2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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菅澤英司氏(以下、菅澤):つよつよエンジニア社長の菅澤です。引き続き、株式会社LayerX・CTOの松本さんに話を聞いていきたいなと思いますので、よろしくお願いします。
松本勇気氏(以下、松本):よろしくお願いします。
菅澤:前回はLayerXの話や、(松本さんが)エンジニアでコードも書いてるし、経営もやっていて、(ご自身の)ビジョンも大きく、なかなか珍しい人材だと(いう話をしていただきました)。
松本:照れますね、ちょっと(笑)
菅澤:どこでどうなって(松本さんが)そうなったのかを聞きたいです。(松本さんの)お名前ですよね。
松本:御社の名前と一緒ですかね(笑)
菅澤:我々はbravesoft…。
松本:「brave」ですからね(笑)
菅澤:どういうことですか?
松本:父がクリスチャンなんですよ。3兄弟なんですが、聖書から名前を取ってみた中で、最初が「勇気」だったっていう。下に「正義」というのがいて、一番下がもし女の子だったら「愛」とつけたかったと。今は「純粋」の「純」ですけど。
菅澤:「勇気」「正義」「純」ということですね。みんな名前のとおりに育ってるのでしょうか。
松本:どうなんでしょうね、わかんないですね。僕が無謀なのはそうかもしれないです。
菅澤:「名前のとおり生きてきたぞ」っていう感じはある?
松本:そうですね。途中から「何やっても死なないや」という感情が芽生えてきたので、好き勝手生きてます。
菅澤:少年時代、小学生時代とかはどんな感じですか?
松本:小学生の時はわりとインドアというか。1人で遊ぶのが好きだったというか、虫を捕まえたり(していました)。すごい田舎の出身なんですよ。
菅澤:どのあたりですか?
松本:鹿児島県の田舎の出身で、家の裏庭から眺めると、お茶の畑とその向こうは山みたいな。人の家が見当たらない、みたいな。そんな環境なので、カブトムシとかクワガタとか(を捕まえていました)。
菅澤:平成生まれだから、ポケモンとか捕まえているのかなと思ったら。
松本:ポケモンもやっていましたが、生き物を捕まえて飼うのが楽しかったので、蛇を捕まえたり。
菅澤:蛇⁉
松本:トカゲとか蛇とか、生き物を捕まえては飼育して様子を見たり。最後は自然に返してあげるんですよ。
菅澤:コンピューターに触れ合ってた小学生時代というよりは、虫に触れていたという。
松本:虫が5割…。プログラミングはぜんぜんやっていませんでしたが、父がパソコン好きだったので、Windows 95から触ったりはしていました。釣りの情報を調べてるだけでしたね。
菅澤:釣りもやってたんですか?
松本:僕の町が港町なので。釣りもしていて、釣りの仕掛けとかを調べてました。当時、サイトはあまりなかったですけど。
菅澤:とにかく自然と触れ合っていた感じなんですね。
松本:父や祖父が武道をずっとやっているので、合気道をずっとやっていて。
菅澤:どれぐらいの期間ですか?
松本:5歳から大学までやっています。さらに、高校から大学にかけては弓道もやっていたという。
菅澤:弓道もやって、虫も捕まえて。
松本:そうですね。やらされて(笑)父親が師範だと逃げられないっていう(笑)
菅澤:確かに(笑)どうですか?今思うと「けっこうよかった」みたいな感じなんですかね。
松本:そうですね。合気道というか、武道はすごくよかったなと思っていて。自分の体の使い方とか、いろいろ把握できる部分もあるので。
菅澤:友達と話が合わないようなことはあるんですか?
松本:単に苦手なだけだと思います。仕事に慣れてきたからまだしも、人としゃべるのがそんなに得意ではなくて。人と会ったりとか、知らない人としゃべることがもともとはすごく苦手だったんですよ。
菅澤:いわゆる理系的な?
松本:理系的なオタク的な感じでした(笑)
菅澤:転機みたいなものはありました?
松本:転機はやっぱり起業してからじゃないですかね。自分の生き方を無理矢理変えて、みたいなところはあると思います。高校から実家を出ちゃって、地元にいてもいい高校がなかったので、県内一番のところぐらいは行っておこうと思って、県内一番の公立に行って。
実は高校も大学もそんなそのノリで選びました(笑)「自分が知ってる範囲で一番いいところに行っておこう」みたいな(笑)
菅澤:「とりあえず行っておこう」で行ける学力があったっていうことですね。
松本:KUMON(くもん)などをやっていたので、わりと楽をして行けました。大学はギリギリ合格でしたが、なんとかそういうところには行けたので。
菅澤:高校は「まあ行けるか」と行って、1人暮らし。
松本:正確に言うと下宿ですね。
菅澤:高校時代はまだおとなしい感じなんですか?
松本:弓道オタクでした。
菅澤:やらされてると言いつつ、けっこうハマった。
松本:弓道はハマったんですよ。朝4時に道場に行って、1人で(弓を)引いてたりしたので。
菅澤:朝4時(笑)ハマったらこうなる(笑)
松本:こうなっちゃう(のめり込んじゃう)ので、外から見ると変な人みたいな。なんなら、下宿の朝ご飯が6時半とかだったので、4時に引いて、帰って、またご飯食べて学校に行くみたいな。
菅澤:弓道ではけっこういいところに行ったんですか?
松本:そこまで成績を残せなかったのはちょっと残念でしたね。
菅澤:その時はまだコンピューターとか(はない)?
松本:ないです。そもそもコンピューターもテレビもない環境で、テレビとか、持ち込むのも禁止。
菅澤:けっこう厳しかったんですね。
松本:厳しかったですね。弓道を引退して、大学受験の勉強をして。
菅澤:東京の大学へ行く。
松本:そうですね。一番いいところ、東大に行っとこうと。
菅澤:さっきからシンプルですね(笑)
松本:僕の行動原理が「のめり込んで一番のところを目指す」みたいな感じで。
菅澤:考えすぎず、調べすぎず、これだと思ったら一直線に(進む)。
松本:そうですね。「自分が属するコミュニティで行ける、一番いいところには行こう」ということはある程度自分の中で課していて。少なくとも自分の見えてる範囲、決めた範囲では一番を取ろうと。
菅澤:親の教育が厳しめというか、一番を目指せみたいな。
松本:「一番じゃないともったいないな」「意味ないな」みたいなことはチョコチョコ言われてた気もしますが、単に負けず嫌いだったので。のめり込んじゃうのと、負けず嫌いなの(性格)が合わさって、とりあえず自分がやってるところは、どれだけかかってもいいから一番取れるように頑張ろう、みたいな。
菅澤:大学へ行って、わりと早めに起業の方向へ行ったんですか?
松本:2年の終わりぐらいから「起業しようか」みたいな話がちょっと上がったりしていました。大学OB交流会みたいなので会った方から、「一緒に起業しませんか?」と誘われて。
菅澤:興味あったからこそ、そういうところに行ったりして、起業を。
松本:興味があったというか、意識が高い学生だったんですよ。「すごいことをやろう」みたいな。例えば「就活とかも考えなきゃいけないんだよね」「外資系のコンサルとか行かなきゃいけないのかな」みたいなことを考えていた中で、いろいろな人に会ってみようと思って。
OB交流会に2~3個行った時に、そこで会ったおっちゃんと意気投合して、「そのままやろう」という話をして。ただ、結局それはやらなかったんですけどね。
菅澤:ちなみに、それまでの2年間はどんなことをやっていたんですか?
松本:合気道をやってました。十数年もやってると身に染みついているので、またやってみようかなって。
菅澤:そこでも一番を目指したんですか?
松本:合気道は競うような武道でもないので、ゆるい大学生でした。
菅澤:徐々に「もうちょっと行かねえと」「もうちょっとやらないと」みたいな。
松本:それだとよくないなと思って、就活みたいなことも意識しながら動いてたら、そういうふうに転機がやってきて、起業とものを教えられ、「なるほど、そうやって稼ぐ方法があるのか」みたいな。「30歳までにこれぐらい稼いでおこう」みたいな目標を立てて、だんだんと道を踏み外していく(笑)
菅澤:踏み外した(笑)
松本:いい意味では踏み外してますね。普通の就活ラインからは外れてみたいな。そこから1年後に、最初の起業をします。友人と「AR×SNS」みたいなプロダクトを作っていて。
起業しようとした時、プログラミングは授業でちょっとかじったぐらいの感じでしたが、友人が「CEOやる」と言うんで、「じゃあ俺CTOやるよ」と言って。そんなノリで僕のキャリアが決まって(笑)
菅澤:「CTOをやるよ」からプログラミングの勉強が始まって(笑)
松本:そうです。Google App Engineでサーバー作ったり、何もわからんところからスタートして。
菅澤:ある種、社会人1年目の仕事がCTOみたいな(笑)
松本:必死に勉強して、楽しかったんですよ。コードを書くのが。最初は地図ベースのSNSを作っていました。「SNSおもしろいね」「人間の人生をどうやったら記録できるだろう」みたいなことを話していて。
時系列も一緒に記録できるプラットフォームを作ってみようとして作りました。地図ベースのものをブラウザベースで作って、その次にネイティブアプリでAR化したんです。
菅澤:それは完全に独学で?
松本:独学で。作りたいと思ってるものをちゃんと作るところに、全力をかけていこうと作って。
菅澤:プログラミングを学んでる過程で挫折というか、「大丈夫かな」みたいなものはあったんですか?
松本:「調べるとどうにかなるので楽しかった」と感じですね。寝る時間と食事もけっこう簡素にしていて、1日中コード書くような生活をしていて。残業という概念にするとひどいんですが、1ヶ月間休みなく、若さに任せてずっとコードを書き続けるみたいな。
菅澤:大学生にネトゲ廃人みたいなのがいるけど、“プログラム廃人”みたいな(笑)
松本:プログラム廃人ですね。3年生、4年生となって、「いったん次に移るわ」と会社から1年で(離脱して)、そのあと一瞬フリーランスをやって。僕の高校のOBの会社を手伝ったり、SFCで起業してた友人をお手伝いするかたちで社員として採ってもらったり。
菅澤:学生ではなくて?
松本:そいつも学生で、むしろ僕より年下だったんですけど。
菅澤:学生兼社員みたいな。
松本:学生兼社員でお給料をもらって仕事をしていました。
菅澤:その時は将来をどう思ってたんですか?
松本:「一瞬フリーランスやった」と言ったじゃないですか。これが1つの大きな転機かなと思っていて。「稼げるな」と。「自分で仕事を探して、受けるだけでも生きていけるやん」と。
「数千時間のコーディングの積み重ねがあったおかげで、食っていけるやん」と。それに気づいてからは「死なないんだったら何でもやろう」みたいになってきて、「最悪無一文になっても、なんとかなるでしょ」みたいな。
菅澤:「なんならフリーランスをやれば、当初の30歳の目標の年収もわりと達成できるぞ」みたいな。
松本:(目標を)ちょっと高めに置いていたのですが、死なないラインだったので。自分の時間とかお金とか、できる限りレバレッジのかかるところに投資していくほうがいいという投資的な考え方をしていて。
「一番効率のいいところにアセットを投資していこう」と決めて、「0になっても死なないんだから、投資しまくったほうが得だ」と。それで起業にどんどん振っていって。
菅澤:それが大学3年生とかですか?
松本:4年生ぐらいですかね。
菅澤:迷いはなく。
松本:そうですね。3年生の終わりに1回休学したので、ほとんど迷いなくずっとそれをという感じで。
菅澤:「もう1回就職するでしょ」みたいな空気はなかったんですか?
松本:ネットエイジってわかります?
菅澤:聞いたことありますね。
松本:新生ネットエイジという、ネットエイジの西川さんっていう方が、もう1回投資活動としてのネットエイジやるぞっていうので、活動し始めた時期に投資を受けたんです。
菅澤:投資も受けたんですね。
松本:はい。最初の会社がコワーキングスペースも提供していて、1つのエリアで集まってワイワイ仕事してたんですけど、そこにいる仲間とかをけっこう見ていたので、「だいたいこれでええやろ」みたいな。
菅澤:「みんな起業するし」みたいな。それ大事ですね。
松本:「自分で稼げるんだから、就職する意味ってあるのか」みたいな。就職は頭の中に選択肢として入ってなくて。ただ、おもしろそうだなと思って、大きい会社のインターンは1回行ってみました。
菅澤:どうだったんですか?インターンは。
松本:インターンは電通だったんですよ。「一番を取れるか頑張ってみよう」とやって、わりとたくさん賞もらいました。
菅澤:電通に。時間が来たので、次回はGunosyに入って、DMM.comに行って、今に至るようなところもちょっと聞きたいなと思います。いったんありがとうございました。
松本:ありがとうございました。
(次回に続く)
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