2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
リンクをコピー
記事をブックマーク
市谷聡啓氏:ここからもうちょっとインセプションデッキベースで話ができればなと思います。
(スライドを示して)インセプションデッキはみなさん知っていると思います。『アジャイルサムライ』という本に書かれているので、ぜひ『アジャイルサムライ』を手に取っていない方は読んでもらえればと思います。
(スライドを示して)この本で、そのインセプションデッキを組織アジャイル版で少しアップデートをしています。そんなに大きくは変えていないのですが、組織アジャイルの文脈では「パッケージデザインは落としておこうか」という感じでチューニングしています。
(スライドを示して)まずやはり大事なのは、「我々はなぜここにいるのか」です。「この本をなんのために書いたのか」ということからいきたいと思います。
3つあげていて、1つ目は先ほどお話したとおり、「『最適化に最適化した組織』に、『探索』と『適応』を宿す」です。これは簡単にいうと組織を「動ける体にする」ということです。
僕はスポーツはまったくやりませんが、難しい競技、球技、プレーなんて、いきなりできないですよね。その前に準備体操がいるし、いろいろ体を鍛えたりするじゃないですか。それによってようやくうまくジャンプができたり、思いがけない球を取るとか、そんなことができるんですよね。
なので、いきなり組織変革で高みを目指すという話ではなく、組織の動き方そのものの中に、この探索や適応、アジャイルの動き方をまず身につけるようにしようということなのです。それが動ける体を作ろうということですね。
2つ目が「開発の現場」はもとより、そこに限らず、組織のタテヨコ全体にアジャイルを行き渡らせるための術(すべ)、ヒントを提供したいということです。
3つ目が、「変革を『1人』から『チーム・部門』から始めるための術(すべ)を」ということです。組織を芯からアジャイルにすることは組織全体の話にいき着くわけですが、いきなりそこにはいけない。やはり大変です。
(スライドを示して)どんどんいきましょう。これまでどおりのことをするには特に問題を感じないが、これまでどおりではダメになりそうという予感がある人向け。
ハイブフィンガーを取ったら「3です」みたいな感じで、「別に問題じゃないんだけれど、なんかモヤモヤするんですけどねー」みたいな感じの状態。つまり、課題感が潜在的なんですよね。
なぜかというと、最適化の最適化された組織は、目の前の仕事はちゃんとうまくいっているようにみえるんです。だから何か問題があるのかといわれたら、そんなにすごい問題があるというわけではなさそうな感じがします。
でも、顧客やユーザーとの間でうまくいかないことがある、そんなことを感じてる人もいると思います。そういった方々がどのようにして今を変えていくのかということのために作っています。
DX推進部署や情報システム部門の方など開発部だけではなく、ITではない職種の方々に向けて書いています。組織のすべての人が対象となるわけですね。
カテゴリーは何かというと、アジャイルな組織論になるんでしょうかね。現代における実践と、これまで脈々と受け継がれてきたアジャイルの知見に基づいて、本を構成しています。
ポイントは2つで、実践している話であるということです。そして、これまでの20年かけて獲得してきたアジャイルの知見を踏まえているということです。やはり今があるのも、いろいろなものを受け継いでやってきているからで、僕にも先輩がいたり、先達もいて、正直言って、そういった方たちが切り開いてきたアジャイルがあるから、今があるんです。
なので、そういったものをリスペクトすることなくやっていくのは、ちょっとできません。逆にいうと、そういった積み重ねを踏まえているからこそ、そこにはポッと出のアジャイル論ではないということです。
別にこれまでの組織変革本がだめだってことじゃないですよ。これまでの組織変革本はむしろ読んだほうがいいのですが、心意気や、「これをやるべし、あれもやるべし」のように、やるべしファーストみたいになっている本も少なくないと思っています。そういうのも読んだほうがいいですが「それだけだとどうすんの?」と。どうやってやるのかがなかなか見えてきません。
実際、この本のあとがきに書いたのですが、僕の家に本を保管した段ボールがいっぱいあって、ある時(その)段ボールの中を開いたんです。そうしたら、ものすごく懐かしい本が山ほど出てきて、(その中に)組織変革の本がいっぱいありました。
目をとおしてみると、「いやぁ、やっぱり勉強になるな」と思うのです。だいたいその(中で)言ってることは、今も大事なことなんです。だから、昔と今の問題意識が変わっていないのです。昔大事だといっていたことが今も大事だと思えるのは、本当に進歩しているのかということです。
なので、良い価値観、良い観点は昔からずっといわれてきていて、あとはどうやってそれを活かすか、どうやって実際に動いていくかなんじゃないかと思う次第なのです。
何をする、何をやるかというWhat以上に、How、どうやるかというのが必要なのではということです。Whyが重要になる、もちろんそれは前提です。それと同時に、動ける体を作っていくことなのではないかと思います。
(次回に続く)
関連タグ:
2025.01.21
言われたことしかやらないタイプの6つの言動 メンバーが自主的に動き出すリーダーのマインドセット
2025.01.20
組織で評価されない「自分でやったほうが早い病」の人 マネジメント層に求められる「部下を動かす力」の鍛え方
2025.01.16
社内プレゼンは時間のムダ パワポ資料のプロが重視する、「ペライチ資料」で意見を通すこと
2025.01.22
部下に言いづらいことを伝える時のリーダーの心得 お願いを快く引き受けてもらう秘訣
2025.01.14
目標がなく悩む若手、育成を放棄する管理職… 社員をやる気にさせる「等級制度」を作るための第一歩
2025.01.21
今までの1on1は「上司のための時間」になりがちだった “ただの面談”で終わらせない、部下との対話を深めるポイント
2025.01.22
1on1では「業務進捗」ではなく「業務不安」を話すのがカギ 上司・部下は何をどう話せばいい?対話の悩みを解消するには
2025.01.07
1月から始めたい「日記」を書く習慣 ビジネスパーソンにおすすめな3つの理由
2025.01.15
若手がごろごろ辞める会社で「給料を5万円アップ」するも効果なし… 従業員のモチベーションを上げるために必要なことは何か
2025.01.22
「やったもん負け」の現場で何が起きている? 大企業の新規事業が成果を出すための条件とは