いつまでも丈夫な体の作り方

  高橋大智氏(以下、高橋):こんにちは、高橋です。今日は、腰の痛みとか、あるいは肩の痛みとか、怪我があると思うんですよ。かつてセミナーをやっていたとき、よくこういう話がありました。「歳を重ねても動ける体になりたい」という話があって。これを構築する1つの方法があるということを、お話したいと思います。   これ、簡単にできるんで、もう明日からできるんで、ぜひ取り入れてほしいなと思います。ストレッチとか、マッサージとか、体操とか。こういうのをやって、筋肉の張りとか柔軟性をとる。これは全部知識なんですよね。   だけど、肩や腰の痛み、あるいは動ける体を構築するために大切なのは、習慣を変えることなんですね。習慣を変えよう、と。   つまり、今までストレッチ、マッサージ、体操とかをやってたと思うんですけども、ストレッチをして体を柔らかくしました、と。だけど、次に大切なのは、柔らかくした状態で常にキープすることなんですね。マッサージで筋肉を緩めていいんですけども、その緩めた状態を最初から最後まで保ってほしいんです。   私も弓道をやっていて、他にもいろんな武道の動きとかをいろいろやってまして。その時に、「胴造り」っていう上半身の姿勢の整え方を学びました。首を伸ばして、両肩を落とす姿勢です。   これを24時間、パソコンで作業してる時も、弓をやってる時はもちろん、マラソンで走ったり、プールで泳いでる時も、ずっとこれやっているんですね。もうそれ以外はやらない、と。この意識が途切れたら、それは知識になってしまいます。   つまり、覚えた内容を、ある限定された時にしか使わないのは、その時はよくなるかもしれないですが、なにか作業になった時に、例えば姿勢が崩れたりすると、それは知識になっちゃうんですよ。そうではなくて習慣にしてほしいんですね。習慣を変える。習慣化してほしいんですよ、この胴造りを。   ただ、私はパソコンで作業してる時も、マラソンで走ってる時も、野球でバットを振る時も、同じように胴造りの状態を維持できるんですが、実はそのために、掌の心持ちであったり、肘の位置であったりということを意識しています。  

なぜ身体にガタがくるのか?

  それで、今日はその中でも座り方、あるいは立ち方。このあたりでちょっとお話し用途思います。スポーツをやってて普段デスクワークされてる方って、すごい多いと思うんですね。私がセミナーやってる時も、普段はデスクワークをやっている方ってすごく多かったです。なので今回は座り方に特化して、胴造りの姿勢ができるようにレクチャーします。   最終的には習慣を変えてほしいんですけど、何を言ってるかっていうと、背骨をまっすぐにするっていうのが基礎なんですよ。この背骨を24時間まっすぐにし続けることが、まさに肩や腰に負担のない姿勢を24時間取り続けることになります。   歳を重ねても、筋肉が衰えても、背骨がまっすぐ担った状態を最初から最後までずっと続ける。それが重要になってくる、と。怪我であったり、動ける体であったりの基礎となるのは、いかに背中をまっすぐに保ち続けられるか。これを習慣化できるかなんですよね。   じゃあ、その中でも、まあ、スポーツをやってる時に「背中をまっすぐにしよう」って思えるんだけど、座ってパソコン作業やってる時にまっすぐになった姿勢が崩れてしまうということは、けっこう多かったりします。   じゃあ、それをそうさせない方法を、今日はお話したいと思います。ここ(膝)を変えれば、だいぶ姿勢ってまっすぐになりやすいんですよ。膝です。これは太ってる人だろうが、女性だろうが、普段から猫背気味になってる人であろうが、この位置を少し変えるだけで、背骨はだいぶ変わってきます。   ここで、例えば、こういうふうに座りますよね。     それで、パソコン作業をやっててこうなってたり、     あるいはこういうなってたりして、背中が丸くなっちゃってるんですね。     ここで一番やっちゃいけないのは何かというと、丸くなった状態で無理矢理立たそうとすると、姿勢って元に戻りやすいんですね。   なぜかというと、今のこの状態(背中が丸くなった状態)が、背中が一番安定してる状態なんですね。背中が丸まっている状態が安定な、掌の位置だったり、肘の位置だったり、頭の位置だったり、膝の位置だったりするんですよ。それが全部統合して、背骨が丸くなってしまっている、っていうことになっているんですね。   だから、これを、手であったり、首であったり、膝の位置っていうのを少し変えるだけで、背骨って、グニャっと丸くなっちゃうのを止めることっていうのは、いくらでもできるんですね。   どうするかというと、こう変えて、     こう変えて、     こうすれば、     まっすぐになりやすいんですね。これで、(背中が)曲がりにくくなりました。   これ、今何をやったかというと、まず膝を上げるんですね。膝を上げる時に、体に近づけながら上げるんではなくて、     これを真上に上げるような感じであげます。     そうすると、太ももの付け根の部分が、今こうやってピーンと伸びてるんですけども、     こう上げると、太ももの付け根が緩むんですね。     そうすると、上半身が前に傾けやすくなるんですよ。こういうふうに前に倒しやすくなります。     それで、前に傾けやすくなってこの状態で、背中を丸くするのって、けっこうもうやりにくいんですね。     さっきのこの状態だったら、もうガクンって、椅子の(背もたれに)背中がつくぐらいグニャってなるんですけども、     ちょっと太ももの付け根を膝を入れて中に入れるだけで、もう(背中を丸めるのが)やりにくくなるんですね。   そして最後に、これはもう1個あるんですけども、ここで、膝を上げる、この部分(太ももの付け根)が緩む、上半身が前に倒れやすくなったところで、ちょっとみぞおちをフッと上げれば、     もうここで、もう猫背にさせるのが難しくなるんですね。この状態で作業するわけですよ、ずっと。     つまり、ずっとこの武道の……、武道っていうか、身体の動きを良くしたいとか、体に負担のない姿勢を作りたいっていった場合にどうしたらいいかっていうと、膝の位置をちょっと変えて、太ももの付け根を柔らかくして前に倒しやすくして、ちょっとみぞおちを上げれば、(背中が)まっすぐになりやすいんですね。   これ、慣れればけっこう長時間保てるようになります。普段、肩がこう負担になっちゃう人とかも、同じようにこの部分(太もも)の付け根を柔らかくするところから姿勢を保つわけですよね。そうすると、普段のこういう座った状態で、ずっと(背中を)まっすぐに保った状態にすることができる。   この姿勢をとれるようになってきたら、膝をちょっと上げて、(背中が)まっすぐになりやすい姿勢を作りましょう。まずここから始まります。

まずは3時間キープ

  次に、今度これで(背中を)まっすぐに保ちやすくなったら、今度は何をするかというと、両肩を落として、腕を楽にします。     そうするとこの姿勢(膝を上げて背中をまっすぐに保つ姿勢)がとれたら、今度は両肩を楽に落とします。これを普段の私生活でも、仕事でも、やってほしいんですね。そうすると、スポーツとか、普段立ったり歩いたりしてる動作の時に、肩を上げたり、肩を無理に緊張するほうが難しくなってきます。   これで、例えば、デスクワーク8時間とかやってますよね。8時間を膝をほんのちょっと上げて、この太ももの付け根を柔らかく、手が入りやすくなるぐらい緩めて、上半身を前に傾けて。

そして、ちょっとみぞおちを上げて、両肩をストッと落とす状態をずっと続けた状態で、例えば1週間、まあ、3日、……まあ3時間でもいいです。3時間やって、スポーツをやってみると、身体の動きがだいぶ変わります。   まず、太ももの付け根の筋肉を緩めた状態で座り続けていると、サッカーをやったり、走ったりとかもそうなんですが、背骨がまっすぐの状態で走るということができるようになってきます。   例えば、太ももの付け根を緩めた状態で、太ももの付け根をほんのちょっと落としてあげると、  

  ここがちょっと柔らかくなるんですね。普段、骨盤が曲がっていたり、太ももの付け根がピンと張った状態になってる人というのは、     こういうふうに張った状態だと、バッと押した時に、背中の上部の力が反作用で返されてしまいます。   だけど、膝をほんのちょっと緩めて、股関節のこの付け根の筋肉をちょっとだけ緩めた状態で、さらに両肩を落とすと、まっすぐにしやすい状態が整っているんですね。これで押すわけです、こうやって。     これで、さっきみたいに太ももの付け根の筋肉が緩んでない状態でこうやって押すのと、ちょっと緩めた状態で押すのとでは、だいぶ押しやすさが変わります。   この姿勢を使って、サッカーや自転車や、普段の作業をしてほしいんです。つまり、両肩が力みにくい姿勢を身体に覚えさせる。肩や腰が痛くなってきた時にこそ、こいつを使うわけですよ。   膝をちょっと上げて、フッと緩めて、両肩を落として、肩の上がりや詰まりを取ってあげる。そして膝を上げて上半身を曲げることで、腰の負担をちょっと取ってあげる。こういう姿勢を、普段から覚えるようにしてください。   弓道でもそうなんですけど、弓道をやることで肩こりが解消されたとか、腰痛が改善されたとか、そういう別のスポーツをやることによって、姿勢が良くなったり、筋肉がついて、体の不調が改善されたっていう報告があったと思うんですけども、その本質にあるのはまさに姿勢です。   普段立ってる時もこういうことができるので、ぜひやってみてください。じゃあ、これで話の内容を終わります。ありがとうございました。