2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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坂東孝浩氏(以下、坂東):話を聞いていて、僕が無茶だなと思うのが、檀家さんがいないことです。
松波龍源氏(以下、龍源):いないですね。
坂東:お布施……。
龍源:そうですね。
坂東:……そして借りた。
龍源:そうですね。これは、僕が一番こだわっているところです。
坂東:一番こだわっている……(笑)。
龍源:なぜかと言うとですね、今の日本のお寺の運営の仕組みは……基本的にですよ? 当てはまらないところもあると思いますけど、基本的に、檀家さんという、おそらく江戸時代に設定された、その地域に紐づいた領域があるわけですよね。
その領域の人たちプラス、近代は、その領域も外れて、そこの寺に縁があった人たちが、お墓とか位牌とか、死者を媒体にして、そこに対して供養をする条件で……。本人がどう思っているかはさておき、言ったらサービスのやりとり、サブスクリプションシステムみたいな感じで、結果的にお墓の維持費で、ご供養を継続する。
坂東:今風に言うとね(笑)。
龍源:お布施という名前のお金がやりとりされる仕組み。もしくは、観光でもってるお寺だったら、運慶の仏像を見に来る人たちに、拝観料という名前の入場料を取って見てもらう、いうたら対価の提供になっているわけですよね。
坂東:そうです。
龍源:これは、実は、お釈迦さまが、一番やったらあかんと言ったことなわけです。
坂東:そうなんですか!?
武井浩三氏(以下、武井):(笑)。
龍源:お坊さんは、一切の生産活動を自らするな、すべては他者に依存しろと、お釈迦さまは言っている。
なので、中国由来の、自給自足。働かざるもの食うべからずみたいな。これ、確か百丈懐海(ひゃくじょうえかい)という人が言った話だと思うんですけど、「1日働かなければ1日食うべからず(一日不作、一日不食)」と言っているわけですね。
「あぁ、そうだよね。お坊さんは、そうだ」と思う人がたぶんいっぱいいるけど、これ、本来はだめですからね。
坂東:へーっ。
龍源:お坊さんが自分で畑を耕したらだめです。お坊さんは、すべての利害関係とか、損得関係から完全に離れた人として、お釈迦さまの真理の教えを伝える専門家として存在している。そのお坊さんがいる場所が、基本的にはお寺と呼ばれるような……本来は僧院と言うべきなんでしょうけど、僧院があって、そこにいろんな答えを求める人たちがやってくるわけですよね。
じゃあなんで生産活動したらあかんねんというと、自分が何かをやっていると、そこに利害関係が生じるわけですよ。例えばお商売で取引をしていると、取引先の社長と、社長の商売がたきみたいなのがかち合ったりするんですよね。
坂東:ですね。
龍源:そうなった時に、あなたはフラットな目で教えが説けるんですかというお話になってくると難しいわけですよね。
坂東:当然できないです。
龍源:できないし、たくさんお布施をするんやから、私が聞きたいことを言え、私の耳ざわりのよくないことは言うな、みたいなことを言う人は出てくる。ここでも実際に何回か経験があります。
坂東:いるんですか?
龍源:まぁ直接そんなストレートにはないですけれども。
坂東:醸し出てくる。
龍源:うん。自分自身の、気に入らないこと、耳障りなことを言わんでほしいみたいな。それはあえて言う必要もないんでしょうけれども、それがまかりとおってくると、次の世代に伝えていくべきことに偏りが生じるわけですよね。
坂東:その人はもちろん、対価と思って(お布施を)払っている。
龍源:そうですよね。その「対価を得てサービスを提供しますよ」となったら、「安い」とか「高い」とかですね。「あっちのほうがコスパがいいぞ」みたいな話に巻き込まれてしまいます。
龍源:さらに言うと、お坊さんが「これ、俺が稼いだ金なんやから、何に使ったってええやないかい」と言い出すわけです。
坂東:お坊さんが。
龍源:あり得ると思いません?
坂東:いや、もちろんです。
龍源:だって、自分ががんばって勉強してね。死ぬほど勉強して得たものをお前に提供してるのでこれぐらいよこせと。もらったものを、例えばそのお金をつかんでキャバクラへ行く。
「なんでですか。お坊さんは、キャバクラに行ったらだめなんじゃないですか」と言うと、「俺が稼いだ金なのに、なんでお前に文句言われなあかんねん」という発言になりうるわけですよ。
坂東:なりそう。なりそう。
龍源:そうなったらもう終わりじゃないですか。
坂東:そもそも何のためにお坊さんがいるのか。
龍源:そう。さらにですね、お布施だけで生きてることになった場合に、じゃあなぜ人はそこにお布施をするのかというと、その人に生きていてほしいわけですよ。この人が、うちの村の近くにいてくれることによって、僕たちは困った時に、この人に仏教の教えを聞きに行くことができるぞと。
この人がここにいてくれるという心の支えみたいなものがあって助かる。だから、あの人に米を持っていこう。野菜を持っていこう、肉を持っていこう、飲み物を持っていこう。住んではるところが壊れたら私たちで建て替えてあげようということによって、みんなのコモンズですよね。
坂東:コモンズ出た!
武井:(笑)。
龍源:共有財産として、みんながコミットしながら管理していくことになる。コモンズとして存在しているお坊さんがレベルを落としてきた時にどうなるかというと、パージされるわけですよね。
坂東:あ、されるんですね。
武井:(笑)。
龍源:レベルが低くなってくるとパージされるべきですね。
坂東:確かに、確かに。
龍源:そうすると、お坊さんの最低水準は担保されるわけですよね。
龍源:だからコモンズとしてのみんなのコミットも担保されるし、コモンズであるが故に最低ラインはここを越えてもらわないと意味がないよね、とお坊さんの最低ラインも担保される。なので、お釈迦さまが作った制度は、すばらしいと思うんですよね。
武井:はい。
坂東:だから、経済合理性とか、資本主義とはぜんぜん違う仕組みですよね。
龍源:まぁ、本来の資本主義は、やっぱりそうかもしれないですけどね。ひょっとするとね。
坂東:お寺にお賽銭とかはありますけど、誰かに「ありがとう」とは考えたことがなかったです。そんな人、出会ったこともないし。
龍源:なので僕は、それを今の日本で表現するべきだと思うわけですよね。
坂東:日本以外でそういう国はありますか?
龍源:もうミャンマーとかチベットだと当たり前なんじゃないですかね。
坂東:当たり前ですね。
龍源:普通だと思います。当然のことだと思いますね。それを表現しないと、「結局あなたもキャバクラに行くんですよね?」という話になってくるわけで。
坂東:「この後(キャバクラに)行くんでしょ?」みたいな。
龍源:「行くんでしょ?」みたいな。「あなた、儲かったらポルシェ買うでしょう?」みたいな話になったりするわけですから。「そうじゃないですよ」というところをまず表現するべきだし。この私が死んだ後を考えた時も、お坊さんが自分で稼ぐ構図は100パーセント腐ると思うんです。
絶対にそのモラルが未来永劫、人が変わっても維持されていくことはあり得ないと思うので。だから、お坊さんはお金を持つべきではないですよね。お金を稼ぐ発想になるべきでもない。社会に必要とされる人であり続けることだけがモチベーションであるべきですよね。
武井:Wikipediaと一緒ですね。
坂東:おぉ~。
龍源:そういうこと。
武井:広告を一切載せない。サービスを提供しない。寄付だけ。だからこそ、あれはコモンズです。
坂東:確かに。
龍源:偏らない。スポンサーが出た瞬間に、そのスポンサーに不都合なことは書けないんです。
坂東:そりゃそうです。
龍源:某男性アイドルグループも、事務所の話とかがありましたけどね。
坂東:まさにですよね。
龍源:言えない。「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ POISON」って言いますよね。
坂東:おぉ……(笑)。
龍源:ちょっと古いですよね。
坂東:ちょっと古い(笑)。
武井:さっきと違う苦笑いが(笑)。
坂東:笑ってるい人と笑っていない人で、ジェネレーションギャップがある。
武井:世代がね。
坂東:年がバレちゃう。
龍源:反町隆史です(笑)。
武井:本当、その存在が存在し得るための構造ですよね。
龍源:そうですよ。
龍源:お坊さんという人が伝えている仏法が、威力を発揮するための構造は、確かにあるんですよね。それをお釈迦さまはおそらくよんでいて、こうするべきだという教えを残してくださったわけですから。
坂東:あ、そうです。この仕組みも、もう2,500年前に(作っていた)。
龍源:それを、そのままは適用できないです。やっぱり今の日本ではね。なので、どこまで味付けをするか変更するかは、そこに生きてる人が決めることだと思うので。
それもやっぱり実験だと思うんです。どこまで拡大解釈をするのか。どこまで解釈の変更が許されるのかも、やりすぎるとやっぱり堕落していくでしょうし。
お釈迦さまの教えのまま行くぜ、というと、2,500年前のインドで通用したことを、今、21世紀の日本でそのまま使うのは、やっぱり無理だと思うので。それはそれでまた硬直した考え方、思考停止だと思います。
そこの、あくなきバランスを取る努力ですよね。存在する物事が完全に安定したら、それは死んでいるということでしょ。もう、意味がなくなったから、停止するわけですよね? それは博物館の展示棚に載っていればいい話であって。
生きて使われるものは変化の中にあるべきだと思うので。なので、その戒律であったりとかシステムも、状況に合わせて変化させつつ、でも本質を失わないようにしつつ、と考えていくことになった時に……。僕はまず今の、言ってみれば失われた日本仏教、日本の僧侶に対する信頼を取り戻すためには、本当に本気でやっているところを、そういう人もいることを、まず見てもらうのは必要だと思いました。
これはもう賭けでしたね。一か八か。滅びて僕がホームレスになるか、誰かに見つけていただいて、なんとか維持しようと言って、一緒にこのプロジェクトに参画していただけるかどっちかだなと思ってやってみて、何回か滅びかけましたけど。
坂東:滅びかけた?
龍源:滅びかけました。
坂東:お金がなくなった?
龍源:マジで、マジで。ほんまにキャッシュアウト寸前という時が、何回かありました。
坂東:生産活動はもうしてない?
龍源:一切してないです。
坂東:一切してないんですか!? え、お葬式とか?
龍源:しないですね。よっぽど知っている方、例えば、檀家の付き合いがあるから、身内が亡くなったので、お葬式自体は檀家寺で檀家の和尚さんにしてもらうんやけれども、裏であなたにしてもらいたいという人がいたりするので。
そういう人は、僕は現場にはいかないですけど、ここでお祈りをさせていただくことはあります。そういうことはありますけれども、基本的にいわゆる葬儀場に行って、ああいうフォーマットにのっとってお金をいただいてお葬儀をすることは一切やっていない。
武井:全部お布施ですね。
龍源:はい。
武井:すごい。
龍源:だから、ここに来る方も、「いくらお支払いしたらいいですか」とみなさん言ってくださるんですけど、「お布施ですので、何も置いていかれなくてもけっこうですし、ご自身で決めてくださいね」とは申し上げています。だから、すごいバラバラですよ。
坂東:そうでしょうね。
龍源:はい。
坂東:それで成り立っている。
武井:すごいね。
坂東:ここの家賃とか。
龍源:なんとか今はいけてます。いや、マジでね。ここの家賃、まぁ何十万円か払うんですけど。手元のお金をどれだけかき集めても、残り7万円という日がありましたからね。
坂東:(笑)。
龍源:あ、終わったなと思って。だって来月の家賃を払えないですから。税金とかも全部払う。うちは宗教法人じゃないので、普通に税金もかかってくる。
坂東:あ、宗教法人じゃないんですか?
龍源:宗教法人じゃないんですよ。宗教法人、取れないですから。
坂東:取れない。
龍源:なかなか、今、新しく取れないです。取る気もないですしね。
坂東:取る気もない。
武井:哲学だから(笑)。
龍源:はい。
坂東:そういうお坊さんって日本にどれくらいいるんですか。いるの?
龍源:あのねぇ、難しいですけど、どうでしょうね。そういう真面目なお坊さんって、あんまり表に出てこないわけですよね。
坂東:あぁ、そうですよね。そっかそっか。
龍源:だから、隠れている方はいっぱいおられる可能性はあります。ただ、やろうとしていることがどの規模でどれぐらいやろうとしてるかは、そういうお坊さんたちでも違いがあるかもしれない。
自分が自分の理想を貫いて、自分1代で終わっていい、それで死んでいって満足だというタイプの方もおられるでしょうし。私みたいに200年先を見据えて、今から戦略的にいろんなロジスティックを組んでやっていこうという人もいるかもしれないですよね。
坂東:200年先を見据えて「こうしていくぞ」という戦略とかがあるのに、でもそれを、例えば融資を受けてとかお金を集めてとかではなくて、それはもうお布施でやっていく。
龍源:はい。
坂東:お布施はコントロールできないところですよね。
龍源:そこを崩してしまうと、200年先の理想の状態につながらない。
坂東:あ、つながらないんですね。
龍源:やはり先ほど申し上げたように、仏教の根本は原因があって結果があるので、結果につながる原因を作らないといけないわけで。今、僕が例えばベンチャーキャピタルみたいなとこからお金を引っ張ってきて、それに対して……。
坂東:全国行脚したりして(笑)。
龍源:そうそう、リターンをいろいろ設定をして、こうやって事業が伸びていって、あなたたちにもそのバックが入ってきますよ、みたいなものを組んでしまうと、それを前提にした世界が広がっていって、おそらく100年、200年後にその結果としての何かが出てくる。それは僕が志した仏教なのかというと、たぶん違うものになると思うので、それはしない。
武井:超共感だ、これは。なるほど。
龍源:だから、できることをやらないことを、僕は知性だと思うんですよね。
坂東:できることをやらない。
龍源:お金を稼ぐことは、今、例えばこうやったら稼げるよねとわかっていても、それをするべきなのかするべきではないのかを考える。するべきではなかったら、できるしおいしいとわかっているけど、目の前のおいしいこと、できることをしないのは、僕は、仏教徒の知性かなと思っているんです。
ま、それも、武士は食わねど高楊枝みたいなね、ちょっと痩せ我慢的なところ、ありますけど。僕はそう思っています。
武井:なんか俺、勝手に勇気をもらっちゃいました。
坂東:(笑)。
武井:僕、経営をしていた時に、やっぱりまず言葉の定義から変えていったんですね。そもそも経営とはどういう意味を持つかとか、経済とはどういう意味、社会って……僕らはみんなカジュアルに使うけど、それぞれどういう意味を持って言ってるのか、やっぱりそこがブレている。
まず、最近だと経営とは、なんだったら、金稼ぎの意味になっちゃっているんですよね。でも、それを置き換えた時に、経営とは人がより良く営むことで、助け合うこと。
助け合うための会社の仕組みとなると、世界観が違うわけですよね。その世界観の中だと、僕は株式市場への上場は、明らかに違うという意識があって。
でも、例えばこういう管理しない経営をやっている会社さん、いろいろやっぱり出てきていて。その中には上場している会社さんなんかもあったりして、そういう社長さんと話した時に、彼らは上場しないとできないこともあるから、手段としてこれを選んでいるんだって言うんですよね。
確かにそれもそうかもしれないけれども、おっしゃられたみたいに、僕の中だと、僕が作りたい未来像は、その選択肢をとった時点で自己矛盾しちゃうんです。あり得ないという結論にしかならないんですよね。
それで、散々そういう人たちと喧嘩しましたけど、やっぱりね、お金を持っているほうがマウンティングしてくるので。「んん~」と思いました。
もちろんお金は、今の現代社会だと力ですけど。僕は、人間そのものが力だと思っているというか。僕は通貨を作る会社とかもやっているので。お金って何かを突き詰めて考えていったら、お金って人間の労働力というか、人間の活動そのものです。
つまり人間ですよね。じゃあ、俺はお金集めとかお金稼ぎは下手なんだけど、友だち作りをがんばろうと思って。友だちがいっぱい増えたらいろいろ助けてくれて、それだけで世界が回るんじゃないかという負け惜しみみたいなところにいきついたんです(笑)。
坂東:負け惜しみ(笑)。
武井:やっぱり金持ってるやつ、いいなぁ! とか思うから。
坂東:いや、思うよね。
武井:それはある。
坂東:思うよ。
武井:思うよね。楽そうだもん。お金払えばポンポンとできる。でもそれをやると、俺が作りたい世界ではないので。やっぱりそこの、迷いの中でやっています。
武井:でも本当、龍源さんの話をもう10年前に聞いてたら、もっと迷わずに胸を張れたかもしれない。
坂東:そういうことですよね。結局仏教にそういう答えとかよりどころ、ヒントがあるから、これを知ることによって、本当に生きたい、タケちゃんみたいな人が生きやすくなる。
龍源:そうですね。価値観の変換が起こると思うんですよね。今のお金の話でも、仏教ではすべてのものは因果関係とか相対関係でネットワークを作っていく。関わりあいがないものなんて何一つない、と考えるわけですよね。その金銭とかも、結局価値じゃないですか。価値とは、意味です。意味、情報だと思いますよね。
そういうものは、結局みんながつながりの中でそれを認め合っているという話になってくるので。それって別に今、僕が持っていなくてもいいですよね。
だからそこに価値とか意味とか情報があるのは、ネットワーク全体としてそれが保持されている状況だから、僕が将来必要になる分を、今、僕が持ってなくてもよくて。他の人たちが分散して持ってくれていると思ったらいいわけです。
それが必要な時に必要なところに流れていけばいい話だから、なんでそれを自分が今貯めておかないといけないのかを、もうちょっと考えたほうがいいと思うんですよね。
お布施だけでやっていくのもそうじゃないですか。言ってみたら、例えばお坊さんがそこに暮らすために必要なものを、在家社会の余剰で回していくのが、本来のお布施だから。それって、僕がみんなに貯金しているのと一緒じゃないですか。必要な時にそこから振り出されてくるわけだから。
坂東:なるほど。
龍源:しかも必要分だけ来るので、無駄がないのでめちゃくちゃいいシステムじゃないですか。それをみんなが自分が持っとかなあかんと思う、誰も回してくれへんと思うから、自分がいる分は自分が持っとかなあかんと思うでしょって。
それを全員がやったら、地球から資源を収奪せんと無理ですわな、というお話になるけど、それはみんなが分散して持っていて、必要な時に必要なところに回していけばいいんだよねという発想になったら、資源ってワンセットでいいじゃないですか。
みんながみんな自分で持っていなくたって、必要な時に分散している資源がぴゅって1ヶ所に集まって現出すればいいから、と考えることもできますよね。
龍源:Web3とかブロックチェーンみたいなものは、それを実現可能にしてくれるかもしれない話だから興奮するわけであって。このようなものの考え方、ここが世界観ですよね。
いや、みんな分断されていて、1人は1人だから、その人のピンチの時のためにはその人が資源を持ってないといけないんですよ、となったら、全員が資源を集め始めます。
そうではなくて、僕たちはネットワークそのものなんだと考える。一人ひとりはそのネット(網)の結節点だと考えた時に、じゃあネット全体でバランスがとれていればいいわけだから、その1つのノット(結び目)である自分自身に過剰な価値を置く必要はなくなった時に、資源の収奪とか富の偏在はやむはずですよね。
このあたりが人のあり方を決めてくる。それをものすごい精度かつ説得力で定義してくれていて、いろんな検証実験をやってくれていて、さらにそれを腹落ちさせるための修行という体系まで持ってくれているのが仏教です。これを上手く使ったらいいと思います。
武井:Web3界隈に広げたいなぁ。
坂東:確かに。
武井:暗号資産とかNFTもそうですけど、今日も話がありましたけど、たぶん99パーセントぐらいの人たちが、資本主義をその上でやっているだけですよ。まさに奪い合い。資本主義とは奪い合いなので。意味がないですよね。
まぁ、技術、認知が広まるフェーズだからしょうがないのかもしれないですけど。本当に、例えばサトシ・ナカモトが……。
坂東:ブロックチェーンを作った。
武井:そう。作った。作ったけど、なぜ匿名かと言うと、中心(自分)を空にするためですよね。こういう思想を、そこに実装していたりする。
坂東:だからその人は純粋な思いで作ったわけですよね。
武井:そうそう。ブロックチェーンとか暗号資産のファウンダーって、かなり思想を強く持っている。
坂東:だからこれで1発当ててやろうということではない。
武井:ではない。ぜんぜんそういうのがない人たちばっかり。だけど、それに後から乗ってくる人たちは、株式市場と一緒で、「このコイン上がるかな~! 上がれ!」という、本当に、単なる投機。
なんだったら、実体経済でぜんぜんまだ使えなくて、投機対象でしかないから、仮想通貨ではなくて暗号資産になってしまう。
坂東:ああ、なるほど。だって、やっぱり億り人みたいな言葉が出てきたら、ちょっとざわっとするもん。「えぇ、億り人になれるのかな?」みたいな。あ、僕はですよ。
武井:(笑)。
坂東:あり方のレベルが、まだまだなので。
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