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共創を生み出す組織開発~第4次産業革命における組織と個人のあり方~(全10記事)

「失敗しないこと」しかやらない組織は社会に存在できなくなる “共創できない組織”でありがちな言動と、それが及ぼす悪影響

創設以来、35年以上にわたって日本の組織開発をリードし、実践と研究の両面において最先端の取り組みを行ってきた、株式会社ヒューマンバリューの代表取締役社長 兼清俊光氏。同氏が登壇されたイベント「共創を生み出す組織開発~第4次産業革命における組織と個人のあり方~」の模様を公開します。

テーマは「共創を生み出す組織開発」

斉藤知明氏(以下、斉藤):みなさん、おはようございます。本日もUniposウェビナーを始めていきます。本日は「共創を生み出す組織開発」と題しまして、第4次産業革命における組織と個人のあり方、共創、Co-Creationですね。“共に創る”の共創について考えていければと思っています。よろしくお願いします。

本日のプログラムに関して、共創をテーマにおいた時に「そういう組織ってどんな組織なのでしょうか?」というのを、みなさんと考えていきたいと思っています。兼清さんから「共創を目指す組織開発ってどういうことなんだろう?」というマクロな視点でお話いただき、その後「そのために我々は何をしていけるか?」について、ディスカッションを深めていきます。

申し遅れました。私、Fringe81株式会社 執行役員兼Uniposカンパニー社長の斉藤と申します。

斉藤:Fringe81というのは東証マザーズ上場の、広告事業とHR事業の2つの事業をしている会社で執行役員をさせていただいております。

Uniposというカンパニーだけで見ると、約80人のチームとなっております。それらを元にした「上場企業の経営」「新しいサービスを立ち上げたチームのマネジメント」という観点。さらに、在学時代にちっちゃなスタートアップをやっていたりしたことから「スタートアップの組織運営」という、3つの視点からお話ができればと思っております。本日もよろしくお願いいたします。

では本日ご一緒させていただく、株式会社ヒューマンバリュー代表取締役社長の兼清俊光さんです。よろしくお願いします。

兼清俊光氏(以下、兼清):みなさん、こんにちは。ヒューマンバリューの兼清です。

兼清:斉藤さんたちとは、ある方のご縁でご一緒する機会がありまして、そこからたまにお話する機会もあったんですけど。コロナ禍においてこういうことを考える場が大事なのではないか、ということでお声がけいただいて、(本日のイベントを)ご一緒することになりました。

(スライドを指して)ここに書いてあるとおりでございますけど、僕自身は人材開発というよりも組織開発とか組織変革というところを、30年くらいやってきていました。同じことをずっとやっているというよりは、時代と状況によってどんどん変わります。今日はみなさんと一緒に考えていけたらなと思っています。よろしくお願いします。

斉藤:よろしくお願いします。兼清さんとご一緒するのをすごく楽しみにしていて「参加してもらえるかな?」と思ってドキドキしながらオファーしたんですけど「ぜひ!」ってお答えいただいて。打ち合わせでも散々盛り上がったので、今日もそのペースで盛り上がっていければなと思っています。

このUniposウェビナー、すでに300名を超えるみなさんにご参加いただいております。

共創できていない組織では、どのような言動が起きる?

斉藤:まずはじめに「共創する組織とは?」。

斉藤:共に創るということを解釈していきながら、私たちの見解をお話していき、みなさんの中の見解も深めていただければと。まずは、アウトプットしていただきたいなと思って、問いを2つ用意させていただいております。

1つ目の問いです。「共創できていない組織では、どのような言動が起きるでしょうか?」。

共創といいますと「人と協力してなにか工夫を生み出す」だったり「変化を生み出す」だったり。「事に挑むこと」と捉えられるかなと思います。そういった共創ができていない組織では、どのような言動が起きるでしょうか? という問いでございます。

言動というのは、例えばどういう発言が起こるだろうか? もそうですし。動作と言いますと「他部署のことには干渉しない」というのも、1つの動作ですよね。「見て見ぬふりをする」だったりだ「そもそも見ない」ことも1つの動作だと思います。「助けを求めない」という動作だったりとか、逆に言うと「跳ねのけちゃう」なんて動作もあるかもしれないですね。

どういうことが起こり得るでしょうか? ぜひみなさん今の時間軸で「ちょっと、うちの組織まだ難しいな」と思っている方に関しては、自社の中で阻害してしまっている言動ってこういうのがあるなと思い起こしていただければと思いますし。想像できる範囲で構いませんので、ぜひみなさんお話いただけると……あ、どんどんコメントが。ありがとうございます。兼清さん、どんどんあがってきていますね。

兼清:おもしろいですね。

斉藤:気になるポイントはありますか? (コメントを読みながら)「うちの会社のやり方じゃないよね」「うちの会社じゃ無理」。なかなか強烈ですね(笑)。

兼清:あとは無関心とかね。ほかの人が他部署の仕事に無関心だったり。どなたか書いてましたけど「それはうちの仕事じゃないよ」とか。「それって業務ですか?」とかですね。「それって目標には入ってないんですけど」とかですね。こういうのもあったりするのかなと思いますね。

斉藤:興味ないとかまさにそうですよね。

兼清:「無理ですよ」とかね。

斉藤:「あなたが言い出しっぺなので、あなたがやってください」。強烈ですね。「決めてもらえればやりますけど」。お~! これ言われるとちょっとドキッとしますね。確かにね。「あっちの部署の手柄になるからやめよう」。なかなか強烈ですね。

ちょっと別の観点ですけど「失敗を詰めるという文化」。

内部で無駄なエネルギーを使っている組織は“もったいない”

兼清:ただすごく大事だなと思うのは、製品やサービスを顧客とか社会に届けようとすると、1人じゃできないから組織(を形成している)じゃないですか。

そうすると、組織の中で働いている人たちがコラボレーションしたりCo-Creationしなかったとしたら、その製品・サービスを受け取るお客さまから見た時のクオリティは、低いですよね。内部に無駄なエネルギーをいっぱい使っていますからね。ちょっともったいないなぁという気がしますね。せっかく価値あるものを作ろうとしているのに。

斉藤:そうですよね。全てのコメントを読み上げるのは、時間的になかなか難しいんですけど。「三遊間に手を出さない」。これ、トヨタ自動車の鈴木(康司)さんが登壇した時にも出てきたワードですよね。

「共創の本当の意味が理解されていない」「〇〇さんから言われてないのでやりません」。なるほど、なるほど。ありがとうございます。

斉藤:これが、今の時間軸での言動だと思います。今、兼清さんがおっしゃっていただいたみたいに、組織としてお客さまに価値を提供していく中でも、1人が生み出すじゃなくて。複数が生み出さないと価値というのはなかなか向上しないんじゃないか。

絶対失敗しないことしかやらない組織は、社会に存在できない

斉藤:それも1つの視点としてある中で、次の問いは「共創できていない組織では、長期的にどのような影響があるでしょうか?」。

そういう言動を続けていく組織になった場合、どんな影響が顧客・チーム・自分に対してあるでしょうか? という視点で、ぜひアウトプットをしていただければと思います。「組織全体として、変化への対応能力が低下する」「風通しが悪くなり離職率が増加する」。あるかもしれないです。

ネガティブ方向の質問を、2つ続けて恐縮なんですけど。ディスカッションのところでは、どんどんポジティブな会話をしていきたいと思っていますので、みなさんの中で「こういう状態に陥ることを回避したいな」っていう頭になってほしいんですよね。ぜひ一度、お考えいただければなと思います。

「守りに入る部署が増える」「タスク達成が遅い」「完全裁量型」「顧客満足が得られない」「茹でガエル状態になる」。おもしろい表現ですね。「上位の視点でものが見れない」「対岸の火事という意識」「絶対失敗しないことしかやらない組織になる」。

兼清:絶対失敗しないことしかやらないっていうと「新しいことはしない」っていうことですよね(笑)。社会で存在できなくなりますよね。

斉藤:そうですよね。昨日に登壇したイベントで、マクドナルドの方とたまたま控室が一緒だったんですよ。「今年、けっこう俺らがんばったよね」っていう会話をされていて。「結局、新年はゼロから考えて、過去の成功をないものにした前提で考えないと、我々って変化し続けられないよね」みたいな会話をしていて。

「めっちゃええこと言うな」って思いながら聞いていたところだったので、この「失敗しないことしかやらない組織になる」っていうのは逆に響きますね。

兼清:怖いですよ。

斉藤:大手だからとか、そういうわけではなさそうですよね。

兼清:そうですね。本当ね。

斉藤:「メンタルがよくない状態の人が増える」「結果的に競合に負ける」「一緒のベクトルで新規事業が生まれない」「顧客から選ばれず、競合に淘汰され、新しいエリアが生まれない」。なるほど、なるほど。

「サステナビリティが得られない」。まさにこれも、競合環境との共存というところも含めてサステナビリティですよね。「社長が裸の王様になる」。これは社長をしている身としては、ドキッとしますね。

ありがとうございます。みなさん、この共創・Co-Creationについてさまざまな見解があるかと思いますし、さまざまな解釈があっていいと思います。ご自身の今の環境、ないしは周りの環境とか、避けたい環境という観点でアウトプットしていただいた方もいらっしゃるかもしれないです。

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