経済評論家と『ブラック企業探偵団』の著者が対談
瀬尾傑氏(以下、瀬尾):「ニコニコ超会議」幕張の会場から送っています。ここは「現代ビジネスチャンネル」というブースです。メインの会場では「超トークステージ」って、津田(大介)さんとかやってるんですけれども。
そちらもおもしろそうなんですけれども、見ないで、こっち見てください。すごいアウェイ感のなかでやってます。
僕は、講談社の『現代ビジネス』ジェネラルマネージャーの瀬尾傑といいます。今日は「現代ビジネスチャンネル」というなかで「現代ビジネスvs東大ブラック企業探偵団」という企画をやります。
『ブラック企業探偵団』知ってます? この本(『進め!! 東大ブラック企業探偵団』)。買って読んでくださいね。おもしろいですよ。この本の著者が大熊将八君という東大生です。留年してます。ブラック企業の本書いて留年した男です。
大熊将八氏(以下、大熊):秋に卒業になりました。
瀬尾:さらに特別ゲストに経済評論家の山崎元さんに来ていただきました。山崎さん、よろしくお願いします。
山崎元氏(以下、山崎):どうも。よろしくお願いします。
瀬尾:こんな豪華なメンバーをこんな片隅で誰も見てない状況でやりますので(笑)。見てねー。コメントくださいね。どんどん炎上していいですから。そういうわけで、大熊君よろしく。
大熊:よろしくお願いします。
山崎:なにするんですか。あと、とりあえず勝手に話せってことみたいなんですが。
大熊:そうですね。始まっちゃいましたね。
山崎:はじめまして。山崎です。
大熊:大熊です。
山崎:1981年卒業です。(大熊氏は)2016年の秋卒業ということで。
大熊:そうですね。2016年なので、35年と半年違いということで。
山崎:今は秋の卒業というのがあるんですか?
大熊:秋の入学もあるように、秋の卒業もできまして。9月に卒業できるという感じですね。
山崎:ブラック企業を散々調べて、就職活動されたわけですよね。最近の就活の様子でも聞いてみましょうかね。
東大生に人気の企業は?
大熊:はい。ぜひぜひ。
山崎:何社受けました?
大熊:私自身は受けた会社数は5社とかですね。
山崎:どんなところを受けたんですか?
大熊:ずっとメディア系とかを志望していたので、去年のいわゆる2016年卒として受けたのは5社ぐらいなんですけれども。
実はその前の年はまだいろんなところ迷ってまして。それで、外資系のコンサルティングファームとか銀行とかのインターンとかはたくさん受けていましたね。
山崎:なるほどね。けっこうあちこちバラバラの業種で受けたということですか?
大熊:そうですね。当初はやっぱりなにがしたいのかわからなかったので、周りが東大の経済学部とかで、「じゃあ、俺はコンサル」だとか、商社だとか銀行だとか、そういう人が多かったので。なにをしたいかわからないまま、それに引っ張られてなんとなく受けるみたいな。
それで一喜一憂して「ここのインターンが通った」とか、「なんとかコンサルティングのインターン落ちた」とか「受かった」とか。当初はそういうことを一喜一憂してたという感じなんですね。
山崎:今一番人気の会社というのはどこになるんですか? 例えば経済学部なんかで言うと。
大熊:東大の経済学部でですか。たぶん一番人気なのは、いまだに外資系の銀行とコンサルティングファームかなと。いわゆるマッキンゼーとかボストン・コンサルティングとかゴールドマン・サックスとか。
山崎:そんなようなところが人気ですか。
大熊:そうですね。でも、けっこう一番人気というのが難しいなと思いまして。
というのが、一部のすごい就職活動に燃えている層みたいなのがいまして。その人たちは大学3年生か、早いと2年生ぐらいからもう始めている人たちがいるんですよね。そういう人たちのなかでは、もう普通に「外資系だよね」という感じなんですけど。
一方で、4年生になってからゆっくり始める人もいまして。そういう人たちはやっぱり商社とかメガバンクとかですね。そのあたりが人気になってきます。
ブラック企業の定義とは
山崎:私は最初商社に入ったんだけど。最初が三菱商事で。それから12回転職したんですよ。いちおう三菱商事、野村投信、住友生命、住友信託、シュローダー投信、バーラー、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一證券。
山一證券の時に山一倒産して、第一勧業アセットマネージメントに行って、明治生命に行って、UFJ総研に行って、今、経済評論家をやりながら楽天証券に勤めてるという感じで。
当時、わりあい商社とか銀行とか。あんまりまだ外資系の会社というのはそう人気ではなかったんですけれども。ぼちぼちコンサルティング会社なんかは「マッキンゼーに行くんだ」とか「ボストンに行くんだ」とかっていうような連中も出始めたところですけどね。
ただ、コンサルとかあるい外資系の証券会社とか、まあ商社でもそうですけど、だいたい最初の働き方というのはかなりブラックだと思うんだけど。
「ブラック」ということの定義というか。要するに、労働がきついだけではなくて、あとそのほか、なにがブラック企業の定義なんですかね。ブラック企業のオーソリティにうかがうとすれば。
大熊:私も偉そうにこういった本を書かせていただいて。これ、本のTシャツになってるんですが。
山崎:Tシャツがあるんですね。
大熊:自分で作ってまして。はい。
いわゆる「激務イコールブラックではない」というふうな主張を、この本ではチャレンジしようと思ってまして。
どういうことかと言いますと、例え激務でも、そのあと、いわゆる「スキルが身につく」であるとか、「転職価値が高まる」であるとか。そういった企業、いわゆる将来が開けている、高い将来性が個人にも還元される企業というのは、むしろいい企業ではないかと思ってます。