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2025.02.18
「売上をスケールする」AIの使い道とは アルペンが挑む、kintone×生成AIの接客データ活用法
提供:SAPジャパン株式会社
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平石和丸氏(以下、平石):それでは次の章のお話になります。今お話ししましたERPで見える化をするとか、業務の標準化を行うといったお話は、実はもう20年、30年前から言われているお話で、特に新しいお話ではありません。昨今で一番変わってくるところが、やはりAIですね。AIの技術をいかにERPのプロセスに取り込んでいくのかというのが、喫緊のトレンドとなっております。
当社は、ERPのプロセスにAIを組み込むことによって生産性を飛躍的に上げていこうという考えで、製品の拡張を続けております。具体的にどういったところにAIを活用した機能が組み込まれているのかを表現しているスライドになります。
いろいろな業務に入ってくるんですが、おそらく一番想像しやすいのが経営分析ですね。将来の予測値の分析をするのにAIを使おう、マシンラーニングを使おうといったところは、容易に想像できる部分ではないかと思います。
あとは業務のプロセスに組み込むところでは、例えば経理業務の入金消込の自動化。実際に銀行の入金と請求といったところの明細を突き合わせて、消し込んでいくマッチング作業を、機械学習を使って自動化する機能もリリースしております。
平石:もう1つは音声やテキストを使った対話ですね。ERPシステムをキーボードでメニューを操作して動作させるだけではなく、こちらのチャットの仕組みで実際に問い合わせ内容をテキストで入力していただくと、実はERPのほうで日本語を認識して対話できる技術が、すでに組み込まれております。当然英語もできます。
従来のようなキーボードとパソコンがないと操作ができないといった企業システムから、モバイルデバイスや、音声だけでも使えるような世界を目指していくといったところへ進化しています。
あとは見える化といった観点におきましても、最近はいわゆる業績の管理以外でも必要な要素を見える化していこうという流れになっております。赤い文字で強調していますが、1つが「体験」の見える化ですね。業績管理で売上が上がった、原価が上がったといったところはわかりますが、「なぜそれが起こったのか」といったところは、また別の指標が必要になります。
その体験の見える化として、レポートを出す機能があります。これは当社のQualtricsという仕組みで実現できるようになっていますし、昨今のサステナビリティの流れで、カーボンフットプリントの分析をするための帳票を出す機能も今、拡張を進めているところです。
AIを導入することによって従来のERPから、その位置づけが進化しています。昔のERPは、実績を収めている箱でした。しかし今は、そのERPの実績に対してAIを組み合わせることで、将来の予測ができるようになりました。人間がERPから情報を取り出すといった業務のやり方から、ERP自体が人間に対してアラートを発信できるようなかたちに進化しています。
平石:経営基盤の進化をタイムリーに享受することを目的として、やはりクラウドに注目されるお客さまは多くなっております。こちらはERPソフトウェアをクラウドサービスで利用しているお客さまの意識調査の結果です。
クラウドサービスの利用といった意識はどんどん広がっていますし、いくつかの調査機関も「今後もさらにクラウドの活用は広がっていくでしょう」といった予測レポートを出しております。
そもそもこのクラウドは、どういったところがメリットなのかといったところなんですけれども。先ほどのAIを取り込んだ機能の進化がSaaSで提供されていますので、ソフトウェアのほうにタイムリーに組み込まれて提供されます。
いちいちバージョンアップのプロジェクトを実施するのではなくて、いつも使っている利用料の中でバージョンアップのメリットを享受できるところが、クラウドの一番のビジネスメリットになっております。
実際にどのように活用をされているのかというと、SaaSですので、多くのお客さまが共通の仕組みを活用します。先ほど申し上げたように、SAPのERPには多くの機能のブロックが内包されています。ただ、その共通の仕組みとなると、やはり個別の開発はなかなか難しくなってまいります。
もちろん開発した機能を付け加えるような手法もご用意していますが、そこまで多くの機能を付け加えることは通常は行いませんので、今スライドで出ているような「2Tier ERP(二層ERP)」といったかたちの導入方法が非常に多くなっております。
業務プロセスが非常に複雑だったり、規模が大きな親会社さんにおいては、プライベートクラウドのかたちで開発が多くできるERPを導入し、比較的規模が小さく業務プロセスがシンプルな子会社・販社はSaaSのERPを導入するというようなかたちで、2層ERPの導入が多くなってきております。
平石:SAPの場合は、プライベート型とSaaS型の両方のERPを提供しておりまして、この2つの層になっても、きちんと連動して情報の見える化ができるような仕組みをご提供しています。
実際にこの2層型のERPの導入を進められた例で、伊藤忠商事さまに採用いただいています。本社は従来の拡張ができる「SAP S/4HANA」のERPを導入いただいており、海外子会社はパブリック型のSaaSのERPを採用いただくかたちで、プロジェクトを推進されています。
ここから最後に伊藤忠商事さまのインタビューのビデオをご覧いただければと思います。
「今回のプロジェクト想定と移行ツールの重要性」
男性6(原田修作氏):今回私が担当していたプロジェクトは、弊社の海外のSAP基幹システムになります。今回のプロジェクト前はECC6.0の環境を使っていて、これをS/4HANAにマイグレーションするというプロジェクトになります。
「グリーンフィールドに決めた理由」
男性6:真のデジタルプラットフォームを作るんだと。ではどういう方向に行くんだというところで、やはりすべてをデジタル化する「Degitalization」。今だけではなくて、向こう数年、十数年を見据えて時代にフィットしていく、ビジネスイノベーションに対応していく拡張性を持つというところで、「Expandability」と置いています。
最後に、これはERPであって安定したものでないといけないので、「Stability」と。この3つを今回コンセプトに置いてプロジェクトをしています。ソリューションとしては、私たちがとったのはグリーンフィールドアプローチで、Fit to Standardで真のデジタルプラットフォームを作る。これしかないと。
「データ移行のトランスフォーメーション」
男性6:この海外システムの移行は、ExcelおよびAccessで属人化して力技でやってたんですけど。今回はプロセスを標準化して、しかもデータを抜いて、最後に入れて確認するところまでを可視化するというところを目標としました。
「SAP Advanced Data Migration by Synitiの選定理由」
男性6:SolEX(ソリューションエクステンション)であるという強みはまず1つ感じました。SAPさんと共同で開発されているので、親和性が大きいだろうなと。
「SAP Advanced Data Migration by Synitiを使ったメリット」
男性6:このプロジェクトでSynitiを移行ツールとして使おうと決めて、実際にプロジェクトを進めて、最終的にオンスケジュールで導入しました。本番移行も土日含め4日間で導入を無事に完了したところが、なによりも一番の成果かなと思っています。
「アドオンを減らして標準化するという目標は達成できたか」
男性6:標準に手を入れるモディフィケーション(部分的な変更や修正)が、実は3,000オブジェクトぐらいあったんですけど(笑)、これはもうゼロになっていて。アドオンは約90パーセント削減、残10パーセントのみになっています。
「今後の展望」
男性6:実はSynitiの機能としては、いろいろな場所にサイロ化されてあるデータを構造化していく機能もあります。当然私たちもSAPをコアシステムに持っているプラス、サブシステムとしていろいろなシステムを持っています。これらを最終的に構造化して、1つのところに集めてデータ分析・データ活用していくところを目標にしていきたいと思っていて。Synitiというソリューションはここでも活用できるのではないかと考えています。
(動画終了)
平石:それでは本セッションのまとめとなります。ERPの役割は昔から経営の見える化と、それを実現するための業務の標準化を、プラットフォームとして支援することになっております。
そのERPの機能を最大限活用するためには、業務の改革が大事になってまいります。改善を追求するのではなくて、いかに業務の改革を行うのかと。
あと今後のERPは、AIを取り込んで生産性を高めるといったところを追求しております。そのERPの進化をタイムリーに享受するためにも、クラウドでのERPの活用が望ましいのではないかと、当社では考えております。
それでは、これで本セッションは終了となります。もし何かご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。本日はご清聴ありがとうございました。
SAPジャパン株式会社
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