中生代の生き物たち
ハンク・グリーン氏:地球上の生命の歴史についてのミニシリーズへようこそ。
2億5,100万年〜6,500万年前の中生代は、絶滅の危機に瀕しており、最も奇妙で最も魅力的な動物たちが生まれます。
そう、恐竜もその頃に誕生し、今日私たちが知っている主要な陸生動物たちの大部分も大きくこの時代に関わっています。他の時代と同様、中生代は期間ごとに分割されており、3つの期間にわけることができます。
最初の期間である三畳紀は2億5,100万年から1億9,900万年前まで続き、古生代の支配的な脊椎動物であった獣弓類の大部分が消え、時代の節目となりました。新しい爬虫類群である恐竜は、その後、地上の新しい支配的な脊椎動物として君臨しました。
中生代の地球は今よりも暖かく、極地の氷もないほどでした。三畳紀の初めに、地球の大地は乾燥した陸が広がるパンゲア大陸に集まり、ゆっくりと生物たちがそこに再び住み始めました。
獣弓類は減少していきましたが、新しい脊椎動物群である主竜類が増え始めました。
主竜類は、古生代末期に陸上脊椎動物の中でも最も初期の主要な群の1つである双弓類から系統を引いてきました。主竜類と双弓類のような主要な動物グループは、筋肉が付着した大きくて重い頭蓋骨にある穴によって定義されています。
それは動物を区別する上で奇妙な方法のように思えるかもしれませんが、実際にはとても明確に区別することができます。双弓類は目の後ろに2つの開口部を持っており、主竜類にはさらに2つ追加で開口部があり、1つは目の前にもう1つは下顎にあります。
恐竜は主竜類ですが、恐竜にとって変わって登場した偽鰐類は、恐竜と非常に似た体の構造を持っていました。彼らはいろいろな形や大きさで登場しましたが、偽鰐類がどのようなものかを知りたい場合、ワニのようなものを思い描いていください。しかし、長い足でまっすぐ立って、地面を素早く動き回る生き物でワニの約12倍の恐怖を感じます。
偽鰐類は三畳紀の終わりに大量絶滅に追いやられましたが、沼地に住んでいてた1系統だけが生き残り、現代のワニとなりました。ありがたいことに、現代版は2本の足では動かないですよね。
現在、唯一の主竜類が鳥です。主竜類は、大部分が古生代末期にほぼ絶滅した獣弓類から進化してきましたが、そのなかで全く絶滅の危機に瀕さなかった獣弓類もいます。獣弓類は、陸上脊椎動物の別の主要な系統でもある単弓類の子孫でもあり、単弓類もまた頭蓋骨の穴によって分類されます。
単弓類は頭蓋骨に4つではなく1つだけ開口部をもつ哺乳類の祖先です。
最古の哺乳類は恐竜とほぼ同じ時期である三畳紀の中期に現れたと言われています。そう、私たち哺乳類は恐竜の仲間として出発しましたが、まだ鳥という形でのこった恐竜たち仲良くやっています。
三畳紀に誕生した生き物
恐竜といえば、三畳紀の頃の恐竜たちはまだ進化が乏しく、あなたが6歳の時に持っていた本にあるように多くの種類はいませんでした。しかし彼らには、最終的に支配権を握る爬虫類となるためのいくつかアドバンテージを持っていました。
私が先にお話したとおり、偽鰐類と恐竜は非常に類似した体の構造を持っていましたが、恐竜は生理学的に呼吸の効率性において若干の優位性がありました。自信を持って最古の恐竜がいたと言えるのが2億3,000万年前ですが、その1,000万年前から非常に恐竜に似た動物がいくつか存在していました。
ニャササウルスと呼ばれる動物は、恐竜だという人もいれば恐竜じゃないという人もいますが、明らかに恐竜と似た動物ではあります。そしてニャササウルスは、現在から2億3,300万年前のタンザニアから来たとされています。進化の多くの場合と同様、本島の恐竜と恐竜の祖先との間に明確な線を引くのは難しいです。
しかし、ニャササウルスとエオラプトルのような後期の恐竜の間のどこかで、彼らは明確な進化を遂げ、世界を支配する準備が整いました。
三畳紀の時代には、他にもいくつかの動物群が現れました。1つは魚竜と呼ばれる種で、最初の爬虫類群は陸上での生活に適応して進化した後、水中でも活動ができるようになりました。
彼らは4フィートの動物の体から魚の形の体に進化した2つのグループの内の1つで、もう1つのグループがクジラです。最後に、三畳紀が終わるにつれ、恐竜と深く関連していた主竜類のグループが、飛行能力を身に着けたプテラノサウルスと進化しました。
映画タイトルにもなったジュラ紀
三畳紀後には、みなさんよくご存知のジュラ紀時代に突入し、1億9,900万年から1億4,600万年前まで続きました。有名な恐竜の映画がありますが、そこで登場する恐竜たちが、一部、あるいはゼロから完全に作られているということや、そもそもジュラ紀に存在したものではないことを指摘する必要があるかもしれません。
ジュラ紀の間、パンゲア大陸はローラシア大陸とゴンドワナ大陸という2つの大陸に分かれ始めました。浅い海が土地の一部を覆い、これにより恐竜の多様化が進みました。ジュラ紀は、体が大きく長い首をした4足歩行の草食動物である竜脚下目には最適な時代でした。ディプロドクス、アパトサウルス、ブラキオサウルスはすべて、ジュラ紀に登場しました。
それから、直立した肉食動物である獣脚類も存在していました。アロサウルスが主な捕食者の1種で、より大きい獣脚類はまだいませんでした。
ステゴサウルスもジュラ紀中に進化したもの1種で、サゴマイザーと呼ばれる巨大で武器のような尻尾と背中全体にプレートを備えた大きな草食動物です。
一方、恐竜に密接には関連していない爬虫類のグループである首長竜は、魚竜に加わわりました。
ジュラ紀に現れた恐竜のもう1つの主なグループが鳥類でした。鳥はその骨格の類似性と多くの恐竜が羽毛を持っていたという事実から、鳥が恐竜から生まれたということをみなさはご存知だと思います。そして、進化を研究する人々はグループの子孫のすべてをそのグループに含める傾向にあり、専門的に鳥は恐竜だということになります。
始祖鳥は最古の鳥として有名ですが、ジュラ紀に戻ってみると他にも多くの初期に繁栄した鳥たちがいます。
彼らはプテラノサウルスともに、ジュラ紀と次の時代である白亜紀にわたり存在した2種類の主竜類にわかれます。白亜紀は1億4,600万年から6,500万年前まで続き、以前の中生代よりも温暖でした。大陸は依然として離れており、現在の大陸のある位置へと徐々に向かっていました。海底が広がるにつれて、地球の地殻に閉じ込められた炭素が放出され、深刻な地球温暖化を引き起こしました。
それにより魚竜が白亜紀の間に絶滅しました。しかし、新しいタイプの海洋爬虫類であるモササウルスが登場しました。
モササウルスは現在のオオトカゲに関連する水生のトカゲですが、恐竜とは密接に関連はしていません。
次は花粉を広げるために動物を利用することに優れた顕花植物です。発見される化石を見てみるとこのような花と同じ時代に、ミツバチのような花粉媒介者も発見されることが多くあります。花と花粉媒介者のどちらが最初に登場したのかは、進化論の中での「鶏と卵の問題」のようなものです。おそらくどちらも一緒に生まれたのではないでしょうか。花と花粉媒介者はお互いの進化に影響を与え、時間の経過と共により相互依存的になってきました。
三畳紀以降、哺乳類は現在生きている主な系譜である私たちのような胎盤哺乳動物、フクロネズミのような有袋目の哺乳動物、カモノハシのような単孔類へと進化してきました。
白亜期はさらに多くの恐竜が登場しました。角竜類やハドロサウルス、そして、もちろんティラノサウルスもその時代に登場しました。
恐竜が絶滅した原因
現在のこのような巨大な捕食者が存在しておらず、とてもホッとしています。しかし、なぜ彼らは現在私たちの周りにはいないのでしょうか。
古生代と同様、中生代も大量絶滅を迎えました。しかし、この2つの大量絶滅にはいくつかの相違点があります。1つは、中生代末期の絶滅がそこまでひどいものではないということです。ほとんどすべての種が絶滅した古生代末期とは異なり、地球上の種の約50%しか絶滅しませんでした。
そして、古生代の絶滅の原因を正確には知ることはできませんが、中生代末期の出来事については大きな手掛かりがあります。メキシコのユカタン地域のクレーターです。
ほとんどの科学者は、この場所に落下した隕石が、鳥類以外のすべての恐竜を絶滅に追いやったものであったにちがいないと確信しています。他の要因も要因も考えられていますが、この隕石説が現在のところ有力です。
確かに鳥は素晴らしい生き物ですが、彼らは恐竜の1系統に過ぎません。大きな装甲車のような甲羅をもった四足歩行の草食動物たちは、もはや現在は存在しません。彼らがいなくなった新生代と呼ばれる哺乳類が支配権を握る時代に突入したのです。