、何か気付きを得てもらったらうれしいです。

実は、すばる舎さんが私の本のために、書店でこういうPOPをいっぱい飾っているんですよね。「『自働するチーム』をつくるためにチームリーダーが為すべきこと」。自分から働いてくれるっていいですよね。そうするとリーダーも楽です。

あと、すばる舎さんのほうで、私の本の中から3つの具体的な内容をパワーポイントにまとめてくれています。「直接指示するメンバーは7人までに絞る」とか、「トップダウンとボトムアップを上手に両立させる」とか、「報・連・相・相で現場情報をGet!」。

山積するリーダーの悩み(として)、「メンバーの考えていることがわからない」「仕事を任せたいけど、説明や準備がメンドウ!」とか、「教えるより自分でやったほうが早い!」。「チームの雰囲気が悪い・暗い」に対して、「『なぞるべき型』を学べば全部解決!?」と言いながら、「少なくともヒントは得られます」という(笑)、かわいい1文が入っています。

特に私も大事だなと思う3つを抜き出していただいているので、今日はこのへんを掘り下げていきたいと思います。

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