
2025.03.07
メール対応担当の8割以上が「カスハラ被害」に クレームのハード化・長期化を防ぐ4つの対策
第911回 仕事に役立つABC『マネジャーは情報伝達屋になろう』(全1記事)
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熊谷翔大氏(以下、熊谷):今日は「マネジャーは情報伝達屋になろう」がテーマです。今日のテーマは、部下やメンバーから言われてぐさっとくるセリフあるあるの1つから考えました。
「○○さんは情報あんまり下ろしてくれないですよね」と言われた経験、あなたはあるでしょうか? マネジメントを経験された方であれば、きっと共感いただけるのではないでしょうか。
ちなみに私も過去に「熊谷さん、あんまり情報を下ろしてくれないですね」と言われてぐさっときた経験があります。けっこうつらいですよね。けっこうつらいんですけど、でも反対に、メンバーの立場で上司に対して思ったことや言った経験がある方も少なくないかと思います。
もちろん私も1人のメンバーの立場で考えると、その気持ちがよくわかります。おそらくこのテーマで大切なのは、上司、マネジメントの立場で、どこまで部下・メンバーに情報を伝えることができるかだと思います。じゃあどうすれば上司、マネジメントの立場で情報を的確にタイムリーに伝達できるのか。
ということで、今日はこのテーマで、私、熊谷が日々心がけていることを「基本的な心構え」と「実践する上で気にしていること」の2つに絞って紹介したいと思います。
1つ目のポイントは、基本的なことですが、「情報伝達屋がマネジャーの重要な役割であることをしっかり認識すること」です。これは2021年12月22日水曜日の放送「第668回おすすめ書籍『駆け出しマネジャーの成長論』」でご紹介した中原淳さんの書籍にも書いてある内容です。
ミンツバーグという学者の方が整理したマネジャーの10の役割が書いてあり、その中の1つに、社内外の情報ネットワークに流れる情報を自分の組織に伝達する役割という言葉がありました。
気になる方はぜひ書籍を手に取って読んでいただければと思います。何より大切なことは情報伝達屋の中身の前に、マネジャーは実務担当者と違う役割があるんだと正しく理解することが大事です。そんな趣旨のメッセージがこの書籍に書かれています。
マネジメントの立場を担う方は実務担当者とは異なり、情報伝達屋という大切な役割が自分にあると常に頭に入れることが欠かせません。これが1つ目のポイントです。私自身もそれを忘れないように日々心がけています。
次に2つ目のポイントは、実践編ということで、「自分に入ってきた情報をどんどん部下やメンバーに共有すること」です。
私の前職の上司の1人に、とにかくいろんな情報をメールで転送してくれる方がいたんですね。その立場じゃないと入ってこない情報や、その方が足で稼いで手に入れた他部門の情報、そして社外の、ちょっと調べないと入ってこない情報とか、いろんな粒度の情報をどんどん転送してくれました。
その当時は、「いろいろ送ってくれてありがたいなぁ」くらいに捉えていたんですけど、今振り返ると、めちゃくちゃ良かったと思います。ワンテンポもツーテンポも速く情報が自分に入ってくることで、いろんな準備ができたり、考える視座がぐっと高くなったり、プラスの効果がたくさんあったと思います。
その経験を踏まえて、今マネジメントの立場で私もどんどんメンバーに情報を共有するように心がけ、実践しています。
もちろん、人事情報とかコンプライアンスに関わる情報、例えば「これはいったんリーダー以上にだけ共有します」みたいな情報など、絶対NGなものは省くべきですが、そうでなければ基本的にはすぐメンバーに転送するようにしています。
それもただ転送するだけではなく、例えば「次にこんな動きがあるから○○さんも関係するかもしれません」「xxに関わりある人は、頭に入れておいてくださいね」のようなと、そんなふうに一言を添えて伝えます。
実際にやってみた感触をお伝えすると、正直、めちゃくちゃおすすめです。少なくとも、「情報を下ろしてくれない」と言われることはなくなりましたし、コミュニケーションや仕事のスピードがチームとして上がったように感じます。
「これ、前にこっそり言った話だよね」みたいな感じで、ぽんぽん進む場面が少なくないなと感じています。
あとは副次的な効果として、「この上司はいろいろ教えてくれる人だな」という認識を持ってもらえますので、信頼も得やすいのではないかと感じています。
ということで、今日は私の経験も踏まえつつ、ポイントを2つお伝えしました。少しでもいいなと思っていただけたのであれば、ぜひ今日から情報伝達屋になると決めて、どんどん実践してほしいなと思います。
「めんどくさそうだな」と思ったあなたも、ぜひ騙されたと思ってやってみてください。返ってくるもののほうが間違いなく大きいはずです。ぜひアクションにつなげてみてくださいす。
個人的にはこの情報伝達屋の役割を、特にミドルマネジメントの方ができるようになれば組織全体が強くなるのではないかと考えています。日々の業務で大変な方も多いと思いますが、ミドルマネジメントを担うあなたにしかできない役割があるはずです。ぜひ一緒にコツコツ行動を積み重ねていきましょう。
今回はここまでです。本日もすてきな1日をお過ごしください。
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