箱の中は“守られた”場所

マイケル・アランダ氏:猫を飼っている、もしくはインターネットでよく時間を潰す人なら、猫が箱の中や小さな入れ物の中で過ごすのが好きだと言うことはご存知でしょう。可愛いですね! そんなことないですか?

体にピッタリくる入れ物があれば、猫たちはそこに入ります。なぜそんな行動を取るのか、不思議に思ったことはありませんか?

これは、ピッタリくる容器の中に入るという行為によって、猫の不安が和らぐからなのです。

1日12時間も眠る動物である猫には、なんの不安もないかのように思えます。しかし、猫だってほかの動物同様、ストレスを感じているのです。彼らにとって、箱の中というのは、敵に教われる心配をせずに、辺りを観察し、狩りに備えることのできる、守られた場所だと感じられる場所なのです。

猫は元々伏兵の捕食動物、つまり、いつだって奇襲する獲物を探している動物だということを考えれば、納得がいくでしょう。

猫を落ち着かせる箱の効用についてわかりやすく解説しているものがあります。新しい動物保護施設に来たばかりの猫たちによる、「応用動物行動学」の記事です。

猫の適温は30度~36度

新しい環境に馴染むのは猫たちにとってとても大変なことです。そういった環境では猫のストレス数値はある程度高くなります。科学者たちは「ケスラーとターナーの猫のストレス・スコア」として知られている方法で、猫の不安段階を活動状態と耳とシッポの様子で等級分けしました。

その結果、身を隠せる箱を与えられた猫のストレス数値は、たったの3日間で下がったのです。この箱の効果はほかの動物のなかでも見られました。

箱を与えられなかった猫のストレス数値もそのうち下がりはしたのですが、それには2週間もかかったのです。とくに強いストレスにさらされる状況下に置いては、閉じこもることのできる周りを囲まれた場所というものは、猫にとっては安らぎの場所なのです。

虎やジャガーなどの大型猫類も、あなたに最近届いたAmazonの箱には隠れませんが、木の茂みや洞穴、もしくは身を隠せる場所に身を隠すことがわかっています。

しかし、猫が箱好きなのには別の理由もあるようです。どうやら、私たちの家は猫にとっては寒すぎるようなのです。

国家研究会議の調査によると、あなたは気温が24度だと快適に感じるでしょうが、猫はさらに暖かい温度、30度から36度ぐらいを好むということがわかっています。

ダンボールの箱の中で丸まっているのは、体温を少しでも上げるためなのです。

太陽の下で日向ぼっこをしたり、ヒーターの通気孔の上で丸まるのが好きなのも、そういうわけなのです。

もし家に猫ちゃんが居て、ストレスを最小限に抑えてあげたいのなら、居心地のいい箱があることを知らせてあげてくださいね。