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スポーツが苦手な人は知らない「Xの関係」とは?

スポーツが苦手な人は知らない「Xの関係」とは?

走ったり、ジャンプしたり、物を投げたり。こうした動作は、「足」や「手」で行っていると考えてしまいます。しかし実際には、こうした1つの動作には全身の筋肉が複雑に関係しています。人間の筋肉は500あると言われ、これらの筋肉が相互に作用することで1つの動作を実現しています。今日はそんな動きを理解するための「Xの関係」について、YouTubeで武道を用いた運動法をレクチャーする、「理論スポーツ」の高橋氏が解説。あらゆるスポーツに通じる体の動かし方を伝授します。

シリーズ
理論スポーツ
2015年10月2日のログ
スピーカー
理論スポーツ 高橋大智 氏
参照動画
スポーツ・運動技術を向上させるXの関係を理解する

人体の構造を知る「Xの関係」

高橋大智 氏(以下、高橋) こんにちは。理論スポーツ管理者の高橋です。今回みなさんにお教えしたいのは、けっこう奥が深いので、簡単な言葉でお話ししたいとお思います。今回勝手に、「Xの関係」名付けています。 これは一体なにかというと、人間の身体があったときに、ここにXを描きます。 snap-00_00_56-00001 するとなにがわかるかというと、実は人間の身体というのは動くうえで、腕から腰、足。あるいは、足裏から腰、そして逆側の腕というふうにつながっているというのを理解していただきたいんです。 スポーツでは実績や結果を残したいので、動きに関しては、シンプルなほうがいいと思います。ですがやはり、奥の深さを求める、あるいは身体に負担のない動きや力学的にロスのないものを求めるのであれば、もうちょっと身体の奥の深い部分への理解が必要です。 その1個のヒントとなるのが、私が勝手に言ってるんですが「Xの関係」です。なにを言ってるかというと、腕と腰と足は繋がっている、ということを今日は説明します。 要するに、腕を動かす動作や足を動かす動作があると思うんですが、これって足だけを独立させて動かしてしまうと、けっこう無駄というかもったいないんですね。もっといろんな動かし方があるのに、この部分だけを使って動作を行なうのはすごくもったいないというか、もう少し効率のいい動きができるのに、と思います。

1つの部位ではなく、体全体で動く

では、その効率のいい動きや無駄のない動きというのは結局なにかというと、一動作のなかで腰や腕といった全体的な筋肉を一瞬にして動かすんですね。だから無駄がないんですね。足だけでいろんなことをやっていてはやはり無駄なんです。つまり「Xの関係」が繋がってるっていうことなんですね。 そんなこと言っても、例えば押すという動作があるとするじゃないですか。みなさんは、物があると、それを押します。そのときに、「それは左手で普通に押してけばいいじゃん」と思うじゃないですか。それはそうなんですよ。腕だけを使えば押すという動作もできるんですが、実際は、首を伸ばして肩を落として足の裏からグッって押すこともできるわけです。 このように足や腰や脇の下を使って、1つの動作にいろんな筋肉を詰め込む。要するに、全部繋がってるから1個の動作にさまざまな動きを入れることができる、ということも考えられるんです。人間の身体というのは、筋肉は別々ではなくて、腕や腰や足が繋がってるということが、武道の世界をやってるとわかるんですね。

アキレス腱で実験

これは難しいので、簡単な例で、繋がっているということをお教えします。例えば、アキレス腱。アキレス腱を引っ張ると、筋肉は全部繋がっているので実は肩まで影響するんですよ。 試しにやってみます。今から右のアキレス腱を伸ばしてください。動画なのであれですけど、今、アキレス腱で、右のふくらはぎを伸ばします、こういうふうに。足がこうあるとしたら、 snap-00_05_02-00002 アキレス腱こう引くんですよね。 snap-00_05_03-00003 そして、こうやって伸ばすわけです。そして引っ張るんです。右のアキレス腱を伸ばした状態で右肩を回します。そしたら、今度は左肩を回す。実は、両腕を回すと違いが生まれるんですね。なにかというと、右アキレス腱を伸ばしてる状態で右腕を回すとやりづらいんですよ。左腕をやるとけっこうやりやすいんですよね。 これはなにかというと、実は腕というのは、こういうふうに腕、腰、足が繋がってるからなんですね。足の筋肉が張るとそれが腰に伝わってそれが背中に伝わって腕に伝わると。だから肩の筋肉が引っ張られて回しにくくなるんですね。 これは弓道の世界でもそうなんですよね。弓道の世界って、的に対して肩の線を揃えなきゃだめなんですよ。肩を線を揃えるためにはどうしたらいいかというと、足のふくらはぎの皮、こちらの引っ張り具合を均一にさせなきゃだめなんですよ。 だからどうするかというと、肩の線が身体の左に逃げちゃうと、左足の皮と右の皮の引っ張り具合が変わっちゃうんですよね。そうすると身体の軸自体が左に向いてしまう。 的に向かって足を踏み開くときに、ちょっと左に変わったり右に変わったりするんですよね。右に変わった場合は目線をちょっと左に向けながら、左を意識して踏み開いたり、逆に、足が左に開いてる場合は右に目線を向けるとけっこう真っ直ぐになったり。 ふくらはぎの皮がもともとどのくらい引っ張られてるかって、実はわかんないんですね。でも、ふくらはぎの皮の引っ張られ具合は肩まで影響する。だからこういった事実を考慮して、実は「Xの関係」っていうのが成り立つんですよ。

武道にも「Xの関係」は存在している

つまり、バッティングでもいいしサッカーでもいいですし、バレーでも武道でもなんでもいいです。足の裏をピタッと付けた瞬間にこれで力が働いてるんですね。 足の裏をピタッと付けたときに腕を動かす動作をすぐにできるように、足がピタッって付くことで腰の位置がピタッ決まる。それによって腕を動かす動作は腕だけで動かそうとするのではなく、首を伸ばして肩を落として足の裏をピタッと付けて腰の位置をぴったり決めれば、腕だけで動かさなくても、全身で勢い良く出せるんですね。 こうして打撃系の武道をやるときに、腕だけでパンチを出しても速くないんです。だけど首を伸ばして肩を落として足の裏をピタッと付けて全身で勢い良く出すと、すごく速く出せると。 これを武道の極意では「間合いを消す動き」といって発表してる方もいます。それは、腕だけで出してるわけじゃないんですね。足の裏をピタッと付けてスッと出すっていう動きをできてるかどうかなんですね。 なのでこれを、僕は「Xの関係」と言っています。つまり、腕を出すという動作も、腕だけではなくて、腰や足を使うということです。腕や腰、足。これは繋がってますよ、ということを言いたいんですね。 昔も、今もそうなんですが、弓道の世界には、弓道教本という教科書があります。それは今まで正式には四巻まで出されてるんですけど、その二巻に、ある先生は、「弓を押すという動作は、右足から始まって右足をポンと押してそこから右の腰、左の脇の下、左の腕まで繋がっている」と。 snap-00_09_24-00001 左上腕だけじゃなくて、右の腰から左の腕まで押してると。右の足の裏からずっと押すようにやると言ってるのがこれなんですね、「Xの関係」です。

Xの関係をスポーツに応用する

僕は弓道の世界でこの技というか、この世界を体得しました。そして今日お教えしたいのは、この「Xの関係」をスポーツにも応用できるんじゃないかと思うわけです。 例えば野球のピッチングのときに、自然にすっと腕を出せるというのは、腕だけで振っているのではなく、右の足の裏をぴったりつけて、左の足の裏を踏み込んだときに、左の足の裏から腰を伝って右の脇裏から腕の裏側を通じて全体が繋がるように動かすことができると、そういうことを感じて投げている人は、やはり動きに無駄が少ないですね。 逆に腕だけ使っちゃうと、肘や肩に意識がいきやすくなってけっこう疲れやすくなってしまうんです。足の裏をピタッと付けることが大事で、足からすべては始まる。そして、腰から来て腕から来て、というふうに繋がるんですけど、スポーツというのは武道とは違うじゃないですか。 例えば弓を引くわけですけど、それは別に相手がいるわけでもなく、ランナーが一塁がいて戦術がどうのこうのというわけでもありません。弓を引いているときに相手からタックルが来るということもありません。武道の世界、剣道や柔術、柔道の世界でも、スポーツとはルールが違うんですね。だから動きが激しいんですよね。スポーツのほうが動きが多様です。 だから、ある程度この「Xの関係」、例えば投げるときも左の足の裏からピタって付けるときに右の腕の裏側まで繋がって投げるのと、ただ単に肩だけ動かして投げるのとでは、下半身の動きが変わってくるんですね。 走ってるときも腕だけで走るのではなくて、足の裏をピタッって付けた瞬間に脇の下でクッと押して前に出すのでは、ぜんぜん違うんです。こういった部分に「Xの関係」が繋がるんですね。

Xの関係を応用するための条件

なにかを押すときもただ腕で押すんじゃなくて足の裏をピタッと付けて、左足の裏から腰、脇の下から全身で押すようにすると押し動作というのが変わってくるんですね。弓の場合だったらこれで強い弓が引けるか引けないかが決まる。これができるかできないか。 これをスポーツに応用させたいんですけど、スポーツに応用するためには、やはりいくつか条件があります。「Xの関係」を成り立たせるための条件があるんですよ。 これをスポーツをやるうえでは守って欲しいんですね。それはなにかというと、1つは、肩ですね。肩は落とす。腕・腰・足となったときに、足から腕を伝った力を全身に伝えたいときに、ぜったいに肩を上げちゃだめです。肩は絶対下げてて欲しいんですね。肩は落とすと。 つまり、肩があがっちゃうと、せっかく足から腰まで力を伝って全身で動作をやりたいのに、肩が上がっちゃうと腕だけの動作になっちゃうんですよ。腰まで来ているのに肩だけが浮き上がって、別々になっちゃうんですよね。イメージとして。 snap-00_13_51-00001 肩関節を胴体にきちっとしまって、そのうえで動作をやるんですけど、肩が下がってなくて、肩関節に応じて肩甲骨の下の部分がきっちり落ちて巻き上げるような動きができないと、この腕・腰・足という連動の動作がでにくいです。 どんなスポーツにおいても、武道もすべてそうです、肩が上がってていいことってないです。
なので、なるべく肩は下げるようにしましょう。

目線を下げてはいけない

ふたつめ、目線ですね。これはなるべく下げない。首の後ろ側の筋肉をくーっと伸びるように肩をこういうふうに落としてやったほうがいいんですよね。これはなにかというと、頭頂部の筋肉というのも肩の動きから背中の筋肉までぜんぶ繋がってるんですよ。 試しにさっきのアキレス腱をやってほしいんですけど。アキレス腱やったときに、右のアキレス腱を伸ばした状態で右の肩を回すと動かしにくいですけど、左肩だと動かしやすいんですよ。 この状態で頭を胸まで下げるともっと右腕を回しにくくなります。これは首の関節が決まってなければこういう連動は起きないですね。これはどうしてもしょうがないですね。 どうしてちょっと首関節が曲がっただけでできなくなっちゃうのか。これにはちゃんとした理由があります。 人間には500個筋肉があるんですけど、背中の各関節を立たせるための筋肉と首の後ろ側の筋肉、首を真っ直ぐに立てる筋肉というのは唯一、重力に対抗できる筋肉なんです。抗重力筋と言われてるんですよ。 これが縮んじゃうと、なにをどう頑張っても1Gの力を抑えることができないんですね。この1Gの力を抑えられなかったらどうなるかというと、立った状態から寝た状態になっちゃうんですよ、どうしても。 首だけは、この筋肉を上手く使いこなせたから、人はこういうふうに持ち上がって立ったわけです。です、からこの筋肉を使わないと立つっていうことができなくなっちゃうんですね。 立つことができなくなったら、歩くとか走るといった高度な動きすらほとんどできなくなってしまいます。だから、立つという動きができなかったら、スポーツにおいて、例えばサッカーのドリブルやテニスのサーブなど、あれも立ったという状態から動きだすので、そのときに首の筋肉背中の筋肉が働いてなかったら難しいんですね。

ただのジャンプも大きく変わる

スポーツの動作や技術を向上させたいと思っていると思います。私もそうです。スポーツの技術、運動動作というのは人に言われてやるより、自分で工夫して自分なりに身体の感覚を体得して身につけるということが非常に大事なので、そのためのヒントとして、「Xの関係」というのが非常に理解に役立つと思います。 ただ「Xの関係」を理解して実際のスポーツに応用させるためには、この2個、肩を落とす、目線を下げないは絶対外せません。 この2個から外れたら、絶対に「Xの関係」の身体の動かし方はできないので、ピアノを弾いている時でもギターをやっている時でも、日常生活のあらゆる身体の動きにぜひこれが取り入れられるように考えてみてください。 この「Xの関係」というのはなんでもいいです。腕を差し出すときに足から意識して出す、でもいいですし、腕がとまってる時に足の裏の置き方を意識するとか。例えばジャンプするときに足だけでジャンプするのではなく、首を伸ばして肩を落として脇の下の筋肉を使ってジャンプするのでもいいです。 着地して脇の下からジャンプするという意識をするだけでも膝関節や足首の関節の意識というのは変わってきます。なので、ぜひこの「Xの関係」を役立てる方法、そのための条件。ここから外れるとこれ「Xの関係」ができなくなります。 みんな胴体部、腕とか足だけを使った動きになっちゃって、なかなか運動技術が向上しないです。なのでぜひ、この動きを取り入れてやってみてください。 以上での説明を終わります。ありがとうございました。

  
理論スポーツ

武道の身体の使い方、姿勢に基づく
全スポーツの運動技術を高める具体的手法を公開します。
筋トレ法、栄養学、メンタル調整、身体の仕組みなど、
内容は多岐にわたります。

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