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2019年の広報・PR成功事例を解説(全1記事)

2020.01.14

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マネーフォワードの急成長を支えた「広報・PRの家庭教師」 新人広報を一人前にする育成メソッド

提供:株式会社シプード

2019年12月5日、企業100社以上の「広報・PRの家庭教師」を担ってきた株式会社シプードと、「Credit tech(クレジットテック)企業の雄」として業界を牽引する後払い決済大手の株式会社ネットプロテクションズによる、広報・PRナレッジ共有セミナーが開催されました。他社のPR戦略づくりのプロセスや、広報未経験からの成功事例についてのノウハウを具体的に伝授。本パートでは、株式会社シプード代表取締役の舩木氏が、2019年の広報・PR成功事例を解説しました。

マスコミ・PR会社・企業広報の経験を持つ、広報のプロフェッショナル

舩木真由美氏株式会社シプード代表の舩木真由美と申します、どうぞよろしくお願いいたします。本日は大盛況でして、もともと定員40名のところ、かなりきつきつで60名ぐらいのお席を作ったんですが、最終的に70名以上のお申し込みをいただいているため、立ち見が出てしまう可能性もあります。お席を譲り合うなどご協力いただければ幸いです。

さっそくですが、冒頭で、私からシプードの簡単な紹介と「当社の考えるPRとは」についてご説明させていただいた上で、本日のメインである、ネットプロテクションズの長谷川さんから、実体験に基づいた戦略づくりをご説明いただく予定です。よろしくお願いいたします。

当社は舩木芳雄と真由美の共同代表が2名おり、ここは夫婦なんですけれど(笑)、計8名ほどの広報プロフェッショナルたちによる、少数精鋭の“広報・PRの家庭教師会社”です。事業は2つありまして、のちほど詳細を言及させていただきます。

まず私の自己紹介です。もともと『とくダネ!』という朝のフジテレビの番組制作をしておりました。そこでニュースがどのように作られているかを学び、企画力を鍛えました。

そこからPR業界に飛び込んで、今でこそ国内で売上ナンバーワンのベクトルさん、あと当時ナンバーワンだったプラップジャパングループにてPRスキルを磨き、その後、2008年に楽天市場のPR部隊立ち上げのために、企業広報として転職している経緯となります。

ですので、特徴としては、マスコミ、PR会社、企業広報の3つのキャリアを持っていることになります。この3つのキャリアを持つ人間はかなりレアな存在だということで、この経験をいかして、今の社会に必要なPRサービスとして開発したのが「国内初の広報・PR家庭教師サービス」です。

広報・PRの力で社会課題を解決していきたい

サービス詳細の前に、まず当社の理念を紹介させていただきます。

私は20年弱ぐらいの広報・PR経験があるんですけれども、そこで養ったスキルをどういうところに活かしたいかと考えたときに、まず思ったことが、とくに中小企業や地方に多いのですが、世の中に埋もれている本当にいいコトやモノ、ヒトといったことを世の中に正しく広めて、広報・PRの力で社会課題を解決したいということでした。

そこで、広報・PRの力で社会を健全かつ豊かにしていくことを当社の理念にしようと決めました。

お仕事をお請けさせていただくときも、その会社の根底にある価値の部分をいろいろとヒアリングさせていただいた上で、スタートするスタイルをとっており、シプードは、広報・PRのプロフェッショナルとして、正しい広報・PRのあり方を追求している集団であることにこだわっています。

そこから考えて、今の世の中の課題解決になるサービスは何だろうというところで、「広報・PRの家庭教師」という国内で初めてのサービスを6年前にスタートさせました。また、今年の夏に「クラウド記者クラブ」という新たなサービスをスタートしています。

クライアントが発信力を高められる、自走のためのサービス

広報・PRの家庭教師サービスとは、本当に言葉の通りで、未経験の方が広報になるケースや、経験が乏しい方が広報・PR活動をスタートするときに、ビジネス家庭教師として二人三脚でプロが広報・PRの知見を伝授し、理想の広報組織を立ち上げていくコーチングサービスとなります。

通常のPR代理店の場合は、まるっと広報・PR業務を請けるかわりに、クライアント企業内には広報の知見が貯まらないというデメリットがありますが、私はそこがやっぱり課題かなと感じていまして。

一時的な記者発表会といったものはそれでいいと思うんですね。ただ、日々発信していくものは知見をどんどん貯めていって、会社として広報・PRの発信力を高めることが、組織の成長力になると信じていますので、自走広報を確立することを根幹に置いたサービスを作りました。

この6年間で、110社以上の家庭教師をしてきました。1号クライアントは、フィンテック上場企業のマネーフォワードさん。あとはやっぱり最初にフィンテックの実績ができたことで、フィンテック系スタートアップの引き合いが多かったり。

最近は不動産テックやEdtech(教育テック)、また大手出版社から「PRの家庭教師をしてほしい」と依頼が来たり、自治体からもお声がけが増えているというかたちです。

当社のパッケージは、業界や企業の大小を問わずに使える広報・PRフレームを伝授させていただいています。のちほど長谷川さんからもお話があると思うんですけれど、どなたが担当になっても自走していけるような、再現性を持ったフレームワークを伝授させていただくことに、すごく重きを置いています。

第1号クライアント「マネーフォワード」の成功事例

マネーフォワードさんは第1号クライアントなので、本当に私が楽天を辞めてすぐに支援させていただいた企業さんです。2014年1月に、まだ社員10数名程のマネーフォワードさんの中で、広報・PRにリソースを3割ぐらい割ける方がいらっしゃったので、その方に対して攻めの広報組織立ち上げのための家庭教師を始めました。

2014年1月から3月ぐらいまでは「どういうメッセージを発信しようか」という、言葉をチョイスする作業を、代表の辻(庸介)さんや役員の瀧(俊雄)さんと議論していきました。

その結果、海外では「フィンテック」という言葉が盛り上がっていて、この概念を日本でも訴求すれば、自社の価値がうまく伝えられるぞ、というように決めました。さっそく情報収集と整理を行い、ファクトブックや業界動向の資料を作ったりして、2014年3月に初めて記者向けの業界勉強会を開催しました。

(当時は)「フィンテック」という言葉を聞いたことのある記者さんは、ほぼいらっしゃらなかったので、そこでどんどんフィンテックに関する情報コンテンツを開発して、啓発をしていこう、という作戦をとりました。

その後、記者勉強会を3ヶ月に1回ほど開催したり、お金に関する調査リリースを企画して発信したり。また、新サービスや新機能追加など、フィンテックに関連する新情報を出していくなど、だいたいコンスタントに月1回から2ヶ月に1回ぐらい、フィンテックコンテンツを発信していきました。このあたりはやはりまだ、掲載は専門紙やWebメディアに限られていました。

そんな中、2015年1月1日の日経新聞の1面で、「フィンテック到来、メガも参戦」というようなタイトルでフィンテックが大々的に紹介されました。この記事がきっかけとなり、銀行や金融関係者の方々から「どういうこと? フィンテックって何?」といった感じで、マネーフォワードさんに続々と「勉強させてほしい」という問い合わせがくるようになって、「この業界の有識者」というブランディングができあがってきました。

それによって、フィンテックを取り上げる記者は必ずマネーフォワードさんに話を聞きに来たり、「意見やコメントをください」という立ち位置ができてきました。ここに至るまでの長期的な業界啓発がかなり効果的だったと考えています。

広報未経験で、メディアリストも辻さんのつながりのある記者さん数十名ほどのところから着実に関係性を深めていって。“フィンテック元年”は2015年でしたが、2014年から地道に準備をして、記者の理解を深め、業界啓発していた時期があったからこそだったというところですね。

記事化のプロとして、効果的な記事獲得の手法をレクチャー

基本的にテレビの報道は後追い型のため、日経新聞をきっかけにNHKなどが報じ始めると、一気にテレビの報道につながっていきました。この頃になると、記者向け勉強会を開催すると30~40名近くの記者が集まるようなフェーズになってきていました。

やはり一連の広報・PR活動の中で、メッセージの策定からそのメッセージを広めるために情報コンテンツを開発して、それを活動スケジュールにどう落とし込むかが肝になってくると思います。PRとは「パブリックリレーションズ」ということで、それは「記事化だけ」ではないんですよね。いろんなステークホルダーとの良好な関係性を築く活動がメインとなるわけですが、当社がとくに強いのはやはり記事化のプロフェッショナルであること。この部分に重きを置いて支援しています。

〇X△で書いていますけれども、効果的な記事獲得の手法をどんどんレクチャーして、企業内に(知見を)貯めていただいています。記者向け勉強会も然りですね。記者の方は、昨今はジョブローテで1年ぐらいで替わってしまうこともあれば、長くても3年程度で異動になるケースも多いです。

そうすると、その業界を詳しく知らない方がまた担当記者として就任しますので、そのときにきちんと業界を理解してもらえるよう、記者向けの業界説明会を開催し、業界の課題や最新動向を把握してもらい、業界自体に関心を持ってもらう。

この辺りについては、具体的には長谷川さんから実体験に基づいて話していただきますが、こういった業界啓発のための手法も含めてアドバイスできるところがシプードの強みだと理解しています。

広報・PR活動の成功が企業にもたらす価値

広報・PRの結果、認知が上がります。無名企業が有名になる。その最終的なメリットは、売上やサイトの閲覧数増加、商品・サービスの問い合わせ増加、採用の問い合わせ増加。ここはまさに昨今、本当に多いですね。

「優秀な人材に入社してもらうために、採用広報目的で広報・PRをやりたいです」ということで、人事部の方からのご相談が、ここ1~2年は顕著に増えています。

認知向上のための手法として「広告」と「広報」という手法があり、その違いについてすでにご存知の方もいると思うんですが、念のため(お話しします)。従来、企業は広告手法で認知を高めていくのが一般的でした。お金を払って枠を買い、消費者に情報を届ける。ただ、広告は企業による自薦のために、訴求力はなかなか弱かった。

一方、「広報・PR」という手法は、企業がニュース性のある情報を発信することで、記者がそれをニュースとして記事で報じるものです。情報を記者が目利きをして記事化するため、第三者が推薦する他薦として、消費者の信頼度はすごく高まる。

そのかわり、広報・PRは内容や紹介される時期などのコントロールができない。広告宣伝の場合は中身のコントロールも効くし、広告を出すタイミングも調整できますが、広報・PRは記事が掲載されるタイミングも編集部側に決定権があるため、企業側は調整ができない、という違いはありますね。

私たちは、広報・PRのプロフェッショナルとして、世の中の空気感を作ったのち、いかにWebサイトで問い合わせしてもらうか、購入してもらうかといった、コンバージョンをどう上げるかという点にもこだわってコミュニケーションの設計をしています。広報・PRと受け皿となるWebサイトとの連携についてのこだわりです。

とくにBtoB企業の場合、事例をいかに効果的に訴求して、事例ページでどのようにコンバージョンさせるか。その事例の見せ方などもアドバイスさせていただいていたりします。

常時25社ほど支援させていただいているのと、これまでに110社を見てきた中で、そこでの成功事例を伝授させていただいてます。

プロが教える「広報・PR活動の3大要素」と「メディア露出のサイクル」

広報・PR活動の3大要素として、私たちは大きくこの3つに分類しています。

「ドキュメント」はファクトブック資料は構成項目をひな形化していたり、「リレーション」は媒体研究を徹底することで、「今まさにこの業界について執筆している媒体はこちら」「このキーワードを追っている記者がこの方」というかたちで、効率的に身に着けることができる要素なのに対して、「企画立案」は記者達の本業でもあるわけですが、やはり広報・PR担当が短期間で身に着けるのは正直難しいです。

「企画立案」でもっとも重要なのが、ニュース性の高い情報かどうかを判断する力です。ニュース性が高い情報かどうかは、発信したい情報に「社会性」「新規性」に該当する要素がどれだけあるかどうかで判断します。社会性・新規性に該当する要素があればあるだけニュース性が高く、記者としては報じるに値する情報だと判断し、関心を高く持ちます。

ただし「企画立案」はそれなりに経験を積んで身につけていくものでもあるため、(スライドを指して)「ドキュメント作成能力」や「リレーション構築能力」は3~4ヶ月ぐらいで習得できるのですが、「企画立案」はシプードがコーチとしてサポートに入りながら二人三脚で経験を重ねて鍛えていく流れとなります。この上のところ。

シプードは、最低半年契約からなので、半年後のゴールとして、「企画立案が半年後、1人で最低限はできるようになりましょう」というところに設定しています。

また、この、メディアの昨今のサイクル。半年後、このサイクルにきちんと載せていけるようにしましょう、というゴールも設定しています。これは何かというと、まず最初にPRを始めてすぐに掲載を狙いにいける媒体ですね。Web系媒体、専門紙系媒体は、業界の最新情報をいち早く報じる特性が高いため、まず最初に掲載に至りやすい媒体です。

ここで実績が出てくると、全国紙の記者達がこのあたりをすごくウォッチしてたりしますので、全国紙で取り上げられるようになります。全国紙に報じられるとやはり権威付けがされて、その後のテレビの後追い報道につながります。

テレビは二次追い型なので、だいたい早くても……本当に早くてタイミングが合うと3~4ヶ月でテレビに出ることもあるんですけど、半年~1年ぐらいのスパンでテレビが動き出すイメージですね。

これを半年かけて回していきましょう、というところをゴール設定にしています。

企業広報から記者にPRできる、クラウド記者クラブ「PRONE」

当社の最大の特長は、やはりノウハウが貯まることだと考えています。さらに経験豊富なベテランによる指導が受けられること。

(スライド)2番目のリーズナブルというのは、実際に資料を作ったり手足を動かすのは企業内の広報さんのため、私たちは頭脳やナレッジ伝授の費用分だけをいただいていて、それゆえに月額20万円からという料金を実現しています。

私はPR会社は2社いましたけれども、一般的にPR代理店の場合、安くて月額50~60万。大手PR会社の場合は、月額80万~120万程の料金が相場で、PR代行のための人件費が高くつく現状があります。

続いて、今年スタートしたシプードの2つ目のPRサービスです。これはクラウド記者クラブ「PRONE(プロネ)」というんですけれど、企業が記者にPRできるサービスになります。

月額3万円で、情報を募集している主要メディアの記者達に自社商品やサービスをアピールできるサービスです。メディアコンタクトを強化したいという広報・PR担当の方はもちろん、1ヶ月ごとの契約が可能なため、新商品・新サービスの発表時や、「1月は社長PRにぜひ力を入れたい」といったようなPR強化のタイミングにだけ活用するという活用の仕方も可能です。

何ができるかというと、例えばこういう画面なんですけれど。

随時機能がアップデートされていますけれども、この「記者が募集中のネタ一覧」を押すと、記者がこんな感じで「いつまでに情報をください」と。エントリーをして入力していくと記者に届くので、プレスリリースの配信ですとか、記者に向けて自由に情報発信ができたりします。

あとは、プレスリリースで発信するほどではないような小ネタを発信できたり、ダッシュボードといって、発信したものがどれだけ見られたか、どれだけ記者にリーチできたかの数値も見ることができるため、広報・PR活動の社内レポートにも活用できます。

そのほか、例えば今日、私の会社でクライアントが2件ほど発表会をやったんですけれども、新発表の予定日をカレンダーに入れておくと、記者に「今週の発表会は何があるかな」と見てもらって、手間なく発表会やイベントへの取材誘致が可能となります。

あと、ここがすごく重宝されているのですが、プロネにはコミュニティマネージャーがいます。

ハーゲンダッツさんやマイクロソフトさんでマーケティングを担当されてきてコミュニティにお詳しい纉(ツヅキ)さんという方が、毎日広報・PRやマーケティングの参考となるTipsを投稿してくれています。プロネを使いながら、広報・PRのスキルアップもできるため、コミュニティマネージャーの存在はかなり好評です。

キーメッセージの策定は経営陣とのすり合わせが重要

最後に、PR戦略の策定ポイントをお伝えしたいと思います。例えば今だと、年内に来年の広報・PR計画を策定して上層部と合意をとり、方向性を定めておくべき時期となります。しかも、細かな広報計画を立てる前に「戦略をきちんと整えてからカレンダーに落としたいです」という声も多くあります。ここで重要なのはこの「キーメッセージの作成」です。

ネットプロテクションズさんは「クレジットテック」というキーワードを中心ににPR戦略を立案し、計画に落としていきました。マネーフォワードさんは「フィンテック」ですね。

このキーメッセージの作成のときに、経営層ときちんと合意する過程が重要になります。シプードのように、第三者が支援に入るような場合は、第三者が経営者に客観的にヒアリングすることで、経営層が考えていることを言語化して、広報部隊と一緒に方向性をすり合わせるというスムーズな動きができるんですが。

自社内でも経営陣と一度きちんと、来年の広報・PRの目的や、「どういったメッセージ出していきたいのか」というミーティングを、30分でもいいので実施することをぜひお勧めします。方向性を合わせてキーメッセージ案を作り、経営陣に提案する。その上で、議論を進めていく。

このキーメッセージができれば、あとはターゲット別にPR方針を整理して、マイルストーンに落としていく。これが2年前ぐらい(のネットプロテクションズさん)の取り組みです。

このマイルストーンは1年分ざっくり決めておきながらも、企業の動きはスピーディーにその都度変化していくものなので、随時変更を加えながらも、当初計画したメッセージの訴求がブレないように、確実に押さえていくものが常に見える化されている目印みたいなものですね。

こういう形で攻めていくことが、当社がおすすめするPR戦略の策定になります。具体的なところは、このあと長谷川さんからお願いしたいと思います。ありがとうございます。

(会場拍手)

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