嫌われ芸人・キンコン西野の宣伝力
絵本作家のぶみ氏(以下、のぶみ):歴史は昔から好きだったんですか?
房野史典氏(以下、房野):はい、好きでした。小さい頃から。
西野:俺、そういえばね……。
房野:声ちっちゃ。
西野:日によると思うんですけど、俺「嫌われ芸人」とか言ってますけど、LINEブログの1位ですよ。
房野:そうなん?
のぶみ:え、マジで?
西野:男性タレントの。男性タレントなんかけっこういるよ。
山口トンボ氏(以下、トンボ):いや、そうそうたる……。
西野:上地雄輔とか、わかんないけど、いるよ。
房野:いや、めっちゃいますよ。
西野:俺なんですよ。
トンボ:1位。
西野:それは感謝してよ。そこやから。LINEブログで一番見られてる有名ブロガーに(『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳・戦国時代』を)紹介された。それはよかったやん。
房野:いや、本当に友達でよかったと。
(一同笑)
西野:先輩なんやから。
のぶみ:先輩(笑)。
西野:売れてるのすごいな。
『超現代語訳・戦国時代』が売れるまで
房野:いや、ありがたいです。でも本当に、2人とか周りの方のおかげで、ここにいたるまでのスピートが早かった。
西野:だってまだ春前とかやもんな。俺の話をね。
房野:春前にFacebookに書き始めて。
西野:そんな早く本出んねんな。
房野:びっくりしました。
のぶみ:テレビとかも動き出すんじゃないですか。
房野:ん? のぶみさん、今なんておっしゃいました? テレビ?
のぶみ:テレビ。わかるだろう(笑)。
西野:全部聞こえたやろ。
のぶみ:でも、『世界一受けたい授業』とか。
房野:ああ、いい!
トンボ:本当にさっきコメントでも「高校の時に読みたかった」とかあったので、やっぱりそういう勉強系の(番組に)。
房野:そうですね。やってみたいです。
トンボ:そろそろ、いつもだったら有料にいくかいかないかみたいな時間なんですが。
房野:1時間経過したってこと?
トンボ:そうですね。
のぶみ:じゃあ、この(本の)なかで反響が大きかった話を1つだけ紹介してもらってからいきます? 有料のほうに。
西野:有料入る前にね。紹介してもらうって読むんですか?
房野:朗読?
のぶみ:いや、読むというか、なんかそこはトークを(笑)。
西野:話ね。「あれ、こうらしいぜ」みたいな。
のぶみ:トークをできたら、うれしいんですが。
応仁の乱って実際なんなの?
房野:それこそコピペしていただいた……。
西野:応仁の乱?
のぶみ:応仁の乱ってどういうことなんですか?
房野:たぶんみんなが教科書で、名前は聞いたことあるぐらいのレベルですけど。
トンボ:いや、さすがに応仁の乱は知ってますよ。
房野:それで中身を、何がきっかけかというのは、あんまりみんなピンときてないんですよね。めっちゃ簡単に言うと、足利という超偉い人がいたじゃないですか。
のぶみ:超偉い人。
房野:室町幕府という、今で言う政府みたいなものをつくった8代目。その人が足利義政さんというんですけど。まあ3代目とかは(足利)義満といって、『一休さん』とかに出てくるような、金閣寺をつくった人。
西野:知ってる、知ってる、俺。
房野:義政さんは、銀閣寺をつくった人。この人ってすごい、文芸というか、芸術に秀でてる人なんですよ。庭園であったり、お茶であったり、銀閣寺もそうですけど、今で言うわびさびの原点をつくったみたいな人なんですよ。
ただ、政治があんまりだったんですね。最初はがんばってたかもしれないけど、みんなから「ん?」という感じになって、へこたれていって、「もうやる気ねえよ」となって。「じゃあ俺、次の代に渡そう」となった時に、そこでパッと気づいたんですよ。「俺、子供いないじゃん」と。
だいたいああいうのって世継ぎ制ですから、子供に渡さないとダメだけど、「子供がいないからどうしよう?」となって、パッと気づいたのが「そうだ。俺、弟いるわ」と言って。
それで、弟はその時何をしてたかというと、お寺に入ってるんですよ。お寺に入ってるということは、俗世間と離れてるから、戻ってこないとダメなんですね。これはちなみに還俗っていうんですけど。
西野:戻ってくることを還俗。
のぶみ:還俗っていうんだ。
房野:それを「お願い戻ってきて」「将軍やってくれ」と。「いや、兄さん、俺はもうお坊さんになったから、それは無理」と言って。ずっと頼み込むけど「いや、ダメだ、ダメだ」と言って。
もっと言えば、「兄ちゃんまだ若いんだから、子供できる可能性もあるから」と言って。「いや、そんなことはないし、もし100歩譲って子供できたとしても、お前が戻ってきたらお前に渡す」と言って。
当時で起請文という、今で言う契約書みたいな。「絶対裏切りませんよ」というのを書いて、「わかった、そこまで言うなら戻るよ」と言って、戻った矢先に子供が生まれるんですよ。
のぶみ:え~、そうなんだ?
房野:子供が生まれちゃったら、誰がバチバチになるかというと、当の義政さん本人はもう政治やる気ないから1歩引いてるんですけど、お母さんですよ。日野富子さんというイケイケのお母さんが「息子が生まれたんだったら、私はこの子を将軍にしたい」と。当たり前でしょう。
弟は弟で「いやいや待ってくれ。契約書書いてもらったんだよ。これが正しいに決まってるだろう」と言って、そこでバッチバチの喧嘩になる。
西野:契約書書いてるのにあかんの、もうこれは?
房野:そうですね。意外に破られることが多い。
西野:(笑)。
のぶみ:なんだよ。なんで書いたんだよ(笑)。
房野:起請文って。これ落語とかでもよくあるんですけど、花魁の人とかが何枚も書いて、連発しすぎたらぐちゃぐちゃになる、みたいな話もあるんですけど。
ほんでそうなった時に、一応足利家で大きい家だけど、言っても家のなかの問題。ここからややこしいのが、バックに有力大名が、西のめっちゃ強えやつと、東のめっちゃ強えやつが、それぞれのバックにつくんですよ。そうなると、全国の大名もどっちにつくかで割れていくんですよ。
ほんで、管領というポジションの偉い人がいるんですけど、そこの家でも割れて、何個の家でも実は家のなかで問題が起きて割れて。それが東と西に全部分かれていくんですね。
それでぐちゃぐちゃに戦いすぎて、それを当時の首都である京都でやるから、京都がぐっちゃぐちゃになるんですよ。この戦いが11年間続いたのが応仁の乱です。
のぶみ:そうなんだ。
房野:これでぼろぼろになっていって、室町幕府の力がどんどん衰えていって、「じゃあ俺もいけるじゃん」「じゃあ俺もいけるじゃん」って、全国の大名が名乗りをあげてきたのが、戦国時代突入という。
のぶみ:そうか。
一番悪いのは足利義政?
西野:でも、あいつが一番悪いんやん。そもそもの政治できんアホ。
房野:義政さん。
西野:義政が……。
房野:むちゃくちゃな言い方……。
房野:なんなら義政がもうちょい早く子供を産んでいたら。
房野:それで1回できたんかな、確かね。
西野:できたの!?
房野:亡くなったか、あれはあるんですよ。その時にいなかったんですね。
西野:はー。
のぶみ:すっげーな。
西野:最悪やな。タイミング悪かったんや、もう。
房野:そう。もう最悪。
西野:でも、今話を聞くと義政が悪いな。俺的には義政が絶対悪い。
(一同笑)
房野:犯人見つけようぜゲーム。
西野:義政がもっとシャンとしてたら……。嫁に対して「お前出るな」って言って。
房野:でも、さっきも言いましたけど、芸術方面は秀でてるんですよ。いろいろ、お茶とか庭園とか。銀閣寺のあの庭のあれとかって。
西野:えっ、金閣があるのに、そのあと銀閣寺つくっちゃうんやもんな。逆だったらまだしも。キラキラなものがあって、「そんなのよりこっちのほうがカッコイイじゃん」って言って、あの落ち着いた感じをつくっちゃうんやもんね。
房野:みなさんもご存知だと思いますけど、銀閣寺って銀じゃないんですよ。
トンボ:確かに。 西野:ふつうの木だもんね。
トンボ:ふつうの建物。
房野:あれがわびさびの走りという。
西野:でも、銀閣寺のほうが完全にカッコええもんな。
房野:カッコイイんですよ。
トンボ:渋い。
房野:そうなんですよ。そういうこと。
西野:金閣寺ってちょっと下品だもんね。
トンボ:まあちょっとそうですね。
房野:人によります。
トンボ:下品と言われたら下品。
西野:下品、下品。銀閣寺のほうがやっぱりカッコええもんね。
トンボ:そういうのが(本に)わかりやすく書いてある。
房野:そういうのがプロローグで入ってます。
西野:そこから戦国時代が始まりましたよってことですね。
房野:そうですね。それで第1章が関ヶ原の戦い。第2章が真田3代。今、大河ドラマでもやってますけども、『真田丸』の……要はもうラストまで書いてますので。
学校の歴史の授業はなぜつまらない?
のぶみ:だけど、先生が必死になって歴史の授業を教えるじゃないですか。なんであれはおもしろくないんでしょうね?
西野:だって、ここ(の本)に書いてあるもの、教科書でいったら2ページ3ページ……。
トンボ:応仁の乱なんてぜんぜん。
西野:名前だけチラッとやって。
トンボ:年号覚えたぐらい。
西野:そうそう。それも覚えてないしな。
のぶみ:だからこれ、すごいおもしろく書かれてるから……。その時に「先生のやつはなんでおもしろくなかったのか?」って振り返ったことはあるんですか?
房野:たぶん本当に、いやなかには(おもしろい先生も)いるんですよ、なかにはいるというのをわかっておいてください、伝えるのが下手なんですよ。
のぶみ:ああ。
西野:いや、もう絶対それに尽きる。
トンボ:そうですよね。
のぶみ:暗記ばっかりですよね。
房野:僕が本当に今でも覚えてるのが、中学校時代で社会科の先生に歴史を教えてもらった時に、まず滑舌が悪い。
西野:あー、ぜんぜんあかんやん。
房野:ほんで江戸幕府の、テレビでやってる『暴れん坊将軍』って超有名じゃないですか。あれの8代将軍って超有名なのに、7代って言った。
西野:もうアホやん。
房野:滑舌も悪けりゃ、知識も備わってないんかって。
西野:(滑舌悪い芸人の)諸見里やん。
(一同笑)
西野:諸見里やん。まったく。
房野:いや、諸見里は。違う違う、諸見里ではなかった。
西野:滑舌悪いやん。
房野:いや、諸見里は愛嬌がある。
ログミーにも人の心がある
トンボ:まあまあ、そんなこんなで有料のほうにいきたいと思うんですけれども。
のぶみ:そうですよ。ぜひ読んでほしいです。
トンボ:次回は9月23日ということで。
のぶみ:20時からですね。
トンボ:じゃあ、ここからはもうちょっと深い話ができる。
西野:あと10月30日空けといてくださいね。
トンボ:あ、そうです。10月30日の「∞ホール」。
西野:10月30日はハロウィンのやつやってるから。
トンボ:そうです。やりますよ。
房野:きましたね。
のぶみ:意外に有料のやつは言っちゃいけない話もやや言えるので(笑)。
房野:ああー。
のぶみ:実は、ここまでは本当にネットニュースがものすごい見てるんですよ。
西野:ログミーがすぐ書くんですよね。
のぶみ:本当に明日ニュースになったりするんですよ。
房野:へ~、すっご。
トンボ:有料だから言っていいというのも、よくわからないんですけれどもね(笑)。
西野:有料のやつは記事にされないんでしたっけ?
のぶみ:有料のやつはまだされてないかなぁ。
西野:ログミーはそこは人の心は残ってるわけ。有料なら記事にしない。ログミーにも人の心があった。
(一同笑)
房野:ここはもう自由にやっていただいて。
のぶみ:ログミー大丈夫だよね? まだね。
トンボ:大丈夫だと思いますけれども。
のぶみ:一応ここに断わりくるもんね。ログミーさん、よろしくお願いします。これ、いい本ですよ。すばらしいです。
トンボ:じゃあ、そんなこんなで有料にいきたいと思います。
のぶみ:ありがとうございます。
西野:なるほどねぇ