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DaiGo のFUTUREゴング ~スーパーAIで人類は滅亡!?禁断のテーマにAI界の識者が挑む~(全5記事)

生成AIのビジネスチャンスは、GAFAが攻めてこないところにある アニメカルチャーや製造業の強さを生かす、日本企業の勝ち筋

AI業界の最先端を行く豪華パネリストが登壇した「GMO 渋谷 FUTURE 2024 - GMO SONIC Warm Up -」の様子をお届けします。AIの登場によって私たちの生活はどう変化し、そしてこの先の未来はどうなっていくのか。本記事では、AIビジネスにおける日本の優位性について語りました。

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論理的な推論もできるようになるChatGPT

茶圓将裕氏(以下、茶圓):ちょっと美女トークで盛り上がってるんですが、GPT-4とかのテーマもいきたいんですけど(笑)。

(一同笑)

GPT-4も、司法試験に上位10パーセントで受かるぐらいすでに賢いんですけど、5になったらどんな世界になるのか。ちょっと教えてもらってもいいですかね。

本田崇人氏(以下、本田):5かどうかはわからないんですけど、今明確なGPTの問題があるなとずっと思っているのが……人間で言うところの直感や、直感的な思考とか感性によるもの。(AIは)パッと考えて思いついたものを出すのは得意なんですけど。深く吟味して考えるとか、論理的な知識とかロジックに基づいて回答するのはすごく苦手なんですね。

今AIとしてよく使われているものは確率モデルなんですよ。要は確率的に回答を生成してるんですけど。ちょうど数日前ぐらいにGoogleの(子会社である)DeepMindが発表した論文で、それに加えて論理的推論能力を獲得するようなモデルを組み込んで、ハイブリッドにしたものがあって。それを使うと、数学オリンピックの金メダリストと同等のレベルで、数学の問題が解けるという。

今みなさんもロジカルに考えながらしゃべってらっしゃると思うんですけど。もう数学だけではなくて、汎用的な今あるChatGPT、GPT-4でも5でもそうですけれども、そういったところに論理的な推論能力が付加されて、さらに成長していく。

茶圓:論破力がさらに上がっていくんですね。もうひろゆきさんの役割もなくなっちゃうんじゃないか、ぐらいの世界にもなるんですかね。

メンタリストDaiGo氏(以下、DaiGo):ひろゆきさん、いつかそれと戦ってみてほしいな(笑)。

あおちゃんぺ氏(以下、あおちゃんぺ):確かに、おもしろそう(笑)。

茶圓:(笑)。「GPT-5対ひろゆき」みたいなの見てみたいですね。

DaiGo:でもあの人論破する時に、そんなに論理使ってないですよ(笑)。

(一同笑)

茶圓:確かに、力技感すごいですね(笑)。

DaiGo:そう、力技感強い(笑)。極めて心理的なので……でもそうなってくると確かにおもしろいですね。

日本は生成AIに対する著作権周りの法律がゆるい

茶圓:渡辺さんはサンフランシスコとか世界にいらっしゃると思うんですけど、日本と世界の対比はどんなふうにとらえられてますか。

渡辺圭祐氏(以下、渡辺):日本のAIスタートアップにけっこう会ったんですけど、向こうに行った時もこっちに行った時も、あまり第一印象ではプレゼンス(存在感)を感じませんでした。日本のスタートアップやAIプレイヤー、大企業も「向こうでぜんぜん響いてないですよね」というのがありますね。

ただ日本のAI関係のニュースで話題になったのは、著作権周り。日本では2017年ぐらいから、AIがモデルを作る時に、著作権フリーとは言わないんですけど、かなりゆるく作れるようになっています。かつそのAIモデルを使って作られた生成物に対する著作権もすごく保護されていて。FacebookのAI開発者の人が、「Japan is AI paradise」みたいに(言っていました)。

茶圓:ですよね。日本はガバガバって言ったら表現がアレですけど(笑)。AIにデータを与えすぎてやりたい放題みたいなイメージは確かにあります。

渡辺:そうですね。じゃあそのアドバンテージをちゃんと日本の企業が使えてるかって言うと、それも難しいところで。ただその状況だと、海外のスタートアップやAI企業はグレーのところをちゃんと攻めてくるんですよね。

著作権で言うと「サーバー自体が日本にあると、日本の著作権法が適用される」みたいな話があるので、Microsoftの生成AIのサーバーが日本に来たりとか。

茶圓:最近は、Sakana AIでしたっけ。

渡辺:そうですね、それもこっちでやってたりします。

茶圓:ガバガバがゆえに日本にけっこう企業が来るんで、良いことなんですかね。

木内翔大氏(以下、木内):そうですよね。だけど渡辺さんはシリコンバレーで登記されてる……?

渡辺:登記はデラウェアなんですけど、本社はサンフランシスコです。

AIビジネスにおける日本の優位性

木内:向こうの盛り上がり感とこっちの盛り上がり感はどう違うのかとか、2024年に向こうはどういうふうに変わりそうかといったお話をうかがえれば。

渡辺:全体的に言うと「そんなに日本でAIが盛り上がってるのか?」というのがあって。ただ盛り上がり方の違いがあると思うところは、向こうのシリコンバレーのスタートアップは本当にto Bなんですよね。

基本的にMicrosoftやGAFAとかがやってきて、スタートアップの企業もto Bで大量に(資金を)調達しています。しかもスタンフォード出身、ハーバード出身みたいな人がいると、一気にお金が集まりますね。

それを使ってモデルを作ります。それで、画像やテキストをやって、マーケティングとセールスの勝負で一気に伸ばす、みたいなやり方をしていて。それがおもしろいかどうかはありますよね。日本を見てるとto Cの使い方がけっこうおもしろいのかなと思います。

茶圓:日本はアニメカルチャーが強いなって印象は(ありますか)。

渡辺:そうですね。キャラクターAIとか、to Cへの活かし方だったり、IPを使って何かをするところは、すごくチャンスがあるのかなと。

茶圓:確かに。この前『ブラック・ジャック』の画風を学習させて『ブラック・ジャック』みたいなタッチの漫画を描いたとかね。

渡辺:相当挑戦するのが大変だと思うんですけど。

茶圓:僕も大変だなと思いました。

DaiGo:確かに、AIって今世界中で使えますけど、どう使うかが個人のレベルでは大事になってきちゃうと。日本みたいにガラパゴスっぽい島国とかは使い方が独特になりやすいので。もしかしたら、法律的にゆるい部分も含めて有利なのかもしれないですね。

渡辺:ただもうto Bで勝負するとなると、敵はGAFAみたいになっちゃってて。to Bって、当たり前ですけど大量のデータを使って、お金を使って、オプティマイズ(最適化)されたモデルを全世界に配信しますよと。そうなると、日本の企業ってどこが勝ますかって……さっき深津さんも言ってたんですけれど、チャンスはやはりGAFAが攻めるところ以外ですよね。

GAFAのような大企業にも負けない勝ち筋

茶圓:2024年をいきなり暗い話から始めますが、けっこうお先真っ暗感がある感じですかね(笑)。

渡辺:ただIPを使ってとか、何かやり方はあるのかなと思ってます。

深津貴之氏(以下、深津):個人的には、出稼ぎするのが一番良い気はします。

茶圓:逆に日本から出稼ぎ。

深津:つまりAIをアシスタントにして、足りないナレッジを補ってもらいながらグローバルと勝負する。九州の町工場のおっちゃんとかが、例えばドバイと商売ができるわけじゃないですか。

茶圓:それ素敵ですね(笑)。

深津:ええ。そういう使い方をする限りでは国内で勝負しないで済むし、外貨も取れるし。勝負するところ自体は工場で作るものの精度で、AIで勝負するわけではないので優位性を作れます。あとは法律のおかげで、今は日本のほうが少しいろんなAIを作りやすいんだったら、日本で作ったAIを海外でぶん回すような使い方もできるしね。

茶圓:じゃあ今度は出稼ぎの人が増えて、出稼ぎに行く時のアシスタントツールみたいな(使い方とか)。

田中:あと、日本で領域特化のモデルを作るという意味では、かなり強みがあるかなと思ってます。AGI(人間のような汎用的な知能を持つ人工知能)のお話からちょっと逆行するんですけれど。松尾先生の内容にもあったように、まずは何かのタスクに対して特化したようなモデルという部分では、GAFAとかほかのto Bのでっかい企業に対して勝ち筋があるので。

茶圓:でも世界に比べたら「日本のデータなんて知れてません?」と思う派なんですけど、どうなんですかね。

田中:例えばですけれども、日本って製造業が強いじゃないですか。製造って絶対にCADのデータを使っていると思うんですよ。今GPTがCADのデータの拡張子を扱えるかと言ったら、扱えないんですよね。

そういったCADのデータとか、日本固有で持っているようなドメイン特化のデータをがっつり学習して、例えば自動的にCADを描いてくれるとか。

茶圓:自動でCADが使えたら、めっちゃ良いですね。

田中:そういうのはまだできてないので、やはり特化したモデルで鋭く刺しにいくのが大事なのかなと思ってます。

日本とアメリカのビジネス利用率の差

木内:一方で、今のはスタートアップとかプレイヤー側の話だったじゃないですか。利用者側の話で言うと、GMOリサーチが10月に出してるデータでは、日本のビジネス利用率は18.7パーセント。対するアメリカは29.5パーセントってことで、1.6倍くらい開きがあります。

ポジショントークも含まれてると思いますが、サム・アルトマンの発表で「米誌フォーチュン500(社番付に入る企業)では8割以上がChatGPTを導入してるよ」ってことで。日本は孫(正義)社長も言ってましたけど、大企業で使ってるのは10パーセントくらいじゃないかと。

この差をどう埋めていったらいいのかは課題ですし、逆に日本にとっては明るい未来かなと思ってます。日本ってDXもそうですし、アメリカに4~5年遅れて導入されるじゃないですか。そう考えるとAIがこれから3倍ないし8倍、9倍と、みんな使っていくのが24年になるんじゃないのかなと、個人的には思ってます。

茶圓:僕らの周りは仕事でAIを使いますけど、ぶっちゃけ、あおちゃんぺさんの周りは(AIを)使ってるんかなって、すごく疑問なんですけど。

あおちゃんぺ:AIってそんなに生活に溶け込んでいるものですか? 私、使ってるってあんまり思った時ないかも……あ、でも私のグッズを売る通販の、グッズの説明文をAIに書かせました。

茶圓:おお、使ってるじゃないですか(笑)。

DaiGo:ベタな使い方でいいですね(笑)。

あおちゃんぺ:でもその時ぐらいかもしれないです(笑)。

茶圓:普通に生きてたら使わない問題があるので、勝手に使われるようにするには、やはりスマホに入り込んでくるのがいいんですけど。スマホに入ったとて、そんなに使わないんじゃないか問題も(笑)。

あおちゃんぺ:でも検索ワードとか、勝手に予測変換してくるじゃないですか。あれもAIですよね?

茶圓:あれも多少予測は使ってると思いますね。

あおちゃんぺ:そういうところでは使ってるかな。

DaiGo氏がやっているAI活用法

木内:DaiGoさんはふだん、どういうAI活用をされてるんですか?

茶圓:それ気になります。論文を学習する時とかですかね。

DaiGo:僕は普通に壁打ちの相手になってますね。もともと僕は独り言を言う癖があって。子どもの頃から友だちがぜんぜんいなかったんで、ずっと独り言を言ってたんですよ。今37歳なんですけど、独り言だけで、たぶん普通の人間の200年分ぐらいしゃべってるんですよ。

茶圓:(笑)。相当しゃべってますね。いつもは猫ちゃんに語りかけて。

DaiGo:いつも猫にしゃべってるんですけど、AIは言い方を変えて話しかけると、いちいち返ってくる反応が変わるので。良い意味でも悪い意味でも、自分にノイズを入れるのにすごく使えます。

論文とかに特化してるAIも今は出てきてるじゃないですか。ああいうのよりかは、ちょっとずれてることを言ったりしてくれたほうがおもしろいというか。

茶圓:なるほど、なるほど。

DaiGo:そういう意味で言うと、アイデア出しにはめちゃくちゃ使えるなと思いますけどね。

茶圓:確かに孫さんも「AIのほうが役員より安く使える」みたいなコメントをしてたように、AI同士で役割を決めて議論もできたりするので、そんな使い方もいいなと思います。

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