2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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高橋伸太郎氏(以下、高橋):お待たせしました。ここからは、後半のパートということで、空撮コンテストに関する概要の発表と、パネルディスカッションに入っていきます。
実際にパネルディスカッションに入る前に、今回のシンポジウムの目的の1つでもある「Drone Movie Contest」について、概要を説明させていただきます。
デジタルハリウッド ロボティクスアカデミーにおきましては、先ほど、学長からの説明がありましたとおり、「まずドローンを安全に飛ばすための教育プログラムをやっていこう」というところからスタートしています。
そして来年度(2016年度)は、次のフェイズとして、より上級レベルのコース。具体的にいうと、空撮コンテンツ、映像コンテンツに関する教育プログラムを拡大していきたい、という計画を立てています。
その流れの一貫として、2016年3月に、幕張メッセにおきまして『ジャパン・ドローン2016』を開催する予定です。そのなかの企画の一環として、デジタルハリウッド ロボティクスアカデミーと、日本UAS産業振興協議会JUIDAの共催というかたちで、このコンテストを進めていきます。
Webサイトのほうで、詳細の概要が出ています。こちらの概要のところで「空撮に関する映像コンテストとしての可能性」、そして「なぜ今回コンテストを開催するのか」という説明をさせていただいています。受賞内容に関しては、後日改めてご説明させていただきます。
応募方法に関してですが、基本的に対象は動画になります。「無人航空機、ドローンで撮影した3分以内の動画作品」「作品時間の50パーセント以上、ドローンで撮影している」というものが対象になっています。
審査基準に関しては、主なところは、JUIDAの安全ガイドライン、航空法に基づいて撮影を行っているということです。もし海外からの作品があった場合は、現地の政府の方針に基づいて撮影して、提出いただくことを想定しています。
ジャンルに関しては、今回、問わないかたちにしています。応募者の自由な発想をいただいた上で、審査するかたちになります。
審査員に関しては、正式にはまた後日発表することになりますが、予定としては、JUIDAの役員の方、そして杉山学長、ORSOの坂本さんには、審査員としてご協力いただくことを想定しています。
主催はデジタルハリウッド ロボティクスアカデミーとJUIDAというかたちで進めていきます。このコンテストの内容に関しては、複数回に分けて概要を発表していく予定です。今回は「コンテストを行います」という発表を中心に説明させていただきました。
次に具体的に告知する段階では、応募方法についての説明を行い、年が明けた段階で、受賞した場合の副賞などについて、今後のプロセス、ファイナリストの表彰方法などについてもご説明できればと考えています。以上が空撮コンテストに関する説明になります。
この話を踏まえた上で、パネルディスカッションに入っていきたいんですけれども。
まず杉山先生にお聞きしたいのが、デジタルハリウッドの場合、今まで約20年にわたって、映像作品であるとか、CG、ムービーなどの教育活動を行ってきました。今回、新たに「Drone Movie Contest」をJUIDAで共催する意義、「どういった作品が集まってほしい」という期待がありますでしょうか?
杉山知之氏(以下、杉山):すでに国内でも、非常に多くの方が空撮されていると思います。いろいろ見ますけど、「試しに撮ってみた」っていうものが多いんです。けれども、今回「3分」ということと、そのなかで「半分以上が空撮」という規定のなかで編集をしていただいて。
作品として、「空撮って、こんなに素晴らしいんだな」というのを含めながら、なにかのイベントの紹介でもいいですし、地元の紹介でもいいですし、なにかコンテンツとしても意味があるかたちでまとめていただいて、「ドローンによる空撮がある映像の良さ」を広める。
または、コンテストをやることによって多くの方が競い合うわけですから、全体的に空撮をやっている方々のレベル向上に寄与すると思うんですね。というのは、我々、CGであるとか、ショートムービーであるとか、いろんなコンテストをたくさんやってまいりました。
「コンテストを継続していくと、全体のレベルが上がっていき、裾野が広がる役目が果たせる」というのが、20年以上やってきてわかっています。ドローンの映像に関しても、そういう役割をさせていただいて。コンテスト事務局をやるのに慣れているので、我々がやらしていただこうと。そういう感じです。
高橋:ありがとうございます。
高橋:続いて、鈴木先生におうかがいしたいと思います。鈴木先生はJUIDAの理事長として、また研究者として、日本の無人航空機産業であるとか、航空産業、研究者の視点からずっとリードされてきたわけですけれども、今回の「Drone Movie Contest」のように、国内でこういったコンテストやるのは初になるわけです。
海外では、ニューヨークのドローンフェスタの事例であるとか、ナショナルジオグラフィックの事例がすでにあるんですけれども、日本国内においては、こういったコンテストをやることによって、無人航空機産業の発展に「こういう点が効果がある」というのを期待しているというのはあるのでしょうか?
鈴木真二氏(以下、鈴木):ドローンによる空撮、ムービーの撮影は、もうすでに我々、いろんなところで見てるわけなんですけども、「ドローンで撮った」ということをあまり意識せずに映像が流れてるシーンが多いと思うんですよね。
今日は「あ、これはやっぱりドローンでしか撮れないね」というのを見せていただいて、すごく感動したわけなんですけども。ですから、やっぱり「ドローンで撮った」ということをもっと表に出して、こういうコンテストを通して、ドローンの有効利用というか、価値をみんなで認識できるようになっていく。
そういう意味で、こういったコンテストは素晴らしいと思います。JUIDAとしても、これを支援したいと思っております。
高橋:ありがとうございます。
高橋:今の杉山先生、鈴木先生のお話を踏まえた上で、今回ORSOの坂本さんには、認定スクールの実技レベルの講師と、今回のコンテストの審査員についてもお願いするわけになるんですが。このコンテストに「どういうような作品が集まってほしい」という期待であるとか、「こういったコンテストを開催する理由」について、どういったふうに考えているか、うかがってもよろしいでしょうか。
坂本義親氏(以下、坂本):そうですね。意欲作がほしいかなと思ってるところはあります。ただ、僕らがいろいろ飛ばさせてもらってるなかで「ああ、人のためになったなあ」と思う動画が実はありまして。
例えば僕、地元が大分なんですけど。地元のきれいな映像をいろんな方に知ってもらうというのは、お金うんぬんじゃなくて「やってよかったなあ」っていうところもあります。意欲作ももちろんですし、「故郷に帰って撮っていただく」というのもありかな、と思います。
高橋:ありがとうございます。
高橋:この空撮コンテストに関して、できた経緯を補足させていただくと、今年(2015年)の前半に首相官邸の事件であるとか、無人航空機に関してネガティブな事件、論調が続いたのも影響しています。
こういった新しいテクノロジーであったり、プロダクトとかサービスを変えるときは、必ず、今までになかった混乱も起こりえますし、事件、事故も起こりえます。
そうなったときに、そこで歩みを止めてしまうのか、前に進んでいくのかというのは、非常に重要だと考えています。少なくとも私たちは、「前に進むべきだ」と考えています。航空産業についても、データコンテンツ産業に関しても、そういうことによって前に進んできたというのがありますので。
今回、航空法が改正されたことによって、飛ばすエリアに関しての新たな規制であったり、安全ガイドラインの必要性だったりとか、いろいろ話もあるんです。「ルールを守る」というのは、もちろん重要です。
それを踏まえた上で、今回「Drone Movie Contest」をやることによって、新しいコンテンツだったり、芸術性だったり、技術性のところで、人々に対してインパクトを与えられる、感動を与えられるような作品が集まってくればと期待しています。
今回、応募期間が非常にショートノーティスではあるんですけれども、過去に撮った作品も対象になりますので、いろんな方に挑戦していただければと考えています。
高橋:そうした話を踏まえた上で、前半の鈴木先生の話に重なっていくんですけれども。鈴木先生からは、今年(2015年)1年間の動向を振り返っていただいたうえで、来年(2016年)の展望についてお話いただいたわけです。
鈴木先生のなかで、無人航空機に関して、今年一番印象に残っていることを挙げるとしたら、どういったことになりますか? 1つでなくても、「これが非常に重要なんだ」とお伝えしたいことがありましたら、お願いいたします。
鈴木:1つだけっていうのも、なかなか難しいですけども。そういう意味で、今年はドローンに対していろんなことがあったというのが、正直なところですね。これから、ますますいろいろ起きてくるんだろうと思うので、やはり、みんなで情報共有。
先ほどもありましたけれども、「こういったシチュエーションではこんな危ないことが起きる」とか、「こうやるときれいに撮れる」とか。ソーシャルネットワークの世の中ですので、そういうことをみんなで共有していくことが、これから起きてくるんではないか。そういうところに期待したいですね。
それから国法の観点で、少しお話ししなきゃいけない。「人や物から離れて撮らなきゃいけない」ということがもちろんあるんですけども、これは「第三者」ということです。「見ず知らずの方に近づいちゃいけない」とか、「他人の持ち物に許可なく近づいちゃいけない」ということです。
ちゃんと許可を取っていれば、建物に近づいたりして撮ることも、もちろん可能です。そこは被写体となっていただく方々にちゃんとご説明して、許可を得て、説得力のある映像を撮っていただければと思います。
それから、さっきお話にありましたように「故郷に帰って、故郷を撮る」というのはすごくいいですね。なかなか今、故郷に行く機会も少なくなってきています。「空から撮りたい」というところで、故郷へ帰るというのは、すごくいいんじゃないかと思います。
このコンテストの1つのスローガンとして「故郷を撮って、故郷をもう1回空から見てみよう」というところも、ぜひ広めていただければと思います。
高橋:ありがとうございます。
高橋:今、「故郷で」というお話もありましたけれども、私自身のことに関して言うと、高校時代まで房総半島で育った経緯もありますので、今年は教育プログラムの開発に集中してますけれども、来年は自分自身、九十九里海岸とか房総半島であるとか、そういった観光資源に関するところも撮っていきたいと考えています。
そのうえで、坂本さんは昨年からさまざまなところでフライトをされたり、デジタルハリウッドのプログラムを教育していただいたり、無人航空機の分野でさまざまなご活躍をされています。今年1年間を振り返ったなかで、印象に残っていることとか、来年に向けた展望でどういったことを考えておられますでしょうか。
坂本:印象に残っていること?
高橋:今年(2015年)、印象に残っていること。
坂本:先に申し上げると、知ってらっしゃる方も多いと思うんですが、私はオペレーターではございませんので。うちには「チーフドローンオペレーター」という、3名のオペレーターがおりまして、そのなかで僕は「安全運航管理」というところを、ずっと傍でやらせてもらいました。
安全運航管理は、まず「どうやって説明するんだ」というのが、実はけっこう問題でして。安全について「どのようなことが起きるか」を説明するのって、すごく難しいんですよ。
それを、きちんと1つずつ説明を差し上げて、理解をしていただいて。なおかつ、担当の方にお話をさせてもらって、現場に来ていただいて。「ご足労いただくんですが」という状態です。
正直に言いますよ。現場の方たちは、本当は動画のクオリティがわからないんですよ。その方たちに動画を見ていただいて、「この動画でよろしいでしょうか」ということが、最初の頃にありました。
担当の方たちもだんだん勉強していただいて、特に大分の方たちには本当にお世話になりまして、だんだん時間が経過していったことによって、いろんな方たちが飛ばしていき、「リテラシーが向上した」という言い方かもわかりませんが、「理解をしてくださるまでの時間が短くなったかな」というのは実感としてあります。
高橋:ありがとうございます。
高橋:続いて、同じ話題で杉山先生にお伺いしたいんですけど。今年デジタルハリウッドのほうで、ロボティクスアカデミーの開校であったり、来年に向けて空撮コンテストが開催されるわけですけれども。杉山先生自身は、無人航空機関係やロボット関係で、今年印象に残っていること、来年に向けて「どういうことが起きる」という展望を持たれてますでしょうか。
杉山:そうですね。グローバルに見たときは、Facebookみたいなとこが、あんなでっかい固定翼のドローンを飛ばすんだな、という。どんどん今、正式に飛べるようになりつつあると思うんですね。
世界中どこへ行っても「ネットで繋いでやるぞ」みたいな。ああいう無人航空機の利用ですよね。それも本気で行われているというところも、「固定翼もすごいなあ」と思いますね。
それから、僕は基本的にアクセルを踏む役目を20年以上やっているんですが、今360度のカメラが非常に流行ってきてるんですね。いっぺんですべて、周り中、上から下まで全部撮れちゃうっていうもの。それが動画で撮れるという話と、ドローンと、それを見るときのヘッドマウントディスプレイが、一気に繋がるような。
テクノロジーおたくとか、「コンテンツをおもしろく作ってみたい」とか、ある種のメディアアーティストの人とかが刺激されるようなものが、ちょっとだけ頑張って開発すればできそうな状態なんですね。
なので、よく「あれ、デジタルハリウッドってWebとかCGじゃないの?」「何でドローンなの?」と言われるけど、僕のなかでは繋がりがあって。最初も言ったように、デジタル系のデザイナー、プログラマーみたいな人が、一気にこういう方向に入ってこれるだけやりやすくなった時期が2015年だったと思いますね。
高橋:ありがとうございます。
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