電波の歴史にまつわる科学者たち

マイケル・アランダ氏:車や携帯電話など、生活の中でたくさん電波を使うことがあるかと思います。そして電波は常にあなたの周りを飛び交っています。

そういった環境に慣れた私たちは、電波による無線通信を発明したのは誰か知っていると思うでしょう。しかし、無線の発明の裏にあるストーリーは、複雑なものなのです。よく、グリエルモ・マルコーニがすべての功績を讃えられています。

1901年に、彼は大西洋を横断する無線メッセージを初めて送信し、1909年にその発明に対してノーベル賞を受賞しました。

しかし、実際にはニコラ・テスラが無線を発明したという議論を聞くことがあるかもしれません。よくあるように、彼は大金を稼ぐことができる人々によって葬られてしまったのです。

無線でメッセージを送るというアイデアは、グリエルモやテスラの前の何十年も前から1800年代初期のハンス・クリスティアン・エルステッドとマイケル・ファラデーのような物理学者の実験にまで遡ります。

エルステッドは、電流が磁界を作り出すことを解明し、数年後ファラデーが磁気の動きが、たとえ磁気と電流が触れていなくても隣接する電線を通して、電流を動かすことができるということを発見しました。これは電磁誘導と呼ばれ、基本的にどのように現代の発電所のすべてが動くかという理由なのです。

そこで、ジョセフ・ヘンリーが、稲妻の閃光が、コンパスの針を13キロメートル先から動かすことを発見し、再び電荷の動きの大きなグループが、強力な磁界を作り出すことを証明しました。

1800年代までに、科学者たちは電荷の動きが長い波長の特別なタイプ、つまり今日私たちが知っている電波を作り出すことを知りました。次の大ニュースは、ニコラ・テスラからもたらされました。1890年代に、彼は大きな電線コイル、今では有名なテスラコイルのバージョンを通して交流電流を発生させました。

電流はコイルの周りの磁界の変化を作り、順番に電線コイルに隣接するほかの電流を作り出します。もし、彼が電流をちょうど測定した場合、テスラはコイルが強い電波を送信できるだろうということと、50キロメートルの範囲までは電波が届くということに気づいたのです。テスラは、自身の発明品のためにすべての特許権をとり、彼の新しいテクノロジーを世界初のリモートコントローラーボートと共に誇示しました。

しかし、テスラは彼の電波を通してメッセージを一度も送ったことはありませんでした。彼の主な興味は無線のパワーであり、無線のコミュニケーションではなかったのです。そこで、1895年に80キロメートル離れたウェストポイントまでメッセージを送信するために 彼は自身の実験室を設立していましたが、実験室での火災が彼の進歩を止め、コミュニケーションツールとしての電波の発明に対する称賛や希望が消えてしまったのです。

なぜならば同じ時に、イタリア人の発明家であるグリエルモ・マルコーニが同じ課題に取り組んでいたからです。そして1901年に、彼は、大西洋を超えてメッセージを送るために無線電を使ったのです。

彼はその後も彼の発明に改良を重ねましたが、発明で資金を作ることの問題に直面することになりました。なぜならば、すでにテスラが非常に深く研究しており、すべてにおいて特許を取っていたからです。しかし、マルコーニは最終的に彼の発明で特許を取り、それらを売ることに成功しました。1909年には、彼の研究でノーベル物理学賞を共同受賞しています。共同受賞したパートナーとは、決して見過ごされなかったテスラではありませんでした。