kintone導入に失敗した原因は、トップダウンの「やらされ感」
現場レベルから考える働き方改革

株式会社ウエダ本社

kintone hive osaka
に開催

2018年12月3〜4日、グランフロント大阪にて「Cybozu Days 2018 大阪」が開催されました。サイボウズ株式会社が毎年開催している本イベント。今年はテーマを「楽しいは正義」とし、全国4会場にて豪華ゲストによるトークイベントやセッション、展示などが行われました。本記事では、kintoneによる業務改善ノウハウをユーザー自身がプレゼンする「kintone hive」から、株式会社ウエダ本社 営業リーダー 原田大輔氏による講演の模様をお送りします。

提供:サイボウズ株式会社

システム担当者不在の企業にkintoneを導入するには?

原田大輔氏(以下、原田):こんにちは、ウエダ本社の原田と申します。いきなりなんですけれども、昨日「M-1グランプリ」を見た方は、どれくらいいますか?

(会場挙手)

原田:なるほど、おもしろかったですかね。「M-1グランプリ」のステージが今日の会場に見えて、緊張でぜんぜん笑えなかったんですよね、昨日。

(会場笑)

原田:ですので、今日は帰ったらすぐ、「M-1グランプリ」を見ようかなと思います。

(会場笑)

原田:ということで、私からは「システム担当者不在の中小企業が語る、『kintone』導入のコツ」というテーマで発表させていただけたらなと思います。よろしくお願いいたします。

まず、自己紹介させていただけたらなと思います。私は「原田大輔(たいすけ)」と申しまして、どう考えても「原田大輔(だいすけ)」と読まれることが多いかなと思います。

生まれたときに、私のおじいさんが英語にハマっていたらしくて(笑)。die(だい)が少しネガティブな意味があるということで、点々を取られて、大輔(たいすけ)になったということです。

die(だい)は、ぜんぜんスペルが違うんですけれども(笑)。病院などでも、90パーセントくらいは(間違えられます)。ふりがなを振っておいても「原田大輔(はらだだいすけ)さん」と呼ばれるんです。そんな名前なのですが、ぜひ覚えて帰ってください(笑)。

理想のオフィスを具現化するお手伝い

私はオフィスの提案営業をしています。働く場であるオフィスについて、みなさんが「理想のオフィス」だと思い描くものを具現化するような、そんな提案をずっとさせていただいています。

私どもの会社はウエダ本社と申しまして、今年で80周年を迎える会社です。「働く環境の総合商社」ということで、独立系のディーラーとして京都でずっと事業をさせていただいています。

場所は、京都タワーからほど近い五条通で南と北にございまして、今は北のビルのみで営業活動をさせていただいています。

今の南ビルは、2011年ごろにリノベーションをさせていただいて、SOHOのビルとして運営させていただいているところです。我々の働いているオフィスは、一応こんなかたちでオフィスの提案営業をさせていただいていることもあり、ちょっとおしゃれで、小綺麗にさせていただいています。

我々社員が、理想の働き方や理想の働く場について、1年間かけて考えまして、生まれたのがこのオフィスになっています。いつもライブオフィスとして使っていますので、またお近くに寄られた際は、お越しいただけたらなと思います。

先ほど中小企業と申しましたけれども、我々の会社は30人くらいの規模ですので、中小企業といってもどちらかといえば「小」のほうかなと思っています。実は80年の歴史があるんですが、ずっとこの人数でやってきたわけではないんです。

もともと株式会社ウエダ本社という、今でいうところのホールディングスがあって、子会社もいくつかございました。文具の卸からスタートしていまして、そこでは事務機器を販売している会社であったり、オフィスの提案ということで、工務店さんの下請けに入って内装工事などの商売をさせていただいたりしています。

このように、多種多様で幅広い営業提案をさせていただいていました。ただ、2003年ごろにちょっとした煽りもありました。それによって統廃合が行われ、現在の30人規模の1つの会社になったと(いうことです)。

アカウントを取った後、1年眠り続けていたkintoneを起こす

子会社がいろいろ集まって1つの会社になったものですから、多くの課題が出てきました。

(スライドを指して)それがこういった課題です。「ちゃんと引き継げていない」とか「誰がなにをやっているかわからない」みたいなことですね。あと「俺は忙しいけど、あっち暇そうだな」みたいな(ものもありました)。そんな課題がもう、山のようにありました。

要は、仕事が完全に属人化していたんですね。よくお客さんから「(御社は)本当に個人商店の集まりだね」みたいに言われている時期がございまして、これはなんとかクリアしないとまずいよねということになりました。みんなが違うことを進めていてもコミュニケーションを取って、1つの方向性に向かって仕事をしないとだめだよねということで、kintoneを導入することにしたのです。

最初は、うちのトップに「導入してはどうか」とトライしてみたんですけれども、結局アカウント取って1年くらいは、ずっと寝かせた状態でいました。

その間に、私は一応リーダーみたいな役割になったのですが、それまで旗振り役がいなかったこともあって、(kintoneを導入しても)うまくいかなかったのかなと(思います)。

今年の4月なんですが、経営企画に欠員が発生しましたので、中途で人を採用しました。そこで「うちはこんな会社です」というものを見せたときに、言われた一言がこれです。「顧客情報、どうなってんのかさっぱりわかんないっすね」。

まさに今、そこが大きな課題だったんですけれども、これまでほったらかしにしていたのです。

「これはいかん」ということで、中途採用した森島君と2人で、再度kintone導入のチャレンジをすることになりました。

顧客情報という重要な資産を、きちんと活かしたい

こうしてチャレンジがスタートしたんですけれども、なにから始めようかと(いうことになりました)。僕もITリテラシーは低いですし、森島君も別に、もともと前職でシステム担当だったというわけではありませんでした。

そこでまずは、「kintoneをどう使うか、目的からちゃんと定めようよ」ということで、なぜ使うのかを、現場レベルでいろいろ精査していきました。

その中で、先ほども出ましたけれども引き継ぎミスが発生していたり、案件共有ができていないといった課題がありました。各々で役割がいろいろございますので、本当になにをしているかわからなかったんです。

片一方ではコピー機を売っている、片一方では工事の仕事をしているみたいなかたちで、誰がなにをしているかがよくわからなかったので、まずは共有をしようよとなりました。また、顧客情報が管理できていませんでしたが、そこが一番の資産じゃないのかということで、顧客のビッグデータみたいなものを作って、そこに全部の情報が紐付くようにするのを目的としてアプリを構築していきました。

(スライドを指して)こんなイメージですね。顧客のリストが真ん中に来て、日報や担当者リスト、案件、さっきお話ししたコピー機リストなどが、全部紐付くかたちになっています。見た目はどこにでもあるようなものですが(笑)。(kintoneを)使われている方でしたら、たぶん「ちょっとしょぼいなあ」と思われるかもしれないですが、このようなかたちで使っていました。

この顧客リストですが、住所、URL、締め・支払日など、お客さんの情報を全部蓄積して使っています。どのようにして紐付けをしていっているかを、ちょっと今からご説明させていただこうかなと思います。

日記、名刺、コミュニケーションの改善

例えば、先ほど内装工事と言いましたけれども、うちには設計部隊や、内務のサポート部隊などがあります。営業が外出しているときに、それらの部署とリアルタイムで連携が取れるように、コメント行をけっこう使っています。

ここからは紐付けです。まず、担当者リストアプリみたいなところですね。これはなにかというと、ただ単に交換した名刺を入れていくだけで、会った顧客に全部紐付いていくというものです。もともと違うソフトを使っていたんですが、それもお金がかかるということで、いまは単純にスキャンしたデータをここにどんどん蓄積していくかたちで使っています。

名刺も個々で管理していたため、その人が辞めてしまったら、それまで誰と会っていたかがわからなくなっていたんですね。引き継ぎのときには、そういうことが多々あったんです。それが、いまではすぐわかるようになっています。

続いて日報です。サイボウズさんにもお聞きしたんですけれども、kintoneを使われている方にとって、一番メジャーなものかなと思います。私たちも、もともとは「サイボウズOffice」で、スレッド形式でずっと日報をつけていました。「気付き」と呼んでいましたけれども、スレッド形式なので、見られるのはその日だけなんです。

振り返りも一切できず、ぜんぜんうまく使えていなかったため、kintoneできちんと日報のアプリを作って、顧客ごとに日報が紐付くようにしました。例えば、「今日はこういうことがありました」と書いて紐付けておくと、そこを上長が見たときにしっかりとフォローできる仕組みで、いまは使っています。

リストの重複をなくし、案件管理も共有する

我々は個人商店の集まりだったというところがミソなんですけれども、これまでにいろんなメーカーさんとの取引がございまして、コピー機もリストがいっぱいあったんです。メーカーごとのものや個人で持っているもの、特価キャンペーンなどのときのリストというかたちで、けっこうリストが重複していました。それを一元管理して、きちんとお客さんに紐付けました。

続いて案件管理です。これも先ほどの課題のところで述べましたけれども、けっこう属人化していたんですね。案件も、誰がなにをしているかわからないとか、設計の人間と営業の人間がどう絡んいる(のかわからない)とか。あとは、営業同士でも、若いメンバーとベテランメンバーとで、どういう案件を一緒に担当しているのかなどがぜんぜんわからない状態だったため、そこをわかるように一元管理して、かつお客さんに紐付けました。

案件を、お客さんごとに見ることができる。よって、引き継ぎや営業戦略を立てる際にも、お客さんを見て「こういう案件があったんだね。じゃあ、次はこういうアクションをしていこうよ」みたいな話ができるように紐付けていきました。

次にイベントです。けっこう自社セミナーを開催しているんですが、「お越しいただいたお客さんを、きちんとプールしていこうよ」ということで、これもデータが紐付くようにしています。

新人もベテランも同じ土俵に乗せる

当初目的としていた顧客リストは、一応これで完成したんですけれども、完成したら、また欲が出てきまして(笑)。「営業の行動も管理したいよね」となりました。「お客さんだけ管理しても、営業をきちんとコントロールしないとだめだよね」ということで、営業管理もスタートさせていきました。今は、質と量を見える化しています。

例えば、日報で商談や現地調査を紐付くようにして、それごとにポイントを振り分けて、誰がどれだけ動いたのかをわかるようにしています。最初にお話ししたように、みんながバラバラに活動していましたので……若手でしたら、セミナーの案内だけを持って1ヶ月過ごしてしまったとか、逆にベテランさんでしたら、納品でずっと詰まっているといったことですね。

このように、けっこう行動がバラバラになるため、それを同じ土俵に乗せるためにポイント制を敷いて、いまの営業管理というかたちにしました。これも全員、キャリアや役割に関係なく、一律化しています。競うのではなく、コミュニケーションをもっと取って、「困っている人を助けるように営業も活動していこうよ」ということで実施しています。

我々は(営業の)人数が少なくて、30人の会社で営業は10人くらいなんです。あとは営業サポートや、設計など。人数が少ないので、もっともっと連携して、コミュニケーションを取って、営業活動を発展させていかないとだめですよということで実施させていただきました。

システム導入の壁となる「構築」がスムーズなkintone

ここまでが、kintoneを使って取り組んでいることなんですけれども、たぶん今日来られたみなさんや、もう使われている企業さまにとっては、「そんなに大したことないかな」と思うかもしれません。実は、ここからがお伝えしたいところなんです。kintoneは構築して終わりではなく、ここから始まるということに気付きました。

kintone構築も、特にシステムエンジニアがいたわけではありません。私はITリテラシーも低いですし、(システムの)構築なんて一切できないんですけれども、それでもできました。「それはなぜか」についてお話ししていきたいなと思います。

まず、kintoneはこういうサイクルで回っているなということに気付けたというところがあります。なにかというと、作っていく際に、そのプロセス自体で業務の見える化ができたんです。中小企業は、そこがおざなりになっていることが多いです。まず、業務整理ができていないケースが非常に多いかなと思います。我々もそれに気付いて、実際に見える化をしていきました。

先ほどのように、営業管理など新たな課題にぶつかって、それをマイナーチェンジして、実際にアプリ化していくというかたちで、いい循環にはめていけるんです。現場レベルで「もっとこうした方がいいんじゃないの?」ということがあれば、すぐ変えることがでれる。こういうシステム導入の壁は、たぶん構築の部分になるかなと思うんですけれども、今回その構築の部分が一番スムーズに進んだというところが、kintoneのいいところかなと思います。

この構築をどこかのシステム屋さんに頼んだとして、それで「ああ、ちょっとここ違うな」と思って、「変えてください」という話をしたら、またいくらか(費用を)要求されたりしますよね。そういうのがなくとも、やはり時間がかかってしまったりするので、なかなかうまく運用していけない印象です。

中小企業の場合、それで業務が止まってしまうといいますか、なかなかうまく回っていかないんです。kintoneはそれを内製化することで、ずっとぐるぐる回していけるので、そこが一番のメリットかなと(思います)。

先ほど申し上げたアプリ以外にも、いまは新しいアプリを増やしています。

例えば、仕入先がすごく多くて、新人が入ってきたときにどこに頼んでいいかわからないというのが、1つの課題としてありました。それをリスト化することで、そのリストを見れば「どういう商品を売りたいの?」「複合機だったらここに何個かあるから、声かけてみたらどうだ?」と言うことができたりします。

あとは、プロジェクト管理です。こちらも、仕入先やパートナーと進めていることがたくさんあるんですけれども、属人化していました。案件管理と同じですね、誰がなにをやっているかわからないということで、こちらも見える化しました。

最後の実績管理ですが、これは営業管理から飛躍して、さらに数字を全部紐付けていこうというものです。実は今月からトライするんですけれども、売上数字を全部顧客ごとに紐付けて、営業ごとにも紐付けるというものです。半期を振り返ったときに、どこのお客さんでどれだけ売上があったか(がわかり)、でも活動を見たら「工数としてすごく多いよね」ということもわかったり(ということで)、そういった営業戦略をどんどん立てていこうというのが、いま考えているところです。

kintone導入のコツは「やりたい感」になること

最後になりますけれども、今回お伝えしたいことは正直ここだけです。kintone導入のコツは「やりたい感」になること。

今回のCybozu Daysのテーマは「楽しいは正義」ですけれども、本当に楽しむことがkintone導入の一番のコツかなと思います。

最初、導入に失敗したときは、トップダウンで「誰がやるの?」という、やらされ感だったのでうまくいかなかった。でも考えてみたら、kintoneを使うのは、社長ではないですよね。現場の人間が実際に使って、回していって、自分たちの働き方を考えて、自分事にしていく。だから意味があるという、そんなツールになるのかなと思います。

導入を考えている方がいらっしゃいましたら、まず、なにをしたいかです。「自分たちの仕事をもっとこうしたい」「この課題をクリアしたい」という、その熱量が必要かなと感じます。我々もオフィス設計をさせていただいているので、お客さんのところでもけっこうお話しするんですけれども、周りを巻き込むこともなかなか大変なんですよね。

社内には変化を嫌う方もいるので、どう巻き込むかが旗振り役の使命かと思います。今回の私のプレゼンで、1つ持ち帰っていただけるのであれば、kintone導入の際は「やりたい感」を感じて楽しんでいくこと。それを持ち帰っていただけたらなと思います。

以上でプレゼンを終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

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