2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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市谷聡啓氏:(スライドを示して)この本の具体的な中身はまとめると26の作戦になります。「そんなにあるの」という感じですが、「結果的にこのぐらいになった」という感じなのです。
最初から26個描いたわけではなくて、「これも必要」ということを書き連ねていくと、結果的に26の作戦といった見方を抽出できました。
(スライドを示して)目次も見ておきたいと思います。イントロダクションから始まり、第1章われわれが今いる場所はどこか。この本を書くにあたっての背景を載せています。
2章は日本の組織を縛り続けるもの(ということ)で、今日槍玉に上げた最適化の最適化の話を詳しく掘り下げています。
3章でいよいよ体の動かし方に入ってきます。自分の手元からアジャイルにすることから始まります「いきなり経営のコミットメントを求めよ」といっても相当ハードル高いですよね。ですから、まず自分たちでやれるようにするためのところからスタートしています。
4章は「組織とは『組織』によってできている」という謎の切り口で始めていくのですが、ここから組織でアジャイルをやっていくにはどうしたらいいかと、新しく問題を再定義して読み解いていくかたちを取っています。
4−3が私が1番好きな節です。ぜひ読んで確かめてもらいたいと思っています。ちょっと熱量が高めの部分です。
5章が組織を芯からアジャイルにするということで、タイトルを冠した章になっています。組織の中で横に広げたり、縦に広げていく具体的な方法を書いています。
(スライドを示して)ということをグラレコでまとめてもらったりしていますが、1枚にまとめるとこんなイメージということで。今言ったことの雰囲気をちょっと感じてもらえたらと思います。
あと、(追加で)述べておくと、各章に組織の芯を捉え直す問いを入れています。
『カイゼン・ジャーニー』の本を読んだ友人と話した時に、「(市谷の本は)章末に問題みたいなのがあるから、そういう問題をみんなで解く。あるいは、自分たちの部門だったらこんなことが起きるかなとか、そんな会話をすることが実によかった」ということを聞きました。ああ、やはり問いを用意したほうが組織のなかの対話が進みそうだなということで、用意しました。
章ごとに「こんなことないですか」「こんな課題ありませんか」「こんな時どうします?」みたいな問いを設定していて、ぜひそれをチームや部署とか同僚の間で、読書会などの話の種にしてもらえたらと思っています。
(スライドを示して)例えばこんな感じの問いです。1章の問いを持ってきていますが、「自分たちの組織を取り巻く環境、社会に対して立ち遅れていると感じることは何ですか」ってことですね。
デジタル利活用を前提とした社会や環境に適した組織、組織活動はどのようなものかと。これは1章の問いなので、ちょっとマクロ的な、大上段にした感じですが、もうちょっと章も進むと問いも地に足着きます。こういったことを肴にして、組織アジャイルの話をしてもらえればなと思います。
続いて、やらないことリストにいきましょうか。この本でやることではなくて、扱わないと決めていたことです。「開発の話」を無理やり組織に当てはめることは、うまくいかないとわかっていたので、そういう語り口調はやっていません。
(また、)“アジャイル型組織”“アジャイル組織”的な話はやめておこうと。これは、インターネットでググったら出てくるので、これに限るようなことはあまり書かないでおこうというふうにしています。組織変革系の書籍にいいことがいっぱい書いてあるんで、それはぜひ昔の本にも聞いてください。
あと、よくあるのが、「『神の目』や『神の手』を持っていないとこんなことはできひんよ」みたいな内容です。急に組織を一気に変えていくというのは、いや、無理やって話。なので、そういうことじゃなくて、1歩ずつ進んでいくための方法を書いています。心意気のみの精神論みたいなものを書いてもしょうがない。まぁ、しょうがないことはないかもしれませんが、そういったものも割愛させてもらいます。
(スライドを示して)パッケージデザインはこういう容姿です。
僕はこっちのほうがけっこう好きですね。実は一部書店ではポスターみたいなものを作ってもらって掲示しています。
(スライドを示して)あと、サポートサイトに https://shin-agile.link/ というところがあり、ここではイントロダクションを読むことができます。「なんでこの本を書いたのか」はここから読めるので、ぜひお家に帰って読んでもらえればと思います。
(スライドを示して)夜も眠れない問題にいきましょうかね。この本を作るにあたっての眠れない問題はなんだったか。いつも「コロナ禍で本を届けられるのかなぁ」とか「本がちゃんと売れるのかなぁ」とか、「みなさんに読んでもらえるかな」と悩みをつらつらと書いたりしますが、この本に関しては1点で、「日本の組織が本当に変わるかどうか」というところを思い悩んで思い描いています。
やはり組織が、新たな体の動かし方を得て、実際に可能性を切り開いていくことをやっていくためには、そういう働きかけなりをしていかなければいけないです。自然発生的にそうはならないので、意図的な力が必要です。
この本を読んだ人たちに(その役目を)ぜひ果たしてもらいたいなと思っています。自分の手元や、自分のチームや部門からでも構わないので、アジャイルの取り組み方を始めていくことがいろいろなところで起きないと、日本の組織は変わらないままでどうにかなるんじゃないかなと思っています。
そこにちゃんとたどり着けるか。それが本を出した後も悶々としているところです。これから発刊以降、ぜひいろいろな人と交流しながら、どうやってその組織を変えていくのか、変わっていくのかみたいなことを話していきたいなと思っています。
そろそろ最後です。期間を見極めるということで、どんな時間軸でやったの? という話です。2021年11月、12月に企画を立案しました。先ほどの赤い本、『デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー』をほぼ描き終えたぐらいのタイミングです。(スライドを示して)そこで次の本が必要だなと感じて、この本を作りました。
1月から3月で書き上げて、4月から5月で「ざらざら」から「つるつる」にするという、要は磨き込みのことですが、いつものようにやっています。これは、けっこう尋常じゃないスピードです。まず3ヶ月で本を書くのは大変です。3ヶ月でゼロから十万字も書くんですよ。よい子は真似しちゃいけないやつですね。
この本は僕にとってもすごく重要な本で、書けば書くほど必要なことが、スルスルと湧き上がるみたいな感じだったからこそ書けたところがあります。みなさんが本を書く時は、もうちょっとこうやれそうな計画を立ててもらえるといいんじゃないかなと思います。
6月がそのラストワンマイルで、6月24日に校了しました。
(スライドを示して)4月の段階で「書き終えましたよ」と連絡をしたら、あまりの早さに、編集者さんがこういうこと言ってきて。
「ちなみに市谷さんの中ではこれいつ出すイメージか。なんかメチャクチャ早いですけど」みたいな(笑)。こういったことを編集者に言わせるのは、人生でもそんなにないんじゃないかなと。
どこかで1日でも早く届けたいなという思いもすごくありました。ちなみに1月と2月は、『デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー』の校正がかぶって、メチャクチャ大変だったということも添えておきたいと思います。ちなみにちゃんと仕事しながらもやっていますからね。
これが本当の最後かな。「ご近所さんを探せ」です。この本における近所は誰なのかというと、先ほども言ったように、この本を書けたのは、いろいろな人にいろんなこと教えてもらったり、一緒に活動したからこそ自分の中に何か絵が描けるのがあって、それでようやくたどり着いたと思っています。
だから、現在の仲間たち、あるいは黎明期から連綿とコミュニティ活動を一緒にやってきた人たちとの活動があってこそだとあらためて思う次第です。小田中さん(小田中育生氏)を始め、何人かの方にレビューを務めてもらっています。
こういう近所の関係はやはり大事だと思っています。今はアジャイルのコミュニティもありますが、20年ぐらい前や10年ぐらい前にあったような距離感でのアジャイルコミュニティは、今はコロナもあってちょっと停滞しているのかなという感じもしています。
あらためて繰り返しですが、今の現場や組織に合ったアジャイルを探求する、学び合う、そういうコミュニティを作ろうと思い立ちました。それを“シン・アジャイル”と名付けました。
(スライドを示して)この“シン”の意味は人によって違うし、現場によって違うし、組織によって違うかもしれません。それは違っていいから、その違いをお互いに学び合いましょうというコミュニティを実はもう立ち上げていて、(これから)進めていこうとしています。
みなさんにとっての「アジャイル」とはなにか、なんてことを語り合ったりしています。せっかく組織を芯からアジャイルにすると本を書いたので、コミュニティ運営もアジャイルにしてやっていこうかなと思っています。
今日はこれで終わりにしたいと思いますが、最後に1つお話しすると、やはり基礎も大事です。アジャイルマインドの理解ということです。
(スライドを示して)これはなんなのかというと、やはりいろいろな価値観や価値の定義がありますが、アジャイルにおいて、原点、源流はアジャイルソフトウェア開発宣言だと思います。
この中身はとてもいいものですが、ソフトウェア開発の実践ということが頭に書いてあるのに、文脈がもうそこにフォーカスされている感じがあります。
(スライドを示して)そのため、組織アジャイルを記すにあたっては、あらためてその4つの価値観を再定義するというか、拡張していたりします。このあたりもサポートサイトなり本でも確認ができるので、ぜひ読み取ってもらえればと思います。
ということで、価値もしくは意味のある仕事をしたい、自分の手がける仕事に価値や意味を込めたい。そういった人たちに向けて贈るこの本を、ぜひみなさんも読んでもらえればと思います。
(インセプション)デッキの分は終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
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