今回は石破茂議員と、関西をウォッチング

大西宏幸氏(以下、大西):みなさん、こんにちは。第10回CafeSta「関西人!俺にも言わせろ!」の時間がやってまいりました。司会者は、自民党ネットメディア局次長、衆議院議員、大西宏幸が務めさせていただきます。

この番組は、関西と縁のあるみなさんをお招きをして、いろんな角度から関西をウォッチングする、なんでもありの愉快な番組でございます。

今回の放送では、前地方創生・国家戦略特区担当大臣を務められました、石破茂衆議院議員をゲストとしてお招きをいたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

(会場拍手)

石破茂氏(以下、石破):どうも。よろしくお願いします。

大西:ありがとうございます。ここではいつもゲストのご挨拶なんですけれど、なしということでございまして。

石破:なし。

大西:みなさん知っていますので、ご紹介だけをさせていただきます。石破茂先生は、鳥取県の出身で、慶應義塾大学法学部を卒業。慶応ボーイですよね?

石破:悪かったね(笑)。

大西:いやいや(笑)。慶応ボーイって感じ……なんですね。

石破:するでしょ?(笑)。

大西:さようでございます。

卒業後、三井銀行に入行されました。自治大臣のお父様、二朗先生の死去されたのちに、父の盟友だった田中角栄先生から「お前が父親の意思を継げ」と勧められ、政界入りを志されました。

1986年、第38回衆議院議員総選挙で自由民主党公認、鳥取県全県区で初当選。おめでとうございます。以後、小選挙区になっても、相手に比例当選を一度も許さずに10期連続当選をされました。すごいですね(笑)。

平成4年に農水政務次官を皮切りとして、防衛庁長官、防衛大臣、農林水産大臣、自由民主党幹事長、地方創生担当大臣などを歴任をされました。各分野で論戦を戦い続け、農林水産や外交、安全保障のエキスパートであり、防衛オタクとも言われております。そして、高校から続く、キャンディーズの大ファン。これはご本人も認めていらっしゃいますが、鉄道オタクでもあります。

大西との関わりです。僕、6年前に参議院の比例に出させていただきまして、落選しました。そのあとに開催した勉強会で石破茂先生にお越しいただき、講師を務めてもらったのです。合わせて2回ほど来ていただいたわけでございます。

僕自身、当時は先が見えない、肩書きもない落選政治家でした。そんな僕に手を差し伸べていただいたこと、一生の恩義です。忘れません。本当にそのときは、どうもありがとうございました。

石破:忘れちゃいかんよ(笑)。

大西:はい。ありがとうございます(笑)。

石破氏と、たこ焼きフリートーク!

それではCafeSta名物、たこ焼きフリートーク! 

(一同拍手)

大西:大阪のソールフードであるたこ焼きを食べながら、質問コーナーいきます。

石破:これはどこのたこ焼き?

大西:たこ昌のたこ焼きです。「たこ昌のたこ焼き♪」というCMソングで有名な、たこ焼きなんですよ。

石破:これさ、1つひとつを竹串で突くんだよね。絶品なんだよね。これ、ワインだよ。日本酒も合うけど、これはワインだね。

大西:大阪では、たこ焼きを食べながらビール飲んでお酒を飲む「居酒屋たこ焼き」が意外とそこらへんにあるんですけれど、東京でもだんだんと増えてきているそうです。では、いただきます。

石破:食べとる。

大西:はい。おいしい!

石破:串かつは?

大西:あ、大阪は串かつも有名なんですね。

石破:そう。「だるま」の串かつですよ、串かつ。

大西:あ、上山(勝也)会長、うちの地元なんですよ。

石破:ああ、そう。

大西:はい。上山会長の串カツ店・だるまの串かつを今度。

石破:あれはビールだよ。だるまの串かつとビールですよ。

大西:僕は串かつ食べるとき、生ビールより瓶ビールのほうが好きですね。

石破:僕はね、サッポロの黒生が一番好きでね。

大西:あ、黒生ですね〜。いいですね~。僕はハーフ&ハーフも好きですね。

石破:またシャレたことを。

大西:だるまへご飯食べたり、飲みに行ったりするんですけども。上山会長は、おもしろいおっちゃんなんです。大阪ではあちこちに人形がありますので、また大阪来たときには、串かつのだるま、食べに来てください。

石破氏「大阪風のお好み焼きが好きだった」

それでは、改めまして質問コーナーに移らせていただきます。石破先生、何問か質問しますので、どうぞお答えください。

今、たこ焼きを食べていただきましたけれども。大阪の思い出話、例えばお好みやたこ焼き、思い出のお店がありましたらご紹介してもらいたいのですが。

石破:僕は鳥取で育ったので、大阪の経済圏なわけですよ。鳥取は、大阪の影響がけっこう強いんです。お好み焼きが、とにかくおいしかった。大阪の味。昔は広島のお蕎麦を入れたお好み焼きと、大阪風のお好み焼がだいたいセットになっていたんですよ。

僕はとにかく大阪風のお好み焼が好きで、土曜日の中学校の授業が終わった後、お好み焼きを食べる。本当は校則で食べちゃいかんのだけど(笑)。

大西:(笑)。

石破:これを食べるの好きだったね。だから、大阪というとお好み焼きだよなーというのがあります。

大西:ありがとうございます。

石破:国会議員になってから、「串かつ食べたいなー」と思いながら、なかなか誘ってくれなくて……。

大西:いやもう今度、地元の通天閣下の串かつ街で1回。

石破:あそこで、串かつを食べてビール飲んで、おっちゃんやおばちゃんと議論したら楽しいだろうね。

大西:楽しいでしょうね。大阪の新世界に「ジャンジャン横丁」というところがありまして、昔は本当に正直言って汚かったんですけど、今はデートコースになるほどきれいになっておりまして。

石破:ああ、そう。大阪のデートは気取らないからいいよね。

大西:あ、気取りませんね。確かに。

石破:「最初はフランス料理で」「イタリア料理で」なんてことがなくて。

大西:ありませんな。大阪では(笑)。

石破:いきなりお好み焼き。ホルモン焼き。これがいいですよね。

大西:ガツッとビールを飲んで、ガツッと食うと。どて焼きもおいしいので、またよかったら、よろしくお願いします。

通天閣にも、いろんなお店ごあります。先ほど言っていた串かつもそうなんですけど、たこ焼きもお好み焼きも、あの地域で生まれたモツ鍋屋さんもあります。大阪圏の中心の食文化が、通天閣や大阪周辺から発生していますので、またよろしければ一緒に行っていただいたら。

石破:そういうところで、「普通のおじちゃん、おばちゃん、兄ちゃん、姉ちゃんたちはなにを考えとるんだろうね」という話をするのは、すごく大事なことだと思うんですよね。

大西:それはそうですよね。

石破:僕もあっちこっち行くんだけれど、やはりそういうところで、串かつ、たこ焼き、ホルモン焼き、ビールとともに、本音で話をするのが一番いいと思うんですよ。お互いに気取っていてもしょうがないしね。

大西:そうですね。

石破:大阪は、気取らんところがいいんだからね。

大西:もうお昼くらいから酒を飲んで、串かつを食べていますんで。お昼、仕事の意味でお酒を飲みながら、そういう議論もするということで。

石破:仕事で飲むのは大事だよ。

大西:大事ですよね。おっしゃるとおりでございます(笑)。大阪はセーフということで、はい。

昭和30〜40年代の街を走っていた車種を網羅

次の質問です。石破茂先生自身、得意分野がすごく多いんですけれど、そのなかで、「こういう得意分野、実は言ってないんだけど、大好きなんだよ」はありますか? また、一番の得意分野はなんでしょうか?

石破:だいたいみんな知っているでしょう。プラモデル、アイドル、軍事、鉄道、自動車、飛行機、あとカレー作りね。

大西:あの……あとで聞きます。ゲルカレー(茂カレー)ですね(笑)。

石破:そう言われると食べたくなくなるんだけど(笑)。なにしろ「これだ!」と決めたら、とにかくこだわる。

大西:車は、僕も初めて聞きました。

石破:ああ、そうですか。それは大西さんとは、歳が違うからね。昭和30年代、40年代の街を走っている車、これの車種をすべて言えます。

大西:すごいですね。それ(笑)。

石破:それはカローラだけで決めちゃダメなんですよ。「これはカローラスプリンター」「これはカローラレビン」「これはスカイラインだけど、1800と2000はなにが違うか」「ブルーバードでも、SSSとそのほかはなにが違うのか」とか、すべて微に入り細にわたって「この車なんだ」と言っていたので、うるさい子供だったと思いますよ。

大西:小さいころからそういう感じだったんですね。あと、プラモデルはご自分でもうずっと作って……。

石破:これは小学校のときからずっとやっていて、もうとにかく……。

その時々でマイブームみたいなのがあったんです。ずっと戦車に凝っているかと思ったら、次は軍艦。その次は飛行機で、その次が自動車。だいたい凝る時期が決まっていたんですけれどね。

趣味のプラモデルを外交に活かす

やはり、防衛庁長官になって日本のいろんな護衛艦や戦車、あるいはロシアの国防大臣と話をするときにはロシアの戦車や航空母艦とか。なかなか出回っていないんだけどね。そういうものを、徹夜状態で作るんです。

大西:手に入れて、ご自分で作る。

石破:そうそう。例えば、ロシアの国防大臣が来て、日本の防衛庁長官室にアメリカの船しかなかったら、なんとなく「俺、なにしに来たんだろう」みたいなところあるじゃないですか。

大西:それはそうですね。

石破:苦心惨憺、そのロシアの航空母艦のプラモデルを手に入れて、ロシアの国防大臣が座ったときに見えるところに置いておくわけですよ。

大西:うわー、それは、おもてなしですよね。

石破:そうすると、「おー、俺の国の航空母艦!」となります。例えば、アメリカの第7艦隊の司令官が交代したとき、挨拶に来るタイミングで調べて、彼が乗っていた船を置いておく。

大西:乗艦していた船を調べられて。それはうれしいですね。

石破:挨拶は奥さんと一緒に来るので。奥さんに「これは俺が乗ってた船だよ」と伝えてみたり。そうやって「こいつと話したらおもしろいだろうな」という環境を作っていかないと、話が通り一遍になっちゃうわけですよね。

大西:おっしゃるとおりですね。

石破:だから、話し合う内容はものすごいシリアスなんだけど、そういったとき、「こいつとだったら、話したら楽しいよな」という状況を作っておいて、会談をきちんと実のあるものにする。

あのころは北朝鮮の情勢が非常に厳しかったんですよ。また、ミサイル防衛を日本とアメリカが共同研究・共同開発するかですごく厳しい状況だったんですね。イラクに自衛隊を出す・出さないの判断もすごく厳しいときだけに、本音の話ができる環境を作るのは大事なことだったと思いますね。

大西:おっしゃるとおりですね。もうすごいですね。ほかにも、石破先生と同じことをしている先生はいらっしゃるんですかね。

石破:う~ん……それは知りません。

大西:いらっしゃらないんじゃないですかね。

石破:防衛庁長官のとき、中国の国防大臣と何度も会談もしましたけれど。相手は僕の好みなどについて、徹底的に調べていましたね。

大西:調べているんですね。

石破:もちろん、中華料理でおもてなしなんだけど、最後はカレーが出る。

大西:外交の基本ということ?

石破:基本というかね、国益も違えば主義主張も違うわけですよ。でも「こいつとだったら話ができる」という環境を作るため、スタッフたちが一生懸命考えるんですよね。

例えば、中国やロシアになると、相手の個人情報を調べること自体がなかなか難しいんですよ。でも、総力をあげて調べる。飼っている犬はどんな犬で、名前はなんであるか……とか。そういう話をすると「この日本の大臣は俺のことをそれだけ調べてくれたんだな」と感じるあるわけですよ。

大西:心が通じ合うということですよね。

石破:うん。だからこそ、正面からぶつかって議論もできるんだ思うんですね。