眼の中にある浮遊物
カリン・ユエン氏:眼の中のものはどのようにして見えるか不思議に思ったことはありませんか? 実際にみなさんは見て確かめることができます。もっとも簡単な方法は、白い均一な光の画面を注視することです。そのまま数秒動かさないでください。その画面を出しましょう。
(真っ白な画面が映る)
しばらく眺めた後、雲のような、小川のような様相の、小さな浮遊物があたりを漂っているのが見え始めるでしょう。みなさんが見ているのは、目の奥にある網膜から出血した血球です。それは、水状の層の中を流れていきますが、この層は網膜と、硝子体と呼ばれる眼球を覆っている透明なゼリーとの間で潤滑油のような働きを担っています。血球はしばしば粘着性を持っているため、お互いに繋がり鎖状になったり塊を形成します。
もし、みなさんがこれらの浮遊物を近くで見てみれば、小さなボール状からなっているのがわかるでしょう。もう一度、背中を下にして横たわって、同じことをしてみましょう。この微細な浮遊物が、やや少々鮮明に、そしてやや小さく見えるのに気づくでしょう。
眼の奥の、中心窩と呼ばれる網膜の中心には微細な凹みがあります。そこには厚い水の層があります。基本的に、微細な浮遊物はこの窪みに降下しているので、より鮮明に見えます。というのは、それらは網膜の近くにあり、小さな影を落としているからです。その影が近いと、つまり壁に手が届いたような状態で、より小さくくっきりした影が現れるのです。
このような浮遊物は、みなさんの身体の中でそれぞれ独自のものです。数個のものが見える場合もありますし、大きな塊や一筋の列として見える人もいます。遠くからではあまりに小さいものですが、メガネ無しの裸眼で見ることができます。
しかし、なぜ虹のような色彩豊かな輪をその周囲に見ることができるのでしょうか? これらは、光が網膜に届くまでの間その周囲を回るため、回折してできた模様です(回折:媒質中を伝わる波動に対し障害物が存在する時、波がその障害物の背後などに回り込んで伝わっていく現象)。どうですか、クールでしょう?
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