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株式会社ポーラ(全1記事)

2018.07.17

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シナプス型展開でイノベーションを創造 kintone活用によるシンプルワークの勧め

提供:サイボウズ株式会社

2018年6月14日、新木場 STUDIO COASTで「kintone hive tokyo vol.7」が開催されました。kintone hiveは、日常の業務でkintoneを活用しているユーザーが一堂に会し、さまざまな業務改善プロジェクトの成功の秘訣を共有する場です。本パートには、株式会社ポーラTBエリア統括部の伊藤祐輔が登壇。同社がkintoneを活用して展開する、シンプルワークのノウハウを紹介しました。

シナプス型展開でイノベーションを創造する

伊藤祐輔氏:それではさっそく始めさせていただきます。トップバッターを務めさせていただく株式会社ポーラの伊藤と申します。よろしくお願いいたします。

みなさんこちらの数字は何を表していると思いますか? 少し考えてみてください。

では答えをお伝えさせていただきます。こちらは、私たちが年間で行っている情報処理の複雑度を表しています。

どういうことか? 具体的に方程式にしてみました。こちらは弊社の調べなのですけれども、1日平均400程度の情報を与えられます。そしてどこかに取りに行きます。取りに行く先、与えられる場所が約16ヶ所。そして1年間の稼動日数を241とした場合、先ほどの154万という数字が出てきます。

要するに、私たちは実際にそれだけ複雑な情報処理そして判断を実際に行なっているということがわかっていただけたのではないでしょうか。そこで、私たちはこのように考えました。kintoneというシステムを使って入手先数を1ヶ所にするとどうなるか。そうすると、96,400。複雑度が94パーセントカットされるかたちになります。

我々は無意識のうちに先ほどの154万という複雑な判断をやってしまっています。これが怖いところです。みなさん意識して「この情報はここに取りに行かなければいけない」と毎回頭で考えてないですよね。無意識にやっているはずです。

それは無駄ではないですか? この94パーセントの無駄な隙間があるのであれば、もっとクリエイティブな仕事そしてイノベーティブな仕事に充てませんか? 

我々は今、そのような思いで複雑なことをシンプルにする改変を行っていこうということで、kintoneというシステムとパートナーを結ばせていただいています。

シンプルワークの展開コンセプト

在りたい姿としては、「誰でも」「正しくわかりやすい」「いつでもどこでも」「手軽に簡単に」の4つの要素を基本にして、シンプルワークの提案を行っています。

こちらは展開のコンセプトです。kintoneから生まれる多様・多彩な人のツナガリからイノベーションが生まれ、新しいミライを切り開く。私たちは、これをコンセプトにしてkintoneとともに歩んでいる最中です。

今日私がお話しさせていただく内容は、アプリの機能だったり、アプリで成果が出ましたという話ではありません。

どのように人のツナガリを作り、イノベーションが起こせる環境・働き方を作るか。その展開について少しでもみなさんのご参考になればと思い、お話しさせていただきたいと思っています。

それではここからはシステムの展開の話をさせていただきます。この中で、情報システム部の方はいらっしゃいますか?

(会場挙手)

ありがとうございます。その方々は共感していただけるかなと思うのですけれども、従来のシステムの展開はウォーターフォール型、トップダウン型とも言いますが、その展開が基本ではないでしょうか。弊社も今までずっとその展開を行ってきました。

ウォーターフォール型の問題点は、組織、階層、部署、チーム、人(という横のツナガリが)が増えれば増えるほど、末端に行けば行くほど情報の量と質が低下しくという課題が実際にあります。

みなさんの中で、「こんなに良いシステムなのになぜ報われないのだろうか? もっと使ってもらえないのだろうか?」というシステムが企業、会社の中にありませんか?

弊社にも実際にあります。私は営業部門に所属しております。なぜそれが使っていただけないのか? 自分自身の所感と周りの方の意見を聞いて、ひと言で表すと、「ワクワクしないから」、ユーザーの期待に添い切れてないからかなと思います。

企画・運営・メンテナンス体制の課題と解決策

具体的にどういうことかというと、コンテンツが古いままになってしまっていたり、時代に合わせてコンテンツが増えたり、ブラッシュアップされていきにくい。

いらないものが残って、いるものが霞んでしまう。そしてちょっとした改修にコストが大きくかかってしまう。このようなことがきっかけで、報われないシステムが生まれていくのではないでしょうか。

だからこそ我々は、進化し続けられる、ワクワクするシステムを作ろうと考えました。要するに、常に新しいコンテンツが湧き上がっている。そこに行けば、時代に合わせて欲しいものがある。

いらないものはなくなって、いるものだけが残る。そしてコストが最小限で済むシステムがあったら、みなさんワクワクしませんか? 我々は、そんなシステムを作っていこうと考えております。

その中で問題となったのが企画、運営、メンテナンスの体制です。これを今までの情報システム部が全部やるのではなく、課題を持って何かを変えたいと思った人、気づいた人たちがかたちにできます。

イノベーションをかたちにしたいという人たち全員が、作成者であり管理者でもある。そのような体制が作れたら、常に進化し続けられて、ワクワクできるシステムになるのではないかと考えました。

浸透期のカギはキラーコンテンツ

それを実現するのが、シナプス型の展開です。今、シナプス型の展開を実施して3年が経ちました。はっきり言って、このシナプス型展開はトップダウン展開に比べて時間がかかります。なぜなら、一瞬の打ち上げ花火ではなく、組織や文化を作っていくことになるからです。

私たちは2つのフェーズに分けて展開していきました。1つ目は浸透期。2つ目は展開期です。

1つ目の浸透期のノウハウをみなさんにお伝えさせていただきたいと思います。ポイントはどのようにキラーコンテンツを作るか。ここにかかっていると思います。

最初は日報アプリという、マネジメント層と従業員をつなげるアプリから始まりました。まずここでお伝えしたいことは、このアプリでどうつながったかということではなく、実際にkintoneのシステムを作るにあたって、試行錯誤してどんどん動かし始めたということです。

そうすると、強みや弱みがわかってきて、「こんなことができる」「あんなこともできるかもしれない」「今までできなかったこれができそうじゃないか?」ということを実際に肌で感じながら、驚きと感動を体感させてもらう時間でした。

「(シナプス型の展開を)もっと広めたい」と思った我々は、以前から営業部門のニーズとしてあった、「営業先で iPhoneを使って必要な情報を全部手に入れたい」ということを実際にかたちにしようと思い、「P-Library / P Learning」という、営業に必要な情報を一元化して、すべて格納するアプリを作りました。

1つ失敗談があります。ニーズをもとに「作ってみようよ!」と思いつき、情報システム部の2人で勝手に(アプリを)作って、展開してみました。すると、最初は誰にも使われず、アクセス数がぜんぜん伸びないということが起こってしまいました。

なぜかというと、誰にもどこにも告知をしていなかったためです。

すごく初歩的なことかもしれませんが、シナプス型の展開をするにあたって、告知をどのようにしていったらいいかということはすごく大きな課題です。

2つのことをしました。1つは、アプリの内容を新しく更新したら「最新の情報だよ」という通知を入れること。もう1つは、教育部門と連動することで、口コミを広げるという仕掛けを行いました。

それをすることによって、社内でどんどんkintoneの存在に気づいてもらうことになり「ここに行けば、なんでもある」という弊社のkintoneのブランディングが完成していきます。

展開期のポイントは驚きと感動の共創

続いて、展開期のポイントは驚きと感動の共創です。私たちはよく打ち合わせで作りたいもの、実現したいものを、その場で作ってしまいます。

そうすると、その場ですぐ使用してもらえます。そうすると必ず、「こんなことできるの!?」「こんなに早くできちゃうの!?」という声が上がってきます。

この声がもらえたら勝ちです。なぜなら次につながるからです。先ほどはユーザーとしての口コミを話しましたが、今度は作成者側の口コミを広げていきます。

「次もお願いするね」「kintoneだったらできるって聞いたんだけど」「kintoneをちょっと使ってみたい」という依頼が勝手に入ってくる仕組みがいつのまにかできます。

このようなかたちで、実際に弊社の化粧品を中心とした商品情報アプリは、営業が必要な情報をすぐ見れるように作り込んでいます。

今の最大の課題としては、作成者が足りていません。口コミで広がりすぎて依頼のほうが多くなってしまっています。今はそんな状況になるまでこのkintoneが浸透し、そして展開されています。

複雑、不確実、曖昧、ドラスティック。そのような変化する社会の中で、選ばれ続ける企業になるためには、従業員・人が変化し続けなければいけないと思います。

大切なのはイノベーションを起こし続けることです。

だからこそ、私たちはあえてシナプス型展開をもとにシンプルワークを目指していきたいと思います。

すべての従業員が誰でも、いつでもどこでも、正しくわかりやすく、手軽に簡単に。これを実現するための環境をkintoneとともに歩んでいます。それを実現できるのがkintoneなのです。

人と組織には無限の可能性があると思います。それを引き出してくれるものがテクノロジー。そしてこの生き物のようなkintoneなのではないでしょうか。

まだまだ我々は発展途上です。これからさらにkintoneとともに歩みを進めてまいりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

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