光くしゃみ反射とは?

マイケル・アランダ氏:全世界中で3分の1ほどの人が、こんなことを主張します。……残りの3分の2の人たちはきっと、その人たちは狂っていると思うかも知れませんが、礼儀正しいから言わないだけかもしれません。

しかし、こんなことを経験したことはありませんか? 昼公演が終わり、暗い劇場から出てきたとき、または長いトンネルを抜け出て太陽の光を見たとき、突然くしゃみが出るという現象です。

あなたはこの時、医化学の、「ほとんど知られていない、しかしありがたいことに身体に害のない」現象を体験しているのです。

これは「光くしゃみ反射」または、突然のまばゆい光にさらされることにより引き起こされるくしゃみ、として知られています。私たちのうち、30から35パーセントの人に起こる現象です。

反論者たちよ! これは実際の現象です! しかし科学者はこれがなぜ起こるのかをわかってはいません。光によって引き起こされるくしゃみの注釈は、遡ることアリストテレスの時代の医学資料に見られます。

タイミング悪く引き起こされる「光くしゃみ反射」が外科医や飛行機の身に起きた場合、大きな問題が起こる可能性があることに気がついた現代の研究者たちは、それをさらに突き詰めて研究し始めました。

実験から明らかになったこと

今のところわかっているのは、光くしゃみ反射は感覚神経の過敏反応によって引き起こされるということです。

例えば、2010年の研究で、10人の光くしゃみ反射を起こす人たちと、同じ数の比較群を対象に実験を行いました。被験者すべてがまぶしくきらめく光にさらされた後、研究者はその光が、比較群の人に比べて、光くしゃみ反射をする人の脳にある視覚皮質に、とくに多くの活動を引き起こすことを発見しました。

ですからそれらくしゃみをする人たちの光に対する繊細さが、ほかの人より過敏というだけかもしれません。

しかし、一般論では、特定の、「三叉神経」と呼ばれる、頭にある一番大きな、複雑な神経の束と関係があると言われています。これは、鼻がむずむずしたり、眉毛をピクピク動かしたり、唇が乾燥した感覚などの、人の顔面の動きすべてを司る神経です。

この神経の一部はまた、視神系にゆっくり近づき、目から入ってくる光の情報を脳に伝えてくれます。ですからこの理論は、突然のまばゆい光は視神系を刺激し、それが時々近くにある三叉神経の一部に伝わり、その神経が鼻や口に繋がっているというわけです。

この刺激か鼻の不快感によるむずむずした感じに似ているため、くしゃみを引き起こすのです。

ですから、この現象ははっきりと解明していませんが、このシナリオは、三叉神経を刺激することと関連する、“くしゃみを引き起こす以外の奇妙な現象”を解明してくれるかもしれません。例えば、髪を引っ張ったり眉毛を抜いたりする時に起こる現象ですね。

あなたがもし光くしゃみ反射をする人でしたら、もう隠れる必要はありませんよ。誇りを持ってくださいね!