ルポライター昼間たかし氏がCG裁判を解説
山田太郎氏(以下、山田):はい、始まりました。今日はね、すごいんです。ゲストがうぐいすリボンの荻野さん、それからルポライターの昼間さんに来ていただいてます。
で、今日はまさにてんこ盛りでして、コメントのほうにもありましたけれども、CG裁判ですね。例のあれの判決が、第一審で出ましたので。
昼間さんのほうはずっとこれを追ってきてるので、今日の判決も見てると思いますが、あとで詳しくお話を聞きながらですね、表現の自由との関係について大いに語ろうと思っています。
坂井崇俊氏(以下、坂井):昼間さん、初登場だから。
山田:え、昼間さん、初登場?
坂井:初登場です。
昼間たかし氏(以下、昼間):そうですね(笑)。
山田:ああ、そうなんですか。なんかよく出てたような気がするんだけど(笑)。そうじゃないんだ。
坂井:自己紹介をしてもらったほうがいいかなと。
山田:じゃあ、自己紹介してください。宣伝も含めて。
昼間:昨年はこちら、『コミックばかり読まないで』という本を出しました。
昼間:こちらの本を出しましたね。まあ、一応ルポライターなので、取材しないといけないんですが、規制問題を始め、さまざまな作者や出版社、制作会社だとか、どんな活動で作品を作って生み出しているのかを描いたルポルタージュということで。
だいたい取材したら、公的な場所ではみんな適当なことしか言わないし、手記だとみんな嘘をつくので、ルポルタージュという手法で、この人は本当のことを言ってるのかな、嘘を言っているかな、なんでこんな言葉を言ってるんだろう、ということまで含めて書いてみました。
話題の『水中ニーソ』とは?
山田:ところで、この映ってる女性は未成年? どうでもいいんですけどね(笑)。
昼間:いや、20歳過ぎてる。みんな、「えっ、この子に会ったの?」「どんな子?」って言われるんですけど、僕も会ったことないんです。
山田:あ、なんだ。
昼間:撮ったカメラマンに会ったりして。『水中ニーソ』と言って、今、大流行りしている。
山田:この子の写真で売れてるよね、少し。
昼間:けっこうね(笑)。しまりすちゃん、ありがとうございます。
山田:これ薄い本じゃないですから。太い本ですから。
昼間:はい?
山田:いや、(コメントで)「薄い本?」って言われてたから。
昼間:いや、超こんな分厚い。
山田:高いの? お高いんですか?
昼間:いや、これで1500円にしたんで。
山田:あ、1500円。
昼間:最初はこれの3倍ぐらいあって、原稿が。「2000円超えるからやめろ」って言われて(笑)。
山田:なるほど。昼間さんには私もいろいろお世話になってますんで。
表現を守る党のサポーターが1万人を突破
山田:それから、いつもおなじみのうぐいすリボンの荻野さんです。
荻野幸太郎氏(以下、荻野):こんばんは、よろしくお願いします。
山田:荻野さんのほうにはですね、国連の女子差別撤廃委員会と人権委員会から勧告が出ましたんで、これについても今日は詳しくやりたいなと、いろんな問題を抱えてますので、というふうに思っています。
というようなことをやると、たぶん今日はてんこ盛りなので、最後までいくかどうかというところなんですけれども、がんばってやっていきたいと思っています。ちなみに、遊佐めぐさんが髪を切ったと。
遊佐めぐみ氏(以下、遊佐):はい、切りました!
山田:理由がすごい。ラーメンを食っていたら、ラーメンに髪が入るから邪魔だっていうことになって、髪を切ったらしいっていう。
遊佐:ラーメン好きなんですよ。こう食べてて、結ばないで食べてたら、ベチャって入っちゃって、「あっ!」ってなっちゃったんで、切りました。
山田:なるほど。
荻野:ラーメン食べやすくなって良かったですね。
遊佐:そうですね、ほんとに。今日も食べてきました。(笑)
山田:そうですか。じゃあ、このあと、ラーメン食いに行きましょうか。
(一同笑)
荻野:いいですね、ラーメン。
山田:はい、ということで、まず今日はですね、CGポルノなんですけど、その前に1つ、表現を守る党がサポーターが1万人越したと。
遊佐:おめでとうございます!
(一同拍手)
CGポルノ事件の第一審について
山田:ちょっとそれもあとで詳しくやりたいと思いますが、15分前で1万563名ですね。それだけの参加がありまして、次なる目標ってのがまたいろいろ出てきてますし、1万人超えてどうしていくんだ、というあたりも少しお話をしていきたいと思ってます。
では、最初のですね、CGポルノ事件の第一審ということで、タイトル出ますかね。「今週の児ポ」みたいなやつ。
荻野:「今週の児ポ」じゃないですね(笑)。
山田:今週じゃない、何?
荻野:「今週の表現の自由」でしたかね。
山田:はい、「今週の表現の自由」ということで、まさに今日、CGポルノの第一審の判決が出たということで、その概要を今日は現場で見てきた昼間さんに語ってもらいながら、何が問題なのか。
それからですね、これまでずっと公判を追ってきてもらったと思うですが、そのあたりの全体像というか、ちょっとそのあたりを教えてもらえますか。
昼間:わかりました。じゃあ、まずは経緯からしゃべっていきますね。まずね、2013年の7月に被告が逮捕されたんですね。このときは、「どうせ、またトレースで捕まったんだろう」と、ぜんぜん盛り上がってなかったんですけど。
坂井さんから、「これなんだろう?」って電話もらいましてね、「おれもよくわかんないです」って答えたんですけど。
そしたらですね、僕も長年取材したり、あと友達の山口貴士弁護士が「これは大変だ」と、「おれが弁護団を組織することになる」と。ああ、山弁がやるんなら、無理筋な話じゃないんだということで、友達関係の知り合いがやるし、取材に行こうかということで、取材に行きました。
2013年の12月に第1回公判がありました。このときですね、名前は昨日から出てますが、被告の高橋さんに初めてお会いしたんですが、すごい変態が出てくるかと思ったら、すごい折り目正しい人で。
山田:そうだよね。写真でしか僕は見たことないけど。
昼間:「取材に来ました」「どうもありがとうございます」みたいなかんじで、すごい礼儀正しく。
で、裁判の冒頭で「私は無実です」とはっきり言われてて、「ああ、これはちゃんと取材をしたほうがいいな」ということで、傍聴を始めました。最初は無実を訴えてるんで、当然対立するわけですが、ずっと意見が対立したままタラタラと続くなあと思っていました。
そしたら、この第4回公判が昨年2014年の6月にありました。このときまで西山さんという、ちょっときれいな女性の裁判官1人でやってたんですけど、「ちょっともう無理です。進行協議を」ということで。
この前回まで西山さん1人で、この回から3人体勢になったんですけど。「ちょっと無理です。1人だと、このままやってもお互いに何を言いたいのかすごく多いので、公判中ですが、整理手続をやりましょう」ということで、裁判官が提案されました。「じゃあ」ということで中断したらですね、まあこの中断期間が長い。
荻野:けっこうそうですよね。
昼間:なんと昨年の2015年の10月に再開するまで、1年2ヶ月ずっと整理手続をやってて。まあ、10月になって、ここからようやく連続で公判を開きまして、昨年1回結審をしまして、今年に入って3月判決といことで、みなさん待ち構えてたら、昨日にきてしまったわけです。
実はCGじゃない!?
昼間:実はですね、ものすごく論点が長いんですね。長くて、これをやってたら、たぶん3時間ぐらいかかるので、簡単にやります。
まず1つ目、CGじゃない。
山田:ん、どういうこと? CGじゃない?
昼間:あの、被告の高橋さんですけど、一貫して「CG」と言ってるんです。「絵である」と。なぜならですね、「スキャンしてトレースしたんじゃないか」とずっと言われてますけど、本人としては「パソコンで確かに書いてます。ただ、これは私が挑戦した新しい絵画です」ということを言われている。
それはちゃんと背景もあって、高橋さんはお父さんも画家で、本人も芸術系の大学で写真学科を卒業していて、最初の制作動機は、「写真だと物理的に太陽の方向をいじれないし、構図にも限界があるから、これを絵でやってみたらどうだろう」ということで試したら、こんなんできちゃいましたと。
ということでやって、ちょっとすごいのができたから売ってみようってなって、売ったら捕まってしまった。
山田:ああ、売ったんですね。なるほど。
昼間:はい。
山田:いくらで売ったの?
昼間:値段は1000円いくらでしたね。僕もね……。
山田:売れた? 買った?
昼間:買ったやつがどこかにあるんですけど、それをどこのハードディスクに入れたか、僕も忘れちゃったんですけど、「メロンブックス」のDLサイトでずっと販売していたんですよ。これもあとで重要になってきます。
ところが、こんな取り込んでいたなかに、今だと児童ポルノになっている写真集、少女ヌードをパソコンに取り込んでいたんです、制作過程で。それをもって、検察側は「写真集」というわけですね。「パソコンに取り込まれているじゃないか」と。
山田:花咲まゆってやつ?
昼間:はい。花咲まゆという芸名の方のやつ。だから、それを「CGと写真集の写真はイコールだから、これは児童ポルノに決まってるだろう」と。
山田:見てる人でわかんない人いると思うんですけど、花咲まゆという芸名のモデルがいて、その写真集そのものはそもそも児童ポルノとして認定されているのね。
昼間:されています。
山田:写真集はね。ということなので、その認定された児童ポルノを、簡単に言うと、CGでトレースしたのか、そのまま描いたのか、そのあたりはいろいろあると思うんですけれども、それ自身が問われていると。
児童ポルノの写真を参考にして絵を描いたら逮捕?
昼間:そうですね。で、実際にトレースしたのとかレタッチしたやつって、今までも捕まってるわけですから、それだと捕まって当然なんです。
だけど、今回の問題はですね、あくまでスキャンして取り込んだけど、それは参考にするために、要は構図を決めるためとか、太陽こっちから当たってるから、じゃあ自分はこっちに当ててみようとか、参考にするために取り込んだんであって、トレースはしていないと。
で、去年の公判では、この制作過程の話をずっとしていたんですけど、被告人としては理想的な人体というものを書いてみようという意識がありましたので、「取り込んだやつを参考にはするけど、別にそれで作ってるわけじゃないですよ」と。
人体解剖図も取り込んでますし、CGのモデリングも取り込んでいると。美術用の構図集なども取り込んで、それを全部Photoshopのレイヤーにずっと入れていって、自分で線を1個1個書いていったということがありまして、「じゃあ、私が書いた絵だからどこが児童ポルノなのか」ということでやってたんです。
あとは1個問題がございまして、似てるっていう問題。これは何かと言いますと、「取り込んでトレースしただろう」という検察側の主張する写真集のモデルと、高橋さんの書いた絵がですね、顔がよく似てるんで、正直言って10人見たら8人は似てると言うなあ、みたいなところがございます。
ここで検察が「どうだ」って持ってきたのがですね、『聖少女伝説』と『聖少女伝説2』というのをデジタルでダウンロード販売していたんですが、なんとなく高橋さんご自身のサイトにも「過去のモデルに似てますかね」みたいな記述があったりしたんです。
また、買った人の感想のところに「花咲まゆちゃんのものが見れないと思ったら、こんな絵で見れるなんて幸せです」みたいなコメントが載っちゃったりしていたので、つまり「似ているというのはどうなんだ」というところですね。
これはやばいなと思ったんですけど、ここで弁護団側が立てたのが「これは絵だ」と。どういうことかというとですね、結局、実在の人物を参考にして想像で作成したものだから、被写体がいない以上は児童ポルノじゃないだろうと。
そもそも検察官はこれを「児童ポルノの画像を取り込んで、それをトレースした」と言っているが、果たしてこの20年、30年前の写真集を見て、これがどこの誰かも証明しないのに、これが18歳未満の写真だとどうやって証明できるんだ、というかたちで主張しました。
つまり、絵が児童ポルノになるかという、根本的に絵だから児童ポルノにならんじゃないかといことを。もし素材があったとしても、それを18歳未満と証明していないのに、児童ポルノに認定できないじゃないか、ということで。
女性の乳房と陰毛の成長度合いを分析したタナー法
昼間:それと同時にですね、みんなこれで覚えた、私も初めて聞いた「タナー法」とうのを検索して。
山田:なんだそれは、という話でしたね。
昼間:これ、タナーさんというイギリスだかの学者がですね、女性の乳房と陰毛の成長度合いを統計的に分析していった結果、1から5の段階に分けられると。5の段階であれば成人女性の可能性が高いというのが、そこから引用できるんですけど。まあ、これを調べたタナーさんも相当変態だと思うんですけど、まあ、そこは置いときます。
これをもって、お医者さんを呼んでですね、検察側がトレースしただろうという写真を持ってきて、「先生、これはタナー法だと何度ですか?」ということで、「3度ですか、2度ですか、だからこれは未成年ですね」ということで。
山田:2度とか、3度とかって、何の角度を言ってるの?
昼間:ええと、それは統計データとして、このへんの乳房がこうなってると1度、2度、3度、4度、5度で、5度だと成人女性ということで。
山田:ああ、5度だと一番上なのね。そういうことか。乳房の角度を言ってるわけじゃないんだね。
昼間:角度ではないですね(笑)。
山田:2度、2度って言うから、どういうふうにどうなってるのかと思って(笑)。
昼間:ちょっと乳首が大きくなってるとか、陰毛がボーボーになってるとか。そういうのを全部分析してるそうなんですけど。
ここ問題があって、タナーさんが白人なんで、日本で統計データ取ってないから合わないんじゃないかって話もあります。
そもそも弁護団側が持ってきたのは、乳房だけ見せて「これは何度ですか?」って聞いたら、先生は確か2度だったか、3度だったかって言ったんですけど。
でもその人は「これなんですよ」って見せたら、18歳をあからさまに過ぎてるAV女優のパッケージの写真だったんで、そもそも成長しない人もいるからタナー法は蓋然性がないんです。
そもそも写真っていうのは、今の時代はPhotoshopがあるけど、昔だっていろいろ加工技術があったんだから、これを加工してないとどうやって言い切れますかと。「タナー法は意味がないですよ」という話が、けっこう盛り上がりました。
こういうのもあったんですけど、昨日判決が出まして、結局ここまでずっとここまで、去年の10月から傍聴席からですね、何も写真が見えないと。
ひたすら検察と弁護士が画像番号を言いながら、「これはどういう制作過程が……」って言ってるんですけど、児童ポルノなので画像が公開されないまま続いていて、それが何回も続いていたら、ついに弁護団すら寝てしまうということもありました。
山田:(笑)。
遊佐:えー(笑)。
昼間:まあ、この判決が出まして、判決の結果は「懲役1年、罰金30万円、執行猶予3年だ」と。いやいや、なんでなんですかということなんですが、実は判決文がまだね、判決文って弁護士もその日もらえないんで、届いてからよく見ようということなんですが。
裁判の流れ的には、最初はこの「懲役1年、罰金30万円、執行猶予3年です」って言われて、そこから判決の要旨を言いますというけど、一応儀式的に読んでるだけなので、すげー早口で読んでて、弁護士のほかの取材してる人に聞いても、聞き取れた範囲でいうと、検察は34枚ですね……。
山田:争われた写真というか、CGが34点あったと。
昼間:絵かな。画像が34点ありましたと。そのなかでなんと3点だけ、児童ポルノだと裁判所が認めました。
遊佐:ほう。
昼間:これはですね、結局同一性があるか等々でふるい落としていて、タナー法についてはほとんど却下。同一性の問題になるから、順にふるい落としていってて。
実はこれ、裁判所で最後に裁判官がこういうふうになりましたって表を見せて、画面に映ったんですけど、とにかく3枚に絞られていると。だから、3枚はどうも18歳未満をやっているらしいと。
じゃあ、それは結局、児童ポルノかどうかって見ていくと、衣服を身に着けていないし、胸部を露出しているし、陰部は書き加えているし、屋外でこのような裸になっているということ。
なおかつ、「メロンブックス」で被告人は成人向けに販売している。じゃあ、これは児童ポルノですよね、ということを認定してしまった。
ところがですね、『聖少女伝説』というデジタル画集と、『聖少女伝説2』ってあったんですけど、3枚だったら『聖少女伝説2』だけの画像になってしまって、『聖少女伝説』は児童ポルノじゃない、ということになってしまいました。
これについて、裁判官が最後にまとめみたいな言葉を言うんですけど、被告人に言ったのは、「完全に無罪というわけにはいかない。ぜんぜん特定の人でなく作り上げた、というあなたの主張に賛同するわけにはいきません」と言っています。
そのあと「ただ、1つのCG集については裁判所は1つも認めませんでしたが、どういう対応をされるかは、弁護士と話し合って、芸術活動は慎重に」ということで、余計なお世話だと思うんですけど、なんか言いたかったんだなと思ったんですけど。
で、終わってから司法記者クラブで弁護団が記者会見を開きまして、「弁護団としては不当判決である」と。
さまざまな理由があるんですけど、まず重要なのは、「全面的に無罪になるのを避けるために、一般人ならどう思うかという社会的法益を取り入れて、恣意的に判決を下したんじゃないか。これで創作活動が萎縮するんじゃないか」というのが、1つ弁護団からの主張。
もう1つは、「CG画像34枚で最初、検察官は懲役2年と罰金100万円を求刑してたのに、3枚に減ったのに懲役1年って罪が重くないか」っていうことで、山口さんがおっしゃってたのが、「被告人にこれ以上の創作活動を行うなという圧力をかけるための意図があるんじゃないか」ということを言ってました。
というわけで、高橋さんの今後の創作活動、「まだ描きますか?」というおうかがいしたところ、「芸術活動の価値が理解されなかったのは残念ですけど、今後も少女の絵画を描いていくんですか?」と聞いたら、「いやいや、ちょっともうこういう活動はしません」と。
「それは萎縮ですか?」と聞いたら、「萎縮じゃない。明らかに誤解を受けやすいと思う創作は、自分ではしたくない。それに、もっと僕はさまざまなやりたいことがあるんです」ということで、おっしゃってました。
ただ、高橋さん、逮捕されたり有罪になったりして、なんか自営業らしいんで、「商売に影響はあるのか?」「意外と商売というのはIT関係とか理解があるので、大丈夫です」というところで、そこは安心してるようです。
そのうえで、結論として思うのは、弁護団側がおっしゃってたように、社会的秩序を維持するために無理やり有罪にしたという側面はあると思います。その点では政治的な判決なんじゃないかなと。
表現に対する取り締まりは江戸時代から変わっていない
昼間:やっぱりこれは尖った表現っていうのは、常に国家から目をつけられてしまうんだということが、あらためて明らかになった。これは歴史的にも、昔から歌舞伎にしろ狂言にしろ落語にしろ、江戸幕府からちょっとおちょくったことをやったら、すぐお奉行さまに呼び出されてですね。
変わっていないなと。国家側から、権力の側からすれば、自由な表現っていうのはやっぱり怖いんだというのが、あらためて浮き彫りにしたんじゃないかなと思います。
ただ1つ問題がありまして、やっぱりさきほどもやった、似ている問題というものがありまして、ここはけっこう重要で、花咲まゆというのは確かに芸名かもしれない。この人はどこで今何をやっているのかもわからない。
ただ、まあ実際似てるというのは確かなので、実際に花咲まゆだった人はですね、今何かの拍子に高橋さんの作品を見た場合、どういう思いを思うのかと。芸術だから問題ないですよ、とは言い切れないというのは、ちゃんと押さえておかないといけないのかなと。
なんか結局、高橋さんも「明らかに誤解を受けやすいものは、もうやらないほうがいい」と自分で思っているということは、高橋さんもそこは意識してるのかなと思ったんですが、どう思いますか?
荻野:高橋さんが自分の体の写真でやれば、何の問題もなかったと思うよね。